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BEB5沖縄瀬良垣 道民限定キャンプ応援プランで野球ファンを呼び込むポイント

スタジアムルーム
CoCoRo編集部

BEB5沖縄瀬良垣の道民限定キャンプ応援プランは、北海道日本ハムファイターズファンの「推し活」を核にした宿泊商品です。春季キャンプ応援と沖縄リゾート滞在を組み合わせ、「キャンプ推し活スタジアム」という体験型コンテンツを用意している点が特徴的です。
本記事では、ホテル・旅館など宿泊業の目線から、このBEB5沖縄瀬良垣の取り組みを読み解き、自施設で活かせるスポーツファン施策や従業員エンゲージメント向上のヒントを整理します。

本記事のポイント

  • BEB5沖縄瀬良垣が道民限定キャンプ応援プランと「キャンプ推し活スタジアム」を組み合わせる狙いを整理し、スポーツツーリズムの可能性を考えます。
  • 野球推し活というテーマを、BEB5沖縄瀬良垣の共用スペース・客室・周辺観光とどう連動させているかを分解し、体験設計のヒントを抽出します。
  • 自館でも応用できそうな「ファン限定プラン」「合言葉特典」「推し活ルーム」などのアイデアを、従業員エンゲージメント向上とセットで検討できるようにまとめます。

ニュースの概要

沖縄県恩納村の「BEB5沖縄瀬良垣(ベブ)by 星野リゾート」では、2026年2月1日〜28日の期間、プロ野球キャンプ応援後も「推し活」に没頭できる「キャンプ推し活スタジアム」を館内に設置すると発表しています。期間中は、24時間いつでも野球推し活を楽しめるスタジアムルームを用意し、キャンプ地から戻った後もファン同士で盛り上がれる環境を整えるとしています。

このスタジアムルームは、バッターボックスやベース、野球ボール型クッション、電光掲示板風の装飾、ジェット風船をモチーフにしたデコレーションなど、360度「野球場」さながらの世界観で演出されるとしています。さらに、ミニ野球盤や順位予想ボード、トークテーマガチャ、応援グッズ作成、トレカトレード、高画質プロジェクターなど、推し活がはかどる仕掛けを6つ用意している点も特徴です。

宿泊プランとしては、北海道日本ハムファイターズファンをターゲットにした「北海道日本ハムファイターズ応援 特別プラン(道民限定宿泊特別プラン)」を、先着50名限定で販売するとしています。料金は1泊9,000円〜(2名1室利用時1名あたり・税込・食事別)で、オリオンビールやおつまみなどがセットになった「ワクワク応援セット」、朝食1回無料、グループ施設の海辺のカフェ「バンタカフェ」利用5%オフなどの特典を付けています。

BEB5沖縄瀬良垣は、那覇空港から車で約60分、キャンプ地の「エナジックスタジアム名護」からは車で約30分とアクセスしやすい立地にあり、24時間利用できるラウンジ「TAMARIBA」、キッチン付きコンドミニアムタイプの客室、屋外プール(冬季は温水)、バレルサウナなど、長期滞在や仲間同士の旅にも対応しやすい設備を備えていると説明しています。

宿泊業にとってのポイント(BEB5沖縄瀬良垣の事例から)

スポーツツーリズムを「推し活コンテンツ」に変換している

BEB5沖縄瀬良垣の取り組みは、単なる「キャンプ期間中の宿泊需要取り込み」ではなく、スポーツツーリズムを「野球推し活」という分かりやすいテーマでパッケージしている点に特徴があります。
春季キャンプ地へのアクセスの良さを生かしつつ、館内での体験まで一貫したストーリーにすることで、「試合や練習を見て終わり」ではなく、滞在全体を一つの推し活イベントとして楽しんでもらう設計になっていると考えられます。

同様の発想は、他のプロスポーツ・学生大会・地域スポーツイベントにも広げやすく、自館の立地や顧客層に合わせて「推し活×宿泊」を再設計するヒントになりそうです。

ターゲットを道民に絞った「遠征+リゾート」需要の開拓

今回のプランは「道民限定プラン」としており、BEB5沖縄瀬良垣が北海道日本ハムファイターズファンの遠征ニーズと沖縄リゾートステイを掛け合わせた点もポイントです。
同じファン同士が集まりやすい設計にすることで、館内でのコミュニティ形成が促され、リピーターやクチコミの源にもなりやすいと考えられます。

地方の旅館・ホテルであっても、自地域と縁の深いチームやイベントに紐づけ、「◯◯県民限定」「ファンクラブ会員限定」といった絞り込みを行うことで、ターゲットに刺さるストーリーと料金設計がしやすくなるかもしれません。

共用スペースを「推し活スタジアム」にする発想

BEB5沖縄瀬良垣では、24時間利用できる「TAMARIBA」が既に存在しており、その延長線上でスタジアムルームを設ける構成になっています。
このように、既存のラウンジやフリースペースを季節限定で「推し活スタジアム化」する発想は、他施設でも真似しやすい点です。

共用スペースをうまく活用できていない施設ほど、「期間限定コンセプトルーム」や「推し活コーナー」として再設計することで、宿泊単価だけでなく滞在満足度の底上げにつながる可能性があります。BEB5沖縄瀬良垣のように、テーマを野球や春季キャンプに寄せることで、話題性も生まれやすいといえそうです。

背景と理由の整理:春季キャンプとBEB5沖縄瀬良垣のポジション

キャンプ地から車30分という「準ホーム」の立ち位置

リリースによると、北海道日本ハムファイターズの春季キャンプが行われるエナジックスタジアム名護から、BEB5沖縄瀬良垣までは車で約30分と説明されています。
スタジアム周辺は当日移動の交通混雑が起こりやすい一方で、少し離れた恩納村のリゾートエリアであれば、落ち着いた環境と観光コンテンツの両立が図りやすくなります。

「日中はキャンプ応援、夜はBEB5沖縄瀬良垣で推し活とリゾート滞在」という時間の流れを提案していると見ることもでき、移動時間も含めた一日の過ごし方がイメージしやすいのが利点です。

2月の沖縄の気候を「応援しやすさ」として打ち出す

リリースでは、2月の沖縄の平均気温が17℃程度とされ、屋外での応援がしやすいシーズンであることにも触れています。
これにより、冬の北海道から暖かい沖縄への「避寒ニーズ」と、春季キャンプ応援の「スポーツ観戦ニーズ」を同時に満たせる旅として訴求していると考えられます。

宿泊業としては、気候条件も含めて「なぜこの時期にこのプランなのか」を明確に示すことで、オフピーク期の新しい需要を掘り起こすヒントになりそうです。

ファン心理を踏まえた「24時間野球まみれ」の設計

ファンにとっては、球場での観戦時間だけでなく、移動中や滞在中も好きなチームや選手の話をしたいというニーズがあります。
BEB5沖縄瀬良垣は、スタジアムルームにミニ野球盤やトークテーマガチャ、トレカトレード、プロジェクターなどを用意することで、「どの時間帯も野球の話題で盛り上がれる」環境を整えているといえそうです。

こうしたファン心理への理解は、スポーツだけでなく、アイドル・アニメ・ゲームなど他の推し活分野にも通じます。自施設がどの「推し」と親和性が高いのかを考えるきっかけにもなりそうです。

具体的な取り組み・ニュース内容の解説(BEB5沖縄瀬良垣のキャンプ推し活スタジアム)

BEB5沖縄瀬良垣のスタジアムルームの仕掛け

BEB5沖縄瀬良垣が用意する「キャンプ推し活スタジアム」は、野球場をイメージした装飾が特徴とされています。
具体的には、バットを脚にした三脚テーブル、野球ボール型クッション、ベースやバッターボックスを模した床面、電光掲示板風の壁面、ジェット風船をイメージしたデコレーションなど、写真映えも意識した空間づくりになっていると考えられます。

宿泊者なら誰でも利用できるオープンなスタジアムルームとすることで、「野球推し活をしたいけれど自室では物足りない」「他球団ファンとも語り合いたい」といったニーズにも応えているのがポイントです。

推し活がはかどる6つの体験要素

リリースでは、スタジアムルームで楽しめる6つの体験が紹介されています。

  1. アクリルスタンドやぬいぐるみを置いて遊べるミニ野球盤
  2. 順位予想や開幕スタメン予想を書き込めるオリジナルボード
  3. 野球トーク専用の「トークテーマガチャ」
  4. メガホンやフラッグなど応援グッズ作成コーナー
  5. 推し選手のトレーディングカードを交換できるトレカトレード
  6. 高画質・高音質プロジェクターによる試合映像や名場面の鑑賞

これらは、どれも大掛かりな設備投資というより、「既存の部屋に遊び道具と簡単な内装を足す」イメージで実現できる内容です。
他施設でも、スポーツやアーティストの推し活に合わせて「ボード+ガチャ+グッズ作成+映像鑑賞」の組み合わせを応用しやすいのではないでしょうか。

道民限定宿泊特別プランの条件と特典

BEB5沖縄瀬良垣の「北海道日本ハムファイターズ応援 特別プラン(道民限定宿泊特別プラン)」は、先着50名限定の販売とされています。
主な条件・特典は次の通りです(リリース情報に基づく)。

  • 対象期間:2026年2月1日〜28日
  • 料金:1泊9,000円〜(2名1室利用時1名あたり、税込、食事別)
  • 特典1:オリオンビール、おつまみ、色紙、サコッシュなどがセットになった「ワクワク応援セット」
  • 特典2:朝食1回無料(通常1,300円〜)
  • 特典3:海辺のカフェ「バンタカフェ」利用時5%オフ

また、チェックイン時に合言葉「北海道から来ました!」をフロントに伝えること、バンタカフェでは「BEBに泊まっています!」と伝えることが条件として付けられています。
この「合言葉」方式は、スタッフとゲストのコミュニケーションを自然に生み出す仕掛けでもあり、従業員エンゲージメント向上の観点からも参考になりそうです。

ワクワク応援セット

BEB5沖縄瀬良垣と周辺観光コンテンツとの連動

リリースでは、「ジャングリア沖縄」「沖縄美ら海水族館」「バンタカフェ」「イルミーバンタ 海辺の夜あかり」など、BEB5沖縄瀬良垣周辺で楽しめるスポットも紹介されています。
キャンプ応援だけでなく、昼はテーマパークや水族館、夕方以降は海カフェやイルミネーションイベントと組み合わせることで、同行者が必ずしも熱心な野球ファンではない場合でも楽しめる行程を組みやすくなります。

宿泊施設としても、自館だけで完結させようとするのではなく、周辺の観光コンテンツとどのようにセットで提案するかが、滞在価値と消費単価を高める鍵になりそうです。

自社への活かし方のヒント:BEB5沖縄瀬良垣のような体験設計を目指すには

1. 自館にとっての「推し活テーマ」を決める

BEB5沖縄瀬良垣は、北海道日本ハムファイターズの春季キャンプと地理的な近さを生かし、「野球推し活」を前面に出しています。
自館で同じことをする必要はありませんが、次のような観点で「何の推し活と相性が良いか」を考えてみるとヒントが見つかりやすくなります。

  • 近隣にあるスタジアム、アリーナ、ライブハウス、劇場
  • 地域ゆかりのスポーツチームやアーティスト
  • 毎年開催されるフェスティバルや大会
  • アニメ・ゲーム・鉄道など、ファンが集まりやすい聖地的なスポット

その上で、「BEB5沖縄瀬良垣のように期間を区切るのか」「通年で推し活ルームを持つのか」を検討すると、現実的な導入計画が描きやすくなります。

2. 共用スペースから小さく始める

いきなり客室改装を行うのはハードルが高いため、BEB5沖縄瀬良垣のように共用スペースから小さく始める方法もあります。

例としては、次のようなアイデアが考えられます。

  • 既存ラウンジの一部を「推し活コーナー」として装飾する
  • 予想ボードや寄せ書きボードを設置し、来館者が書き込めるようにする
  • トークテーマカードや簡易ガチャを用意し、会話のきっかけをつくる
  • プロジェクターや大画面モニターで、試合日程に合わせたパブリックビューイングを実施する

BEB5沖縄瀬良垣の事例を参考にしつつ、自館の規模やスタッフ数に無理のない範囲から始めてみると良さそうです。

3. スタッフを「推し活アンバサダー」として巻き込む

BEB5沖縄瀬良垣のような推し活プランは、スタッフが「推し活の楽しさ」を理解し、お客様と一緒に盛り上がることで魅力が一層伝わりやすくなります。
例えば、次のような工夫が考えられます。

  • ファンであるスタッフに企画会議へ参加してもらう
  • 合言葉対応やトレカトレードなど、スタッフが関わるシーンを明確にする
  • スタッフ自身の「推し」を話題にできる場を設け、接客コミュニケーションのきっかけにする

こうした取り組みは、従業員エンゲージメントを高める効果も期待でき、「BEB5沖縄瀬良垣のように働く側も楽しめる宿」を目指すうえで参考になりそうです。

4. プラン条件と特典の「わかりやすさ」を意識する

BEB5沖縄瀬良垣の道民限定宿泊特別プランは、「期間」「対象」「料金」「特典」「合言葉」という条件が非常に分かりやすく整理されています。
自館でファン向けプランを設計する際も、以下のようなポイントを意識すると良いかもしれません。

  • 誰が対象か(居住地、ファンクラブ、観戦チケット提示など)
  • いつ使えるか(大会期間中、前後◯日など)
  • 何がセットになっているか(ドリンク、限定グッズ、朝食、送迎など)
  • どうすれば特典を受けられるか(合言葉、会員証提示、予約時の申告など)

条件をシンプルにし、スタッフ全員が迷わず案内できるようにしておくと、現場オペレーションもスムーズになり安心です。

まとめ

  • BEB5沖縄瀬良垣の道民限定キャンプ応援プランは、春季キャンプと野球推し活を組み合わせた「体験型宿泊商品」として、スポーツツーリズム需要の取り込みに挑戦している事例といえそうです。
  • 共用スペースを「キャンプ推し活スタジアム」として活用し、ミニ野球盤やトークガチャ、トレカトレードなど、比較的低コストな仕掛けでファンの滞在満足度を高めている点は、多くの宿泊施設でも真似しやすいアイデアです。
  • 自館でも、BEB5沖縄瀬良垣のように自施設に合った推し活テーマを設定し、小さな「推し活コーナー」や限定プランから始めてみると、オフピーク期の新規需要開拓につながる可能性があります。
  • プラン条件や特典を分かりやすく整理し、スタッフも楽しめる「推し活アンバサダー」のような役割を用意しておくと安心ですし、従業員エンゲージメントの向上という意味でも効果が期待できる選択肢になります。

企業情報

  • 会社名:星野リゾート
  • 施設名:BEB5沖縄瀬良垣(ベブ)by 星野リゾート
  • 所在地:〒904-0404 沖縄県国頭郡恩納村瀬良垣1860-4
  • 電話番号:050-3134-8098
  • アクセス:那覇空港から車で約60分(沖縄自動車道・屋嘉ICから車で約10分)、空港送迎リムジンバスで約70分
  • 公式サイト:BEB5沖縄瀬良垣
  • 施設名:バンタカフェ by 星野リゾート
  • 特徴:海辺のテラスやグリルレストラン「オールーグリル」を備えた国内最大級の海カフェ
  • 公式サイト:バンタカフェ
  • イベント情報(イルミネーション):イルミーバンタ 海辺の夜あかり

本リリースに関するお問い合わせ

  • 担当部署:星野リゾート 北海道広報 札幌オフィス
  • 住所:〒060-0062 北海道札幌市中央区南2条西1丁目2-2 ホテルWBF札幌中央 2F
  • 電話番号:050-3537-5311
  • メールアドレス:grp-hokkaido-pr-gdom@hoshinoresorts.com

出典:PR TIMES『【BEB5沖縄瀬良垣】北海道日本ハムファイターズファンへ!春季キャンプ応援後も野球推し活が楽しめてお得に泊まれる「道民限定宿泊特別プラン」の販売開始』https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001941.000033064.html

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