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観光庁公表「全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業:事務局公募」で宿泊業が整える準備

CoCoRo編集部

全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業の事務局公募が始まり、宿泊事業者にとっても「次の公募で何が問われるか」を先読みしやすい局面に入りました。今回は、事務局公募の要点を押さえつつ、補助金の公募が別途案内される前にホテル・旅館側で整えておくと効く準備を、観光統計と人件費トレンドを絡めて整理します。

この記事の目次
  1. 本記事のポイント
  2. 発表内容の整理
  3. 宿泊業にとってのポイント|全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業
  4. 背景と理由の整理|観光統計・人件費から読む観光DX
  5. ニュース内容の解説|全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業の狙い
  6. 自社への活かし方のヒント|観光DXを“申請のため”で終わらせない
  7. まとめ
  8. お問い合わせ先 公開情報
  9. 参考資料

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本記事のポイント

  • 全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業は「販路・マーケ強化」と「収益・」を同時に狙う設計で、宿泊業のKPI設計が通りやすい
  • 」の稼働・宿泊者データを前提に、・RevPARの改善余地をDX投資の根拠にできる
  • 補助金公募に備え、データ整備・運用体制・社内教育までを一枚に落とすと、全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業の採択後運用が楽になる

発表内容の整理

全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業
出典:観光庁『全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業

観光庁は、令和7年度補正予算の枠組みで「全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業」を運営する事務局(補助事業者)の公募を開始しました。事務局は、間接補助事業者(地域側・事業者側)の公募設計、申請受付の仕組み、審査体制の運営、交付・精算、事業の管理監督、成果の取りまとめまでを担う想定です。

事業そのものは、観光地の販路拡大やマーケティング強化、観光産業の収益・生産性向上に資するデジタルツール(生成AI等を含む)の導入、DX専門人材の伴走支援、データ活用モデルの創出を柱に据えています。設備投資だけでなく「導入後に使い切る」局面まで支援対象に含める点が特徴です。

今回の公募は、補助金の支援を受けたい地方公共団体・事業者向けの募集ではありません。補助金申請の公募は、内容が固まり次第、別途案内される整理です。

公募期間は2026年1月16日から2月13日17:00までで、応募書類に基づく審査を基本としつつ、必要に応じてヒアリングやプレゼン、追加資料提出があり得ます。

出典:観光庁『【令和7年度補正予算】「全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業」に係る事務局の公募を開始します』 https://www.mlit.go.jp/kankocho/kobo06_00036.html

宿泊業にとってのポイント|全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業

全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業は「単価と生産性」を一緒に語れる

・旅館のDXは、現場の省力化だけだと投資回収が弱くなりがちです。一方、全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業は、販路拡大・マーケ強化と、レベニューマネジメントを含む収益改善を同じ土俵で扱います。結果として、・在庫・価格の一体運用や、直販比率の改善など「売上側のKPI」も投資説明に乗せやすくなります。

観光DXの補助は「導入」より「運用」で差が出る

本事業は、計画策定、導入、導入後の活用と、場面ごとにDX専門人材の伴走支援を置く設計です。ツールを入れたものの現場が使い切れず、結局エクセルに戻る──この落とし穴を避ける枠組みだと見ることもできそうです。

事務局公募の進行は、宿泊事業者の「次の公募のUX」を左右する

事務局は、公募資料の整備だけでなく、申請受付のシステム構築や、有識者委員会の運営、交付・精算までを担います。申請の手間や必要な証憑の粒度は、事務局の運用設計で体感が変わります。宿泊事業者としては「申請に必要なデータを、普段の業務で残せる形に寄せる」発想が有効です。

背景と理由の整理|観光統計・人件費から読む観光DX

観光庁「宿泊旅行統計調査」に見る稼働局面と収益管理の必要性

観光庁「宿泊旅行統計調査(2025年10月・第2次速報/11月・第1次速報)」では、2025年10月の客室稼働率が全体67.1%、11月が65.9%と公表されています。延べ宿泊者数は10月5,861万人泊、11月5,772万人泊で、外国人延べ宿泊者数も10月1,648万人泊、11月1,520万人泊の規模です。
稼働が戻るほど、価格最適化・配分最適化の「取りこぼし」が損益に効きます。レベニューマネジメントをデータで回し、・団体のミックスを見える化する意義が大きくなります。

令和6年版観光白書が示す「地域差」と、データドリブン販路の価値

令和6年版観光白書(概要版)は、インバウンドの回復局面でも地域ごとに回復度合いが異なり得る点を、宿泊統計や消費動向のデータで示しています。地域差が大きい市場では、経験則だけに寄せず、需要の波をデータで捉えて販路と商品を組み替える動きが強くなります。

賃上げ圧力の下で「生産性DX」が先に必要になる可能性

厚生労働省「令和7(2025)年賃金引上げ等の実態に関する調査の概況」では、2025年中に「1人平均賃金を引き上げた・引き上げる」企業割合が91.5%と整理されています(調査は9〜12月予定を含む)。 (厚生労働省)
人件費が上がる環境では、客室清掃・フロント・予約管理などの業務DXを「コスト削減」だけでなく、サービス品質の維持と両立させる設計が現実的になります。

ニュース内容の解説|全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業の狙い

3本柱:デジタルツール、伴走支援、データ活用モデル

全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業は、(1)販路拡大・マーケ強化と生産性向上に資するデジタルツール導入(生成AI等を含む)、(2)DX専門人材の伴走支援、(3)データ活用による課題解決と消費拡大モデルの創出、の3本柱で整理されています。宿泊業に引きつけると、レベニュー・CRM・在庫連携と、現場オペレーションの標準化を「同時に」進めやすい枠組みです。

補助スキームのイメージと上限感

資料では、間接補助事業の形で(1)デジタルツール導入に補助率1/2・上限1,500万円、(2)専門人材の伴走支援に定額・上限800万円、などが示されています(事業形態の整理として)。自社の課題が「ツール選定」なのか「運用定着」なのかで、設計の軸が変わります。

事務局公募が始まった意味:補助金公募の前段が動いた

今回のニュースは、補助を受けたい事業者の募集ではなく、運営側(事務局)を決める段階に入った、という点が重要です。公募要領では、事務局が申請受付システムを整備することや、別途サイトを設ける場合に「go.jp」ドメイン取得を求める旨も記載されています。申請体験がオンライン中心に寄る可能性を踏まえ、日常から「数字と証憑が出せる状態」にしておくと後で困りにくいはずです。

自社への活かし方のヒント|観光DXを“申請のため”で終わらせない

全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業に通じるKPIを先に決める

申請書の説得力は、KPIの置き方で大きく変わります。宿泊業で扱いやすい指標は、例えば次の通りです。

  • 売上系:ADR、RevPAR、直販比率、連泊比率
  • 需要系:曜日別稼働、リードタイム、キャンセル率
  • 生産性系:清掃1室あたり時間、フロント1人あたり対応件数、問い合わせ一次応答率

全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業は「稼げる地域・稼げる産業」を掲げるため、売上と生産性を並べたKPIセットが作りやすい構造です。

観光DXの導入対象を「予約〜現場〜会計」まで一本化する

部分最適のツール導入は、現場の二重入力を増やしがちです。次の順で棚卸しすると、投資の優先順位が見えます。

  1. 予約・在庫・価格:PMS/CRS/チャネルマネージャー、価格ルール、在庫配分
  2. 現場オペ:清掃計画、タスク管理、館内FAQ、翻訳・接客支援
  3. データ:顧客属性、予約経路、単価要因、運用ログ
  4. 会計・精算:キャッシュレス、請求書、部門別原価

「どのデータがどこで生まれ、誰がメンテするか」まで決めておくと、伴走支援を受ける局面で議論が速くなります。

落とし穴:人材不足の中で“運用の手入れ”が後回しになる

DXは導入初月が一番テンションが高く、3か月目に運用が崩れやすい傾向があります。賃上げ圧力がある環境では、運用保守の時間が削られがちです。週30分でも「価格・在庫・レビュー・FAQ更新」を点検する枠を、マネージャーの予定に固定しておくと安心です。 (厚生労働省)

事務局の動きに合わせた情報導線の置き方

補助金公募は別途案内の扱いなので、情報源を分散させない工夫が効きます。

  • 観光庁の公募情報ページを月1で確認する
  • 事業の特設サイトがある場合は更新通知を追う
  • DMOや観光協会からの周知も、社内チャットの特定チャンネルに集約する

全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業を「単年度の申請イベント」で終わらせず、翌期の運用改善につなげる導線づくりが現場を守ります。 (TOP | 全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業)

まとめ

  • 全国の観光地・観光産業における観光DX推進事業は、販路・マーケと生産性を同時に改善しやすい設計で、宿泊業のKPI説明に向く
  • 稼働が戻る局面ほど、レベニューマネジメントとデータ整備が効きやすい
  • 運用定着の“手入れ時間”を先に確保しておくと安心です(導入後の活用が支援対象に含まれるため)
  • 申請前でも、見積・体制・証憑の置き場まで決めるという選択肢もあります

お問い合わせ先 公開情報

参考資料

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本記事は、公開されている情報(プレスリリース、公式サイト、官公庁等の公的資料を含む)を基に、宿泊業の実務に役立つ観点からCoCoRo編集部が独自に整理・解説したものです。記事内で取り上げる商品・サービス・施設・取り組み等は、発表元のホテル・旅館(および関係事業者)から個別の許諾、監修、承認を受けて作成したものではなく、またPR TIMESを含む配信媒体や発表元との提携・推奨・広告・販売促進を意図または示唆するものでもありません。

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