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観光庁の予算・税制を宿泊業で活かす基本ガイド|補助金・税制改正情報の押さえ方

観光庁の予算・税制を宿泊業で活かす基本ガイド|補助金・税制改正情報の押さえ方
CoCoRo編集部

観光庁の予算や税制の情報は、「補助金が出るかどうか」を知るためだけのものではなく、日本の観光政策がどこに力を入れているのかを知る手がかりでもあります。
宿泊業の現場からすると難しそうに見えますが、ポイントを絞って眺めれば、「どんなテーマにお金が付きやすいのか」「これから数年、どこに投資していきたいと国が考えているのか」をつかむヒントになります。

ここでは、観光庁の「予算・税制」まわりのページ構成をざっくり整理しつつ、宿泊業としてどこを見ておくと役に立ちそうかをまとめます。

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観光庁「予算・税制」ページの全体像

観光庁の「予算・税制」ページでは、観光立国の推進のために必要な観光庁の予算や税制改正要望について紹介していると説明されています。

この周辺には、主に次のようなページがぶら下がっています。

宿泊事業者としては、

  • 「観光庁予算」ページで、当初予算・補正予算・概算要求ごとのPDFをざっと眺める
  • 「税制・財政投融資」で、税制改正要望の一覧を確認する

という二つの入り口を押さえておくだけでも、最新の動きに追いつきやすくなります。

「観光庁予算」ページの見方

年度ごとの「当初予算」「補正予算」「概算要求」が並ぶ

観光庁の「観光庁予算」ページには、令和8年度・令和7年度・令和6年度といった年度ごとに、以下のようなPDFへのリンクが並んでいます。

  • 概算要求(次年度予算の“案”)
  • 決定概要(予算案が閣議決定された段階の概要)
  • 予算概要(採択された事業を含めた詳細資料)
  • 第一次補正予算(必要に応じて組まれる追加予算) など

例えば、令和7年度の欄には「予算概要」「決定概要」「概算要求」に加え、「第一次補正予算」がPDFで掲載されています。

宿泊業の立場で特に役立つのは、次のようなポイントです。

  • どのテーマにどれくらいの予算が付いているのか
    • 持続可能な観光地域づくり
    • インバウンドの地方誘客
    • オーバーツーリズム対策
    • 観光人材の確保・育成
    • 宿泊施設のサステナビリティ強化 など
  • そのテーマが「新規事業」なのか、「継続事業」なのか
  • 補正予算で追加された事業が何か

これらは、補助金や公募情報を見る前に、「いま国がどこに力を入れているか」をつかむ手がかりになります。

補正予算は“いま必要なこと”のヒント

補正予算の資料では、年度途中で追加された予算の概要が整理されています。
令和7年度(2025年度)の観光庁関係補正予算では、総額225億円が計上され、オーバーツーリズム対策や地方誘客のためのインバウンド安全・安心対策、違法民泊の解消、ユニバーサルツーリズムの環境整備などが主要事業として掲げられています。

補正予算のテーマは、「足もとで特に課題感が強い分野」や「短期的にテコ入れしたい分野」が反映されやすいため、

  • 来年度以降も継続しそうな重点分野
  • 近いうちに公募や補助金が出てきそうなテーマ

を読み取るヒントになります。

税制・財政投融資ページの見方

税制改正要望の一覧をざっくり把握する

「税制・財政投融資」のページでは、令和7年度から平成26年度までの税制改正要望の一覧が掲載されています。

  • 各年度の「税制改正要望」PDF
  • 一部年度の「税制改正要望結果」PDF

が整理されており、観光庁がどのような税制支援を求めてきたのかを振り返ることができます。

令和6年度の項目には、外国人旅行者向け消費税免税制度の在り方について、外国人旅行者の利便性向上や免税事業者の手続きの簡素化、不正対策などを関係省庁と連携して検討する旨が記載されています。

宿泊業にとっては、

  • 免税制度の見直しが、インバウンド客の購買行動や地域の物販・商業施設にどう影響しそうか
  • 観光関連投資(設備更新や省エネ投資など)に関係する税制措置の方向性がどうなっているか

といった視点で、ざっくり眺めておくとよい領域です。

国際観光旅客税と観光庁予算

観光庁の予算資料では、国際観光旅客税の税収を活用した事業についても、使途の基本方針や具体的な配分が整理されています。

  • 出入国手続きの高度化
  • 世界水準の受入環境整備
  • 地域資源を生かした新たな観光コンテンツの拡充

など、旅客税を財源とした事業が列挙されており、「訪日客の増減が、どんな形で観光地側に還元されているのか」を知る手がかりになります。

宿泊業として「予算・税制」をどう活かすか

補助金を探す前の“地図”として

公募情報や補助金一覧から入ると、「結局、どういう背景でこの事業が出てきたのか」が分かりづらいことがあります。
観光庁予算の当初予算・補正予算の資料を先にざっと眺めておくと、

  • 自社が気になっているテーマが、国のどの事業の一部なのか
  • 一度きりの単発事業なのか、数年続きそうな流れなのか

が見えやすくなります。

投資計画や中期方針の“裏付け”として

設備更新や客室改装、DX投資、人材育成などを社内で検討するとき、「観光庁の予算資料では、こうした分野に重点が置かれている」といった情報があると、社内の合意形成や金融機関との対話が少しスムーズになります。

  • 持続可能な観光地域づくり
  • 地方誘客とインバウンド拡大
  • 観光産業の人材不足対策

などのキーワードが、予算・税制とセットで繰り返し出てきているかどうかは、中期的な方向性を考える上でひとつのヒントになります。

自治体・DMOとの会話の“共通言語”として

自治体やDMOと一緒にプロジェクトを進める際、観光庁の予算や税制の資料に目を通しておくと、

  • 「この事業は〇年度の補正予算で位置づけられていたものですよね」
  • 「この税制改正要望の流れを踏まえると、今後こういう支援も出てきそうですね」

といった形で、行政側と共通の前提を持って話しやすくなります。

まとめ

観光庁の「予算・税制」に関する情報は、一見すると専門的でとっつきにくく見えますが、年度ごとの予算資料と税制改正要望のざっくりした流れだけでも追いかけておくと、「いま国が観光でどこに力を入れているのか」「どんなテーマに公募や支援策が出てきやすいのか」が少しずつ見えてきます。すべての資料を細かく読み込む必要はありませんが、気になる年度の「予算概要」や「補正予算」、最新の「税制改正要望」にときどき目を通していただくことで、宿泊事業の投資判断や社内の議論、自治体・DMOとの連携を考える際のちょっとした裏付けとしてお役立ていただければ幸いです。

参考資料

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