The Ryokan Tokyo YUGAWRA が2026年のスタート企画として「推し年賀状風呂」を実施すると発表しており、宿泊業にとっても推し活と温泉体験をどう掛け合わせるかを考えるヒントになりそうです。この記事では、湯河原温泉のThe Ryokan Tokyo YUGAWRA と日帰り施設おふろcafe HITOMAの取り組みを整理しながら、自館で応用できるポイントや注意点を解説していきます。
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本記事のポイント
- The Ryokan Tokyo YUGAWRA の推し年賀状風呂は、推し活を「おふろ体験」に落とし込んだ参加型コンテンツであり、ファン心理をつかむ企画づくりの参考になります。
- 入浴木に林業の町・ときがわ町の間伐材を使うことで、「おふろから文化を発信する」というコンセプトとサステナビリティを両立させている点は、地域資源活用の好例といえます。
- 小さな新年企画でも、The Ryokan Tokyo YUGAWRA のようにターゲット(クリエイターや推し活層)を明確にすることで、従業員エンゲージメントやSNS発信にも波及しやすくなります。
ニュースの概要

湯河原の旅館「The Ryokan Tokyo YUGAWRA」を運営する株式会社温泉道場は、2026年(026=お風呂の年)を記念した企画として、「推し年賀状風呂」を開催すると発表しています。2026年1月1日から1月12日までの期間、浴室にお客さまが描いた「推し」のイラスト入り入浴木を飾り、新年のお祝いムードの中で推し活を楽しめるお風呂空間を演出するとしています。
入浴木は年賀状の形をした木札で、2025年12月29日10時からフロント横で配布し、ゲストが推しのイラストやメッセージを書き込めるようにする、としています。記入された入浴木はスタッフが預かり、2026年1月1日11時から男女浴室に順次飾っていく流れです。数量限定で、無くなり次第配布終了としています。
The Ryokan Tokyo YUGAWRA は、万葉集にも詠まれる歴史ある湯河原温泉に位置する温泉旅館で、夏目漱石や芥川龍之介ら文豪にゆかりのある土地柄を背景に、「大人の原稿執筆パック」や「御自愛パック」など、クリエイターや文章を書く人を意識した宿泊プランを展開していると説明しています。こうした特性を活かし、お客さまの「推し」への想いを表現できる場として企画した、としています。
入浴木の素材には、林業の町として知られる埼玉県ときがわ町の間伐材を使用すると発表しています。温泉道場グループは「おふろから文化を発信する」を企業理念に掲げており、間伐材の積極活用を通じて、持続可能な林業や森林整備への関心を高めるきっかけにしたい、としています。
また、同じ湯河原エリアには、おふろcafe HITOMA という日帰り温浴施設も運営しており、インク作り体験や源泉かけ流し温泉、海鮮ランチ、ガラスペンやお香を扱うショップなど、「書く」「くつろぐ」「味わう」を組み合わせた滞在が楽しめる場として位置付けているとしています。
宿泊業にとってのポイント:The Ryokan Tokyo YUGAWRAの推し年賀状風呂
推し活を「滞在体験」にする発想
The Ryokan Tokyo YUGAWRA の推し年賀状風呂は、「推し活」という個人的な楽しみを、温泉旅館ならではの「おふろ時間」に変換している点が特徴的です。単に推しグッズを持ち込んでもらうだけでなく、入浴木という媒介を用意することで、ゲストの想いを空間に可視化し、他のゲストとも共有できる体験になっています。
宿泊業にとっては、「推し活=グッズ消費・ライブ遠征」といったイメージにとどまらず、「推しについてゆっくり語る・描く・浸る場」を提供することで、滞在価値そのものを高めるヒントになるのではないでしょうか。
クリエイター層との親和性を生かしたコンセプト設計
The Ryokan Tokyo YUGAWRA は、原稿執筆のための滞在に利用するクリエイターが多いと紹介しています。そうした客層にとって、「推しを描いてお風呂に浮かべる」「年賀状として推しにメッセージを書く」といった行為は、創作意欲とも相性が良いと考えられます。
自館にどのようなゲストが多いかを振り返り、「ビジネス利用が多いからこそ、仕事仲間への感謝を綴るボード」「ファミリーが多いからこそ、子どもの成長を祝うフォトスポット」といったように、The Ryokan Tokyo YUGAWRA のようなコンセプトの合わせ方を考えてみると、企画の方向性が見えやすくなります。
サステナビリティとストーリー性の両立
入浴木にときがわ町の間伐材を使う取り組みは、単なるノベルティではなく、「林業の町を支える」「森を守る」というストーリーを付加しています。宿泊客にとっても、「この木札が実は間伐材で、森の手入れにつながっている」と分かると、参加への納得感や満足度が上がりやすいと考えられます。
自館でも、地元の木材・和紙・陶器などを使った仕掛けをつくることで、地域とのつながりを感じられるコンテンツにしやすくなります。The Ryokan Tokyo YUGAWRA の事例は、その好例といえそうです。
背景と理由の整理:The Ryokan Tokyo YUGAWRAが推し活企画に取り組む意味
推し活・聖地巡礼が観光トレンドになっている
近年、アニメやアイドル、スポーツチームなどに関連した「推し活」「聖地巡礼」は、国内外の観光ニーズとして定着しつつあります。単に観光地を巡るだけでなく、「推しにまつわる場所で、推しを想いながら時間を過ごすこと」自体が目的化している傾向も見られます。
The Ryokan Tokyo YUGAWRA の推し年賀状風呂は、「推しに浸る時間」をおふろという非日常空間に組み込んだ企画であり、こうしたトレンドを旅館文脈にうまく翻訳した例と見ることができそうです。
新年の節目×温泉×推し活という組み合わせ
年末年始は、もともと宿泊需要が高まりやすく、かつ「願掛け」「一年の抱負」など、気持ちを新たにするタイミングです。The Ryokan Tokyo YUGAWRA は、2026年を「026=お風呂の年」と捉え、新年の年賀状文化とおふろ文化を掛け合わせた企画として位置づけています。
このように、カレンダーイベントと宿泊施設のメイン機能(温泉・食事など)に、推し活という感情のフックを足すことで、「ただ泊まる」から一歩進んだ滞在動機をつくり出せる可能性があります。
従業員エンゲージメント向上のきっかけにも
推し年賀状風呂のような企画は、ゲストだけでなく従業員にとっても、自分の推しや好きなものを話題にできる場になり得ます。フロントで入浴木の書き方を案内したり、飾り付けを一緒に行ったりする中で、「スタッフの推し」をきっかけにしたコミュニケーションも生まれやすくなります。
従業員が楽しんで関われる企画は、接客の表情にも反映されやすく、結果としてサービス全体の印象向上にもつながりやすいと考えられます。The Ryokan Tokyo YUGAWRA のように、スタッフも巻き込めるテーマ設定を意識しておくと良さそうです。
具体的な取り組み・ニュース内容の解説:The Ryokan Tokyo YUGAWRAとおふろcafe HITOMA
推し年賀状風呂の基本フロー
The Ryokan Tokyo YUGAWRA が発表している推し年賀状風呂の流れは、概ね次のように整理できます。
- 2025年12月29日10時から、フロント横で年賀状形の入浴木を配布(数量限定)
- ゲストが推しのイラストやメッセージを記入し、スタッフに預ける
- 2026年1月1日11時から、男女浴室に入浴木を順次飾り付け
- 1月12日までの期間中、浴室全体が「推し年賀状」で彩られた状態で営業
オペレーションとしては、フロントでの配布・回収と、浴室での設置作業が主な追加業務になります。企画規模に対して運営負荷が比較的抑えやすい点も、宿泊業にとって参考になるポイントではないでしょうか。
なお、自館で類似企画を検討する場合は、入浴木に描かれる内容のガイドライン(他者を傷つける表現や公序良俗に反するものは控えてもらう等)を事前に定め、スタッフが一度目を通してから飾る運用にしておくと安心です。
間伐材の入浴木が生む価値
入浴木に間伐材を用いることで、
- 森林整備や林業への関心喚起
- 木の香りや手触りによるリラックス効果
- 「書く」「描く」という行為の特別感
といった付加価値が生まれます。The Ryokan Tokyo YUGAWRA のように、企業理念と素材の選定を結びつけると、ゲストに伝えられるストーリーが増え、館内の掲示やスタッフの説明もしやすくなります。
同時に、濡れた木材の管理やカビ対策など、衛生面の配慮も必要です。浴槽に浮かべるのか、浴室内の壁や棚に設置するのかなど、見え方とメンテナンスのバランスを考えながら、自館の設備に合った形を検討するとよいでしょう。
おふろcafe HITOMAとの連動可能性
湯河原温泉 おふろcafe HITOMA は、インク作り体験や温泉カフェ、ショップなどを備えた日帰り施設と紹介されています。The Ryokan Tokyo YUGAWRA の宿泊と、おふろcafe HITOMA の体験を組み合わせることで、
- 日帰り客に宿泊プランを訴求する導線
- 宿泊客に日中の過ごし方を提案する導線
- インク作り体験で作った色を推し年賀状に使うなど、体験同士の連携
といったシナジーも考えられます。
他施設でも、グループ内の旅館・ホテル・日帰り施設・飲食店がある場合は、The Ryokan Tokyo YUGAWRA とおふろcafe HITOMA のように「体験のはしご」を意識して企画を組み立てることで、客単価や滞在時間の向上につなげやすくなります。
自社への活かし方のヒント:The Ryokan Tokyo YUGAWRA企画をモデルに
1. まず「何の推し」をテーマにするかを決める
The Ryokan Tokyo YUGAWRA は、「推し年賀状風呂」という形で、推し活そのものをテーマにしていますが、自館で真似る際には、もう一歩踏み込んでテーマを絞るのも一案です。
例えば次のような方向性が考えられます。
- アニメ・漫画・ゲームなど、既に聖地巡礼ニーズがある地域なら、その作品の推しキャラを描ける企画
- 地元スポーツチームやご当地キャラクターを「推し」に設定した応援風呂
- 「今年推したい自分の目標」を書くセルフケア年賀状風呂
ターゲットとしたい顧客層(若年層、ファミリー、女性グループ、クリエイターなど)を想定しながら、「どんな推しなら共感してもらえそうか」を社内で話し合ってみると、The Ryokan Tokyo YUGAWRA の事例が自館仕様に落とし込みやすくなります。
2. 参加方法をシンプルに、スタッフ導線もセットで設計する
The Ryokan Tokyo YUGAWRA のように、フロントで入浴木を配布する方式は、チェックイン導線と合わせやすい運用です。自館で実施する場合も、
- どこで配布するか(フロント、ラウンジ、客室など)
- どこで記入してもらうか(客室、共用スペース)
- どのタイミングで回収するか(夕食前、就寝前、チェックアウト時)
をあらかじめパターン化しておくと、現場の負担を抑えられます。
また、スタッフ向けには、
- 推し年賀状の趣旨説明のトークスクリプト
- 不適切な内容への対応方針
- SNSへの投稿可否の説明フレーズ
なども簡単にまとめておくと、誰が対応しても同じ品質で案内しやすくなります。
3. 多言語・インバウンド対応の視点も忘れずに
推し活やアニメ文化は海外からの人気も高いため、インバウンド需要のあるエリアでは、多言語対応もポイントになります。最低限、
- 英語での企画説明文(What is “推し年賀状風呂”? など)
- 推しの意味を簡潔に説明する一文
- 記入時の注意事項(NG表現など)の英訳
があると、外国人ゲストも参加しやすくなります。
スマートフォンやタブレットの翻訳機能を補助的に使いながらも、The Ryokan Tokyo YUGAWRA のような分かりやすいコンセプト名を用意しておくと、説明がスムーズになります。
4. サステナビリティや地域連携を盛り込む
The Ryokan Tokyo YUGAWRA の入浴木のように、地域の間伐材や伝統工芸を組み合わせると、企画が単なるイベントで終わらず、「地域を支える宿」としての打ち出しにもなります。
具体的には、
- 地元の木工所と協力して、オリジナルの木札やコースターを制作する
- 地元の紙漉き工房と連携し、和紙の年賀状カードを用意する
- 地域のアーティストにデザインを依頼し、限定テンプレートを作る
といったコラボレーションも考えられます。小さな取り組みでも、地域事業者との関係づくりや将来の商品開発につながる可能性があります。
5. 従業員エンゲージメント施策としても位置づける
最後に、The Ryokan Tokyo YUGAWRA のような企画を、「集客施策」と同時に「従業員エンゲージメント施策」として設計する視点も有効です。
例えば、
- スタッフの推しを紹介するボードやコーナーを館内に設置する
- 企画のアイデア出しや飾り付けに、若手スタッフやアルバイトも参加してもらう
- 実施後、スタッフ同士で「どの推し年賀状が印象的だったか」を共有するミニ振り返り会を行う
といった工夫を加えることで、現場の一体感や仕事への誇りにもつながりやすくなります。人手不足が課題の施設ほど、こうした「楽しい業務」の比率を少しでも増やしていくことが、離職防止にも寄与するかもしれません。
まとめ
- The Ryokan Tokyo YUGAWRA の推し年賀状風呂は、推し活トレンドと温泉旅館の強みを結びつけた、参加型の体験コンテンツとして参考になる事例です。
- 類似の施策を検討する際は、ターゲットとしたいゲスト像や「何の推し」をテーマにするかを明確にしておくと安心です。
- 入浴木やカードなどのメディアに地域の素材を使うことで、サステナビリティや地域連携の文脈も加わり、価格以上の価値を伝えやすくなります。
- まずは浴室ではなくラウンジやロビーの小さなコーナーから試すという選択肢もありますので、自館の規模やスタッフ体制に合わせて無理のない形から始めていくとよいでしょう。



企業情報
株式会社ONDOホールディングス
- 会社名:株式会社ONDOホールディングス
- 所在地:埼玉県比企郡ときがわ町(本社所在地として記載)
- 事業内容:株式会社温泉道場、株式会社Kii company、株式会社さかなと、株式会社埼玉武蔵ヒートベアーズを傘下に、「地域を沸かす」ための新たな価値創造、地域活性化、人材育成などを行う持株会社グループとしています。
- 公式サイト:ONDOホールディングス公式サイト
株式会社温泉道場
- 会社名:株式会社温泉道場
- 所在地:埼玉県比企郡ときがわ町
- 代表者名:代表取締役 山崎寿樹
- 事業内容:温浴施設・宿泊施設・飲食店の運営を通じて、「おふろから文化を発信する」ことを掲げた事業を展開しているとしています。
The Ryokan Tokyo YUGAWRA
- 施設名:The Ryokan Tokyo YUGAWRA
- 所在地:神奈川県湯河原温泉エリア
- 事業内容:湯河原温泉に位置する温泉旅館として、歴史ある温泉文化と文豪ゆかりの土地を背景に、「大人の原稿執筆パック」や「御自愛パック」など、新しい旅館の形を追求しているとしています。
- 公式サイト:The Ryokan Tokyo YUGAWRA 公式サイト
湯河原温泉 おふろcafe HITOMA
- 施設名:湯河原温泉 おふろcafe HITOMA
- 所在地:神奈川県湯河原町
- 事業内容:インク作り体験、源泉かけ流し温泉、海鮮ランチ、ガラスペンやお香のショップなど、旅先の合間時間に楽しめる日帰り温浴施設として運営しているとしています。
出典:PR TIMES『おふろがみなさまの推しで埋め尽くされる⁉ The Ryokan Tokyo YUGAWRA/おふろcafe HITOMAにて「推し年賀状風呂」を開催!』https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001267.000034897.html


