宿泊・旅行業界ニュース

御宿コトブキの快眠ルームで学ぶ体験設計

快眠へのこだわりを尽くした新客室『スリープデラックスツイン』
CoCoRo編集部

御宿コトブキの快眠へのこだわりを尽くした新客室『スリープデラックスツイン』の販売開始を手がかりに、睡眠に価値を置く滞在体験をどう作り、どう運用へ落とし込むかを整理します。設備投資だけで勝負せず、導線・接客・人材育成までを一つの体験として組み立てたい宿泊業の方向けです。

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本記事のポイント

  • 御宿コトブキの快眠ルームは「寝具の良さ」より、滞在全体の設計で価値を作る発想が読み取れます
  • 観光庁の宿泊統計から見る需要回復局面では、客室稼働の平均に寄せるより差別化の軸を立てると運用が楽になります
  • 御宿コトブキ型の快眠体験は、現場教育とオペレーション設計まで整えると再現性が上がります

発表内容の整理

湯村温泉郷の御宿コトブキは、睡眠に特化した新客室「スリープデラックスツイン」を新たに販売すると発表しました。医療グループの知見を背景に、寝具や室内環境を「快眠」に寄せた設計を打ち出しています。

あわせて、ヘッドマッサージの「快眠セラピー」と組み合わせた宿泊プランを用意し、アロマやハーブティー、レイトチェックアウトなどの特典を付けた内容を提示しています。宿泊対象日は2026年3月21日から11月6日で、料金は1泊2食付きの設定です。

客室は山側の静かな立地で、照明などの環境要素も含めて休息に集中できる滞在を狙っています。なお、快眠セラピーは専用プラン申込者のみ体験できる扱いで、客室に付随するサービスではない点も明示されています。

出典:PR TIMES『【湯村温泉郷 】医療グループの知見を結集した「究極の快眠ルーム」が誕生。専門家監修の環境で、生まれ変わるような睡眠体験を。』 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000015.000119753.html

快眠を滞在の価値にするための宿泊業にとってのポイント

御宿コトブキの発表で注目したいのは、「快眠」を客室の特徴で終わらせず、オリジナルのヘッドマッサージ「快眠セラピー」とレイトチェックアウトやアロマ等で至福の目覚めをプロデュースする「快眠プレミアムプラン」を展開し、”上質な睡眠体験"をサポートする新たな滞在体験を提案している点です。

御宿コトブキが示す、生まれ変わるような睡眠体験

睡眠をテーマにすると、マットレスや枕の話に寄りがちです。御宿コトブキの構成は、入室後の過ごし方、香りや飲料、チェックアウト時刻までを一連の体験として扱っています。宿泊業側が工程を握れる領域が増えるため、再現性が作りやすい型かもしれません。

御宿コトブキ型のアップセル、鍵は「時間の設計」

同じ部屋でも「滞在時間の質」を上げる設計があると、宿泊所の料金に対する納得感が生まれす。、就寝前の一杯、香りの選択などは物販よりも説明がしやすく、現場の提案もしやすい傾向があります。

現場負荷の見積もりに注意

快眠セラピーのような施術型サービスは、魅力が強い一方で人に依存します。繁忙期に品質が落ちると体験価値が崩れやすいので、提供枠の上限、研修時間、代替手段(混雑時は別メニューへ誘導)を最初から設計しておくと安心です。

背景と理由の整理:御宿コトブキが狙う睡眠需要

御宿コトブキの快眠ルームが向き合う日本の睡眠課題

御宿コトブキが「究極の快眠ルーム」を常設した背景には、国内の睡眠課題がある点も重なります。レスメド「世界睡眠調査2024」では、日本人の平均睡眠時間は約6.5時間で対象17カ国中で最短、睡眠の質に「満足していない」割合は40%と示されています。加えて、中途覚醒の割合は42%で、世界平均30%を上回る数値も示されました。

経済面でも無視しにくい材料があります。ブレインスリープ「睡眠偏差値®2024」は、睡眠の質が良い人と悪い人で年間の経済損失額に差が生じ、差分が一人あたり約76万円にのぼる試算を提示しています。御宿コトブキの快眠ルームは、観光の楽しさに「休息の回復感」を掛け合わせ、滞在そのものをコンディショニングの機会に置き換える狙いとして捉えることもできそうです。

観光庁データで見る宿泊市場と「差別化」の必要性

稼働が見込める局面では「平均点の改善」より、今回のように「快眠」に寄せた設計をするなど、選ばれる理由を尖らせたほうが販路でも現場でも扱いやすくなります。

(2024年・年間値(確定値))」では、全国の延べ宿泊者数が大きな規模で推移しており、需要は回復基調にあります。客室稼働率も月次で変動があるため、同じ施策でも当たり外れが出やすい環境です。こうした局面では、万人向けの改善より「刺さる軸」を作ることも重要です。

観光白書の旅行消費が示す「体験価値」の伸びしろ

「令和6年版観光白書(概要)」では、国内旅行消費の回復や宿泊旅行消費の動きが整理されています。価格訴求だけでは限界が出やすい一方、体験価値の言語化ができる施設は単価の説明がしやすくなります。御宿コトブキのようにテーマを明確に置くと、販促の軸も一本化できます。

睡眠を扱うなら、厚労省ガイドの生活者目線も参考に

厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」は、睡眠時間や環境整備など、生活者が実行できる観点をまとめています。宿泊施設の快眠提案は医療ではありませんが、生活習慣や環境といった要素に寄せるほど説明が丁寧になり、誇張表現も避けやすくなります。御宿コトブキの環境まで含める発想は、この方向性と相性が良い設計です。

御宿コトブキの究極の快眠ルーム

御宿コトブキの「究極の快眠ルーム」は、寝具・環境・サービスをまとめて体験にしています。宿泊業の実務としては「売り方」より先に「守り方」を決めると、継続運用が安定します。

御宿コトブキの快眠ルームは要素の束ね方がポイント

プレスリリースの公表内容を分解すると、(1)寝具、(2)静かな立地と照明などの環境、(3)施術や特典のサービス、の3点です。

快眠体験で注意したい表現と運用ルール

睡眠を扱うと「治る」「改善する」といった断定表現が出やすくなります。宿泊業としては、体験の狙いを「休息に集中できる環境」「翌朝の整い感」などに寄せ、個人差がある前提で説明するのが安全です。現場向けには、NGワード集と代替トークを用意すると良いでしょう。

御宿コトブキのような施術連動は提供枠が商品に

施術は売上になりやすい反面、予約集中で品質が落ちやすい領域です。提供枠の上限、禁忌の確認フロー、当日の遅延時のリカバリーを先に決めると、口コミの振れ幅が小さくなります。御宿コトブキのように「プラン申込者のみ」などの線引きは、運用上のメリットも大きい設計です。

自社への活かし方のヒント

御宿コトブキの発想は、大型投資がなくても要素設計で参考になります。特に温泉旅館は「入浴→食事→就寝」の導線を持つため、睡眠テーマのストーリーを組みやすい土壌があります。

御宿コトブキ型の睡眠体験を作るための設計チェック

  • ターゲットを一言で決める:出張疲れ、子育て後の夫婦、温泉好きの休息目的など
  • 就寝前の導線を整える:照明、音、飲み物、香り、スマホ導線(館内案内の出し方)
  • 起床後の価値を作る:朝食の重さ、入浴の提案、チェックアウト時間の選択肢
  • スタッフマニュアルを統一する:しっかり説明できる形にする

特典設計を自社向けに置き換える例

体験要素置き換え例(中小旅館向け)現場の注意点
香り無香料/微香の選択制、アレルギー確認カード体調ヒアリングを簡単にする
飲料カフェインレスの選択肢、就寝前の一杯提案提供時間を固定しオペを軽くする
時間レイトアウトの有料化、平日限定の延長枠清掃計画とセットで設計する
施術外部パートナー連携、短時間メニューから開始予約枠と品質基準を先に決める

“何を足すか”より“滞在価値としてどのようにまとめるか”で体験価値は上がります。

従業員エンゲージメントの作りどころ

睡眠テーマは、現場にとって「正解が曖昧」になりやすい領域です。だからこそ、教育設計がエンゲージメントに直結します。例えば次の型が使えます。

  • 目的:「休息に集中できる滞在」を支える
  • 手段:チェックイン時に3問だけ聞く(香り・飲料・朝の希望)
  • 成果:翌朝アンケートは1問に絞る(眠れた/整った感覚)

小さくPDCAを回し、現場の成功体験を積むと定着が進みます。

まとめ

  • 御宿コトブキの快眠ルームは、寝具よりも「滞在工程」の設計で価値を作っています
  • 観光庁の宿泊統計が示す回復局面では、体験の尖りが選ばれる理由になりやすい傾向があります
  • 施術や特典は提供枠とルールを先に決めておくと安心です
  • 御宿コトブキの型を参考に、就寝前後の導線から小さく始めるという選択肢もあります

企業情報

御宿コトブキ

参考資料

  • 観光庁「宿泊旅行統計調査(2024年・年間値(確定値))」:PDF
  • 観光庁「宿泊旅行統計調査(2025年11月・第2次速報、2025年12月・第1次速報)」:公表ページ
  • 国土交通省「令和6年版観光白書について(概要版)」:PDF
  • 厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」:PDF
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本記事は、公開されている情報(プレスリリース、公式サイト、官公庁等の公的資料を含む)を基に、宿泊業の実務に役立つ観点からCoCoRo編集部が独自に整理・解説したものです。記事内で取り上げる商品・サービス・施設・取り組み等は、発表元のホテル・旅館(および関係事業者)から個別の許諾、監修、承認を受けて作成したものではなく、またPR TIMESを含む配信媒体や発表元との提携・推奨・広告・販売促進を意図または示唆するものでもありません。

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