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ふふ 城ヶ島 海風のしらべ開業が示す、海リゾートの体験価値と運営設計

大海原を望む圧巻の景色「ふふ 城ヶ島 海風のしらべ」
CoCoRo編集部

ふふ 海風のしらべの開業は、海と温泉、食、アクティビティを一体で設計する発想が、これからの高付加価値型の宿づくりに何をもたらすかを考える材料になります。

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本記事のポイント

  • ふふ 城ヶ島 海風のしらべの設計思想から、オーシャンビュー型商品の単価設計と体験導線を読み解けます
  • 宿泊旅行統計と訪日外客の公的データを手がかりに、稼働の波と需要の質変化に備える論点が整理できます
  • 海××食の複合価値を現場で再現するためのKPIと運用の要点(・安全・代替導線)を持ち帰れます

発表内容の整理

カトープレジャーグループは、神奈川県三浦半島・城ヶ島に「ふふ 城ヶ島 海風のしらべ」を2026年2月27日に開業した。ブランドとしては海を望むリゾート形態が初の位置づけとなる。

客室は34室(7タイプ)で、全室に天然温泉を備える。客室面積は58㎡〜140㎡。料金は2名1室1泊2食付きで99,000円から(税サ込、入湯税別)としている。

館内には日本料理レストランを設け、生簀を備えた構成で魚介を含む旬材の提供を掲げる。あわせて、ルーフトップラウンジの設置、ダイビング・シュノーケリング、プライベートクルーズ、ロケーションフォトなどの体験要素も用意するとしている。

出典:PR TIMES『「ふふ」では初めての海を望めるリゾート 「ふふ 城ヶ島 海風のしらべ」2026年2月27日(金)いよいよ開業』 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000195.000050120.html

ふふ 城ヶ島 海風のしらべが示す海リゾートの勝ち筋

オーシャンビューを客室価値で終わらせない導線設計

海を望む立地は、それ自体が強い集客資産です。一方で運営側の論点は、眺望の良さを写真映えで完結させず、滞在中の行動に自然に組み込むことも重要です。

ふふ 城ヶ島 海風のしらべの全室天然温泉は、海の音や空の変化と、湯浴みの時間をつなげる設計になっていると言えるかもしれません。日常を離れた幻想的な情景、波音に身を委ねながら愉しむ湯浴みは、宿泊者の満足度を高めてくれることでしょう。

食で土地性を立てると、単価に納得感も

日本料理レストランで生簀や炉端焼きといった要素を前面に出す方針は、土地の魚介と季節性をストレートに伝えやすいのが利点です。料理説明が体験に直結すると、(特にドリンク・追加料理)を上げる導線も作りやすくなります。

三浦半島の恵みと全国の旬を掛け合わせる方針は、地域性と季節の楽しみを両立させる設計で、現場の提案(スタッフの言葉)も組み立てやすい点に工夫を感じます。

体験オプションは、満足度だけでなく強い再訪理由に

マリンアクティビティやクルーズ、フォトといった「滞在外の体験」。それらは単なる館内完結ではなく、地域の自然と響き合うメニューを揃えることで、再訪時の強い理由(次は別の体験をする)になる可能性があることも強みです。

一方で海況・天候に左右される領域でもあるため、体験の代替導線(館内プログラムや時間帯変更)を設計しておくかが運営の注意点と言えるでしょう。

神奈川県の客室稼働率は66.0%、需要と稼働の現在地

稼働の基礎体力は戻りつつあり、繁閑差の扱いがより重要に

観光庁の宿泊旅行統計調査(2025年・年間値(速報値))では、2025年1〜12月の客室稼働率は全国で61.8%(前年差+2.2ポイント)と整理されている。施設タイプ別では旅館38.4%、リゾートホテル56.9%、ビジネスホテル75.3%、シティホテル74.2%という並びです。

同資料では、神奈川県の客室稼働率は66.0%(前年差+4.2ポイント)と示されており、首都圏近接エリアとしての底堅さもうかがえます。

この環境に照らすと、ふふ 城ヶ島 海風のしらべのように、(温泉)と館内体験(食・ラウンジ)を重ねて滞在価値を厚くする設計は、繁忙期の需要を取り込みつつ、閑散期でも予約される宿として選ばれる理由も作りやすい取り組みだと評価できそうです。

延べ宿泊者数の月次変動は、販促カレンダーの設計材料になる

観光庁の同調査(2025年12月・第2次速報/2026年1月・第1次速報)では、延べ宿泊者数(全体)が2025年12月に5,359万人泊、2026年1月に4,628万人泊と公表されている。

また2026年1月分から層化基準を従業者数から客室数へ変更した旨が注記されており、前年差や前年同月比の読み取りでは統計上の留意が必要とされる。

月次の波がある前提で、海リゾートは天候要因も重なるため、週次の需要観測と商品出し(体験の打ち出し・滞在提案)をセットで回すことが、現場の安心につながります。

訪日外客の水準は高く、体験の翻訳力が問われやすい

日本政府観光局()の発表では、訪日外客数(2026年1月推計値)は3,597,500人とされ、前年同月比は4.9%減と整理されている。同資料では、訪日外客数の定義(出入国管理統計に基づき、永住者等を除く等)も明示されている。

訪日需要が一定規模で存在する局面では、海・温泉・食をどう言語化して伝えるかが重要になります。ふふ 城ヶ島 海風のしらべが、景観と食の物語をセットで用意している点は、体験価値の翻訳に手がかりが多い取り組みとして学びが大きいはずです。

ふふ 城ヶ島 海風のしらべの体験設計を現場に落とすときの要点

到着から客室までの数分で、期待値を上げる仕掛けを作る

オーシャンビュー型は、初見の印象が強い分、チェックイン前後の導線に「見せ場」を置くと満足が安定します。

おすすめは、到着直後に眺望を体験できるポイント(ラウンジ、、窓辺)へ自然に案内する運用です。スタッフの声かけは、景色の説明だけでなく、滞在中の変化(夕景、夜景、朝の光)を短く添えると、滞在の回遊が生まれます。

KPI例

  • 到着後30分以内のラウンジ利用率
  • 夕景時間帯の館内滞在率(外出比率とのバランス)
  • 口コミでの景観・温泉言及率

食体験は、現場の説明台本があると強い

生簀や炉端焼きのように視覚情報が強い要素は、説明が短くても体験価値が伝わります。
現場では、料理長やサービス担当者が共通の説明(素材の産地、焼きの理由、旬の意味)を持つだけで、体験の一貫性が上がります。ふふ 城ヶ島 海風のしらべのように「土地の恵み」を軸に置く設計は、接客の言葉を揃えやすい点が運用上のメリットです。

KPI例

  • 夕食ドリンク単価、追加オーダー率
  • 食に関するNPS(または満足度)
  • 嗜好対応のリードタイム

マリン体験は、安全と代替導線を最初から一緒に設計する

海の体験は魅力が大きい一方で、風・波・視界などの変動が前提です。提携事業者との役割分担、当日の判断基準、代替プログラムをあらかじめ整えておくと安心です。
代替案は、館内の短時間プログラム(試飲、ミニレクチャー、フォトスポット案内など)でも成立します。重要なのは、キャンセルを体験の欠落にしないことが重要です。

KPI例

  • 体験予約率(宿泊予約に対する比率)
  • 天候影響日の代替参加率
  • 体験参加者の再訪意向

海を望むリゾート開業を自社企画に翻訳する手順

まずは自社の強みを、景観・湯・食のどこに置くか決める

ふふ 城ヶ島 海風のしらべのように複合価値を作る際も、起点(いちばん語りたい価値)を決めると設計がぶれません。自社の場合は、景観なのか、温泉なのか、食なのか、または地域体験なのかを先に固定します。

2週間でできる最小検証から始める

新設や大改装が前提でなくても、体験価値の検証はできます。

  • 客室・ラウンジのどちらかを「時間帯の見せ場」として固定
  • 料理説明の一言台本を作り、口コミにどう反映されるかを見る
  • 体験オプションを1つだけ設定し、(予約時・到着時・夕食時)を試す

天候や混雑の変動を考えると、代替導線を先に用意しておくと安心です。

成果の見方は、稼働より先に体験KPIを見る選択肢もあります

稼働や単価は結果指標になりやすいため、立ち上げ期はプロセス指標も併用すると判断が速くなります。
たとえば、ラウンジ利用率、体験予約率、食の追加オーダー率、口コミの言及率などを先に追い、手応えが出た施策を季節商品へ展開するという選択肢もあります。

まとめ

  • ふふ 城ヶ島 海風のしらべは、海×温泉×食×体験を一体で設計し、滞在価値を厚くする好例です
  • 公的データでは稼働が戻る一方、月次の波もあるため、繁閑差を前提に体験導線を組むと安心です
  • 天候影響のある体験は代替導線を準備しておくと安心です
  • 自社では、起点価値を決めて2週間の最小検証から始めるという選択肢もあります

企業情報

  • 会社名:カトープレジャーグループ
  • 本社所在地:東京都港区(詳細は記載なし)
  • 代表者:代表取締役社長 兼 グループCEO 加藤宏明
  • 設立:記載なし
  • 資本金:記載なし
  • 事業内容:記載なし
  • 施設名:ふふ 城ヶ島 海風のしらべ
  • 施設所在地:神奈川県三浦市三崎町城ヶ島693
  • 施設規模:34室(7タイプ)
  • 施設公式サイト:ふふ 城ヶ島 海風のしらべ 公式サイト

参考資料

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本記事は、公開されている情報(プレスリリース、公式サイト、官公庁等の公的資料を含む)を基に、宿泊業の実務に役立つ観点からCoCoRo編集部が独自に整理・解説したものです。記事内で取り上げる商品・サービス・施設・取り組み等は、発表元のホテル・旅館(および関係事業者)から個別の許諾、監修、承認を受けて作成したものではなく、またPR TIMESを含む配信媒体や発表元との提携・推奨・広告・販売促進を意図または示唆するものでもありません。

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