2025.12.02

FAV LUX 宮崎本格サウナで整うウェルネス滞在のポイント

CoCoRo編集部

FAV LUX 宮崎は、宮崎市中心部の大淀川沿いに本格サウナと低酸素ジムを備えたウェルネス志向の新ホテルとして2026年夏に開業予定です。宮崎県の自然・アクティビティ・食の魅力を背景に、「整う」体験にフォーカスしたFAV LUX 宮崎のコンセプトは、今後の宿泊業にとってウェルネス×グループステイのモデルケースになり得るでしょう。
本記事では、FAV LUX 宮崎の特徴を整理しながら、他のホテル・旅館が自社の開発やリニューアル、商品設計にどう活かせるかを解説します。

この記事の目次

本記事のポイント
ニュースの概要
FAV LUX 宮崎が示す宿泊業にとってのポイント
FAV LUX 宮崎の開業背景と理由の整理
具体的な取り組み・ニュース内容の解説
自社への活かし方のヒント
まとめ
企業情報
本リリースに関するお問い合わせ
出典表記

本記事のポイント

FAV LUX 宮崎のサウナ・テラス外気浴・低酸素ジムなど、ウェルネス特化型ホテルの設計ポイントを整理
グループステイ需要を取り込む客室構成や料金設計から、地方シティホテル・リゾートのヒントを抽出
FAV LUX 宮崎の開業記念プランを参考に、開業・リブランド時のキャンペーン設計と販売戦略を考察

ニュースの概要

fav hospitality group株式会社（FHG）は、霞ヶ関キャピタルグループの一員として、2026年夏に「FAV LUX 宮崎」を開業します。宮崎市中心部を流れる大淀川を望むロケーションに位置し、青島・日南海岸エリアやゴルフ・サーフィンなど多彩なアクティビティへのアクセスも意識した立地です。

FAV LUX 宮崎は全41室・6タイプの客室で構成され、最大6名まで泊まれるグループステイ対応型の客室ラインナップが特徴です。83㎡のサウナ付きスイートや、サウナしきじの娘である笹野美紀恵氏プロデュースの「サウナージュ」付き客室など、サウナを軸にした客室商品が用意されています。

館内には宿泊者専用のスパ＆サウナ、標高2,500m相当の環境を再現した低酸素ジム「LOX-Fit」を設置。ロウリュ機能付きサウナストーブや温度の異なる2種の水風呂、テラスでの外気浴など、滞在中に「整う」体験が完結する構成です。朝食から夕食まで利用できるオールデイダイニングでは、地場食材を活かしたメニュー提供も予定されています。

また、FAV LUX 宮崎では12月1日から予約受付を開始し、開業記念として宿泊料30％割引の特別プランを販売期間2025/12/1～2026/1/31、宿泊対象日2026/7/1以降で展開します。開業前からリピーター候補の囲い込みを狙う戦略的なキャンペーンと言えるでしょう。

FAV LUX 宮崎が示す宿泊業にとってのポイント

FAV LUX 宮崎のニュースは、「サウナ付きホテル」以上の示唆を、宿泊業全体に投げかけているように見えます。

1. サウナは“設備”ではなく“滞在価値”として設計する

FAV LUX 宮崎では、サウナ単体ではなく、以下のように「滞在導線」として設計されている点が特徴的です。

METOS社製オートロウリュサウナストーブ＋ベンチ下ヒーターの組み合わせ
15度・9度の2種類の水風呂で好みやコンディションに合わせたクールダウン
テラス外気浴スペースでのリバービュー外気浴

単に「サウナを置く」のではなく、ゲストがどう整い、どのように時間を過ごすかをストーリーとして描いている構成と言えるでしょう。観光庁が整理する観光コンテンツのトレンドでも、ウェルネスや体験型コンテンツは中長期の成長領域として位置付けられており、滞在そのものを「体験」として設計する重要性が高まっています。

他のホテル・旅館でも、

サウナ→水風呂→外気浴→客室での休息
温泉→リラクゼーションスペース→ローカルドリンク・軽食

といった、一連の「体験シーン」を前提に動線やサービスを設計しておくと、口コミやSNSでの語られ方が変わってくるかもしれません。

2. グループステイ×ウェルネスの掛け算

FAV LUX 宮崎は、最大6名まで泊まれる客室を複数タイプ用意し、「stay together, play together」というブランドの世界観を明確に打ち出しています。サウナ付きスイートやサウナージュ付き客室をグループステイ対応にすることで、

友人同士の「サ旅」
三世代や2家族での滞在
ワーケーション＋リトリートの小規模チーム利用

といった多様なニーズを一つのハードで取り込む設計になっています。

観光庁の生産性向上ハンドブックが示すように、宿泊事業者にとっては「顧客価値」と「業務生産性」を同時に高めることが重要であり、ターゲットを明確に絞った商品設計はその鍵の一つです。
FAV LUX 宮崎は、グループステイとウェルネスという2つの軸を組み合わせることで、客単価の向上と稼働の安定を狙っていると考えられます。

3. 地方シティホテルでも「ウェルネス」を基軸にできる

宮崎市中心部というロケーションは、「純粋なリゾート」でも「ビジネス一辺倒」でもない中間的なポジションです。その中でFAV LUX 宮崎は、

サウナ・スパ・低酸素ジムで滞在中のウェルネス体験を完結
青島・日南海岸やゴルフ・サーフィンへのアクセス拠点
地域食材を活かしたダイニングでローカルガストロノミーを表現

といった形で、「都市型×ウェルネスリゾート」を志向しています。

同様に、地方中核都市のホテル・旅館でも、

小規模サウナ＋簡易ジム＋朝のストレッチプログラム
近隣のスポーツ施設や温浴施設との提携
地元食材を使った“ととのいごはん”メニュー

など、規模に応じたウェルネス導入が検討できそうです。

このようにFAV LUX 宮崎は、地方都市における「ウェルネス特化型ホテル」の一つの方向性を示していると言えるのではないでしょうか。

FAV LUX 宮崎の開業背景と理由の整理

ここでは、FAV LUX 宮崎というプロジェクトの背景を、マーケットの変化と観光政策の文脈も踏まえて整理します。

1. ウェルネスツーリズムと体験型消費の伸長

観光庁のトレンド調査でも、世界的な観光コンテンツの潮流として「ウェルネス」「ネイチャーアクティビティ」「生活没入」などが挙げられています。
単に観光地を巡るだけでなく、「心身を整える」「その土地の暮らしや文化に触れる」体験へのニーズが高まっているという整理です。

FAV LUX 宮崎は、

サウナ・外気浴・低酸素ジムで“身体を整える”
大淀川・宮崎の海・神話由来のスポットで“自然と文化に触れる”
地産地消の食で“地域の暮らしを味わう”

という構成で、このトレンドにまさに正面から応えていると言えそうです。

特に、旅行中は食事や睡眠が乱れがちな一方で「仕事の疲れをリセットしたい」「アクティビティの前後にコンディションを整えたい」といったニーズは増えています。そこにFAV LUX 宮崎のような“滞在型ウェルネス拠点”があることは、訪問先の選定理由にもなり得るでしょう。

2. グループステイ市場と地方シティのポジショニング

FHGグループは「fav」「FAV LUX」「seven x seven」「edit x seven」など、グループステイを軸にブランド展開を進めています。FAV LUX 宮崎も最大6名まで宿泊できる客室構成により、

1室あたりの売上最大化（人数増＋付帯消費）
仲間内や家族で“シェア”することで単価と満足度の両立
1室を複数用途（観光・ワーケーション・小規模合宿）に活用

といったメリットを狙っていると考えられます。

地方シティホテルでは、ビジネス一人客中心の客室構成から、少人数～中人数のグループ利用へ比重を移していくことで、

清掃やアメニティのオペレーションを整理しやすい
同じフロア・同じタイプで稼働を固めやすい
予約チャネルを“グループ旅行”“アクティビティ付きプラン”へ拡張しやすい

という効果も期待できます。FAV LUX 宮崎の事例は、こうした方向性を検討する際の具体的なイメージとして参考になりそうです。

3. インバウンドと多様な食習慣・滞在スタイルへの対応

今後、宮崎を訪れるインバウンド客も増加していくことが見込まれる中で、FAV LUX 宮崎のようなウェルネス＆グループステイ型ホテルは、多様なニーズの受け皿にもなり得ます。

旅館向けインバウンド受入ポイント集では、外国人旅行者からの声として、

洋朝食やコーヒーの選択肢がある安心感
英語表記のメニュー・案内の重要性
箸にチャレンジしつつフォークやナイフも選べる状況の好ましさ

などが挙げられています。

FAV LUX 宮崎のオールデイダイニングでも、こうした観点を取り入れることで、

ウェルネス志向の朝食（高たんぱく・低糖質・ベジフレンドリーなど）
多言語メニュー表記やアレルギー・宗教対応の明示
サウナ後に楽しめるローカルドリンク・軽食の提案

といった形で、インバウンドと国内客の双方にとって満足度の高い体験を設計しやすくなるでしょう。

具体的な取り組み・ニュース内容の解説

ここからは、FAV LUX 宮崎の具体的なハード・ソフトの内容を、宿泊業の視点で整理します。

1. 本格スパ＆サウナの構成

FAV LUX 宮崎のスパ＆サウナは、宿泊者専用・6:00〜12:00／15:00〜24:00という長い営業時間が特徴です。

主なポイントは次のとおりです。

METOS社製オートロウリュ機能付きサウナストーブ＋ベンチ下ヒーター
→ 温度ムラを抑えつつ、ロウリュによる体感温度の変化を演出
水温の異なる2種の水風呂（15度・9度）
→ サウナ上級者からライトユーザーまで幅広いニーズに対応
テラス外気浴スペース
→ 大淀川の風を感じながら整える非日常感を演出

宿泊業の実務としては、

サウナ機器のメンテナンス計画とコスト（ストーブ・チラー・換気）
清掃・タオル・水質管理などのオペレーション設計
利用者数と回転率を踏まえた導線計画（動線が交差しないようにするなど）

といった点を、開業前から精度高くシミュレーションしておくことが重要になります。

特に、サウナ人気に乗って導入したものの、

想定以上に混雑し、安全管理が追いつかない
クリーニングや水質管理の手間・コストが膨らむ
館内の他の動線と干渉してしまう

といったケースも少なくありません。FAV LUX 宮崎のように「営業時間」「専用テラス」「宿泊者限定」といったルール設計は、オペレーションと体験価値のバランスを取るヒントになりそうです。

2. サウナ付き客室を含む客室ラインナップ

FAV LUX 宮崎の客室は全6タイプ・41室で、主な構成は以下のとおりです。

バンク（40㎡／最大6名）19室
クイーンツイン（40㎡／最大4名）5室
サウナキング（40㎡／2名／サウナージュ付き）5室
ジャパニーズモダン（35㎡／最大6名）10室
サウナスイート（83㎡＋40㎡バルコニー／最大6名／METOS社製サウナ付き）1室
バンク with ヘラルボニー（40㎡／最大6名）1室

ポイントは、

ボリュームゾーンに「40㎡で4〜6名対応」の客室を多数配置
ピークシーズンはグループ利用で客単価を上げつつ、閑散期は少人数も受け入れ可能
サウナ付き客室は“目玉商品”としてPRしつつ、供給数を絞って収益性を確保

というバランス設計がなされていることです。

自社でサウナ付き客室やコンセプトルームを検討する場合も、

全室サウナ付きにするのではなく、売れ筋の1〜2タイプに絞る
清掃・保守が複雑になりすぎないよう、設備仕様を共通化する
コンセプトルームは「話題づくりとブランド体験の入口」と割り切る

といった考え方を持っておくと、投資回収の見通しを立てやすくなります。

3. 低酸素ジム「LOX-Fit」の導入効果

標高2,500m相当の環境を再現する低酸素ジム「LOX-Fit」を、宿泊者専用で無料提供する点も、FAV LUX 宮崎ならではの特徴です。

30分程度のウォーキングでも高い運動効果が期待できる
トップアスリートの高地トレーニングの要素を手軽に体験できる
サウナや温浴と組み合わせることで、リカバリー・コンディショニングの価値を高められる

といったメリットがあります。

宿泊業の視点では、

通常のフィットネスルームとの差別化
健康志向・スポーツ合宿・トレーニング目的の滞在需要の取り込み
ドクター監修プランやスポーツイベントとのタイアップの可能性

など、追加の収益機会の“タネ”になるかもしれません。

一方で、設備投資とメンテナンス、専門知識を持ったスタッフの確保など、ハードルも少なくありません。すべてを自前で導入せず、

周辺のスポーツ施設・ジムとの業務提携
出張型トレーナー・インストラクターとの協業
既存のフィットネスルーム＋プログラム開発（モーニングストレッチ・ヨガなど）

といった段階的なアプローチも、自社に合った形で検討しておくと良さそうです。

4. 開業記念30％OFFプランの位置づけ

FAV LUX 宮崎では、販売期間2025/12/1～2026/1/31、宿泊対象日2026/7/1以降という条件で「宿泊料30％割引」の開業記念プランを販売します。

この設計には、

開業半年前の早期からターゲット層の予約・会員登録を促す
夏のハイシーズンに合わせて話題づくりと初期レビューを獲得する
価格だけでなく「サウナ・ジム・グループステイ体験」をセットで訴求する

といった意図がうかがえます。

他の施設でも、

オープンや大規模リニューアルの半年〜数ヶ月前から、限定割引プランを設計
公式サイト予約特典（レイトチェックアウト、ドリンクサービスなど）を組み合わせる
「体験価値」を軸にしたネーミング（例：サ旅応援プラン、リカバリーステイプラン）

といった形で、自社らしい開業プロモーションを設計しておくと、スタートダッシュに繋がりやすくなるのではないでしょうか。

自社への活かし方のヒント

最後に、FAV LUX 宮崎の取り組みを、自社のホテル・旅館でどう活かせるかを具体的なアクションの形に落とし込んでみます。

1. まずは「自施設版FAV LUX 宮崎コンセプト」を一行で言語化する

観光庁の経営改善ハンドブックでは、「施設の生産性」「業務の生産性」「顧客価値」の3観点で自社の強み・弱みを整理することが推奨されています。

FAV LUX 宮崎は、「宮崎の自然と街を楽しむグループ向けウェルネスホテル」といったコンセプトを、一貫したハード・ソフトで体現していると言えるでしょう。

自施設でも、

温泉地なら「温泉×サウナ×ローカルアクティビティ」
都市なら「シティビュー×ナイトサウナ×バー」
農村なら「サウナ×農体験×ローカルフード」

など、「FAV LUX 宮崎の自分たちなりの解釈」を一行でまとめるワークをチームで行うと、施策の方向性が揃いやすくなります。

2. 低投資で始められる“ウェルネス導入”から着手する

FAV LUX 宮崎のように本格サウナや低酸素ジムを導入するのはハードルが高いと感じる施設も多いはずです。その場合は、次のような低投資施策から検討してみるのも一つの手です。

既存浴場のサウナに「ロウリュサービス」や香り付きアロマ水を導入
外気浴用のインフィニティチェアやリクライニングチェアを増設
朝・夜のストレッチ会、瞑想タイムなどの無料プログラムを設定
ウェルネス志向の朝食メニュー（プロテインヨーグルト、地元野菜のスムージーなど）を試験導入

これらは比較的少ない投資で始められる一方で、「整う旅」「心と身体をリセットする滞在」といったメッセージを打ち出しやすくなります。

3. グループステイ前提の客室・料金設計を見直す

FAV LUX 宮崎のように、最大6名まで泊まれる客室構成は、グループマーケットを取り込みたい施設にとって参考になります。

すべての客室を改装できなくても、

既存の和室・大部屋を「グループステイ専用タイプ」として位置付け直す
3〜4名利用時の料金体系（1人あたり単価）を分かりやすく設定
サウナ・温泉・アクティビティ付きの「グループ向けパッケージプラン」を企画

といった工夫で、実質的にグループステイ対応を強化することができます。

また、グループ利用の方が一人当たりの単価を上げやすい一方で、清掃・フロント対応をまとめやすく、業務効率化にも繋がる可能性があります。

4. インバウンドも見据えた「多様性に配慮したウェルネス体験」

今後、FAV LUX 宮崎のようなサウナやスパを目的に訪日するゲストも増えていくかもしれません。その際にポイントとなるのが、多様な文化・食習慣への配慮です。旅館向けのインバウンド対応資料では、

英語・多言語での利用方法案内（サウナ・温泉のマナーなど）
食事におけるベジタリアン・ムスリム対応の工夫
スマホや翻訳アプリを活用したコミュニケーション

の重要性がまとめられています。

FAV LUX 宮崎のような新施設だけでなく、既存の宿泊施設でも、

サウナや浴場の利用マナーをピクトグラム＋簡単な英語で掲示
朝食ビュッフェにベジ対応・ポークフリーの一角を設ける
予約確認メールや館内案内を多言語テンプレート化する

といった取り組みを進めておくと、海外ゲストの満足度向上とクレーム予防の両方に役立ちます。

まとめ

FAV LUX 宮崎は、本格サウナ・テラス外気浴・低酸素ジムを組み合わせたウェルネス特化型ホテルとして、宮崎市中心部に新たな滞在体験を生み出そうとしています。
グループステイ対応の客室構成とサウナ付き客室の組み合わせは、FAV LUX 宮崎ならではの強みであり、地方シティホテルやリゾートにとっても参考になるモデルと言えるでしょう。
自施設での応用としては、FAV LUX 宮崎のような「自分たちなりのウェルネスコンセプト」を一行で言語化し、低投資施策から順に導入していくアプローチを取っておくと安心です。
インバウンドを含む多様なゲストに対して、FAV LUX 宮崎のようなサウナ・スパ体験を提供する際は、多言語対応や食習慣への配慮もセットで考えるという選択肢もあります。