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玉造温泉 RYOKAN OQOQの通年サービスから学ぶ、滞在体験のつくり方

玉造温泉 RYOKAN OQOQメインビジュアル
CoCoRo編集部

玉造温泉 RYOKAN OQOQが通年の体験サービスを増やし、滞在中の「やること」を館内に丁寧に用意しました。温泉地の旅館が指名され続けるには、立地や泉質に加えて、滞在時間そのものを編集する発想が欠かせません。

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本記事のポイント

  • 玉造温泉 RYOKAN OQOQの新サービスは「館内回遊」と「思い出の持ち帰り」を同時に設計できる
  • 体験型滞在は客室稼働の季節変動をならす手段になり、温泉旅館の単価設計にも効く
  • 玉造温泉 RYOKAN OQOQの事例から、少人数でも回る運用KPIと導線づくりを具体化できる

発表内容の整理

島根県松江市の玉造温泉にある「」は、館内で楽しめる通年サービスを4つ新設した。ロビーでのウェルカム・ポップコーン提供、テーブルゲームの無料貸出、島根県産の椿油を使うスキンケアクリーム作成体験、複数の要素を組み合わせる温泉の素の調合体験を用意する。

あわせて、期間限定イベントとしてナイトバーでの樽生スパークリングワイン提供、館内に設ける「OQOQ神社」の展開も告知した。夜時間の過ごし方や館内の立ち寄り先を増やし、滞在の選択肢を厚くする構成である。

施設はオールインクルーシブのスタイルを掲げ、ドリンクやおつまみ等を追加料金なしで楽しめるとしている。また、乳幼児連れの家族向けの受け入れ体制に関する認定についても紹介している。

手ぶらで愉しむ「

出典:PR TIMES『【玉造温泉 RYOKAN OQOQ】4つの新・通年サービスを開始。自分だけの温泉の素作りや、地元産椿油のスキンケア体験で、”記憶の奥に残るワクワク”を!』 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000107.000085511.html

玉造温泉 RYOKAN OQOQの取り組みが宿泊業にもたらす論点

館内体験が「滞在の密度」を上げる

玉造温泉 RYOKAN OQOQの4つの通年施策は、観光の合間に“館内でできること”を増やす構造です。外出前後のすき間時間に立ち寄れる体験を置くと、チェックイン直後の待ち時間や夕食後の空白が減り、滞在の満足が上がりやすくなります。

もう一つの効きどころは、館内回遊の動線づくりです。ロビー、ラウンジ、体験コーナーが自然につながると、スタッフが強く誘導しなくても、ゲストが自分のペースで楽しめます。

無料提供を「価値の見える化」に変える運用

ポップコーンやゲーム貸出のような無料要素は、コストだけを見ると削りたくなります。反対に、無料を“写真に残る体験”として設計できれば、滞在価値の説明がしやすくなります。

ポイントは、無料の棚卸しです。誰が、いつ、どこで、どれだけ使うかを決め、利用が偏りすぎないように配置と告知を整えると、体験がサービス品質として立ち上がります。

ファミリーと夜時間の過ごし方を同時に整える

玉造温泉 RYOKAN OQOQは、ファミリー向けの受け入れ姿勢と、夜の楽しみ(ナイトバーや館内スポット)を同時に示しました。温泉地では、夕食後に外へ出づらい日もあります。館内に夜の選択肢があるだけで、連泊やグループ需要の受け皿が広がります。

体験型滞在ニーズと客室稼働の背景データ

観光庁「宿泊旅行統計調査」で見る稼働の波

(2025年11月・第2次速報、2025年12月・第1次速報)』では、客室稼働率が2025年11月は全体65.7%、旅館42.4%と整理されています。12月は全体59.1%で、同資料では12月の数値が第1次速報値であり後日の公表で変更となる可能性も示されています。

この稼働の波を前提にすると、体験型滞在を通年で積み上げる狙いは明確です。予約の理由を季節から“滞在の中身”へ寄せ、繁閑差をならす意思決定につながります。

島根県×施設タイプの差が示す「館内体験」の位置づけ

同資料の都道府県別では、2025年11月の島根県の客室稼働率(全体)が65.5%で、施設タイプ別では旅館55.9%、シティホテル87.2%など差も見えます。地域内でも、需要の取り込み方が分かれる状況です。

さらに、日本人延べ宿泊者数(施設所在地別)では、島根県が311,290人泊(2025年11月、前年同月比-6.1%)と示されています。需要が読みにくい局面ほど、旅先での“やること”を館内に持たせて選ばれる理由を補強する設計が効いてきます。

e-Statの調査概要で確認する対象範囲

e-Stat(政府統計の総合窓口)に掲載される「宿泊旅行統計調査」の概要では、延べ宿泊者数・客室稼働率などを把握し、観光行政の基礎資料とする目的が明記されています。調査は月次で、全国の宿泊施設を対象に行う点も示されています。数字の読み取りでは、月次・全国対象という前提を外さないことが重要です。

厚労省データから見る人手不足下の設計条件

厚生労働省『一般職業紹介状況(令和7年12月分及び令和7年分)』では、2025年12月の有効求人倍率(季節調整値)が1.19倍とされています。同資料の「主要産業別、規模別一般新規求人数状況(新規学卒者を除く)」では、,飲食サービス業の新規求人数が前年同月比-7.0%(12月、全数)と整理されています。

体験を増やすほど現場が苦しくなる論点があるため、セルフ運用の比率、ピークを外す設計、少人数でも回る導線が重要になります。

玉造温泉 RYOKAN OQOQの通年サービスを回す運用の要点

ロビー体験(ポップコーン・ゲーム)の導線と衛生

ウェルカム系の体験は、チェックイン導線に「置くだけ」で終わらせないことが大切です。香りや見た目で気づける位置に置き、利用方法は短い掲示で完結させます。フロントでの説明は一言で済む設計が現場を楽にします。

留意点としては、補充・清掃の担当とタイミングを固定すること、アレルゲン表示や誤飲防止などの安全配慮を運用ルールに落とすことが挙げられます。

制作体験(椿クリーム・温泉の素)の安全・原価・在庫

「作って持ち帰る」体験は、満足だけでなく口コミの素材になります。一方で、材料の管理と説明の品質がブレると事故につながるため、体験キット化が基本です。

原価は1回あたりで見積もり、繁忙日の上限回数を決めます。体験の受付時間を区切る運用や、スタッフ対応が難しい日はセルフ比率を上げる運用という選択肢もあります。

季節イベント(ナイトバー等)のピーク対応と接客品質

夜の企画は、提供数が増えるほど接客が混み合います。ピーク時間だけメニューを絞る、導線を一方通行にする、オーダーの取り方を統一するなど、現場の判断を減らす仕組みが効きます。

玉造温泉 RYOKAN OQOQのように「通年の土台」と「季節のスパイス」を分けると、毎月の企画負荷が安定しやすくなります。

体験施策のKPI:利用率・レビュー言及・スタッフ工数

体験施策のKPIは、売上だけに寄せないほうが管理しやすいです。例として、体験の利用率(体験者数÷宿泊者数)、レビューでの言及率、チェックイン時の滞留時間、スタッフ工数(補充・説明・片付けの分数)を置きます。
玉造温泉 RYOKAN OQOQ型の施策は「小さな感動」を積み上げるため、言及率の追跡が特に相性が良い指標になります。

旅館が自社で試すなら:玉造温泉 RYOKAN OQOQ型の最小実装

まずは1つ、滞在中に必ず触れる体験を置く

最初から4本立てにせず、「チェックイン直後」「夕食後」など接点が多い時間帯に1つ置きます。体験の説明を短文化し、掲示と導線で7割が伝わる状態にすると、スタッフの負荷が跳ねません。

先に“やめる条件(続けない条件)”も決めておくと安心です。利用率が一定に届かない、補充が回らないなど、撤退基準を明文化します。

“持ち帰れる記憶”を商品化する

椿油のスキンケアや温泉の素のように、旅の記憶を自宅へ持ち帰れる要素は強い導線になります。館内で完結するだけでなく、帰宅後の再体験につながる設計です。

売店やECにつなげる場合は、まず体験の満足を上げ、次に購入導線を足す順番が安全です。

現場が回る体制づくり:役割分担とマニュアル

体験は“誰が見ても同じ品質”が鍵です。朝・夕方・夜の点検チェック、補充量の基準、声かけの例文を用意し、属人化を避けます。新人でも回る粒度に落とすと、繁忙期の事故が減ります。

留意点として、衛生・安全・アレルゲン・未成年対応などは、館内ルールとして先に揃えておく必要があります。

数字で検証し、次の投資判断へ

2〜4週間単位で利用率とレビュー言及を確認し、改善点を1つだけ直します。改善が当たったら次の体験を追加し、外れたら撤退基準に沿って整理します。
玉造温泉 RYOKAN OQOQのように通年化を狙うなら、「小さく始めて、回る形にしてから増やす」が近道です。

まとめ

  • 玉造温泉 RYOKAN OQOQの通年体験は、館内回遊を増やして滞在満足を底上げする発想だった
  • 観光庁『宿泊旅行統計調査(2025年11月・第2次速報、2025年12月・第1次速報)』では、全体稼働と旅館稼働に差が見え、体験型滞在は繁閑差をならす打ち手になり得る
  • 厚生労働省『一般職業紹介状況(令和7年12月分及び令和7年分)』も踏まえ、セルフ運用比率と工数KPIを先に設計しておくと安心です
  • まずは1体験から最小実装し、利用率とレビュー言及で検証するという選択肢もあります

企業情報

  • 施設名:玉造温泉 RYOKAN OQOQ(旧:玉井別館)
  • 所在地:〒699-0201 島根県松江市玉湯町玉造1247
  • https://oqoq.jp/
  • 会社名:株式会社 女将塾
  • 所在地:東京都千代田区神田錦町3-23 神田錦町安田ビル11F
  • 代表者:三宅 大功
  • 設立:2004年8月20日
  • 事業内容:・ホテルの運営受託経営、運営コンサルティング
  • 公式サイト:https://okamijuku.com/

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参考資料

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