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箱根湯の花プリンスホテル「冬こそ箱根温泉旅プラン」と冬季安全の工夫

雪見風呂(イメージ)
CoCoRo編集部

が打ち出した「冬こそ箱根旅プラン」は、装着を条件にした安全運転啓発型のプランです。この記事では、箱根湯の花プリンスによる冬タイヤ優待の考え方を整理しつつ、冬の山岳における交通安全と集客、ブランドづくりを両立させるヒントを、の経営者や現場責任者の方に向けてまとめます。

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本記事のポイント

  • 箱根湯の花プリンスホテルの「冬こそ箱根温泉旅プラン」は、冬タイヤ装着という安全行動を“割引”と“手土産”に変える仕組みづくりが特徴です。
  • 標高935mという環境情報や、自社調査の降雪・気温データ、JAFの雪道運転ポイントなどを組み合わせることで、「単なる値引きプラン」から「安全運転啓発企画」へと位置づけている点が参考になります。
  • 自施設でも、冬タイヤ・チェーン・公共交通利用などの安全行動をインセンティブ化し、や地域の安心感向上につなげる設計ができる可能性があります。

発表内容の整理

箱根湯の花プリンスホテル(神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯93)は、冬期の箱根エリアにおける安全運転の啓発を目的に、冬用タイヤを装着して自家用車で来館する宿泊客を対象とした「冬こそ箱根温泉旅プラン」を販売するとしています。販売期間は2026年1月5日から3月19日までで、三連休など一部日程は除外日としています。

料金は、和室を2名1室で利用した場合、1名あたり平日25,000円〜、休前日32,000円〜(いずれも入湯税別)と発表しています。1泊室料・・サービス料・消費税が含まれており、通常の「Prince Basic」と比べて最大20%の割引になると説明しています。

特典としては、冬用タイヤで来館したことを申告した1室につき1つ、箱根ラスクをプレゼントするとしています。ホテル側は、冬タイヤ装着という安全配慮を「安心」と「お得」の両方で報いることで、冬季の箱根路における安全運転の啓発につなげたいと述べています。

また、標高935mに位置する箱根湯の花プリンスホテル周辺では、前年1〜3月のあいだに9日間の降雪を記録し、同時期は氷点下まで冷え込む日が続いたとしています。積雪の有無にかかわらず路面凍結が発生しやすく、箱根エリアの山道ではスリップ事故への警戒が必要であると注意喚起しています。その文脈で、JAF(日本自動車連盟)の情報をもとに、スタッドレスタイヤやチェーン装着、車間距離の確保、急な操作を避けることなど、雪道・アイスンでの運転ポイントも紹介しています。

さらに、箱根湯の花プリンスホテルは、2025年5月に開業以来初となる露天風呂リニューアルを行ったとしています。乳白色の湯ノ花沢温泉を引く露天風呂は、自然石を用いた浴槽や新設された屋根により、景観と快適性の両立を図ったと説明しています。湯ノ花沢温泉は、地下約350mから噴き上がる約180℃の蒸気と沢水を組み合わせた「蒸気造成温泉」で、自家源泉の蒸気を暖房・冷房・給湯・バイナリー発電などにも活用し、CO₂削減や自然資源の有効活用に取り組んでいると述べています。

出典:PR TIMES『【箱根湯の花プリンスホテル】~冬の箱根路を安全な環境にするために~ 冬タイヤで安心をお得に!「冬こそ箱根温泉旅プラン」を販売』https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000003420.000024668.html

宿泊業にとってのポイント

箱根湯の花プリンスホテルから見える「安全行動インセンティブ化」

冬の山岳エリアや積雪地域の宿泊施設にとって、箱根湯の花プリンスホテルのように「冬タイヤ装着」という安全行動に対して割引やギフトを用意する発想は、参考になる取り組みと言えそうです。

このプランでは、値引き条件を「早割」や「曜日」ではなく、「安全運転に必要な備え」に結び付けています。これにより、次のような狙いが考えられます。

  • スリップ事故や立ち往生などによるキャンセル・遅延リスクを、一定程度下げる可能性がある
  • 「安全を大切にしている宿」という印象づくりにつながり、口コミやリピートに寄与する可能性がある
  • 冬シーズンの集客を、単なる値下げではなく「安全啓発キャンペーン」として打ち出せる

いわば、箱根湯の花プリンスホテルは、冬タイヤ装着というコストのかかる行動に対して、宿側から「ありがとう」を形で返す仕組みをつくっているとも見ることができます。

冬のアクセスリスクを「ブランドストーリー」に変える視点

冬の箱根のように、標高差や気象条件により路面凍結が起こりやすいエリアでは、「行き帰りが安全かどうか」も宿泊体験の一部としてお客さまは捉えがちです。

箱根湯の花プリンスホテルのケースでは、

  • 自社で調べた降雪日数・気温を提示し、根拠ある注意喚起を行っている
  • JAFの雪道運転ポイントを紹介し、第三者の知見も合わせて伝えている
  • 温泉・景観・な設備運用といったポジティブな要素も同時に発信している

といったバランスが見て取れます。
単に「危ないので気をつけてください」と伝えるのではなく、「準備をすれば安心して楽しめる冬の魅力」をセットで語っている点は、他エリアの宿泊施設にとってもヒントになりそうです。

背景と理由の整理

冬の山岳観光地が抱える「最後の数キロ」のリスク

箱根湯の花プリンスホテルが位置する標高935mクラスのエリアでは、幹線道路が比較的走りやすくても、最後の上り坂や日陰のカーブなどで一気に路面状況が悪化しやすいとされています。

特に、

  • 日中に融けた雪が夕方以降に再凍結する
  • 橋の上やトンネル出入口付近だけ局所的に凍る
  • 雪が少なくても「見た目は濡れているだけ」のブラックアイスバーンになる

といった状況は、ドライバーからすると変化が分かりにくく、急なスリップの原因になります。
こうした事情から、宿までのアクセスが「あと数キロなのに登れない」「宿の手前で立ち往生」といった事態につながることも現場では起こりがちです。

箱根湯の花プリンスホテルが冬タイヤ装着を明確に訴求している背景には、こうした“最後の数キロのリスク”を少しでも減らしたいという意図がありそうです。

お客さま満足度と安全配慮の関係

せっかくのが、到着前のスリップ事故や渋滞トラブルで台無しになると、宿泊体験そのものの評価にも影響することがあります。

箱根湯の花プリンスホテルのを見ると、

  • 冬タイヤ装着を前提とした訴求にすることで、「安全に配慮して来館してほしい」というメッセージを明確にしている
  • そのうえで、最大20%割引や箱根ラスクといった“目に見えるメリット”を用意して、プラスの動機づけに変えている

という構造になっています。
「安全のお願い」を「お得な理由」に変換している点は、他施設でも応用しやすい考え方と考えられます。

さらに、こうした安全配慮の取り組みは、従業員側の意識づけにもつながりやすい側面があります。フロントや担当が、道路状況や冬タイヤの重要性を自信を持って案内できるようになると、「お客さまの旅路まで気にかける宿」という一体感が生まれやすくなります。

具体的な取り組み ニュース内容の解説

箱根湯の花プリンスホテル「冬こそ箱根温泉旅プラン」の設計

ホテル外観
ホテル外観

箱根湯の花プリンスホテルの冬こそ箱根温泉旅プランを、宿泊業の視点から整理すると、次のような設計になっています。

  • 【対象期間】2026年1月5日〜3月19日(繁忙日の一部は除外)
  • 【条件】冬用タイヤを装着して自家用車で来館する宿泊客
  • 【料金設計】
    • 通常プラン「Prince Basic」と比べて最大20%割引(2名1室利用時)
    • 1泊2食付きの分かりやすいパッケージ料金
  • 【特典】
    • 割引率の明示
    • 1室につき箱根ラスクを1つプレゼント(「冬用タイヤで来ました」と自己申告した場合)

このように、「割引」と「地域性のあるギフト(箱根ラスク)」の2本立てで、冬タイヤ装着を後押ししている形です。
また、プラン名に「冬こそ箱根温泉旅」という言葉を入れることで、「冬の箱根を安全に楽しむ旅」というメッセージを前面に出しています。

気象データと安全情報の組み合わせ

箱根湯の花プリンスホテルは、自社で把握している気温・降雪日数のデータを挙げつつ、「降雪の有無にかかわらず路面凍結に警戒が必要」と説明しています。

加えて、JAFが示す雪道・アイスバーン運転のポイント(冬用タイヤやチェーンの装着、急な操作を避ける、車間距離の確保など)を紹介することで、ドライバーに対する具体的な注意喚起も行っています。

ここで重要なのは、「自社データ」と「外部の専門情報」を組み合わせて説明している点です。
宿泊施設としての(温泉・食事・景観)に加え、アクセスの安全性についても情報提供することで、安心して予約しやすい環境づくりにつながっていると考えられます。

温泉とサステナビリティのストーリー

露天風呂【湯ノ花沢温泉】
露天風呂【湯ノ花沢温泉】

箱根湯の花プリンスホテルは、冬こそ箱根温泉旅プランの案内と合わせて、露天風呂リニューアルや湯ノ花沢温泉の仕組み、蒸気を活用した省エネ・発電の取り組みも紹介しています。

  • 乳白色の単純硫黄温泉と、自然石を用いた露天風呂デザイン
  • 屋根の新設による、悪天候時でも快適な入浴環境
  • 地下深くからの蒸気を、温泉造成だけでなく暖房・冷房・給湯・バイナリー発電に活用
  • 沢水を厨房設備の冷却などにも利用し、自然資源を循環させる運営

このようなサステナブルな取り組みの情報は、「冬タイヤで安心して来ていただき、自然と共生する温泉体験を楽しんでほしい」というストーリーにつながります。
安全・快適・環境配慮を一体で語ることで、単なる値引きプランではなく、ブランドメッセージを伝える器として冬こそ箱根温泉旅プランを活用しているようにも見えます。

自社への活かし方のヒント

自施設版「安全行動インセンティブ」を考える

箱根湯の花プリンスホテルの事例を、自社の立地やターゲットに合わせて応用する場合、次のような切り口が考えられます。

  • 冬タイヤ装着・チェーン携行・スタッドレスタイヤのレンタカー利用など、地域特性に合った「安全行動」を条件にした優待プラン
  • 降雪・凍結は少ないエリアでも、大雨・台風・強風など、自エリアで起こりやすいリスクに応じた安全啓発キャンペーン
  • 公共交通機関利用者向けに、「電車・バスで来館した方プラン」を設けて、無理な自動車利用を避けてもらう選択肢

いずれの場合も、箱根湯の花プリンスホテルのように、
「お願い」だけでなく「メリット」もセットにすることで、お客さまが前向きに選びやすくなります。

従業員エンゲージメントの観点での設計

安全をテーマにしたプランは、従業員エンゲージメントの向上にもつなげやすいテーマです。

  • 予約・フロント・施設管理など、部署をまたいで「冬シーズンの安全対策ミーティング」を行う
  • 道路状況や冬タイヤの重要性について、スタッフ向けの簡単な勉強会や共有資料を作成する
  • 箱根湯の花プリンスホテルのような事例を社内共有し、「自分たちならどうアレンジできるか」を話し合う

こうしたプロセスを経ることで、「安全を守ることも自分たちの仕事の一部だ」という意識が育ちやすくなります。
お客さまから安全に関する質問を受けた際に、自信を持って答えられるスタッフが増えると、現場のやりがいにもつながっていきます。

情報発信と運用のポイント

自施設で箱根湯の花プリンスホテルのような施策を検討する場合、次のような運用面もあらかじめ整理しておくと安心です。

  • 予約ページやパンフレットで、「なぜこの安全行動をお願いしているのか」を丁寧に説明する
  • 冬タイヤ装着の確認方法は、あくまで自己申告ベースにするのか、チェックイン時に軽く確認するのかを決めておく
  • 道路状況が急変したときに、公式サイトやSNS、メールなどで情報を更新するルールを整えておく
  • 安全関連のプランで得られた予約数やクチコミ内容を振り返り、次年度以降の改善につなげる

このような運用ルールをあらかじめ決めておくと、安全を巡るコミュニケーションが属人的になりにくく、毎年のシーズンで再現性のある取り組みとして回しやすくなります。
箱根湯の花プリンスホテルの事例をきっかけに、自社でも「安全」と「」を両立した冬期プランの形を検討してみるのも一案と言えそうです。

まとめ

  • 箱根湯の花プリンスホテルの冬こそ箱根温泉旅プランは、冬タイヤ装着という安全行動を条件にした割引とギフトで、交通安全と集客を両立させようとする試みです。
  • 標高や降雪日数などの自社データと、JAFが示す雪道運転ポイントを組み合わせることで、「なぜ冬タイヤが必要なのか」を具体的に伝える情報発信になっています。
  • 自施設でも、冬タイヤ・公共交通利用・チェーン携行など地域に合った安全行動を優待条件にするプランを用意しておくと安心です。
  • 従業員エンゲージメントやブランドづくりの観点からも、安全をテーマにした宿泊プランを一年単位で育てていくという選択肢もあります。

企業情報

  • 会社名:株式会社西武・プリンスホテルズワールドワイド
  • 主な事業内容:ホテル・などの運営および関連事業
  • 施設名:箱根湯の花プリンスホテル
  • 所在地:神奈川県足柄下郡箱根町芦之湯93
  • 客室数:59室
  • チェックイン/チェックアウト:3:00P.M./11:00A.M.
  • アクセス:JR小田原駅から路線バス利用、東名高速道路 厚木I.C.から車で約1時間
  • 公式サイト(箱根湯の花プリンスホテル):https://www.princehotels.co.jp/yunohana/

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本記事は、公開されている情報(プレスリリース、公式サイト、官公庁等の公的資料を含む)を基に、宿泊業の実務に役立つ観点からCoCoRo編集部が独自に整理・解説したものです。記事内で取り上げる商品・サービス・施設・取り組み等は、発表元のホテル・旅館(および関係事業者)から個別の許諾、監修、承認を受けて作成したものではなく、またPR TIMESを含む配信媒体や発表元との提携・推奨・広告・販売促進を意図または示唆するものでもありません。

記事内容は、公開時点で確認可能な情報に基づき、可能な限り正確を期して編集していますが、発表内容の更新、運用条件の変更、地域・時期による提供状況の差異等により、最新情報と異なる場合があります。ご利用条件、料金、提供期間、予約方法、利用制限、安全上の注意事項等の最終的な判断にあたっては、発表元の公式発表・公式案内をご確認ください。

なお、記事内で言及する企業名・施設名・商品名・サービス名等の固有名詞およびロゴ等は、各権利者に帰属します。本記事は報道・解説を目的としており、権利侵害を意図するものではありません。万一、掲載内容に不適切な表現、事実誤認、権利上の懸念等がございましたら、確認のうえ適切に対応いたします。

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