宿泊・旅行業界ニュース

【顧客体験(CX)】向上と業務効率化を両立するには?鹿島槍スキー場の2025-26新展開に学ぶ

【鹿島槍スキー場】2025-26シーズン新展開! 中綱チケットセンター改装やSKIOSK®導入でより快適なスキー場へ
takuma.kinugawa

本記事のポイント

  • 手続きの「自動化」により、現場スタッフの負担軽減と顧客の待ち時間短縮を同時に実現する視点
  • 動線設計や照明の見直しなど、ハード面の改善が「スムーズな顧客体験」に与える影響
  • ファミリー層や上級者など、ターゲットごとのニーズを深く満たすコンテンツ作りの重要性

ニュースの概要

長野県大町市の「鹿島槍スキー場」は、2025-26シーズンに向けた大規模なリニューアルと新展開を発表しました。昨シーズンから続くエリア整備をさらに強化し、顧客満足度の向上と運営の効率化を図る狙いが見受けられます。

主な取り組みとして、中綱エリアのチケットセンターを改装し、自動発券機「SKIOSK®」を導入することでチケット購入の無人化・スムーズ化を推進。また、レンタルショップ内のレイアウトや動線を見直し、手続きから受け渡しまでのオペレーション改善も実施されます。

コンテンツ面では、地形を活かした新フリーライドパーク「DSP」の開設や、人気コンテンツ「ポケモンスノーアドベンチャー」の継続・パワーアップが予定されており、ビギナーから上級者、ファミリー層まで幅広い層に向けた体験価値の向上が図られています。

結論:手続きは「短縮」、体験は「深化」。このメリハリが満足度を高める

今回のニュースから読み取れる宿泊・観光業界への重要な示唆は、「顧客にとってのストレス(待ち時間・手続き)」を徹底的に減らし、「本来の楽しみ(体験)」に時間を割いてもらう環境作りの重要性です。

人手不足が深刻な課題となる中、チケット発券やレンタル手続きといった「事務的な作業」をテクノロジーや動線設計で効率化することは、単なるコスト削減以上の意味を持ちます。それは、お客様が施設に到着してから遊び始めるまでの「リードタイム」を短縮し、顧客体験(CX)の質を底上げすることに直結するからです。

理由:限られた人的リソースを「付加価値」に集中させるために

なぜ今、こうした「効率化」と「コンテンツ強化」の両輪が必要なのでしょうか。

第一に、観光・宿泊業界における「人材の最適配置」が急務だからです。単純な受付業務や手続きに多くのスタッフを割く余裕は、多くの現場で失われつつあります。デジタルツールを活用して定型業務を省人化できれば、浮いたリソースを「安全管理」や「お客様への細やかなサポート」「企画・運営」といった、人にしかできない高付加価値な業務に振り向けることができます。

第二に、顧客の「タイムパフォーマンス(タイパ)」意識の高まりが挙げられます。せっかくの旅行中に、行列や煩雑な手続きで時間を浪費することは、現代の旅行者にとって大きなマイナス要因となり得ます。「スムーズに遊べる」「快適に過ごせる」という土台があって初めて、魅力的なコンテンツ(雪遊びやパーク)が評価されると言えるでしょう。

事例解説:鹿島槍スキー場の「ストレスフリー」への取り組み

具体的に、鹿島槍スキー場の取り組みを「効率化」と「体験価値」の視点で見ていきましょう。

1. 自動発券機「SKIOSK®」導入によるDX

チケットセンターに導入される自動発券機は、オンラインで購入したチケットを無人で発券できる仕組みです。これにより、有人カウンターの混雑が緩和され、お客様はスムーズにゲレンデへ向かうことができます。スタッフにとっては、発券業務の負担が減り、トラブル対応や案内業務に集中しやすくなるメリットがあります。

2. レンタルショップの動線と空間の刷新

レンタルショップ「SPICY」では、アイテムの更新だけでなく、店内のレイアウトと動線を根本から見直しています。壁面の塗装や照明のリニューアルも行い、明るく快適な空間を演出。

宿泊施設においても、フロントやロビーの動線、照明の明るさが第一印象を左右するように、物理的な環境改善がオペレーションの円滑化と顧客心理に好影響を与える好例です。

3. ターゲット別コンテンツの深掘り

  • 上級者・愛好家向け: 地形を活かしたフリーライドパーク「DSP」を新設。プロ監修のもと、自然な流れを楽しめるコースを造成しています。
  • ファミリー向け: 「ポケモンスノーアドベンチャー」や託児サービス、室内プレイランド、レストランのファミリー優先席など、家族連れが「安心して長時間滞在できる」環境を整備しています。

このように、全方位を狙いつつも、それぞれのターゲットに刺さるコンテンツを明確に用意している点が特徴です。

自社の現場でどう活かせるか

今回の事例は、スキー場に限らず、ホテルや旅館の運営にも多くのヒントを与えてくれます。

  • チェックイン・アウトの簡素化
    • 自動精算機や事前チェックインシステムの導入で、フロントの混雑を解消できないか。
  • バックヤード・動線の見直し
    • 従業員やお客様の動線上に「無駄な動き」や「滞留」が発生していないか。レイアウトの変更だけで改善できることはないか。
  • ターゲット別の「安心材料」の提供
    • ファミリー層向けに「優先席」や「キッズスペース」を明示するなど、特定の層が選びたくなる(安心できる)要素を情報発信できているか。

「最新機器の導入は予算的に難しい」という場合でも、「お客様の待ち時間を1分でも減らすには?」「スタッフが接客にもっと時間を使うには?」といった視点で、既存のオペレーションを見直してみる価値はあるでしょう。

まとめ

  • 事務的な手続きを「自動化・効率化」し、お客様の時間を「体験」に還元する視点が重要です。
  • レンタルショップの事例のように、動線や照明などのハード面を見直すことも、オペレーション改善とCS向上に有効です。
  • 効率化で生まれた余力で、ターゲット(ファミリーや愛好家など)に特化したコンテンツや安心感を提供することが、選ばれる理由になります。
  • 2025-26シーズンに向け、自館の「無駄」を省き「魅力」を磨く準備を進めてみてはいかがでしょうか。

出典:PR TIMES『【鹿島槍スキー場】2025-26シーズン新展開! 中綱チケットセンター改装やSKIOSK®導入でより快適なスキー場へ』(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000181.000031800.html

cocoro-lockup-logo-mark-tagline-ja-horizontal
CoCoRo_mockup

スタッフのやりがい向上や離職防止に課題を感じていませんか?

お問い合わせはこちら
CoCoRoのご紹介資料はこちら
CoCoRo編集部
CoCoRo編集部
CoCoRo編集部
サービス業支援メディア運営チーム
CoCoRo編集部は、「感謝の気持ちをカタチにする」ことをテーマに、サービス業界における新しい価値創造を目指す情報発信チームです。​デジタルギフティングや従業員エンゲージメントの向上に関する最新トレンド、導入事例、業界インタビューなど、現場で役立つ実践的なコンテンツをお届けしています。​おもてなしの心をデジタルでつなぐCoCoRoの世界観を、より多くの方々に知っていただくため、日々情報を発信しています。​
記事URLをコピーしました