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俵山まちごと旅館の日帰り湯治が示すデイユース戦略

日帰り湯治プラン
CoCoRo編集部

俵山まちごと旅館が始めた日帰り湯治プランは、「外湯に入る→休む→また入る」を日帰りでも成立させる設計が特徴です。宿泊需要が動く今、旅館の稼働をならし、現場の負荷を読みやすくする打ち手としても参考になります。

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本記事のポイント

  • 俵山まちごと旅館の「」は、外湯文化と休憩室を組み合わせたデイユースモデルとして整理できる
  • 」の日帰り市場データから、旅館の新しい売上導線を考えられる
  • 俵山まちごと旅館の運用条件(時間・曜日・受け付け動線)を踏まえると、現場設計のヒントが見つかる

発表内容の整理

(運営:株式会社俵山クリエイト)は、俵山温泉で日帰りの「日帰り湯治プラン」を2026年1月16日から販売します。日帰り利用でも湯治の過ごし方を体験できるよう、入浴と休憩を組み合わせた内容です。

プランは最大6時間利用でき、料金は1名5,500円(税込)です。外湯フリーパスの入浴手形と、休憩用の客室(マットレスベッド付き)をセットにし、温泉街の2つの外湯を行き来できる設計になっています。

作務衣、タオル、湯かご、下駄、アメニティ類、ミネラルウォーター、ドリップコーヒーも含め、手ぶら利用を想定した構成です。対象日は2026年3月までの金・土・日(宿泊稼働日に準拠)で、受け付けは「川の湯」とされています。

出典:PR TIMES『[・長門市]1,100年の歴史を誇る名湯・俵山温泉で「俵山まちごと旅館」が日帰り湯治プランを開始 ―入って、休んで、また入る。のんびりと心ほどける一日を―』 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000061.000143891.html

宿泊業にとってのポイント:俵山まちごと旅館のデイユース設計

俵山まちごと旅館の要点は、日帰りでも「滞在体験」を欠かさないことにあります。入浴手形だけで終わらせず、休憩室を必ず用意した点が、単なる日帰り入浴との差をつくりました。

俵山まちごと旅館の「休憩室付き」は単価より満足を守る

日帰り客が困りやすいのは「湯と湯の間の居場所」です。俵山まちごと旅館は、休憩用客室をセットにして過ごし方を具体化しました。結果として、体験の質が上がり、次の来訪理由にもつながりやすくなります。

俵山まちごと旅館は外湯文化を“施設連携の商品”にした

外湯が複数ある温泉地でも、旅館側が動線を商品に落とし込めないケースは少なくありません。俵山まちごと旅館は、入浴手形の「何度でも」を前提に組み立て、温泉街全体の回遊を促す形に整えています。

背景と理由の整理:日帰り需要と温泉地の変化

日帰りの温泉需要は、景気の上下だけで説明しきれません。観光庁の統計をみると、日帰り旅行は市場規模として十分に大きく、宿泊以外の導線設計が経営論点になりやすい状況です。

観光庁データで見る「日帰り旅行」のボリューム

観光庁「・観光消費動向調査 2024年 年間値(確報)」では、2024年の日本人国内旅行消費額は25兆1,536億円、うち日帰り旅行消費額は4兆8,211億円と整理されています。延べ旅行者数も日帰りは2億4,681万人(人回)とされ、宿泊に次ぐ大きな母数が見えてきます。旅館が日帰り商品を持つ意義は、補助的というより「別の柱」として検討しやすい段階に入った、と見ることもできそうです。

高齢化の進行が「短時間ウェルネス」を後押しする

総務省統計局の統計トピックス(敬老の日関連)では、2025年9月15日時点の推計で65歳以上人口の割合が29.4%と示されています。移動負担を抑えたい層が増えるほど、宿泊一択ではなく「半日〜日帰り」の選択肢が効きやすくなります。俵山まちごと旅館のような日帰り湯治は、温泉地の価値を“短時間で受け取れる形”に翻訳した例として読み解けます。

ニュース内容の解説:俵山まちごと旅館の『入って、休んで、また入る』

俵山まちごと旅館の設計は、現場運用の条件が具体的です。時間枠と受付締切、提供曜日を絞り、宿泊のオペレーションと衝突しにくい形を選んだ点が現実的に映ります。

俵山まちごと旅館の「6時間・最終受付17時」が示す運用意図

プランは12:00〜22:00の範囲で最大6時間、最終受付17:00です。宿泊チェックイン帯と完全に分離はしないものの、受け入れ上限と清掃計画を組みやすい時間設定だと考えられます。さらに金・土・日を中心にしているため、宿泊稼働の読みと合わせた調整もしやすい構造です。

宿泊稼働の波とデイユースの関係を数字で押さえる

観光庁「(2025年10月・第2次速報、2025年11月・第1次速報)」では、(全体)が2025年10月67.1%、11月65.9%と公表されています。稼働が高い月でも“空きの出る時間帯・日”は残りやすく、日帰りの売り方があると販売余地を拾えます。総務省統計局が示す高齢化(65歳以上29.4%)も踏まえると、温泉地で「短時間滞在」の需要を丁寧に受ける意味は増しやすいはずです。

自社への活かし方のヒント:旅館デイユース運用のコツ

俵山まちごと旅館のやり方をそのまま真似る必要はありません。大切なのは、デイユースを“空室の穴埋め”ではなく、体験を守る商品として設計することです。

俵山まちごと旅館型を自社に落とすときの設計メモ

  • 商品の核を決める:入浴(館内・外湯連携)と休憩(客室・ラウンジ)を必ずセットにする
  • ルールを先に置く:利用時間、最終受付、客室数上限、清掃導線を先に固定する
  • 付帯を絞る:タオル類や館内着は「手ぶら価値」になる一方、原価と洗濯負荷も増えるため、提供範囲を決めておく

仮想事例:平日稼働をならす「半日商品」の作り方

例えば、20室の温泉旅館で平日の空室が目立つ場合、5室だけをデイユース枠に固定し、12:00開始・最終受付15:00・最大4時間にすると運用が読みやすくなります。入浴+休憩+軽い飲料に絞れば、清掃の山も作りにくいはずです。俵山まちごと旅館のように「過ごし方」を言語化すると、日帰り客の満足が安定しやすくなります。

落とし穴:デイユースが現場の不満を生むパターン

デイユースは、チェックイン前の清掃・リネン・フロント対応を増やします。準備不足のまま広げると、宿泊客の到着ピークと衝突して現場が疲弊しがちです。対象曜日を絞る、部屋タイプを限定する、担当を固定するなど、従業員が説明しやすい運用にしておくとエンゲージメント面でも安心です。

まとめ

  • 俵山まちごと旅館の日帰り湯治は「入浴+休憩」をセットにし、日帰りでも滞在価値を守った
  • 観光庁の統計では日帰り旅行の母数と消費額が大きく、旅館のデイユース商品は検討余地が広い
  • デイユース導入は時間枠・上限室数・清掃導線を先に固めておくと安心です
  • まずは曜日限定から始める、という選択肢もあります

企業情報

  • 施設名:俵山まちごと旅館
  • 所在地:山口県長門市俵山5153番地
  • 客室数:9室
  • 開業日:2025年10月10日
  • (公式):https://www.chillnn.com/198a114032dfc
  • Instagram:https://www.instagram.com/tawarayama_machigoto_ryokan/
  • 運営会社:株式会社俵山クリエイト
  • 代表者:田部井 智行
  • 設立:2025年4月
  • 所在地:山口県長門市俵山5153番地
  • 事業内容:・旅館の経営、運営受託及びコンサルティング/不動産の賃貸・管理・保有及び運用/地域課題解決及び活性化に関する業務 等
  • 株主:株式会社瀬戸内ブランドコーポレーション(100%)
  • 親会社:株式会社瀬戸内ブランドコーポレーション
  • 公式サイト:https://setouchi-bc.co.jp/

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参考資料

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