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【星野リゾートBEB】物価高時代の若年層集客術。「卒旅×コミコミ価格×SNS」でLTVを高める戦略

【BEB by 星野リゾート】物価高に負けない学生の思い出作りを応援!朝食もアクティビティも込みの太っ腹な「学生限定!BEB卒旅エコひいきプラン」を販売
CoCoRo編集部

本記事のポイント

  1. 物価高を逆手に取り、追加料金不要の「体験込みプラン」でお得感と安心感を醸成
  2. 「思い出のシェア」を条件にしたSNSキャンペーンで、認知拡大と次回利用(LTV)へ繋げる
  3. 地域特性を活かした朝食・アクティビティをパッケージ化し、若年層の「コト消費」ニーズに対応

ニュースの概要

星野リゾートが展開する、若年層やグループ旅行をターゲットとしたホテルブランド「BEB by 星野リゾート」は、2026年1月4日から3月31日にかけて、学生限定の宿泊プラン「学生限定!BEB卒旅エコひいきプラン」を販売開始しました。

本プランは、近年の物価高や円安を背景に、国内旅行回帰が進む学生層をターゲットに設計されています。最大の特徴は、宿泊費に「地域色豊かな朝食」と「施設ごとのアクティビティ」が含まれており、追加料金なしで充実した滞在が楽しめる点です。

対象となるのは「BEB5軽井沢」「BEB5土浦」「BEB5沖縄瀬良垣」の3施設。例えば軽井沢ではスケート体験、土浦では自転車で作るスムージー、沖縄ではバレルサウナなど、各地域の特性を活かした体験コンテンツがセットになっています。さらに、Instagramでの投稿を条件に次回の宿泊券が当たるキャンペーンも同時開催し、学生最後の思い出作りを支援するとともに、リピーター獲得を狙います。

若年層集客には「明朗会計」と「シェアしたくなる体験」のセット提案が有効

予算への安心感が、学生グループの予約決定打になる

Z世代を中心とした学生層の集客において、今回のBEBの事例から学べるのは「トータルコストが見えやすいパッケージング」の重要性です。

宿泊費自体を極端に安売りするのではなく、滞在中の食事やアクティビティをインクルーシブ(料金込み)にすることで、顧客単価を維持しながらも、ユーザーには「割安感」と「予算オーバーの心配がない安心感」を提供しています。

物価高により「メリハリ消費」が進む学生心理

背景には、若年層特有の消費行動の変化があると考えられます。

株式会社マイナビなどの調査でも示されている通り、学生旅行では「費用は抑えたいが、仲間と盛り上がる体験にはお金を使いたい」というメリハリ消費の傾向が見られます。

また、物価上昇が続く中、現地での追加出費は学生にとって大きな不安要素です。「朝食も遊びも込み」という明快なプラン設計は、幹事がグループ内で提案しやすく、予約の意思決定ハードルを下げる効果が期待できるでしょう。

具体例と示唆:UGC(口コミ)を生み出す仕掛けづくり

本プランのもう一つの注目点は、Instagramキャンペーンを絡めた販促戦略です。

  • 地域性を活かした「映える」コンテンツ
    • 軽井沢:高原の朝食、スケートリンク、未来への手紙
    • 土浦:メロンまるごとクリームソーダ、自転車体験
    • 沖縄:トロピカルモーニング、サウナ、シーサーパックこれらは単に食べる・遊ぶだけでなく、「写真や動画に撮ってシェアしたくなる」ビジュアル要素が強く意識されています。
  • ハッシュタグキャンペーンによる拡散と再来訪促進
    • 宿泊者がハッシュタグ「#BEB卒旅」をつけて投稿することで、次回の宿泊券が当たる仕組みを導入しています。これにより、自然な形でSNS上にUGC(ユーザー生成コンテンツ)が溢れ、同世代への認知拡大(広告効果)が見込めます。
    • また、「次回の宿泊券」をインセンティブにすることで、卒業後も顧客との関係を維持しようとするLTV(顧客生涯価値)向上の意図も読み取れます。
編集部の視点

自施設で同様の施策を検討する場合、必ずしも大規模なアクティビティを用意する必要はありません。例えば、「卓球大会」「ボードゲーム貸出」「地元の銘菓セット」など、オペレーション負荷の低いサービスであっても、「学生限定」「追加料金なし」としてパッケージ化することで、付加価値として訴求できる可能性があります。重要なのは、「ここでしか撮れない思い出」を具体的にイメージさせることです。

単価アップよりも「ファン化」を狙う

学生ターゲットのプランは、短期的な収益確保だけでなく、将来の優良顧客を育てる「ファン化」の機会と捉えることが重要です。

「BEB」の事例のように、体験価値を高めることで満足度を上げ、SNSでの拡散を促すサイクルを作ることが、結果として広告費を抑えた効率的な集客につながるのではないでしょうか。

まとめ:次に検討すべきアクション

もし学生・若年層の集客強化を検討されているなら、以下の視点で既存プランを見直してみてはいかがでしょうか。

  • 「込み込みプラン」の造成:朝食や館内利用券、レンタサイクルなどをセットにし、トータル予算が見えやすいプランを作る。
  • SNS投稿特典の導入:ハッシュタグ投稿を条件に、レイトチェックアウトやドリンクサービスなどを提供し、情報の拡散を図る。
  • 「コト消費」の可視化:館内で過ごす時間が「思い出」になるようなシーン(フォトスポットや体験)を具体的に写真で提案する。

出典:PR TIMES『【BEB by 星野リゾート】物価高に負けない学生の思い出作りを応援!朝食もアクティビティも込みの太っ腹な「学生限定!BEB卒旅エコひいきプラン」を販売』(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001788.000033064.html

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