宿泊・旅行業界ニュース

東急ステイ渋谷 恵比寿 予約開始|恵比寿駅前ライフスタイルホテルの狙いとは

ホテルフロントと融合した「レセプションバーカウンター」イメージ
CoCoRo編集部

東急ステイ渋谷 恵比寿は、2026年3月17日の開業に向けて2025年12月1日から公式サイトで宿泊予約を開始しました。恵比寿駅前という都市型ロケーションに誕生するライフスタイルホテルとして、レセプションバーカウンターやオールデイダイニング「EZARO」など、滞在の「場づくり」を重視した構成が特徴です。

本記事では、ホテル・旅館など宿泊業の経営者・企画・現場マネージャーの方に向けて、今回のニュースを整理しつつ、自社の開発・リニューアル・商品企画にどう活かせるかを解説します。

本記事のポイント

  • 東急ステイ渋谷 恵比寿のコンセプトと客室・ダイニング・バー機能を整理し、都市型ライフスタイルホテルの最新トレンドをつかめます。
  • レセプションバーカウンターやオールデイダイニングを通じて、「ロビーを稼ぐ空間」に変えるヒントを学べます。
  • 自社のホテル・旅館で、東急ステイ渋谷 恵比寿の取り組みをどこまで応用できるかを考えるチェックポイントをまとめています。

ニュースの概要

東急リゾーツ&ステイ株式会社は、東京都渋谷区恵比寿西に「東急ステイ渋谷 恵比寿」を開業し、2026年3月17日から営業開始予定と発表しました。これに先立ち、2025年12月1日より公式サイトで宿泊予約をスタートし、開業記念プランも販売します。

東急ステイ渋谷 恵比寿は、恵比寿駅前のライフスタイルホテルとして、コンフォートダブルから最大4名まで対応可能なシグネチャーファミリーまで、4タイプ全77室を備えます。客室は「Essential Comfort(シンプルで本質的な心地よさ)」をテーマに、自然素材の家具と間接照明で長期滞在にも耐える居住性を重視しています。

館内2階には、オールデイダイニング「EZARO(エザロ)」を、株式会社オペレーションファクトリーと協業でオープン。朝食・ランチ・カフェ・ディナー・バーと、一日を通して利用できる飲食機能を配置し、「恵比寿の新しい食の拠点」を目指しています。

さらに、ホテルの顔となるフロントは、レセプションとバー機能を融合させた「レセプションバーカウンター」として設計。日中はワークや打ち合わせにも使える明るいラウンジ、夜はクラフト感あるバー空間として、恵比寿らしいナイトライフを感じさせる場を提供する構成です。

宿泊業にとってのポイント(東急ステイ渋谷 恵比寿の示唆)

東急ステイ渋谷 恵比寿のニュースは、「客室数77・恵比寿駅前」の新規開業情報にとどまらず、ホテル・旅館が今後どのように「ロビー」と「飲食」を設計していくかを考えるヒントが多い内容と言えるでしょう。

恵比寿駅前ライフスタイルホテルが示す都市型ニーズ

東急ステイ渋谷 恵比寿は、恵比寿駅前という利便性の高い立地で、短期から中長期まで幅広い滞在ニーズを想定しています。

  • 13〜38㎡の4タイプで、1〜4名まで柔軟に対応
  • 長期滞在を見据えたシンプルで機能的な設計
  • 周辺の飲食・物販との相性が良い「ライフスタイルホテル」コンセプト

都市型ホテルにおいては、「客室だけで完結しない滞在体験」が重視されており、東急ステイ渋谷 恵比寿もオールデイダイニングやレセプションバーカウンターを通じて、ホテル内外の行き来をシームレスにする狙いがあると考えられます。

地方のホテル・旅館であっても、駅前立地や繁華街近接の施設では、ライフスタイルホテル的な要素を一部取り入れることで、ミレニアル世代やインバウンド層への訴求力を高められるかもしれません。

レセプションバーカウンターが担う「場づくり」

東急ステイ渋谷 恵比寿の象徴的なポイントが、レセプション機能とバー機能を一体化したレセプションバーカウンターです。

  • 昼:自然光の入るオープンなカウンターとして、チェックイン・ワーク・軽い打ち合わせの場
  • 夜:照明と音楽で雰囲気を変え、バーらしい滞在価値を提供
  • 宿泊ゲストと地域住民、恵比寿を訪れる人々が交わる「交流の場」

ロビーを「ただの通過点」ではなく、「滞在してもらえる場」にすることは、客単価向上と口コミ創出の両面で効果的です。東急ステイ渋谷 恵比寿のレセプションバーカウンターは、その代表的な事例になるのではないでしょうか。

中小規模のホテル・旅館でも、レセプションと簡易バー機能を統合し、ウェルカムドリンクやナイトキャップサービスをセットにしたプランを用意するなど、スモールスタートの余地は十分にありそうです。

従業員エンゲージメントという観点

レセプションバーカウンターやオールデイダイニング「EZARO」は、従業員の働き方にも影響を与えます。

  • フロントスタッフが、チェックイン対応だけでなくバー体験の案内役も担う
  • ダイニングスタッフが、朝食からバータイムまでゲストと長い接点を持つ
  • 「人が集まり、会話が集うライフスタイルホテル」という東急ステイのブランドコンセプトを現場で体現

運営側の視点では、こうした複合的な役割が、従業員エンゲージメント向上の機会にも、マルチタスクによる負荷増大のリスクにもなり得ます。東急ステイ渋谷 恵比寿のような取り組みを参考にする際は、スタッフ教育・シフト設計・評価制度までセットで設計しておくと安心です。

背景と理由の整理|恵比寿エリアとライフスタイルホテルの潮流

東急ステイ渋谷 恵比寿が、恵比寿駅前にライフスタイルホテルとして開発された背景を整理すると、自社の立地とターゲットの見直しにもつながります。

インバウンドと国内需要が交差する「恵比寿」という立地

恵比寿は、飲食・アパレル・オフィスが混在するエリアであり、

  • ビジネス需要(渋谷・恵比寿・代官山へのアクセス)
  • レジャー・女子旅・カップル・家族などの週末需要
  • インバウンド旅行者の「ローカルな街歩き」ニーズ

が重なり合うエリアです。東急ステイ渋谷 恵比寿は、こうした多層的な需要に対応するため、客室タイプの幅とオールデイダイニングを組み合わせ、ライフスタイルホテルとしての柔軟性を持たせていると考えられます。

地方都市や観光地でも、「平日はビジネス・週末はレジャー」など、複数セグメントが交錯するケースは増えています。自社のエリア特性を改めて棚卸しし、ターゲットを明確化した商品設計を行うことが重要ではないでしょうか。

ライフスタイルホテル化の狙いと差別化ポイント

東急ステイ渋谷 恵比寿は、従来の東急ステイブランドが持つ「住まいのような機能的な客室」に加え、

  • Tokyo Artisanal Collectiveをコンセプトにした館内デザイン
  • コンクリート・煉瓦・職人の手仕事・光と色彩を組み合わせた多層的な空間
  • 恵比寿のバー文化と連動するレセプションバーカウンター
  • EZAROの本格イタリアンと豊富なドリンクラインナップ

といった「滞在のストーリー」を強く打ち出しています。「このホテルを目的に泊まりに行きたくなる理由づくり」に力を入れている点がポイントと言えそうです。

地域のホテル・旅館でも、「温泉」「食」「景色」といった強みを、ストーリーとして再編集して打ち出すことが求められており、本取り組みはその一つの参考になりそうです。

具体的な取り組み・ニュース内容の解説|東急ステイ渋谷 恵比寿の特徴

ここからは、ニュースリリースで発表されている東急ステイ渋谷 恵比寿の具体的な内容を、宿泊業目線で整理していきます。

客室構成と「Essential Comfort」の考え方

東急ステイ渋谷 恵比寿の客室は、以下の4タイプ・全77室です。

  • コンフォートダブル(13㎡/最大2名)
  • スーペリアクイーン(17㎡/最大2名)
  • デラックスツイン(26㎡/最大3名)
  • シグネチャーファミリー(38㎡/最大4名)

「Essential Comfort」というコンセプトのもと、

  • 木材やファブリックなどの自然素材を使った家具
  • 柔らかな間接照明による落ち着いた雰囲気
  • 余計な装飾を抑えたシンプルな設計

を通じて、長期滞在にも適した環境を整えています。

これは、地方の旅館・リゾートでも応用しやすい考え方です。最新設備を詰め込むより、「本当に必要な快適さは何か」を見直し、デザインと機能を絞り込むことで、原状復旧・修繕コストの抑制と顧客満足の両立が狙えるかもしれません。

開業記念プランとレセプションバーカウンターでのバー体験

東急ステイ渋谷 恵比寿では、公式サイト限定の開業記念プラン第1弾として、

  • 予約期間:2025年12月1日〜2026年2月28日
  • 対象宿泊期間:2026年3月17日〜6月30日
  • プラン:1泊朝食付き/1泊素泊まり
  • 特典:レセプションバーカウンターでのバー体験
    • シグネチャーカクテル/アペロールアペリティーボ/ノンアルコールカクテルから1杯
    • アミューズ1点+チョコレート1点

を用意しています。

開業記念プランを「客室割引」ではなく、「バー体験とのセット」で打ち出している点は、東急ステイ渋谷 恵比寿がレセプションバーカウンターを中核商品として位置づけていることを示していると言えるでしょう。

自社でも、オープン・リニューアル時に「体験型の特典」をセットにしたプランを用意することで、口コミやSNSで話題化しやすくなります。施設の象徴となる体験を1つ決めて、それを中心にした記念プランを設計してみるのも一案です。

オールデイダイニング「EZARO」と恵比寿の新しい食の拠点

東急ステイ渋谷 恵比寿の2階にオープンするオールデイダイニング「EZARO」は、

  • 朝食:エッグベネディクトや和牛ラグーラザニアなどのメイン+20種以上の健康・美容を意識したドリンク
  • ランチ:焼き立てパンと選べるパスタ&メインのランチプレート
  • ビュッフェ:近県や北海道から届く野菜を組み合わせられるグリーンサラダ&スープ
  • カフェタイム:スイーツとドリンクで「心ほどける」時間
  • ディナー&バー:本格イタリアンにワイン・カクテル・サワー・ノンアルコールを揃えたバー体験

と、一日を通して利用できる構成になっています。

宿泊者だけでなく、「恵比寿女子」や近隣住民、オフィスワーカーもターゲットにした設計で、2026年2月頃から先行予約を開始予定という点も特徴的です。

地方のホテル・旅館でも、朝食会場やラウンジを時間帯で切り替え、「朝=宿泊者中心」「昼=地域客も歓迎」「夜=バー&ナイトラウンジ」という発想を取り入れることで、稼働率と売上の最大化が期待できるかもしれません。

自社への活かし方のヒント|中小ホテル・旅館が真似できる工夫

東急ステイ渋谷 恵比寿と同じ投資規模で新築を行うのは難しい施設も多いと思います。ここでは、既存施設でも取り入れやすいポイントに絞って、活かし方のヒントを整理します。

1. 「東急ステイ渋谷 恵比寿的」なロビーの再定義

東急ステイ渋谷 恵比寿のレセプションバーカウンターそのものを再現する必要はありませんが、ロビーの使い方を見直すだけでも変化が生まれます。

  • 小さなカウンタースペースを設け、チェックイン時にウェルカムドリンクを提供
  • 夕方〜夜だけ「簡易バー」として、地元のお酒やソフトドリンクを提供
  • ゲスト同士やスタッフとの会話が自然に生まれる座席配置に変える

といった工夫は、比較的低コストで始められます。「ロビーが『心地よいひととき』の象徴になる設計」を意識してみるとよさそうです。

2. オールデイダイニング発想での時間帯別活用

東急ステイ渋谷 恵比寿の「EZARO」のように、一つの飲食スペースを時間帯で役割分担させる発想は、多くのホテル・旅館で転用できます。

  • 朝食会場:宿泊者専用
  • ランチ:地域住民・近隣企業向けに外来需要を取り込む
  • カフェ:チェックイン前後のゲストやワーケーション客向け
  • 夜:バータイムとして、宿泊者と地域客が交わる場

既存のレストランや食事処でも、メニュー構成と打ち出し方を変えるだけで「オールデイダイニング的」な使い方が可能です。自館の時間帯ごとの売上と客層を一度整理してみるとよいかもしれません。

3. 予約開始のタイミングと公式サイトの活用

東急ステイ渋谷 恵比寿は、2026年3月開業に対して約3か月以上前から予約開始を行い、公式サイト限定の開業記念プランを用意しています。

既存施設のリニューアルや新館オープンでも、

  • 3〜6か月前からの早期予約受付
  • 公式サイト限定プランでの直接予約比率アップ
  • バー体験や館内サービスを含めた「物語性のあるプラン」

を組み立てることで、販路ごとの役割を整理しやすくなります。「いつ・どのプランから売り出すのか」を明確に決めておくと安心です。

4. 従業員エンゲージメントとマルチスキル化の設計

レセプションバーカウンターやオールデイダイニングを活用するには、スタッフのマルチスキル化が欠かせません。

  • フロントとレストラン、どこまで兼務させるのか
  • 接客スタイルや会話のトーンをどう統一するか
  • バーやカフェでのコミュニケーションを、口コミやレビュー獲得につなげるか

といった観点で、教育・評価・シフトの仕組みを見直すタイミングかもしれません。ライフスタイルホテルの動きを観察しつつ、自社に合う範囲で段階的に取り入れるという選択肢もあります。

まとめ

  • 東急ステイ渋谷 恵比寿は、恵比寿駅前のライフスタイルホテルとして、レセプションバーカウンターとオールデイダイニング「EZARO」を核に「心地よいひととき」を提供する開業準備を進めています。
  • ロビーを「通過点」から「滞在の場」に変える発想や、飲食スペースを時間帯別に使い分けるオールデイダイニングの考え方は、規模を問わず多くの宿泊施設に応用できるポイントと言えそうです。
  • 開業記念プランを「値引き」ではなく「体験価値」で設計することで、公式サイト予約比率の向上や口コミ創出にもつながる可能性があります。
  • 自社でも、ロビーの再設計や時間帯別の飲食活用、スタッフのマルチスキル化など、できるところから一つずつ試していくという選択肢もあります。東急ステイ渋谷 恵比寿の動きを、一度自館の戦略を見直すきっかけとして振り返ってみるとヒントになるかもしれません。

企業情報

東急リゾーツ&ステイ株式会社

  • 会社名:東急リゾーツ&ステイ株式会社
  • 本社所在地:東京都渋谷区道玄坂一丁目10番8号 渋谷道玄坂東急ビル
  • 代表者名:代表取締役社長 粟辻 稔泰
  • 運営ブランド:
    • 東急ステイ
    • 東急ハーヴェストクラブ
    • nol
    • ROKU KYOTO, LXR Hotels & Resorts
    • 旧軽井沢KIKYOキュリオ・コレクションbyヒルトン ほか
  • 運営事業:
    • 宿泊事業
    • ゴルフ事業
    • スキー事業
    • リゾート・その他事業(別荘管理、レストラン、ショップ、温泉施設、保養所等)
  • 公式サイトURL:https://www.tokyu-rs.co.jp

東急ステイ/東急ステイ渋谷 恵比寿

株式会社オペレーションファクトリー

  • 会社名:株式会社オペレーションファクトリー
  • 本社所在地:〒550-0014 大阪市西区北堀江1-12-10 2F
  • 代表者名:代表取締役 笠島 明裕
  • 事業内容:
    • レストラン事業
    • EC事業
    • 飲食店運営受託事業
    • 飲食店プロデュース&コンサルティング
    • 商品企画
    • デザインワークス
  • 公式サイトURL:https://www.opefac.com

本リリースに関するお問い合わせ

出典:PR TIMES『「東急ステイ渋谷 恵比寿」 2026 年 3 月 17 日 (火)開業に向け 2025 年 12 月 1 日(月)より宿泊予約を開始』(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000902.000055787.html)

cocoro-lockup-logo-mark-tagline-ja-horizontal
CoCoRo_mockup

スタッフのやりがい向上や離職防止に課題を感じていませんか?

お問い合わせはこちら
CoCoRoのご紹介資料はこちら
CoCoRo編集部
CoCoRo編集部
CoCoRo編集部
サービス業支援メディア運営チーム
CoCoRo編集部は、「感謝の気持ちをカタチにする」ことをテーマに、サービス業界における新しい価値創造を目指す情報発信チームです。​デジタルギフティングや従業員エンゲージメントの向上に関する最新トレンド、導入事例、業界インタビューなど、現場で役立つ実践的なコンテンツをお届けしています。​おもてなしの心をデジタルでつなぐCoCoRoの世界観を、より多くの方々に知っていただくため、日々情報を発信しています。​
記事URLをコピーしました