いちごアフタヌーンティー&ステイは、客室で完結するいちごアフタヌーンティー付き宿泊プランとして、冬のホテル滞在を「甘くて写真映えする体験」に変える提案だといえそうです。この記事では、ホテルニューオータニ幕張の宿泊プランを題材に、冬のいちごスイーツ需要を取り込みつつ、客室単価アップと従業員エンゲージメント向上を両立させるヒントを、ホテル・旅館の企画担当者向けに整理します。
本記事のポイント
- いちごアフタヌーンティー&ステイは、「客室で完結するアフタヌーンティー」を軸に、冬の女子旅・ご褒美需要を狙うモデルケースと捉えられます。
- 3段スタンドのいちごスイーツとセイボリーに、ルームサービスのシャンパン&ディナー特典を組み合わせ、付帯収益と満足度の両方を高めている点が特徴です。
- 自社でいちごアフタヌーンティー&ステイのような企画を展開する際は、「客室での過ごし方の設計」「提供オペレーション」「スタッフの巻き込み方」の3点を押さえておくと安心です。
ニュースの概要
千葉市のホテルニューオータニ幕張では、客室にいちごアフタヌーンティーを届ける宿泊プラン「いちごアフタヌーンティー&ステイ」を、2026年1月6日から3月31日までの冬季限定で販売すると発表しています(一部除外日あり)。
提供されるのは、いちごスイーツを中心としたアフタヌーンティーセットで、3段構成のティースタンドにはマカロンやパンナコッタ、いちごのロールケーキなど、見た目にも華やかなアイテムが並びます。中段には、同ホテルを代表する「スーパーシリーズ」のショートケーキが一口サイズで登場し、ブランド力のあるシグネチャースイーツを客室で楽しめる構成になっています。
スイーツだけでなく、ローストビーフサンドウィッチやガーリックハーブのブルスケッタ、いちごと生ハムのカプレーゼなど、食事系のセイボリーも盛り込まれているため、ティータイムとしても軽い食事としても利用できる点が特徴です。加えて、シャンパーニュのハーフボトルをルームサービスで注文したゲストには、一部ディナーメニューを特別料金で提供するオプションも用意されています。
客室タイプはモデレートルーム・スーペリアルームなどから選べ、料金には1泊分の室料、いちごアフタヌーンティー、朝食、税金・サービス料が含まれています。1日5室限定とし、アフタヌーンティーの提供時間はチェックイン日の15:30〜17:00に限定されているため、オペレーションをコントロールしながら特別感を出す設計になっていると考えられます。
宿泊業にとってのポイント
客室で楽しむいちごアフタヌーンティー&ステイが持つ価値
今回のいちごアフタヌーンティー&ステイでは、アフタヌーンティーをラウンジではなく「客室で完結する体験」として提供している点が大きなポイントです。
- 悪天候や混雑を気にせず、客室で完結するいちごアフタヌーンティー
- 写真撮影や動画撮影をしやすいプライベート空間
- 小さな子ども連れや三世代旅行でも、周囲に気兼ねなく利用しやすい
こうした要素は、冬場の女子旅・カップル・ファミリーなど、幅広いターゲットにとって魅力的に映りやすいでしょう。いちごアフタヌーンティー&ステイのように、客室内コンテンツとしてアフタヌーンティーを組み込むことで、「食+写真映え+リラックス」を1つのパッケージにまとめられることが見えてきます。
冬の平日需要を埋める「いちごアフタヌーンティー付きステイ」という考え方
冬場はレジャー需要が落ち込む一方で、「季節のスイーツ」を目的とした短期滞在は比較的動きやすい傾向があります。いちごアフタヌーンティー&ステイのように、いちごスイーツと宿泊をセットにすることで、次のようなメリットが期待できます。
- 宿泊単価を「体験込み」で引き上げやすい
- いちごアフタヌーンティーの提供時間をコントロールすることで、チェックイン時間の平準化にもつながる
- レストランの席数に縛られないため、館内のキャパシティを柔軟に使える
特に、平日や中日など稼働が落ちやすい日に、いちごアフタヌーンティー&ステイのような「目的消費型」のステイプランを配置すると、売り方の幅が広がる可能性があります。
シグネチャースイーツを「客室の価値」に転換する

中段にホテルニューオータニの「スーパーシリーズ」ショートケーキが含まれている点は、ブランディングの観点でも参考になります。従来はレストランやラウンジだけで提供してきた看板商品を、いちごアフタヌーンティー&ステイという宿泊プランの中に組み込むことで、
- 「あの有名なケーキを、客室で独占できる」という特別感
- スイーツブッフェやテイクアウト商品とは異なる、新しい売り方
- 客室体験の満足度を、一品ごとのクオリティで底上げ
といった効果を狙っているように見えます。自社でも、看板スイーツやご当地メニューを客室体験の一部に組み込めないか、一度棚卸ししてみるとヒントが出てきそうです。
背景と理由の整理
いちごスイーツとアフタヌーンティーが支持される背景
いちごスイーツを前面に出したアフタヌーンティー企画は、ここ数年、都市部のホテルを中心に定番化しています。
- 写真映えするビジュアルと季節感が打ち出しやすい
- 「友人を誘いやすい」テーマで、グループ利用を促しやすい
- 甘いものが苦手な方もセイボリーで楽しめる
こうした理由から、いちごアフタヌーンティー&ステイのようなプランは、SNSでの拡散やメディア露出とも相性が良く、比較的反響を得やすいテーマだと考えられます。
客室内コンテンツ化が求められる理由
一方、宿泊業側の視点では、「館内動線や人員配置の負荷をどう抑えるか」が課題になりがちです。客室で提供するいちごアフタヌーンティー&ステイは、
- レストランへの移動導線を減らし、ロビーやエレベータの混雑を抑えられる
- 提供時間を限定することで、キッチン・サービススタッフのシフトを組みやすい
- 天候や交通トラブルの影響を受けにくく、キャンセルリスクを抑えられる
といったメリットが想定されます。
特に冬季は天候リスクが高まるため、館内のレストラン動線に依存しすぎず、いちごアフタヌーンティー&ステイのように客室内で完結するコンテンツを用意しておくことは、オペレーション面のリスクヘッジにもつながりそうです。
ルームサービスと組み合わせた「滞在価値の最大化」


シャンパーニュのハーフボトルを起点に、ディナーメニューを特別料金で提供する仕組みも、いちごアフタヌーンティー&ステイならではのポイントです。
- いちごアフタヌーンティーでティータイム需要を取り込み
- その余韻でシャンパーニュ+ディナーという夜の需要につなげる
- すべてを客室で完結させることで、「部屋から出ない贅沢な一日」を演出
このように、「1泊2食」ではなく「1泊+アフタヌーンティー&ルームサービスディナー」という構成にすることで、既存レストランのオペレーションを過度に増やさずに滞在価値を高めていると見ることもできそうです。
具体的な取り組み・ニュース内容の解説
いちごアフタヌーンティーの構成から見える設計
いちごアフタヌーンティー&ステイで提供されるアフタヌーンティーは、3段スタンド+別皿構成で、スイーツとセイボリーのバランスが意識されています。主な構成要素を整理すると、次のようなイメージです。
| プレート・皿 | 構成イメージ | ねらい |
|---|---|---|
| トッププレート | マカロン、パンナコッタ、プリン、焼き菓子などのいちごスイーツ | 視覚的な華やかさと写真映え、最初の「ときめき」演出 |
| 中段 | スーパーシリーズのショートケーキ、いちごタルトやロールケーキなど | シグネチャースイーツの体験と食べ比べニーズへの対応 |
| 下段 | ローストビーフサンドウィッチ、いちご生ハムカプレーゼなどのセイボリー | 食事としての満足度を確保し、「甘いだけではない」構成に |
| 別皿 | いちごクロワッサン、丸ごといちごサンドウィッチ、千葉県産野菜と魚介のアヒージョ | ご当地性とボリューム感の演出、写真映えするアイコンメニュー |
いちごアフタヌーンティー&ステイを参考にすると、単にいちごスイーツを並べるだけでなく、
- 写真映えするトッププレート
- ブランドを感じさせるシグネチャーアイテム
- お腹を満たすセイボリー
- 地元食材や名物を取り入れた別皿
といったレイヤーごとの役割を考えることで、ゲストの満足度と単価の両方を設計しやすくなりそうです。




いちごアフタヌーンティー&ステイのオプション設計
オプションとして設定されたシャンパーニュハーフボトルと、割引価格のディナーメニューも興味深いポイントです。
- ベースプラン:いちごアフタヌーンティー&ステイ(宿泊+アフタヌーンティー+朝食)
- オプション:シャンパーニュハーフボトル注文で、スープやステーキのルームサービスを特別価格に
この設計により、
- まずはいちごアフタヌーンティー&ステイとして「体験付き宿泊」の価値を作る
- 追加でお酒・ディナーを楽しむゲストから、付帯収益を確保する
- ルームサービスに誘導することで、レストランの席数に依存しない導線を確保する
という流れが作られています。自社で応用する場合も、いちごアフタヌーンティー&ステイのように「ベースプラン+オプション」という二段構えを意識すると、販売戦略の幅が広がりやすくなります。
いちごフェア全体との連動


同ホテルでは、館内レストランでのスイーツビュッフェやパフェ、モクテルなど、いちごをテーマにしたフェアも別途展開するとしています。いちごアフタヌーンティー&ステイは、その中の一つとして「宿泊×いちご」の入口を担う位置づけと考えられます。
- 日帰り利用:スイーツビュッフェやパフェ、モクテル
- 宿泊利用:いちごアフタヌーンティー&ステイで客室体験へ誘導
このように、館内のいちごフェア全体と連動させることで、マーケティングメッセージが整理され、「この冬はいちごを楽しみに行くならこのホテル」というイメージを作りやすくなります。
自社への活かし方のヒント
小規模宿でも応用できる「いちごアフタヌーンティー&ステイ的」な発想
いちごアフタヌーンティー&ステイのようなプランは、大規模シティホテルだけのものではありません。旅館や中小規模ホテルでも、次のような形で応用が可能です。
- ラウンジがなくても、客室または個室で提供する「プチいちごアフタヌーンティー」
- 地元いちご農家と連携した、産地ストーリー付きのいちごアフタヌーンティー&ステイ風プラン
- 和室や露天風呂付き客室と組み合わせた、「いちご×温泉×おこもり」滞在
重要なのは、「いちごアフタヌーンティー&ステイの名称を真似ること」ではなく、
- 客室で完結する甘い体験を用意する
- 写真映えと味のバランスをとる
- 地元らしさや館の個性をどこかににじませる
という3つの要素を、自社のスケールに合わせて再構成することだと言えそうです。
従業員エンゲージメントを高める企画の進め方
いちごアフタヌーンティー&ステイのようなプランは、現場スタッフのアイデアや関わり方次第で価値が変わります。従業員エンゲージメントの観点では、次のような進め方も検討してみると良いかもしれません。
- パティシエや調理スタッフに、「自分が作りたいいちごスイーツ」を1品ずつ提案してもらう
- 客室係やフロントが、ゲストからの声を集めてメニュー改善に反映する
- SNS投稿のアイデアを若手スタッフから募集し、「いちごアフタヌーンティー&ステイの撮り方ガイド」を一緒に作る
企画段階からスタッフを巻き込むことで、「自分たちのプランを売っている」という実感が生まれ、提供時の説明や接客にも自然と熱量が乗りやすくなります。結果として、いちごアフタヌーンティー&ステイのようなプランが、スタッフのモチベーションアップや定着にもつながる可能性があります。
オペレーション設計で注意したいポイント
実際にいちごアフタヌーンティー&ステイ風のプランを導入する際には、次のようなオペレーション上の注意点も押さえておきたいところです。
- 提供時間をあらかじめ枠で区切り、キッチンとサービスのピークを見える化する
- 食材コストと廃棄ロスを抑えるため、1日あたりの販売数を上限設定する(いちごアフタヌーンティー&ステイのような「1日5室限定」の考え方)
- アレルギーや苦手食材について、事前にヒアリングするフローを作る
- 客室での提供に慣れていないスタッフ向けに、トレイの持ち運びや設置場所、写真撮影の声かけなどを含めた簡単なマニュアルを用意する
このあたりを最初から検討しておくと、いちごアフタヌーンティー&ステイのような企画でも、負荷を抑えつつ安定して提供しやすくなりそうです。
まとめ
- いちごアフタヌーンティー&ステイは、「客室で完結する季節のティータイム体験」として、冬のいちご需要を宿泊と結びつけるモデルケースと捉えられます。
- シグネチャースイーツや地元食材を組み込んだアフタヌーンティー構成と、シャンパーニュ&ディナーのオプション設計により、滞在単価と満足度の両方を高める工夫が見られます。
- 自社でいちごアフタヌーンティー&ステイのような企画を検討する際は、「客室での過ごし方設計」「販売数と提供時間のコントロール」「スタッフを巻き込んだメニュー開発」を意識しておくと安心です。
- いきなり大がかりなプランにせず、小さなアフタヌーンティーセットや限定日から始めるという選択肢もありますので、自館の規模と人員体制に合わせて一歩ずつ取り組んでいくと良さそうです。
企業情報
会社名:株式会社ニュー・オータニ
施設名:ホテルニューオータニ幕張
所在地:千葉県千葉市
公式サイト:ホテルニューオータニ幕張 公式サイト
宿泊プラン詳細ページ:『いちごアフタヌーンティー&ステイ』プランページ
本リリースに関するお問い合わせ
お問い合わせ先:ホテルニューオータニ幕張 客室予約
電話番号:043-297-6666(10:00〜18:00)
出典:PR TIMES『お部屋で過ごす、甘くて優雅ないちご時間。冬限定“いちごアフタヌーンティー”付ステイプラン』https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003495.000014571.html


