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アゴダ「2026年トラベルトレンド」発表から読み解く、国内回帰と新たな宿泊ニーズ

アゴダ、アジアの「2026年 トラベルトレンド5選」を発表
CoCoRo編集部

本記事のポイント

  1. 日本人旅行者の約7割が「2026年は国内旅行を増やす」と回答し、関心は海外から国内再発見へシフト。
  2. 「食体験」「コスパ」「マイクロツーリズム(短期旅行)」が、これからの集客における重要キーワードに。
  3. 2026年に向けて、近隣エリアからの誘客強化と、AI検索を意識した情報発信がカギとなる。

ニュースの概要

デジタル旅行プラットフォーム「アゴダ」を運営するAgoda Company Pte. Ltd.は、2025年11月25日、アジア太平洋地域の旅行動向をまとめた「Agoda 2026 トラベルアウトルックレポート」を発表しました。この調査は日本を含むアジア9カ国・地域の旅行者3,353名を対象に行われたものです。

レポートによると、アジア全体で「自国を再発見する旅」への関心が高まっており、特に日本市場ではその傾向が顕著であることが明らかになりました。日本人旅行者の67%が「2026年は国内旅行を増やす予定」と回答しており、これは前年の20%から大幅な上昇を見せています。

また、調査結果からは「費用対効果の重視」「家族や夫婦での短期旅行の増加」「AI活用の浸透」といった、次世代の旅行スタイルを象徴する5つのトレンドが導き出されています。

国内回帰と「マイクロツーリズム」の定着が進む

2026年は「身近な価値」の再提案が最大の商機

インバウンド需要の回復が注目される一方で、国内旅行者(日本人客)の意識は、海外旅行から「国内の魅力再発見」へと大きく回帰しているようです。宿泊施設にとっては、遠方からの観光客だけでなく、近隣あるいは国内からのリピーター獲得に向けた戦略が、これまで以上に経営の安定化に寄与すると言えるでしょう。

物価高と心理的変化が「近場・短期間」を後押し

このシフトの背景には、円安や物価高騰による「コスパ意識(費用対効果の重視)」の高まりがあると考えられます。しかし、単に節約志向というだけでなく、「身近な場所で、手軽に、深い体験をしたい」という心理的なニーズの変化も見逃せません。

アゴダの調査結果が示すように、日本人の約6割が1〜3日の短期旅行(マイクロツーリズム)を計画している点は非常に示唆的です。長期休暇を待たずに、週末や連休を使って「サクッとリフレッシュしたい」という需要が定着しつつあるのではないでしょうか。

具体例:アゴダが発表した「2026年トラベルトレンド5選」

今回の発表で挙げられた5つのトレンドについて、宿泊事業者が意識すべきポイントを整理します。

1. 旅は“自分の国”から始まる:国内旅行の拡大

日本人の67%が国内旅行を増やす意向を示しています。特徴的なのは、定番の観光地だけでなく「地方の二次都市」や「隠れた名所」への関心が高まっている点です。

【編集部の視点】

有名観光地へのアクセスだけでなく、「宿の周辺にある、知られざる散歩道やローカルなスポット」を提案することで、旅慣れた層の満足度を高められるかもしれません。

2. “食”が旅の目的の中心に

アジア全体で「グルメ目的」がトップ3入りし、日本でも約3人に1人(32%)が「食体験」を主目的としています。

【編集部の視点】

豪華な懐石料理だけでなく、地元の食材を使った朝食や、地域固有の食文化体験(食べ歩きマップの提供など)が強力なコンテンツになります。

3. “お得感”が旅の決め手に

宿泊先選びで「価格(39%)」が「立地」や「口コミ」を上回りました。日本人も63%が予算を重視しています。

【編集部の視点】

単なる値下げ競争ではなく、「この価格でこれだけの体験ができる」というバリューの提示が重要です。早期予約特典や、食事なしプランの充実などで「お得感」を演出する工夫が求められます。

4. 家族・夫婦での短期旅行が主流に

日本では1〜3日の短期旅行を計画する人が59%と最多でした。また、家族旅行(32%)や夫婦・カップル旅行(24%)が好まれる傾向にあります。

【編集部の視点】

「金曜の夜から出発」「近場で1泊2日」といったマイクロツーリズム向けのプラン造成が有効です。また、家族やカップル向けに、プライベート感を重視した貸切風呂や部屋食などのオプションも強みになるでしょう。

5. AIが新たな旅のパートナーに

旅行計画にAIを活用したいという層がアジアで63%に達しました。翻訳や旅程作成での利用が進んでいます。

編集部の視点

旅行者がAIを使って検索した際に、自施設の魅力が正しく伝わるよう、OTAや公式サイトの情報を整理しておく必要があります(テキスト情報の充実など)。

まとめ:足元の需要を確実に取り込む

インバウンドの活況に目を奪われがちですが、データの通り、国内旅行者の「国内回帰」は確実なトレンドとなっています。「食」「短期間」「コスパ」というキーワードを押さえ、マイクロツーリズム需要に応える商品を展開することが、2026年の集客を成功させるカギとなるはずです。

次に取るべきアクション

  • ショートステイプランの造成:1泊2日や週末利用をターゲットにした、気軽なリフレッシュプランを検討する。
  • 「食」のコンテンツ化:館内での食事提供だけでなく、周辺飲食店の情報も含めた「食の体験」としての魅力発信を強化する。
  • デジタル情報の整備:AI検索や自動翻訳に対応できるよう、公式サイトやOTAの施設説明文を具体的かつ最新の状態に更新する。

出典:PR TIMES『アゴダ、アジアの「2026年 トラベルトレンド5選」を発表』(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000035.000152576.html

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