【観光庁】令和7年度補正予算事業「地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業」の公募を開始
観光庁は令和8年2月2日(月)より、地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業の公募を開始いたしました。観光地での災害対応・多言語案内・医療受入に関する整備が支援対象になると観光庁は発表しています。ホテル・旅館にとっては、非常時対応を「コスト」ではなく「選ばれる理由」に変える設計がしやすくなるかもしれません。
本記事では、地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業の要点を宿泊業目線で整理し、申請準備と現場導入の勘所をまとめます。
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本記事のポイント
- 地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業は、観光施設等の非常時対応や多言語、医療受入を後押しする枠組みとして読み解けます
- 宿泊施設は「避難所機能の強化」など、メニュー次第で支援対象になり得るため、該当可否の切り分けが申請の第一歩になります
- 採択後に「契約・発注した経費」が原則条件になるため、見積・仕様・自治体調整を先に固めておくと安心です
公募の概要

https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001979487.pdf,(参照:2026年2月2日).
観光庁は、令和7年度補正予算事業として地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業の公募を開始すると発表しています。公募期間は令和8年2月2日から令和8年9月25日までで、17時必着と案内されています。予算状況により、募集が早期終了する可能性にも言及されています。
事業は、観光地で訪日外国人旅行者を含む観光客が災害や事故、体調不良に遭遇した場合でも、地域として安全・安心を確保するための環境整備を支援する位置づけと説明されています。
支援メニューは大きく4つに整理され、観光施設等の避難所機能強化、多言語対応機能強化、訪日外国人患者の受入機能強化、災害時等における観光危機管理の強化が示されています。補助率は原則2分の1以内で、観光危機管理の強化は申請主体や計画策定状況により3分の2以内となる条件が示されています。
出典:観光庁『令和7年度補正予算事業「地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業」の公募を開始します』
地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業、宿泊業にとってのポイントは?
宿泊業にとっての最大の論点は、「宿泊施設がどのメニューで対象になり得るか」と「整備後の運用が回るか」です。地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業は、設備導入だけでなく、地域連携や危機管理の設計まで含めた取り組みを想定しているため、館内のBCPや受入体制の見直しと相性が良いと考えられます。
特に「災害時の観光施設等における避難所機能の強化」は、宿泊施設も対象になり得る旨が示されているため、ホテル・旅館が応募の検討をしやすいメニューと言えそうです。
一方で、設備を入れただけでは評価されにくく、非常時の動線、情報発信、自治体との役割分担まで一貫して説明できる計画が求められる可能性があります。地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業を「補助金の獲得」だけで終わらせず、口コミ・再訪・団体受入の安心材料に転換する視点も押さえておくと良さそうです。
インバウンドの安全・安心が売上に直結しやすい場面
宿泊施設は「旅行中の拠点」になりやすく、災害時には情報が集まりやすい場所でもあります。訪日客の不安が高まる局面では、館内掲示や多言語案内、停電・断水時の対応方針が、予約キャンセル抑制や評価に影響する可能性があります。
そのため、地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業は、単なる防災設備ではなく「説明できる安心」を整える投資と捉えると、現場の納得感が作りやすくなります。

補助対象外になりやすい費用を先に避ける
運用コストに近い費用や、機能向上が伴わない更新・修繕、消耗品などは補助対象外として整理されています。計画段階で対象外を混ぜると、見積の作り直しや説明負荷が増えがちです。
地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業は「何を入れるか」だけでなく、「何を入れないか」を先に決めると、申請の速度が上がるかもしれません。
背景と理由の整理
観光庁は、災害の激甚化・頻発化と訪日外国人旅行者の増加により、旅行中の災害遭遇や医療受診の増加が見込まれるという問題意識を示しています。宿泊業の現場でも、台風・豪雨・大雪・猛暑の影響で、交通遮断や停電、避難誘導の判断に迫られるケースが増えています。
地方誘客を進めるほど、都市部よりも情報が届きにくい地域・交通の選択肢が少ない地域での「安心の設計」が重要になります。安全・安心の不足は、地域全体の選択肢から外れる理由になりやすく、宿泊施設単体の努力だけでは埋めにくい領域でもあります。
その点、地域の観光危機管理計画の策定や、観光施設等の非常時対応機能の強化を束ねて支援する枠組みは、地域一体での底上げを狙った施策として理解できます。
観光危機管理計画が「優先採択」に関わり得る理由
事業では、観光危機管理計画の策定地域や、地域防災計画等に訪日外国人旅行者の避難計画を定めた地域が、優先的に採択され得る旨が示されています。
宿泊施設側は、自治体やDMOが計画を持っているか、策定予定として扱える状態かを早めに確認すると、申請の筋が通りやすくなります。館内BCPの更新も、地域計画と整合させておくと説明がしやすいでしょう。
多言語対応は「災害時」だけでなく平時にも効く
多言語対応は災害時の避難誘導だけでなく、平時の迷い・不安・問い合わせを減らす効果も期待できます。チェックイン導線、館内ルール、緊急連絡、医療機関案内などを整理すると、スタッフの負荷軽減にもつながる可能性があります。
安全・安心の整備を「繁忙期の現場を助ける整備」と捉え直すと、投資判断がしやすくなるかもしれません。
具体的な取り組み・ニュース内容の解説 地地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業
地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業は、メニューごとに対象事業者や施設、求められる準備が異なります。宿泊業に関係しやすいポイントを、実務に落とし込んで整理します。
4つの補助メニューと宿泊業の関係 インバウンド安全・安心の整理
| 補助メニュー | ねらい | 宿泊業で想定しやすい活用例 |
|---|---|---|
| 災害時の観光施設等における避難所機能の強化 | 非常時に観光客が滞留しても安全を確保 | 非常用電源、災害用トイレ、備蓄、避難スペース整備など |
| 観光客の安全・安心に資する観光施設等における多言語対応機能の強化 | 多言語で正確な情報発信・誘導 | 館内表示、非常時アナウンス、危険情報の多言語掲示、案内導線の統一 |
| 訪日外国人患者受入機能の強化 | 医療機関の受入環境整備 | 宿泊施設は医療機関と連携し、案内・搬送フローを整備しやすい |
| 災害時等における観光危機管理の強化 | 計画策定や訓練を支援 | 自治体・DMO主導の計画に宿泊施設が参画しやすい |
参考:
宿泊施設は、地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業の中でも「避難所機能の強化」で関わりやすい構造です。多言語や危機管理は、地域側の計画や観光施設としての位置づけによって関わり方が変わるため、早めの切り分けが重要になります。
補助率と上限の考え方 インバウンド安全・安心の投資判断
補助率は原則2分の1以内と整理されています。災害時等における観光危機管理の強化は、都道府県申請など一定条件で3分の2以内となる条件が示されています。
宿泊業が関わる場合は、設備の仕様を「最低限」ではなく「非常時の運用まで含めて必要十分」に置くことがポイントです。過剰設備は維持負担になりやすい一方、最低限すぎると訓練や運用で機能しないリスクが残ります。地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業の計画では、導入後の運用体制まで書けると説得力が増すでしょう。
補助対象外経費と契約タイミング 地方誘客の落とし穴
補助対象外として、土地取得、機能向上を伴わない更新・修繕、消耗品、保険料、SIMや通信費などのランニングコスト、レンタル・リース、設備維持運営に関する費用などが整理されています。
また、補助金交付決定後に契約・発注した経費が原則となるため、先行発注は対象外になりやすい点が落とし穴です。現場でよくある「先に押さえてしまった」「繁忙期前に工事を入れた」が起きると、計画全体が崩れやすくなります。地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業では、意思決定の順番を守ることが重要です。
申請スキームとスケジュール感は?多言語対応の準備も

https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001979487.pdf,(参照:2026年2月2日).
応募は月末締切が基本で、審査結果は概ね翌月末を目処に通知すると案内されています。採択後は交付申請、交付決定、事業実施、完了実績報告、補助額確定、支払請求という流れが示されています。
一つの補助対象施設につき事業計画書は1件とされ、複数施設を運営する場合は施設ごとに作成が必要とされています。複数の整備内容を狙う場合も、事業ごとに計画を分ける整理が前提になりやすい点に注意が必要です。
地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業は、書類作業だけでなく、仕様の詰めと自治体調整が時間を使いやすい事業です。締切から逆算し、見積・図面・運用フローの完成度を上げておくと良さそうです。
自社への活かし方のヒント
地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業を自社の成果につなげるには、「施設整備」と「運用設計」を一体で考えることが近道です。以下はホテル・旅館で実務に落とし込みやすい進め方です。
まずは非常時導線と滞留リスクを棚卸し!安全・安心の見える化を
災害時に観光客が集まりやすい場所は、フロント、ロビー、駐車場、屋外の軒下などに偏りがちです。停電や通信障害を想定すると、案内が口頭に寄り、スタッフ負荷が急増します。
「誰が」「どこで」「何を判断し」「どこへ誘導するか」を、館内の図面と一緒に棚卸ししておくと、非常用電源やトイレ整備などの設備投資の根拠が作れます。
多言語対応は平時運用とセットで設計する!インバウンドの安心
多言語表示を増やすだけでは、災害時に情報が氾濫して逆効果になりやすい面もあります。表現の統一、掲示場所のルール、更新責任者、想定問答まで決めると、平時の問い合わせ削減にもつながります。
地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業を活用する場合は、「非常時掲示のテンプレート」と「平時の館内案内」を同時に整える選択肢もあります。
地域連携で避難所機能を成立させる!観光危機管理の実務
避難所機能の強化では、災害発生時に当該施設を避難のために利用することや、避難・誘導対応について、市区町村等との調整が前提として示されています。宿泊施設単体では決められない領域なので、早期に自治体窓口と役割分担をすり合わせる必要があります。
現場で起きやすい落とし穴は、設備は整えたのに「誰が鍵を開けるか」「どこまで受け入れるか」「外国語で何を伝えるか」が未決のまま運用できない状態になることです。訓練や掲示物の整備まで一体で計画に落とし込むと、実効性が上がるでしょう。
申請書づくりのチェックリスト!補助金の手戻り防止
- 対象メニューと施設区分が明確で、地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業の趣旨に沿っている
- 見積書は「対象経費」と「対象外経費」が分かれており、仕様と数量の根拠が説明できる
- 交付決定前に契約・発注しない運用になっている
- 自治体・DMO・医療機関など、関係者調整の証跡が準備できている
- 多言語対応は掲示物だけでなく、運用担当・更新頻度・緊急時の発信手順まで記載できる
地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業は、設備導入の計画書に見えて、実際は「地域の受入品質」を説明する書類でもあります。申請書の完成度を上げるほど、導入後の現場運用も楽になるという視点も振り返ってみるとヒントになるかもしれません。

まとめ
- 地方誘客促進に向けたインバウンド安全・安心対策推進事業は、災害対応・多言語・医療受入を一体で底上げする公募として整理できます
- 宿泊施設は避難所機能の強化などで対象になり得るため、メニュー適合と自治体調整を早めに進めておくと安心です
- 補助対象外経費や「交付決定後の契約・発注」要件で手戻りが起きやすいため、見積と仕様を先に固めるという選択肢もあります
- 施設整備だけでなく訓練・情報発信・役割分担まで書ける計画にすると、実効性が高まりやすいでしょう


