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ホテル椿山荘東京の桜ステイプランに学ぶ高付加価値宿泊

自宅でも桜の余韻をお楽しみいただけるL'OCCITANEギフト
CoCoRo編集部

ホテル椿山荘東京の桜ステイプランは、ロクシタンとのコラボレーションを通じて春の庭園体験とウェルネスを組み合わせた、高付加価値な宿泊の好例といえます。この記事では、ホテル・旅館など宿泊業のご担当者向けに、この桜ステイプランのポイントを整理しつつ、自館で応用するためのヒントを解説します。

この記事の目次
  1. 本記事のポイント(ホテル椿山荘東京の桜ステイプラン)
  2. ニュースの概要:ホテル椿山荘東京×ロクシタンの桜ステイ
  3. 宿泊業にとってのポイント:ホテル椿山荘東京の桜ステイから見えること
  4. 背景と理由の整理:ホテル椿山荘東京が選んだロクシタン×桜というテーマ
  5. 具体的な取り組み・ニュース内容の解説:桜ステイプランとスパをどう組み立てているか
  6. 自社への活かし方のヒント:自館版「ホテル椿山荘東京の桜ステイプラン」を設計するには
  7. まとめ:ホテル椿山荘東京の桜ステイプランから学べること
  8. 企業情報(ホテル椿山荘東京・藤田観光)
  9. 本リリースに関するお問い合わせ(ホテル椿山荘東京)
  10. 参考資料

本記事のポイント(ホテル椿山荘東京の桜ステイプラン)

  • ホテル椿山荘東京×ロクシタンの桜ステイプランから、季節・ブランド・スパを組み合わせた「春の高付加価値パッケージ」の設計ポイントを整理
  • 世界的に「体験・ウェルネス重視」の旅行トレンドが強まるなか、庭園や眺望など自館の資産をどうホテル椿山荘東京のように商品化できるかの視点を紹介
  • 顧客単価アップだけでなく、部門横断のプランづくりを通じて従業員エンゲージメントを高めるヒントとして、ホテル椿山荘東京の取り組みを読み解く

ニュースの概要:ホテル椿山荘東京×ロクシタンの桜ステイ

ホテル椿山荘東京(東京都文京区)は、南仏プロヴァンス発のライフスタイルコスメブランド「ロクシタン(L’OCCITANE)」と連携し、2026年2月6日〜4月12日の期間限定で「桜ステイプラン」2種を提供すると発表しています。

同ホテルの桜シーズンは、早咲きの河津桜や寒緋桜から八重桜まで、約20種100本が約2カ月以上にわたって開花することが特長とされています。期間中は、ガーデンビュー客室や庭園から、桜のさまざまな表情を楽しめるほか、約100種2,300本の椿との共演も見どころとしています。

1つ目の「ラグジュアリーアフタヌーンティー in 桜ビューバススイート」は、ホテルに1室しかないビューバススイートを使い、桜景色を望むバスタブでの泡風呂とロゼシャンパン、客室内で楽しむ「桜×ストロベリーアフタヌーンティー」、エグゼクティブラウンジやスパ施設の利用などを組み合わせた、2名1室269,400円〜のプレミアムステイプランとしています(税・サービス料込、宿泊税別)。

2つ目の「L’OCCITANE 桜ステイ」は、より利用しやすい価格帯で、プライムスーペリア(シティ/ガーデンビュー)をベースに、選べる朝食とロクシタンのギフトセット(桜とチェリーの新フレグランスコレクション計4点)を付けたプランを、2名1室62,700円〜で提供するとしています(税・サービス料込、宿泊税別)。

併せて、館内スパ「悠 YU, THE SPA by L’OCCITANE」では、ホテル椿山荘東京の庭園から着想を得た150分の「ガーデン シークレット シグネチャートリートメント」を、2026年3月1日〜5月31日の期間限定で桜の香りを取り入れた内容として提供し、利用者には春の香りを持ち帰れるプチギフトも用意するとしています。

宿泊業にとってのポイント:ホテル椿山荘東京の桜ステイから見えること

1. 季節資産×ブランドコラボで「価格ではなく体験」で選ばれる

ホテル椿山荘東京の桜ステイプランは、

  • 庭園の桜・椿・雲海演出といった「季節資産」
  • ロクシタンという「世界的なライフスタイルブランド」
  • ビューバススイートやスパ、ラウンジといった「館内の既存設備」

を組み合わせ、「春の五感体験」としてパッケージ化している点が特徴的です。

観光庁の「世界的潮流を踏まえた魅力的な観光コンテンツ造成のための基礎調査事業」では、世界的な旅行トレンドとして、自然・ウェルネス・ローカル文化への没入など「体験価値」を重視する傾向が整理されています。

単に「桜の見える部屋」ではなく、

  • 桜ビューバスでの泡風呂×ロゼシャンパン
  • 客室で楽しむ桜×ストロベリーのアフタヌーンティー
  • 桜の香りのギフトを持ち帰れるスパ・アメニティ

といったストーリー性のある体験にすることで、「価格」ではなく「この体験を逃したくないかどうか」で選んでもらう設計になっていると見ることができそうです。

2. 段階的な価格帯で「憧れ」と「手の届きやすさ」を両立

ホテル椿山荘東京の桜ステイプランは、同じコラボレーションの中で、

  • 超プレミアムな1室限定「桜ビューバススイート」
  • 標準客室をベースにした「L’OCCITANE 桜ステイ」

という2本立てになっています。

この構成は、

  • メディア露出やSNSで話題を集める「象徴的なプラン」
  • 実際に多くのゲストが予約できる「現実的なプラン」

を同時に用意することで、ブランドの憧れと売上ボリュームの両立を狙った設計と捉えることもできそうです。

「いつかはホテル椿山荘東京のビューバススイートに泊まりたい」という憧れを作りつつ、「まずはL’OCCITANE 桜ステイで体験してみよう」というステップを用意することで、顧客との長期的な関係づくりにもつなげやすくなります。

3. 顧客価値・業務生産性・施設生産性の3つを同時に高める設計

観光庁の「宿泊事業者における経営改善マニュアル 生産性向上のためのハンドブック」では、宿泊業の生産性向上を、

  • 施設の生産性
  • 業務の生産性
  • 顧客価値

の3つの観点で整理しています。

ホテル椿山荘東京の桜ステイプランは、

  • 既存の客室・スパ・ラウンジなどの設備を高単価プランで有効活用(施設の生産性)
  • 朝食・アフタヌーンティー・スパなどを事前にパッケージ化し、オペレーションを標準化(業務の生産性)
  • 桜シーズンならではの体験とロクシタンのギフトで「記憶に残る滞在価値」を提供(顧客価値)

という3つの観点が揃っている事例と見なせるでしょう。

自館で応用する際も、「施設・業務・顧客価値のうち、どこを強化するプランなのか」を意識して設計しておくと、投資対効果の振り返りがしやすくなりそうです。

4. 従業員エンゲージメント向上の場としての季節プラン

こうした複合的なプランは、

  • 宿泊部門
  • レストラン・ラウンジ
  • スパ・エステ
  • 企画・販売・広報

など、多くの部門の連携が不可欠です。

マニュアルでも、業務の生産性向上の前提として「従業員エンゲージメントの強化」や「バックオフィス・フロント業務の基盤整備」が重要とされていますが、部門横断の季節プランは、そのための実践の場になりえます。

例えば、

  • プラン開発会議に若手スタッフも参加させる
  • 桜シーズン前に全館を巻き込んだ勉強会を行う
  • 販売後に「お客さまの反応」を共有して次年度の改善を話し合う

といったプロセスを組み込むことで、従業員にとっても「自分のアイデアが形になる仕事」と感じられ、エンゲージメント向上につながりやすくなります。

背景と理由の整理:ホテル椿山荘東京が選んだロクシタン×桜というテーマ

1. 世界的な「体験・ウェルネス志向」と桜・庭園の親和性

前述の観光庁調査では、世界的な旅行の潮流として、

  • 自然やウェルネスに焦点を当てた滞在
  • ローカルな生活文化への没入(immersive travel)
  • 「モノ」より「コト」への支出を重視する傾向

が強まっていることが指摘されています。

ホテル椿山荘東京の桜ステイプランは、

  • 森のような庭園と三重塔といった「場の物語性」
  • 桜と椿、東京雲海による視覚的な非日常
  • ロクシタンの香りやスパによるウェルネス要素

を組み合わせることで、この潮流に合致した「五感没入型コンテンツ」となっています。

特にインバウンド市場では、

  • 桜の名所としての象徴性
  • 都心でありながら自然を感じられるロケーション
  • グローバルに知られるコスメブランドとのコラボ

といった要素が、旅行前の情報収集段階から訴求しやすく、高付加価値な顧客層の興味を引きやすい組み合わせといえそうです。

2. 持続可能な観光・地域資源活用の視点

観光庁の「宿泊施設向け 国際基準に対応した持続可能な観光にかかる取組事例集」では、地域の自然・文化資源を活かしながら、環境負荷や地域との共生にも配慮した宿泊施設の事例が紹介されています。

ホテル椿山荘東京の事例も、

  • 庭園や三重塔といった既存資産を丁寧に活かす
  • 四季折々の自然をテーマとした滞在価値を磨き込む
  • スパやレストランを組み合わせて滞在時間を伸ばす

という形で、地域資源を消費ではなく「価値創出」に結びつけていると解釈することができそうです。

自館で同じ規模の庭園や文化財がなくても、

  • 地元の公園・神社・街並み
  • 地元企業・ブランド(日本酒・お茶・コスメなど)
  • 地元の職人・アーティスト

との連携によって、持続可能性を意識した「地域一体型の季節プラン」に発展させる余地はあるといえます。

具体的な取り組み・ニュース内容の解説:桜ステイプランとスパをどう組み立てているか

このセクションでは、ホテル椿山荘東京の桜ステイプランを「プラン設計の分解」という観点から整理します。

1. 客室レベルでの差別化:1室限定ビューバススイート

「ラグジュアリーアフタヌーンティー in 桜ビューバススイート」では、

  • ホテルで唯一のビューバススイート(93㎡)
  • 桜景色を望むバスタブ+泡風呂+ロゼシャンパン
  • 客室内で完結する季節のアフタヌーンティー

といった要素を組み合わせています。

ポイントは、

  • 「この部屋だからこそ提供できる体験」をきちんと言語化していること
  • 食事・ドリンク・アメニティを「バス」「眺望」のストーリーに沿って構成していること

です。

自館でも、

  • 角部屋・ビューバス付き・露天風呂付き客室
  • 特に眺望や構造が優れた少数室のカテゴリー

を「シグネチャールーム」として明確に位置づけ、その部屋ならではの滞在ストーリーを考えることで、同じ客室在庫でも収益性を高められる可能性があります。

2. 標準客室での「ギフト付きステイ」による付加価値化

「L’OCCITANE 桜ステイ」は、45㎡のプライムスーペリアをベースに、

  • 選べる朝食(レストランでの洋食・和食)
  • ロクシタンのギフトセット(お一人様1セット)

を組み合わせることで、「客室+朝食」の素泊まり寄りプランに、ブランド体験を付加しています。

ギフトそのものの原価は、

  • 大量仕入れやブランド側のプロモーション意図
  • シーズン限定商品の露出価値

などを踏まえた交渉が可能な領域であり、宿泊業にとっては比較的コントロールしやすいコストです。

「単価アップをしたいが、食事や部屋のハードはすぐに変えられない」という施設にとっても、

  • コラボブランドのギフト
  • 体験チケット(近隣施設との連携)
  • オリジナルグッズ

といった「持ち帰れる価値」を組み込む発想は参考になりそうです。

3. スパメニューのストーリー化と宿泊プランとの連動

「悠 YU, THE SPA by L’OCCITANE」では、

  • ホテル椿山荘東京の庭園から着想を得たオリジナルメニュー
  • フェイシャル+ボディの150分トリートメント
  • 桜の季節に合わせたケアアイテムとプチギフト

を「ガーデン シークレット シグネチャートリートメント」として打ち出しています。

ここで重要なのは、

  • スパ単体ではなく「ホテル椿山荘東京の庭園ストーリー」の一部として語っていること
  • 宿泊プランと世界観を共有し、季節のテーマ(桜・春・庭園)で一貫させていること

です。

スパや大浴場を持つ施設であれば、

  • 「庭」「海」「星空」「雪景色」など、自館らしいキーワード
  • 四季や地域行事に紐づくトリートメント名・コース内容

を考えることで、単なるマッサージメニューから「滞在ストーリーの一部」へと位置づけを高めることができます。

自社への活かし方のヒント:自館版「ホテル椿山荘東京の桜ステイプラン」を設計するには

最後に、ホテル椿山荘東京の桜ステイプランをヒントに、自館での応用ステップを整理します。

1. 自館の「季節資産」と「協業候補ブランド」を棚卸しする

まずは、ホテル椿山荘東京のように、自館の「季節資産」と相性の良いブランドを整理してみると良さそうです。

例:

  • 春:桜・菜の花・新緑 × 日本茶・和菓子・フレグランスブランド
  • 夏:花火・星空・海 × 地元ビール・クラフトドリンク・アウトドアブランド
  • 秋:紅葉・新酒 × ワイナリー・酒蔵・チョコレートブランド
  • 冬:雪景色・イルミネーション × コスメ・バスソルト・ホットドリンクブランド

この棚卸しを行うだけでも、「自館の強みを再確認する機会」になり、社内の会話が生まれやすくなります。

2. 顧客セグメントごとに「プレミアム版」と「ベーシック版」を用意する

ホテル椿山荘東京が、

  • 1室限定のラグジュアリープラン
  • ベーシックなギフト付きプラン

を用意しているように、ターゲット別に2段階のプランを設計する発想は多くの施設で応用可能です。

例えば、

  • プレミアム版:スイートルーム+個室食+特別体験(貸切風呂・特別席など)
  • ベーシック版:標準客室+通常会場での食事+お土産ギフト

というように、「体験の深さ」と「価格帯」を段階的に用意することで、幅広い顧客の受け皿を確保できます。

3. 部門横断のプロジェクトとして組成し、エンゲージメント向上につなげる

プランづくりを「売上のための単発企画」で終わらせず、

  • 若手・中堅スタッフを含めたプロジェクトチームを組成
  • シーズン前後に振り返り会を行い、改善点と成功事例を共有
  • 来期へのブラッシュアップを毎年の恒例行事にする

という形にすると、従業員エンゲージメントの向上やノウハウ蓄積にもつながります。

観光庁の事例集でも、持続可能な観光に取り組む宿泊施設が、地域との協働や従業員の参画を通じてブランド力を高めているケースが紹介されています。

ホテル椿山荘東京のような大規模施設でなくても、「自館らしい季節プラン」を毎年少しずつ進化させていくプロセス自体が、組織力の強化につながっていくのではないでしょうか。

まとめ:ホテル椿山荘東京の桜ステイプランから学べること

  • ホテル椿山荘東京の桜ステイプランは、庭園やスパ、ブランドコラボを束ねた「春の体験価値」の設計により、高単価でも選ばれるパッケージになっている
  • 世界的な体験・ウェルネス志向や持続可能な観光の流れを踏まえ、自館の季節資産と外部ブランドをどう組み合わせるかを考えておくと安心です
  • 自館版の「ホテル椿山荘東京の桜ステイプラン」をイメージし、プレミアム版とベーシック版の2段階でプランを用意するという選択肢もあります
  • プランづくりを部門横断のプロジェクトとし、従業員の参画機会を増やすことで、従業員エンゲージメントと顧客価値の双方を高めるきっかけにしていけると良さそうです

企業情報(ホテル椿山荘東京・藤田観光)

  • 会社名:藤田観光株式会社
  • 事業内容:ホテル・旅館・レジャー施設など観光関連事業の運営
  • 公式サイト:藤田観光公式サイト
  • 施設名:ホテル椿山荘東京
  • 所在地:東京都文京区
  • 施設概要:1952年開業。庭園と三重塔「圓通閣」を有し、客室265室、レストラン、スパ、宴会場などを備えるラグジュアリーホテル
  • 公式サイト:ホテル椿山荘東京 公式サイト

本リリースに関するお問い合わせ(ホテル椿山荘東京)

参考資料

出典:PR TIMES『【ホテル椿山荘東京】L’OCCITANE×ホテル椿山荘東京のコラボレーション「桜ステイプラン」2種を 2月6日より提供』https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000935.000001368.html

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