海石榴/山翠楼/千代田荘が案内した湯河原梅林「梅の宴」鑑賞の特別プランは、早春の需要づくりと地域連携を同時に設計するヒントになりそうです。この記事では、発表内容を整理したうえで、観光庁の統計と自治体公開情報を根拠に、宿泊業の現場で再現しやすい考え方へ落とし込みます。
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本記事のポイント
- 海石榴/山翠楼/千代田荘の季節イベント連動を、宿泊業の「商品設計」と「運用設計」に分けて理解できます
- 観光庁の宿泊旅行統計と旅行消費データから、早春の需要づくりを数値で捉え直せます
- 梅の宴のような地域イベント連携で起きがちな現場の落とし穴と、従業員エンゲージメントの活かし方が整理できます
発表内容の整理
湯河原梅林で開催予定のイベント「梅の宴」に合わせ、海石榴つばき、山翠楼SANSUIROU、源泉のお宿 湯河原千代田荘の3施設が、鑑賞を組み込んだ特別プランの販売を始めたと発表しています。
イベントは2026年2月7日から3月8日までの開催予定で、期間中は最寄り駅から会場方面へ臨時の直通バスが運行される見込みだと説明しています。
プラン特典として、山翠楼SANSUIROUと湯河原千代田荘では梅園入園料が無料になるチケットを提供し、海石榴では同チケットに加えて夕食時の梅酒(1室につき1ボトル)を用意するとしています。会場への送迎は用意せず、移動は利用者自身での手配になるとも述べています。
出典:PR TIMES『【海石榴/山翠楼/千代田荘】湯河原温泉で梅の香りに包まれませんか? ~湯河原梅林「梅の宴」鑑賞特別プラン~』 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001809.000019483.html
宿泊業にとってのポイント:海石榴/山翠楼/千代田荘に学ぶ季節イベント連動
「目的地コンテンツ」を宿泊商品に編み込む発想
海石榴/山翠楼/千代田荘の取り組みは、宿の魅力だけで勝負するのではなく、地域の季節コンテンツを滞在価値に変える設計です。梅の宴のように開催期間が明確な催しは、予約の背中を押しやすい素材になります。
特典は「割引」より「行動のハードルを下げる」役割
入園料相当のチケット提供は、価格訴求というより「行ってみよう」を促す摩擦低減として効きやすい型です。宿側は原価の見通しが立てやすく、ゲスト側は滞在中の行動が具体化します。
従業員エンゲージメントは「案内品質」で差が出る
季節イベント連動は、予約前の説明から当日の導線案内まで、フロント・予約・料飲が同じ絵を描けるかで体験が変わります。海石榴/山翠楼/千代田荘のように特典が明確なほど、現場の説明負荷は下がり、案内品質を揃えやすくなります。
背景と理由の整理:湯河原温泉の需要を公的データで見る
観光庁「宿泊旅行統計調査」が示す、神奈川県の宿泊の動き
観光庁「宿泊旅行統計調査(2025年10月・第2次速報、2025年11月・第1次速報)」では、2025年10月の神奈川県の延べ宿泊者数(人泊)が2,628,340(前年同月比+18.9%)と示されています。内訳として、日本人延べ宿泊者数は2,023,280(前年同月比+11.8%)、外国人延べ宿泊者数は605,060(前年同月比+50.9%)です。
同じ資料で全国を見ると、2025年10月の延べ宿泊者数は5,861万人泊(前年同月比-1.6%)で、日本人は前年同月比マイナス、外国人はプラスという構図が示されています。首都圏近郊の温泉地でも、国内外の需要の混ざり方を前提に商品と言葉を整える重要性が上がっている、と読むこともできそうです。
旅行単価が上がる局面では「現地体験」の設計が効く
観光庁「旅行・観光消費動向調査 2025年7-9月期(1次速報)」では、国内旅行消費額が8兆536億円、国内延べ旅行者数が1億6,136万人、国内旅行単価が49,912円/人と公表されています。単価が上がる局面では、ただ安くするより「その土地らしさ」をセットで提案したほうが、納得感を作りやすくなります。
自治体公開情報が示す「梅の宴」の運用条件
湯河原町の公開情報では、梅の宴の開催期間(2026年2月7日〜3月8日)に加え、開催時間(9:00〜16:00)が示されています。さらに、入園料が300円であること、イベント期間中に駅から会場方面へ臨時直通バスを1日7便程度運行予定であることも公開されています。宿の側が案内に必要な運用条件を、自治体情報で揃えられる点は実務上大きなメリットです。
ニュース内容の解説:梅の宴×宿泊プランが刺さる理由
旅の意思決定を「当日の過ごし方」まで具体化できる

海石榴/山翠楼/千代田荘のように、梅の宴の入園と食事(梅酒を含む場合も)をセットで見せると、ゲストは「何時に出て、どこで何をするか」を想像しやすくなります。結果として、比較検討の段階で離脱しにくい構造が作れます。
交通案内はクレーム予防の中心になる
自治体の公開情報では、会場の時間帯が9:00〜16:00であることが示されています。チェックアウト後に向かうケースも増えやすいため、朝食会場の混雑や会計の集中とぶつかる可能性があります。梅の宴連動は「交通・時間・混雑」をセットで設計しておくと、現場の火消しが減ります。
落とし穴は「特典があるのに使われない」ケース
入園チケット特典は分かりやすい一方、悪天候や混雑で利用が見送られることもあります。未使用が続くと、ゲストは「損した気分」になりやすい点が落とし穴です。代替の過ごし方(館内での過ごし方、近隣の立ち寄り、チェックアウト後の導線)をフロントの定型トークに入れておくと安心です。
自社への活かし方のヒント:海石榴/山翠楼/千代田荘型の運用テンプレ
地域イベント連携を「3点セット」で組む
海石榴/山翠楼/千代田荘の設計は、次の3点セットに整理できます。
- 目的地コンテンツ:梅の宴など、期間と場所が明確な地域イベント
- 行動の摩擦を下げる特典:入園チケット、体験の一部同梱など
- 宿ならではの価値上乗せ:食事、地元の飲料、部屋食・滞在体験の強み
現場オペレーションは「当日配布物」と「一言案内」で揃える
季節イベントは、従業員の説明負担が積み上がりやすいテーマです。次のように「誰が案内しても同じ品質」へ寄せておくと、従業員エンゲージメントの面でも摩擦が減ります。
- チェックイン時:開催時間、混雑しやすい時間帯、移動手段の要点を30秒で案内
- 朝:出発目安と戻り時間の目安を提示し、客室清掃や会計のピークを平準化
- 料飲:特典(例:梅酒)がある場合、飲めない方への代替提案を用意
数字の見方は「県内の人泊」と「旅行単価」をセットにする
観光庁の宿泊旅行統計(人泊)で県内の動きを掴み、旅行・観光消費動向調査の旅行単価で「体験提案の強さ」が必要な局面かを判断する、という組み合わせが実務に合います。梅の宴のような短期イベントは、販促期間が短い分、意思決定の根拠を社内共有しやすい点もメリットです。
まとめ
- 海石榴/山翠楼/千代田荘の梅の宴連動は、地域イベントを宿泊商品に編み込む「定番化しやすい型」です
- 観光庁「宿泊旅行統計調査(人泊)」と「旅行・観光消費動向調査(旅行単価)」をセットで読むと、企画の納得感が作りやすくなります
- チケット特典は未使用リスクもあるため、代替導線の一言案内を用意しておくと安心です
- まずは「目的地コンテンツ」「摩擦低減特典」「宿の上乗せ価値」の3点セットで小さく試すという選択肢もあります
企業情報
- 会社名:野口観光マネジメント株式会社
- 設立:平成15年5月
- 資本金:3,000万円
- 代表者:代表取締役社長 野口 和秀
- 本社所在地:北海道登別市登別温泉町203番地1
- 公式サイト:野口観光グループ
海石榴(つばき)

- 所在地:神奈川県足柄下郡湯河原町(奥湯河原エリア)
- 公式サイト:海石榴 つばき
山翠楼SANSUIROU

- 所在地:神奈川県足柄下郡湯河原町(奥湯河原エリア)
- 公式サイト:山翠楼SANSUIROU
施設名:源泉のお宿 湯河原 千代田荘

- 施設名:源泉のお宿 湯河原 千代田荘
- 所在地:神奈川県足柄下郡湯河原町(奥湯河原エリア)
- 公式サイト:湯河原 千代田荘
お問い合わせ先 公開情報
- 海石榴(つばき) お問い合わせ:お問合せページ
- 山翠楼SANSUIROU お問い合わせ:お問合せページ
- 源泉のお宿 湯河原 千代田荘 お問い合わせ:お問合せページ
- 梅の宴(自治体公開情報):湯河原町「湯河原梅林『梅の宴』の開催について」
参考資料
- 観光庁『宿泊旅行統計調査(2025年10月・第2次速報、2025年11月・第1次速報)』:PDF
- 観光庁『旅行・観光消費動向調査 2025年7-9月期(1次速報)』:公表ページ
- 湯河原町『湯河原梅林「梅の宴」の開催について(更新日:2025年12月24日)』:公表ページ


