semilla NAGO OKINAWAは、沖縄・名護で「自然の中で暮らすように泊まる」体験を、全4室の小規模運営で実装しようとする新規開業の動きです。宿泊単体ではなく、食・仕事・整い・交流を一つの滞在導線として束ねる設計は、既存ホテル・旅館にとっても商品企画とオペレーション再設計のヒントになります。
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本記事のポイント
- semilla NAGO OKINAWAの設計を分解し、「小規模でも単価を作る」体験パッケージの考え方を整理する
- 観光庁の宿泊旅行統計とJNTO統計から、沖縄・名護で“暮らす滞在”が成立しやすい需給背景を押さえる
- 先行販売を含む立ち上げ手法を、宿泊KPI(稼働・単価・滞在価値)に落として自社に転用できる形にする
発表内容の整理


株式会社PLAY WORK GROUNDは、2026年4月25日に沖縄県名護市でライフスタイルヴィラ「semilla NAGO OKINAWA」を開業する。客室は全4室で、客室ごとに仕様が異なる設計とし、滞在者が気分や過ごし方に合わせて選べる構成を掲げる。
付帯施設として、宿泊者以外も利用できるダイニング「太陽と月のテラス」、ワークラウンジ、サウナ、屋外プールなどを設ける。夜は焚き火を囲む体験など、滞在者同士が緩やかに交わる仕掛けも用意する。
開業に先立ち、2026年2月23日から3月25日までMakuakeで先行販売を行い、最大60%オフを含む限定特典付きの宿泊プランを用意する。宿泊利用期間は2026年4月25日から2026年10月21日を予定としている。
出典:PR TIMES『【2026年4月25日開業】”日常をリゾートに”沖縄名護市に自然の中で暮らすように泊まる。全4室のライフスタイルヴィラ『semilla NAGO OKINAWA』がMakuake にて先行販売。』 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000003.000148097.html
semilla NAGO OKINAWAが示す宿泊業の論点
小規模ヴィラ運営で「単価の根拠」を作る設計
全4室は、稼働を積み上げる発想よりも「体験の密度で単価を説明する」発想と相性が良いです。客室差(設えの違い)を商品差として扱えるため、同一在庫の値付けから一段進んだレベニュー設計に繋げやすくなります。
ワーケーション導線で“滞在中の時間割”を握る
ワークラウンジを明示的に置くと、チェックイン後の過ごし方が組み立てやすくなります。宿泊施設側が滞在のリズムを提案できるため、館内利用(料飲・アクティビティ)の自然増が狙いやすい構造になります。
料飲を「地域の入口」にして外来需要も拾う
ダイニングを外来利用可にすると、宿泊のための広告だけでなく、地域の来訪導線(食の目的)も取り込めます。宿泊者の満足だけでなく、平日や閑散日の売上補完としても論点になり得ます。
semilla NAGO OKINAWAが意味を持つ背景:公的データで読む
宿泊需要は「国内の量」×「訪日の伸び」で再構成中
観光庁「宿泊旅行統計調査(2024年・年間値〈確定値〉)」では、2024年の延べ宿泊者数(全国計)が6億5,906万人泊、客室稼働率(全国計)が59.6%と整理されています(期間:2024年1〜12月、単位:人泊・%)。
同資料では、外国人延べ宿泊者数が1億6,447万人泊と伸び、国籍別集計は従業者数10人以上の施設を対象に作成している旨も注記されています。
沖縄は「国内の反動」でも「訪日の上積み」が効く市場
同じく観光庁資料の都道府県別集計(2024年1〜12月)では、沖縄県の延べ宿泊者数が3,127万5,600人泊です。内訳として、日本人延べ宿泊者数は2,433万6,770人泊、外国人延べ宿泊者数は693万8,830人泊が示されています。
宿泊施設側は、国内需要の波を前提にしつつ、訪日比率の上昇に合わせた商品・言語・導線整備を進めるほど、通期の需要ポートフォリオを安定させやすくなります。
訪日外客は「年間の積み上がり」が前提条件になった
JNTOの発表では、2025年の年間訪日外客数が4,268万3,600人で過去最高を更新したとされています(同発表内で2025年12月の月間値も公表)。
沖縄のようなリゾート文脈でも、都市圏偏重から地方部への分散を取りにいく局面では、商品を「景色」だけで終わらせず、滞在価値(食・整い・仕事・交流)として編集する意義が増します。
semilla NAGO OKINAWAの運用設計:導線・体験・KPI
先行販売は「需要検証」と「キャッシュ確度」を同時に動かす
Makuakeでの先行販売は、オープン前に予約需要の厚みを見にいける点が強みです。宿泊利用期間を区切っているため、開業直後の運用負荷を読みながら受け入れ枠を設計しやすくなります。
体験は「共用部→客室→夜」の順で設計するとブレにくい
ワークラウンジ、ダイニング、サウナ・プール、焚き火といった要素は、点で置くと運用が散らかります。おすすめは、チェックイン後の居場所(共用部)を起点に、客室で整える時間、夜の共有体験へと自然に流れる順番で設計することです。
ライフスタイルヴィラのKPIは「稼働・単価」だけで足りない
semilla NAGO OKINAWAのような滞在設計では、一般的なADRやRevPARに加えて、次の観点が効きます。
- 共用部の滞在時間(ラウンジ・テラスの稼働)
- 料飲の館内利用率(宿泊者)と外来比率(地域)
- 連泊比率、滞在中の追加購買(サウナ利用、体験参加など)
運用の論点として、共用部のピークが重なる時間帯は人員配置と動線を先に決めておくと安心です。
名護のライフスタイルヴィラを自社に活かすヒント
「暮らす滞在」を自社商品に翻訳するチェック項目
- 既存客室のどこを“居場所”にできるか(客室内デスク、共用ラウンジ、屋外席)
- 料飲を「地域の味」に寄せるか、「館の定番」に寄せるか
- 夜の時間帯に、静けさ重視か、交流の余白を作るか
方向性を先に決めると、打ち手の優先順位が揃います。
まずは小さく検証する:限定プランという選択肢もあります
開業に限らず、改装・新サービスの立ち上げでも「期間限定・数量限定」で検証する手があります。値引きの有無より、検証したい仮説(連泊が伸びるか、料飲が回るか、ワーク需要があるか)を1〜2個に絞るのがコツです。
semilla NAGO OKINAWA型の要素を“既存運営”に載せる順番
- 共用部の一角を「静かに集中できる席」に固定する
- 夕食の導線を、体験とセットで提案する(例:食→焚き火、食→サウナ)
- 連泊向けに客室の使い勝手を整える(収納、洗濯、軽食導線)
最後に、現場の負荷が上がりやすい業務(清掃・セッティング・夜間対応)を棚卸ししておくと安心です。
まとめ
- semilla NAGO OKINAWAは、小規模でも体験の束ね方で単価の根拠を作る発想を示した
- 観光庁データでは沖縄の延べ宿泊者数が3,127万5,600人泊(2024年)で、国内と訪日を組み合わせた設計が論点になる
- 先行販売の考え方は、改装や新サービスでも「限定で検証する」形に転用できる
- 共用部ピークの人員配置は先に決めておくと安心です
企業情報
- 会社名:株式会社PLAY WORK GROUND
- 代表者:代表取締役 遠藤 幸一郎
- 所在地:東京都世田谷区北沢2丁目5番2号 下北沢ビッグベンビル1F
- 設立:2023年4月
- 資本金:1,300万円
- 事業内容:宿泊施設のプロデュース・運営
- 公式サイト:https://playworkground.co.jp/
- 施設名:semilla NAGO OKINAWA
- 所在地:沖縄県名護市稲嶺
- 客室数:4室
- 公式サイト:https://semilla.jp/
- 公式Instagram:https://www.instagram.com/semilla_stay/
お問い合わせ先 公開情報
- 施設公式サイト:https://semilla.jp/
- 会社公式サイト:https://playworkground.co.jp/
- 施設公式Instagram:https://www.instagram.com/semilla_stay/
参考資料
- 観光庁「宿泊旅行統計調査(2024年・年間値(確定値))」:https://www.mlit.go.jp/kankocho/content/001905698.pdf
- JNTO(日本政府観光局)「訪日外客数(2025年12月推計値)|報道発表」:https://www.jnto.go.jp/news/press/20260121_monthly.html (日本政府観光局)


