2025.12.05

Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠ開業で家族・女子旅をつかむ宿づくり

CoCoRo編集部

Premium hotel MONday をテーマに、東京ベイエリアで開業する「Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠ」がどのように家族旅行や女子旅、グループ旅行の需要を取り込もうとしているのかを、宿泊業の視点から整理していきます。舞浜エリアの新設ホテル事例として、客室設計・付帯施設・送客導線の考え方を自社の企画・改装検討に活かしたい宿泊事業者に向けた記事です。

この記事の目次

本記事のポイント
ニュースの概要
宿泊業にとってのポイント
Premium hotel MONday 周辺市場の背景と理由の整理
Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠの具体的な取り組み・ニュース内容の解説
自社への活かし方のヒント
まとめ
企業情報
- 施設情報：Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠ
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参考資料

本記事のポイント

Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠは、最大6名宿泊可能な客室や屋上インフィニティプールなどを備え、家族・グループ・女子旅ニーズを同時に取り込む設計として参考になりそうです。
東京ディズニーリゾート®近接という立地を背景に、Premium hotel MONday が無料シャトルバスや大浴場・サウナ、本格イタリアンレストランを組み合わせて「滞在型＋遊び」の需要を狙っている点が特徴的です。
観光庁の各種ガイドラインや調査を踏まえると、Premium hotel MONday 型の「体験価値を高めたマルチユース対応ホテル」は、インバウンドや高付加価値化を目指す宿泊業にとって一つの方向性になり得ると考えられます。

ニュースの概要

2025年12月5日、東京ベイエリアに「Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠ」がグランドオープンすると発表されています。運営は株式会社JHATで、ホテルブランドとしてPremium hotel MONday を展開しているグループです。立地は東京都江戸川区南葛西で、東京ディズニーリゾート®近接かつ葛西臨海公園や東京駅（京葉線）へのアクセスの良さを訴求しています。

Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠの客室は全57室で、最大約56㎡、最大6名まで宿泊可能な構成とされています。平均客室面積が36.85㎡と比較的広めで、ファミリーやグループ、女子旅など「複数名でのレジャー利用」にフォーカスした設計です。子ども用アメニティやベビーベッド貸出、玩具・絵本の貸出など、キッズフレンドリーなサービスも用意されています。

館内には約500度の本格ピザ窯を備えたイタリアンレストラン「GOOD PIZZA FACTORY K6」が入り、宿泊者だけでなく近隣住民も利用可能なオープンなレストランとして位置づけられています。屋上にはインフィニティプールとガゼボ、大浴場には本格サウナを設置し、「東京ベイエリアの夜景と花火を楽しむ非日常体験」を打ち出しています。

さらに、Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠでは、東京ディズニーリゾート®や葛西臨海公園駅へ向かう無料シャトルバスを朝6時〜夜21時まで運行し、開園から閉園まで楽しみたいゲストの移動負担軽減を図っています。開業記念プランに加え、今後はアニバーサリープランやヘリコプターによる東京ベイエリア周遊フライトなど、特別な体験プログラムも企画中とされています。

宿泊業にとってのポイント

Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠの事例から、宿泊業にとって押さえておきたいポイントを整理すると、次のような観点が見えてきます。

「最大6名」対応のPremium hotel MONday タイプ客室設計 Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠは、最大6名まで泊まれる広めの客室をそろえています。これは、

三世代ファミリー
友人グループ
学生の卒業旅行や女子旅

- といった大人数レジャー需要を一度に取り込むための設計と考えられます。
既存ホテルでも、全室を大部屋化することは難しくても、Premium hotel MONday のように「フロアの一部を多人数向けに振り分ける」という考え方は真似しやすい選択肢ではないでしょうか。
「滞在そのもの」を売る屋上インフィニティプール・大浴場・サウナ 屋上インフィニティプールと大浴場・サウナを組み合わせることで、Premium hotel MONday は「泊まる＋遊ぶ＋整う」という一連の体験価値を設計しているように見えます。
観光庁の高付加価値化の議論でも、「宿泊単価を上げるには、滞在中の体験価値をどう組み立てるかが重要」とされています。こうした文脈から見ても、屋上プールやサウナを「単なる設備」ではなく「体験コンテンツ」として設計している点は参考になりそうです。
シャトルバスで「立地の弱み」を補完するPremium hotel MONday の発想 Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠは、パークのゲート前ではなく、やや離れた江戸川区南葛西に位置しています。その代わりに、東京ディズニーリゾート®や葛西臨海公園駅への無料シャトルバスを高頻度で運行することで、「実質的なアクセスの良さ」を補完しています。自社が駅や観光地から少し離れている場合でも、Premium hotel MONday のようにシャトルや送迎サービスを組み合わせることで、立地ハンデを価値に転換できる可能性があります。
レストラン・ビューティールーム・アニバーサリーなど周辺収益の設計 本格ピザ窯のあるイタリアンレストラン「GOOD PIZZA FACTORY K6」や、ReFa製品をそろえたビューティールームプラン、アニバーサリープランやヘリ遊覧など、Premium hotel MONday は客室売上以外の収益源も同時に設計しているように見えます。単価の高い体験コンテンツを組み合わせることで、「一人あたり売上」「一室あたり売上」を底上げしようとする発想は、どの宿泊施設でも応用しやすい視点ではないでしょうか。

Premium hotel MONday 周辺市場の背景と理由の整理

Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠのような商品設計がなぜ今打ち出されているのか、背景を整理しておくと、今後の企画にも生かしやすくなります。

東京ベイエリアのレジャー・インバウンド需要の回復と変化 東京ディズニーリゾート®を擁する東京ベイエリアは、コロナ後も国内外からのレジャー需要が高水準で推移しているエリアです。加えて、近年の訪日客の傾向として、「テーマパーク＋α」で周辺地域に滞在し、複数日楽しむスタイルが重視されているといわれます。観光庁の観光コンテンツ関連の調査では、自然・ウェルネス・イベントなど「体験型消費」へのニーズが高まっていることが指摘されており、テーマパーク以外の過ごし方の提案が重要になってきています。
家族・女子旅などグループ滞在の価値向上 為替や物価の影響を受けつつも、「一年に一度の家族旅行」「記念日旅行」「卒業旅行・女子旅」といった“ここぞ”の旅行では、多少高くても満足度の高い宿泊体験を求める傾向があります。
Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠのように、
- 広めの客室
- 屋上インフィニティプール
- ビューティールームプラン
  などを揃える動きは、こうした「記憶に残るグループ滞在」への期待に応えようとしていると読み取れます。
宿泊業界全体で求められる高付加価値化への対応 観光庁の「宿泊事業者における経営改善マニュアル生産性向上のためのハンドブック」でも、高付加価値化と業務効率化の両立がテーマになっています。Premium hotel MONday のように、特徴的な体験コンテンツ（プール・サウナ・レストラン・ビューティープランなど）を組み込むことは、価格競争に陥らないための一つの方向性と考えられます。
オーバーツーリズムを避けつつ、楽しめる場を分散させる発想 東京ディズニーリゾート®周辺は繁忙期には混雑も発生しやすいエリアです。宿泊施設が屋上プールや大浴場、館内レストランなどを充実させることは、ゲストの滞在行動をパーク外にも分散させる役割も持ちます。
各地のオーバーツーリズム対策の事例集などでも、「観光客を地域全体にどう分散させるか」が重視されており、Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠのような滞在型施設は、そうした流れにも合致していると言えそうです。

Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠの具体的な取り組み・ニュース内容の解説

ここからは、Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠの具体的な設備・サービスを、宿泊業の実務の観点から少し細かく見ていきます。

1. 多人数対応の広め客室とキッズフレンドリーサービス

Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠでは、リバービュースイート（約50㎡）、プレミアムスイート（約56㎡）など、リビングスペースとベッドスペースをうまく分けた間取りが紹介されています。最大6名まで宿泊可能という設定は、

エクストラベッドやソファベッドをどう配置するか
荷物置き場・動線をどう確保するか
といった設計を丁寧に行わなければ満足度が下がりやすい領域です。

また、Premium hotel MONday はお子様用館内着、アメニティセット、ベビーベッド、玩具・絵本の貸出など、キッズフレンドリーなサービスを前面に出しています。これは「子ども連れでも安心して泊まれるか」という不安を取り除く意味で、他施設でも取り入れやすいポイントです。

2. ReFaアイテムをそろえたビューティールームプラン

Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠでは、美容ブランドReFaのドライヤーやヘアアイロン、シャワーヘッドを体験できるビューティールームプランを提供するとしています。
女子旅やご褒美ステイとの相性が良く、

SNS映え
体験を通じたブランド認知
通常客室との差別化
が期待できるメニューです。

既存施設でも、すべての客室に高価格帯アイテムを導入するのではなく、「特定のプラン・部屋タイプだけアップグレードする」というPremium hotel MONday 型のアプローチなら、投資負担を抑えつつ新しいターゲット層を試すことができそうです。

3. 本格イタリアンレストランと朝食ビュッフェの位置づけ

イタリアンレストラン「GOOD PIZZA FACTORY K6」は、重さ1トンの本格ピザ窯や店内製造のモッツァレラチーズ、提携農家の野菜を強みにしていると発表されています。Premium hotel MONday としては、

宿泊客の夕食・朝食需要の取り込み
地域住民の外食ニーズの取り込み
の両方を狙った「ハイブリッド型レストラン」として設計している可能性があります。

宿泊施設にとっても、館内レストランを「宿泊者専用」から「地域に開いた店」に変えていくことは、売上面だけでなく地域との関係づくりの面でも意味がありそうです。

4. 屋上インフィニティプールと大浴場・サウナの運営ポイント

屋上インフィニティプールは、夜景と花火が楽しめるフォトジェニックな空間として打ち出されています。一方で、宿泊施設としては

混雑時の入場制限・安全管理
季節による営業期間・水温管理
ナイトプール営業時の騒音・マナー
など、運営上の工夫も必要になります。

大浴場とサウナは、一日の終わりに「整う」場として機能させることで、Premium hotel MONday 全体の体験価値を高めています。自社で検討する場合は、設備投資だけでなく、

清掃・水質管理のオペレーション
サウナ利用マナーの多言語案内
混雑時間帯の平準化
などもセットで考えておくと、トラブルを防ぎやすくなります。

5. シャトルバスと開業記念・アニバーサリープランの設計

Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠのシャトルバスは、朝6時〜夜21時と長時間運行で、開園・閉園時間に合わせた利便性を意識しているように見えます。
導入を検討する際は、

乗車率・運行コストの試算
複数観光地を巡るルート設計
予約制か先着順か
など、運営方法の選択肢も整理しておくと安心です。

また、開業記念プランに加え、アニバーサリーオプションやヘリコプター遊覧など、プレミアムな体験を組み込む方針は、Premium hotel MONday が「特別な日の滞在」を意識していることを示しています。自社でも、すべてを真似する必要はありませんが、

地域の事業者との連携で特別体験を共創する
記念日用の小さなオプション（ケーキ・装飾など）から始める
といった小さな一歩から検討することもできそうです。

自社への活かし方のヒント

最後に、Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠの事例を、自社の宿づくりにどう落とし込めるかを整理します。

「誰と泊まるか」から客室ポートフォリオを見直す Premium hotel MONday が最大6名対応の客室を用意しているように、「何㎡あるか」だけでなく「何人で・どう過ごすか」から客室構成を考えると、商品設計の軸がはっきりします。
例えば、
- 夫婦・カップル向けの静かなフロア
- ファミリー・グループ向けの多人数フロア
  といったゾーニングは、既存ホテルでも比較的取り組みやすい工夫です。
Premium hotel MONday 型の「体験コンテンツ」を1つ試してみる 屋上プールや大浴場・サウナ、ビューティープランなど、Premium hotel MONday は複数の体験を組み合わせていますが、いきなりすべてを真似する必要はありません。
まずは、
- 露天風呂付き客室を一部導入する
- サウナイベントや外来入浴プランを作る
- コスメブランドとのコラボプランを試す
  など、「自社ならではの一つの体験」を小さく始めて反応を見るのも良いアプローチです。
シャトルや送迎で“アクセス体験”を設計する Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠの無料シャトルバスのように、「玄関から目的地までの移動」も旅行体験の一部です。
駅や観光地から距離がある施設ほど、
- 時刻表のわかりやすいビジュアル化
- 多言語表記
- 車内で地域情報を案内する工夫
  などを組み合わせることで、アクセスの弱みをむしろ差別化要素に変えられる可能性があります。
家族・女子旅・インバウンドそれぞれに“安心材料”を用意する Premium hotel MONday が子ども用アメニティやビューティープランを明示しているように、ターゲットごとの「安心材料」を見える化しておくことが重要です。
例えば、
- 家族向け：ベビーベッド・レンタル品一覧、子ども料金の分かりやすい説明
- 女子旅向け：アメニティの充実、館内フォトスポットの情報
- インバウンド向け：多言語案内、食事制限や宗教配慮に関する情報
  など、ターゲットごとに1～2個の安心要素を用意しておくと選ばれやすくなります。
公的ガイドラインや事例集も合わせて確認しておく 観光庁の各種ガイドや事例集では、インバウンド対応、食の多様性、オーバーツーリズム対策、高付加価値化などが体系的に整理されています。Premium hotel MONday のような新しい取り組みを検討する際には、これらの資料も併せて確認しておくと、行政施策との整合性や補助金活用のヒントも得られるかもしれません。

まとめ

Premium hotel MONday 舞浜ビューⅠは、広めの多人数客室や屋上インフィニティプール、大浴場・サウナ、シャトルバスを組み合わせることで、家族・女子旅・グループ旅行ニーズを一体的に取り込もうとしており、客室設計や体験づくりの参考になりそうです。
自社でも、Premium hotel MONday 型のすべてを真似る必要はなく、「多人数対応の数室をつくる」「ビューティープランやアニバーサリーなど一つの体験コンテンツを試す」といった小さな一歩から始めておくと安心です。
インバウンドや高付加価値化、オーバーツーリズム対策といった観光庁の各種ガイドライン・事例集を参考にしながら、地域特性に合ったPremium hotel MONday 的な滞在価値を設計していくという選択肢もあります。
シャトルバスや送迎、キッズフレンドリーな備品、女子旅向け美容サービスなど、「誰がどのように滞在するか」を具体的に描き、Premium hotel MONday のようにターゲットごとの安心材料を可視化していくと良さそうです。