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星野温泉 トンボの湯 サウナDAY&WEEKに学ぶ冬の温浴体験づくり

トンボの湯の屋外で外気浴を楽しむ様子
CoCoRo編集部

トンボの湯で実施される「トンボのサウナDAY&サウナWEEK」は、冬の温泉地でサウナ体験をどう磨くかを考えるうえで多くの示唆を与えてくれる取り組みです。軽井沢星野エリアの自然環境と源泉かけ流しの温泉を活かしながら、テントサウナやウィスキング、オリジナルドリンク、著名人のトークショーまで組み合わせた構成が特徴と言えるでしょう。
本記事では、トンボの湯の企画内容を整理しつつ、ホテル・旅館など宿泊業の皆さまが自施設で応用する際の視点や、従業員エンゲージメント向上につながるヒントを解説します。

本記事のポイント

  • トンボの湯が実施する「トンボのサウナDAY&サウナWEEK」の内容を整理し、自然と一体化したサウナ・外気浴体験の特徴を把握できます。
  • 男女一緒に楽しめるウィスキングや、テントサウナ・オリジナルドリンクなど、トンボの湯の工夫から冬の温浴コンテンツの作り方を学べます。
  • 自館の温泉・サウナにトンボの湯の考え方を取り入れ、高付加価値な冬のプランや日帰り企画を設計する際の具体的なチェックポイントが分かります。

ニュースの概要

自然と文化を愛する人々が集う軽井沢星野エリアの「星野温泉 トンボの湯」では、2026年1月22日から31日まで、冬の軽井沢で心身をリフレッシュするサウナイベント「トンボのサウナDAY&サウナWEEK」を開催します。トンボの湯は大正4年開湯の星野温泉を受け継ぐ、源泉かけ流しの日帰り湯で、美肌の湯としても知られています。

前半の3日間(1月22〜24日)は「サウナDAY」として、トンボの湯を貸し切り利用にし、源泉かけ流しの温泉とヒノキ香るサウナに加えて、テントサウナを使ったグループ形式のウィスキング体験を提供します。日本初のテントサウナ専門ブランド「Sauna Camp.」、ウィスキング集団「しらかばスポーツ」と連携し、参加者は白樺などの枝葉を束ねた「ウィスク」で全身を温める伝統的な施術を体験できます。

さらに、サウナの合間に楽しむサウナドリンクとして、軽井沢の森をイメージしたスペシャルドリンク「森林ソーダ」を用意。カラマツ・アカマツ・モミ・アブラチャン・ヒノキという5種の木から抽出した香りを楽しみながら、体の内側からも「ととのう」時間を演出します。

1月24日には、「サウナ大好き芸人」として知られ、ウィスキング集団「しらかばスポーツ」の一員でもあるマグ万平氏が登場します。グループウィスキングのほか、サウナにまつわる豆知識をユーモアを交えて話すトークショーが行われ、サウナDAYのクライマックスとなる予定です。

24日16:00以降から31日までは「サウナWEEK」として、特設の外気浴スペースがトンボの湯に登場します。露天風呂に続く池のエリアにゆったりと寝そべるチェアを設置し、氷点下になる軽井沢の外気を感じながらの外気浴を楽しめるほか、この期間限定の特別アメニティも用意されます。サウナWEEKは通常営業の一環として行われ、予約不要で利用できる点も特徴です。


宿泊業にとってのポイント:トンボの湯のサウナDAYが示す体験価値

トンボの湯の「トンボのサウナDAY&サウナWEEK」は、温泉・サウナという既存設備に「自然」「体験」「ストーリー」を重ねることで、一段高い体験価値を生み出している事例と言えるのではないでしょうか。宿泊業にとってのポイントを整理すると、次のような観点が見えてきます。

  1. 自然環境とサウナの一体化
    トンボの湯のサウナは、隣接する「野鳥の森」の湧き水を使った水風呂と、森を望む外気浴スペースが特徴です。普段からある「森の眺め」「冷たい外気」を、冬限定の「外気浴スペース」として明確に打ち出すことで、季節限定の体験価値に変えています。
    自然に囲まれた旅館・ホテルであれば、眺望や気温差そのものを「売り」にできることを、トンボの湯の取り組みは示していると言えそうです。
  2. 男女一緒に楽しめるグループ体験
    テントサウナで行うグループウィスキングは、男女別の浴室からアクセスしつつ、中では友人・家族と一緒に体験できる設計です。サウナは本来パーソナルな時間になりがちですが、「一緒に楽しむ体験」に変換すると、カップル・グループ・ファミリー層に訴求しやすくなります。
    混浴のハードルが高い施設でも、トンボの湯のように「一部の時間・エリアだけを共有体験にする」という設計は参考になりそうです。
  3. イベントとコンテンツの二段構え
    トンボの湯は、1月22〜24日のサウナDAYでプレミアムな体験(貸切・ウィスキング・トークショー)を提供し、その後のサウナWEEKでより多くの人に開かれた限定体験(外気浴スペース・特別アメニティ)を用意しています。
    高単価な限定イベントと、来館者全員が恩恵を受けられる期間施策を組み合わせる構成は、収益性と満足度を両立させたい宿泊施設にとって有効な設計と言えるでしょう。

トンボの湯のように、「自然」「時間」「コンテンツ」を組み合わせて体験価値を設計する視点を持つと、自館の温浴設備にも新しい可能性を見出せそうです。

背景と理由の整理:トンボの湯が冬サウナに注力する狙い

トンボの湯が真冬の軽井沢で「トンボのサウナDAY&サウナWEEK」を実施する背景には、いくつかの狙いがあると考えられます。

  1. 冬季の来訪動機を強化するための「整う」体験
    軽井沢は夏の高原リゾートのイメージが強い一方、冬は寒さが厳しく、屋外アクティビティが制限されるタイミングでもあります。その中で、トンボの湯は「森を眺めるサウナ」と「氷点下の外気浴」を組み合わせることで、冬ならではの「整う体験」を前面に打ち出しました。
    冬にこそ魅力が増すコンテンツを育てることで、季節間の売上差をならし、リピーターを増やす狙いがあると考えられます。
  2. サウナ・ウェルネス需要の高まりへの対応
    サウナ人気は都市部だけでなく地方の温泉地にも広がり、「ととのう」を目的に宿を選ぶゲストも増えています。トンボの湯は、大正時代から続く源泉かけ流しのブランドに、ジャズが流れるサウナやオートロウリュといった現代的要素を加え、その延長線上に今回のイベントを位置づけています。
    伝統とトレンドをバランスよく組み合わせる姿勢は、歴史ある旅館・ホテルこそ参考にしやすいポイントではないでしょうか。
  3. 社内サウナ愛好者の企画による従業員エンゲージメント向上
    発表によると、今回の企画は社内のサウナ愛好者が冬のトンボの湯の魅力を「もっと体感してほしい」という思いから生まれたものです。現場スタッフの「好き」や「得意」をベースに新しい企画が生まれると、従業員のモチベーションも高まりやすく、サービス品質にも良い影響を与えやすくなります。
    「トンボの湯が好き」「サウナが好き」という想いが形になった事例として、自社でも従業員発の企画づくりを促すヒントになりそうです。

こうした背景を整理すると、トンボの湯が冬のサウナイベントに注力することは、単なる話題づくりではなく、通年での集客や従業員エンゲージメント向上も視野に入れた戦略的な取り組みと捉えられるでしょう。

具体的な取り組み・ニュース内容の解説

ここからは、トンボの湯が実際に行う具体的な施策を、宿泊業の視点で整理してみます。

森をのぞむサウナと水風呂・外気浴の組み合わせ

トンボの湯のサウナは、80〜90℃のサウナ室にジャズが流れ、20分ごとにオートロウリュが行われるスタイルです。水風呂には隣接する「野鳥の森」の湧き水を使用し、その後は森を眺めながら外気浴を楽しめる導線になっています。
サウナ→水風呂→外気浴という基本の流れに、「音楽」「森の眺め」「湧き水」といった要素を重ねることで、トンボの湯ならではの世界観を作っていると言えるでしょう。

多くの旅館・ホテルにも、眺望の良い場所、川や森などの自然、季節ごとの空気感があります。トンボの湯のように、それらをサウナ体験のストーリーの中にどう組み込むかを考えるだけでも、体験価値が変わってきそうです。

テントサウナとウィスキングの導入

サウナDAYの3日間、トンボの湯の中央にはテントサウナが設置されます。男女それぞれの浴室からアクセスできる動線とすることで、友人・家族・カップルが一緒にウィスキングを体験できる構成です。
ウィスキングは、白樺などの枝葉を束ねたウィスクで身体を叩いたり押し当てたりし、全身をムラなく温める伝統的な施術。トンボの湯では、日本初のテントサウナ専門ブランド「Sauna Camp.」と、日本初のウィスキング集団「しらかばスポーツ」のマイスターが施術を担当します。

外部の専門ブランドやプロフェッショナルと連携することで、自施設にはない専門性やストーリーを取り込める点も、トンボの湯のポイントです。設備投資を抑えつつテントサウナやウィスキングを「イベント」として導入するアプローチは、多くの宿泊施設にとって現実的な選択肢になり得るのではないでしょうか。

森林ソーダに見る「体験としてのドリンク」

サウナの合間に楽しむ「森林ソーダ」は、軽井沢の森を感じることをコンセプトにしたドリンクです。カラマツ・アカマツ・モミ・アブラチャン・ヒノキという5種の木から抽出した香りを使い、森の空気を味わうような体験を提供します。
トンボの湯では、「サウナで整う」だけでなく「森の香りを味わって整う」という、五感をフル活用した体験を設計していると考えられます。

宿泊施設でも、サウナや温泉の前後で楽しむドリンクを「ただの飲み物」ではなく、コンセプトに紐づいた体験として設計することで、客単価の向上やSNSでの話題づくりにつながるかもしれません。

マグ万平氏のトークショーでファン層を拡大

1月24日には、「サウナ大好き芸人」として活躍し、しらかばスポーツの一員でもあるマグ万平氏が来館します。テントサウナでのグループウィスキングに加え、サウナにまつわる豆知識をユーモアたっぷりに語るトークショーを実施する予定です。

専門性とエンターテインメント性を兼ね備えたゲストを招くことで、サウナファンだけでなく、芸人のファン層にも届きやすくなります。トンボの湯のように、「誰と組むか」を工夫することは、地方の宿泊施設にとっても集客の大きな武器になりそうです。

外気浴スペースと特別アメニティによる「WEEK」の設計

サウナWEEK期間中は、露天風呂から続く池のエリアに外気浴用チェアを配置し、森を眺めながらゆったりと寝そべることができる特設スペースを常設します。氷点下になるこの時期だからこそ感じられる冷たい外気と、温泉で温まった身体のコントラストが、トンボの湯ならではの冬の魅力を引き出します。
また、サウナWEEK限定の特別アメニティも用意し、来館者全員に「この期間に来て良かった」と感じてもらえる仕掛けを整えています。

トンボの湯のように、「数日間のイベント(サウナDAY)」と「約1週間のキャンペーン(サウナWEEK)」を組み合わせる方式は、繁忙度や人員計画の観点からも、宿泊施設が取り組みやすいモデルではないでしょうか。

自社への活かし方のヒント

最後に、トンボの湯の取り組みを、自施設の温泉・サウナ運営にどう活かすかという視点で整理します。

1. まずは「自館ならではの整う要素」を棚卸しする

トンボの湯は、「森の眺め」「湧き水」「冬の外気」という環境資源をサウナ体験と結びつけています。自館でも、次のような観点で棚卸しをしてみると良さそうです。

  • 露天風呂やサウナからの眺望(山・川・海・町並みなど)
  • 季節ごとの気温や気候の特徴(雪・霧・星空・朝焼けなど)
  • 地元の植生や香り(針葉樹・ハーブ・果樹など)
  • 地元ならではのドリンク・食材

この棚卸しを起点に、「トンボの湯のように自然と一体化した体験をどう設計するか」を考えると、企画の方向性が見えやすくなります。

2. 小さく始められるサウナイベントの組み立て

トンボの湯のような大規模企画でなくても、次のようなステップで小さなサウナイベントから始めることもできます。

  • 週末または平日の特定日を「サウナDAY」として設定する
  • 既存サウナの利用方法を少し変え、ロウリュやBGM、照明などで特別感を演出する
  • 地元のアウフグースやウィスキングのインストラクター、セラピストなどと連携する
  • イベント限定のドリンクや軽食(サ飯)を用意する
  • 宿泊プランだけでなく、トンボの湯のように日帰り利用も組み合わせる

「いきなり大規模な投資や長期企画をする」のではなく、「数枠限定のサウナDAYから試す」という選択肢もあります。

3. 従業員の「好き」を企画に活かす

トンボの湯の企画は、社内のサウナ愛好者が中心となって立ち上がったという点が特徴的です。自館でも、次のような取り組みをすると、従業員エンゲージメント向上と企画力強化の両方が期待できます。

  • スタッフに「自館でやってみたい温浴企画」を募るアイデアコンテストを実施する
  • サウナ・温泉が好きなスタッフに企画会議への参加を打診する
  • 実際にトンボの湯のような先進事例へ視察に行く機会を作る
  • 企画者の名前やコメントを館内ポップやWebで紹介し、「人」が見える企画にする

従業員が主体的に関わることで、サービス提供側の表情も変わり、結果としてゲストの体験価値も高まりやすくなります。

4. 情報発信と予約導線の設計

トンボの湯では、「トンボのサウナDAY」は事前予約制、「トンボのサウナWEEK」は予約不要とし、参加ハードルを調整しています。自館でも以下の点を意識しておくと安心です。

  • 高付加価値な少人数イベントは、公式サイトや予約システムで事前決済・事前予約にする
  • 宿泊プランと日帰りプランの両方を用意し、ターゲットを広げる
  • イベントのストーリー(なぜこの季節に行うのか、何が特別なのか)を、写真や動画も交えて発信する
  • SNSやメルマガで、トンボの湯のように「自然」「湯」「サウナ」の世界観を一貫して伝える

トンボの湯の事例を参考に、自館のWebやSNSも「整う世界観」を意識して整えていくと、企画の価値がより伝わりやすくなります。


まとめ

  • トンボの湯の「トンボのサウナDAY&サウナWEEK」は、森をのぞむサウナ・湧き水の水風呂・冬の外気浴を組み合わせた、自然と一体化した温浴体験の好事例と言えるでしょう。
  • テントサウナやウィスキング、森林ソーダ、マグ万平氏のトークショーなど、外部の専門家や土地ならではの資源を取り入れることで、サウナイベントを高付加価値なコンテンツに育てることができます。
  • 自館でも、まずは「自館ならではの整う要素」を棚卸しし、小規模なサウナDAYから試すという選択肢もあります。段階的に取り組んでいくと安心です。
  • 社内のサウナ愛好者のアイデアを活かすトンボの湯のように、従業員の「好き」を起点にした企画づくりを行うことで、エンゲージメントと顧客満足の両方を高めることができるかもしれません。

企業情報

  • 会社名:星野リゾート
  • 施設名:星野温泉 トンボの湯
  • 所在地:〒389-0194 長野県軽井沢町星野
  • 電話番号:0267-44-3580
  • 事業内容:温泉・サウナを備えた源泉かけ流しの日帰り温泉施設の運営
  • 公式サイトURL:https://www.hoshino-area.jp/

本リリースに関するお問い合わせ

  • 星野温泉 トンボの湯
  • 電話番号:0267-44-3580

出典:PR TIMES『【星野温泉 トンボの湯】森をのぞむサウナとウィスキングでととのう真冬の極上体験!「トンボのサウナDAY&サウナWEEK」開催』(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001904.000033064.html)

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