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アンカード・バイ・リーガ 大阪なんばに見る新ブランド戦略

アンカード・バイ・リーガ 葛飾北斎の「鳳凰図屏風」をモチーフとしたアートが広がるロビー
CoCoRo編集部

大阪なんばは、リーガロイヤルホテルズが展開する新ブランドホテルとして2026年4月3日に開業します。なんば・新世界エリアに位置する全200室の客室には大阪ゆかりのアーティストによる壁画やネオンアートが配され、レストランでは鉄板焼きの洋風たこ焼きやミックスジュースなど大阪らしい朝食を提供します。本記事では、アンカード・バイ・リーガ 大阪なんばの施設概要を整理し、インバウンド需要の拡大が続く大阪エリアにおける新ブランド戦略の意図と宿泊業への示唆を解説します。

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本記事のポイント

  • アンカード・バイ・リーガ 大阪なんばが採用するアートと地域文化を軸にしたブランド設計の要点
  • インバウンド需要が過去最高を更新する大阪エリアでの立地戦略と客室設計のポイント
  • リーガロイヤルホテルズの新ブランド展開に見る既存チェーンの多ブランド化と差別化の方向性

発表内容の整理

株式会社ロイヤルホテルは、リーガロイヤルホテルズの新ブランドホテル アンカード・バイ・リーガ 大阪なんばを2026年4月3日に開業すると発表しました。東急不動産が開発した地上1階・地丈15階の建物に全200室(収容人数582名)を備え、コンセプトに PLAYFUL OSAKA を掲げています。

客室は全室24平米以上で洗い場付バスルームと独立トイレを完備し、一部にはコネクトルーム機能を設けて最大7名の宿泊に対応します。客室の壁面には大阪出身のロックな壁画絵師・木村英輝氏が手がけるアートを配しています。最上階には大浴場・サウナを設置し、1階のレストランでは朝食に洋風たこ焼きやミックスジュースなどの大阪アレンジ料理を提供します。ディナータイムにはパブとしてネオンアートが輝く空間に変わり、西成区のクラフトビールや串カツなどのローカルフードを楽しめます。

所在地は大阪メトロ堺筋線の恵美須町駅から徒歩約2分で、通天閣のある新世界やサブカルチャーの集まるオタロードが徒歩圏内にあります。

出典:PR TIMES『 新ブランドホテル「アンカード・バイ・リーガ 」4月3日開業』 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000002311.000016682.html

アンカード・バイ・リーガ 大阪なんばの開業が問いかける新ブランド戦略の論点

既存のホテルチェーンが新ブランドを立ち上げて都市の個性を前面に打ち出す動きは、宿泊業の競争戦略として注目すべきテーマです。アンカード・バイ・リーガ 大阪なんばは、リーガロイヤルホテルズにとって初の新ブランド展開であり、大阪の土地柄を体現した施設設計に独自性があります。

アートで差別化する空間設計の意図

ロビーには葛飾北斎の鳳凰図屏風をモチーフにしたダイナミックな壁画(BAKIBAKI氏)を配し、客室には木村英輝氏、コンセプトルームには水墨画家の與座巧氏、レストランにはネオンアートのはらわたちゅん子氏、大浴場には鈴木ひょっとこ氏と、館内全域を大阪ゆかりのアーティスト5名の作品で彩っています。アートをホテルのブランド資産として組み込むこの判断は、SNS時代の視覚的訴求力を意識した差別化として評価できます。

洗い場付バスルームと大浴場で海外ゲストに応える

アンカード・バイ・リーガ 大阪なんばの全室に洗い場付バスルームと独立トイレを備えた設計は、訪日客の入浴習慣への配慮として実用性が高い仕様です。最上階の大浴場・サウナと湯上り処でレトロ型テーブル筐体のビデオゲームを楽しめる仕掛けも、PLAYFUL OSAKAのコンセプトを体験に落とし込む工夫として一貫性があります。

コネクトルームで多人数グループを取り込む

一部客室にコネクトルーム機能を設けて最大7名まで宿泊可能にした設計は、ファミリーやグループ旅行者の取り込みを狙ったものです。大阪エリアでは訪日客のグループ旅行需要が旺盛であり、グループ対応可能な客室は稼働率と収益の両面でプラスに寄与する施策です。

大阪の宿泊市場データから読み解くアンカード・バイ・リーガ 大阪なんばの市場適合性

大阪は訪日外国人の主要な宿泊先として東京に次ぐ規模を誇り、宿泊需要の成長が続くエリアです。アンカード・バイ・リーガ 大阪なんばの開業はこの市場環境を背景にしています。

訪日外客数と旅行消費額の過去最高更新

JNTOの統計によれば2025年の訪日外客数は約4,268万人(前年比15.8%増)で過去最高を更新しました。観光庁のインバウンド消費動向調査(2025年暦年速報)では訪日外国人の旅行消費額が約9兆4,559億円(前年比16.4%増)に達しています。一人あたりの旅行支出は約22万9,000円で、そのうち宿泊費が36.6%を占めています。

大阪府の外国人宿泊が2019年比で4割超の伸び

観光庁の宿泊旅行統計調査(2024年確定値)では、大阪府の外国人延べ宿泊者数は約2,534万人泊で全国第2位を記録し、2019年比で41.3%増と全国平均を大きく上回る伸びを見せています。2025年に入っても大阪・関西万博の開催効果で同年5月の大阪府の客室稼働率は81.3%と全国トップを記録しました。アンカード・バイ・リーガ 大阪なんばがこのタイミングで開業する判断は、インバウンド需要の構造的な成長を見据えたものとして整合性があります。

都市型ホテルの客室稼働率は高水準で推移

観光庁の宿泊旅行統計調査によれば、2024年通年の全国のビジネスホテル客室稼働率は73.9%、シティホテルは72.4%でした。2025年上半期には全国平均の客室稼働率が前年を上回る推移を見せています。

また、観光庁が令和7年3月に公表した「生産性向上のためのハンドブック」では、宿泊業の高付加価値化のための経営ガイドラインに基づく施策推進の重要性が示されています。アンカード・バイ・リーガ 大阪なんばのようにアートやローカル文化を空間設計に組み込むアプローチは、客室単価の維持・向上に直結する差別化手法として、同ガイドラインの志向する方向と合致しています。

アンカード・バイ・リーガ 大阪なんばの運用設計とオペレーションの要点

アンカード・バイ・リーガ 大阪なんばの館内設計には、朝から夜まで異なる顔を見せるレストラン運営や環境配慮型の設備など、運営面での工夫が複数見られます。

時間帯で表情を変えるレストラン運営

KOTE KOTE(コテコテ)は朝食・ランチ・ディナーの3部制で運営され、朝は大阪アレンジの洋風たこ焼きやミックスジュースを含むビュッフェ、昼は鉄板手ごねハンバーグのセット、夜はパブスタイルで串カツやクラフトビールを提供します。時間帯ごとにメニューと空間の雰囲気を切り替える運営は、1店舗で多面的な収益を生む効率的な設計です。

朝食の宿泊者限定設定は客室予約時の付帯率を高める施策として機能し、ディナーのパブ営業は宿泊者以外の利用も見込める外販チャネルとなります。

環境に配慮したランドリーコーナーの設計

6階・10階・15階に設置されたランドリーコーナーでは、洗剤を使わずアルカリイオン電解水のみで洗い上げる洗濯機を計10台備えています。連泊者の利便性を高めるとともに環境負荷を低減するこの取り組みは、サステナビリティの観点から今後の宿泊施設に求められる設候水準を示しています。衣類圧縮機も1台設置されており長期滞在ニーズにも対応しています。

リーガロイヤルホテルズの多ブランド展開

ロイヤルホテルは今後も新ブランドの展開を加速させる方針を示しており、アンカード・バイ・リーガに続いてリーガロイヤルリゾート沖縄 北谷(2026年4月)、バウンシー・バイ・リーガ 福岡博多(2026年9月)、ノワ・バイ・リーガ 神戸有馬(2028年)など複数の新規開業を予定しています。既存チェーンの多ブランド化は、エリアやターゲットに応じた価格帯・コンセプトの使い分けを可能にする戦略であり、留意点として各ブランドの差異が曖昧にならないよう明確なポジショニングの整理が重要になります。

自社施設にアンカード・バイ・リーガ 大阪なんばの着想を活かすヒント

アンカード・バイ・リーガ 大阪なんばの事例から、宿泊事業者が明日から検討できるアクションを段階的に整理します。

地域アーティストとの協業で空間に物語を加える

大規模なアート投資が難しい場合でも、ロビーや共用部に地域のアーティスト1名の作品を展示するところから始められます。アート作品はSNSでの撮影スポットとなり、広告費をかけずに認知を広げる導線として機能します。展示の入れ替えを定期的に行えば、リㄔーターに対しても新鮮さを維持できます。

ローカル食の朝食体験を差別化要因にする

アンカード・バイ・リーガ 大阪なんばの朝食が大阪ローカルフードを取り兡れているように、その土地ならではの食文化を朝食に反映させることは、比較的小さな投資で実現できる差別化策です。地元の飲食店や生産者と連携したメニュー開発を検討しておくと安心です。

コネクトルームや多人数対応を検討する

グループ旅行者の取り込みは客室あたりの収益を高める有効な施策です。新築が難しい場合でも、隣接する2室をつなげるコネクティングドア設置の検討や、ツインルームへのエキストラベッド対応の明確化という選択肢もあります。

まとめ

  • アンカード・バイ・リーガ 大阪なんばは大阪ゆかりのアーティスト5名の作品と大阪ローカル食を組み合わせた新ブランドホテルとして開業します
  • 2025年の訪日外客数約4,268万人、大阪府の外国人延べ宿泊者数が2019年比41.3%増という市場環境はこの出店判断の合理性を裏付けています
  • 時間帯で表情を変えるレストラン運営やコネクトルームの導入など、客単価と稼働率を高める運用設計が複数組み込まれています
  • 地域アーティストとの協業やローカル食の朝食導入は自施設でも検討しておくと安心です

企業情報

  • 会社名:株式会社ロイヤルホテル
  • 代表者:代表取締役社長 植田文一
  • 所在地:大阪市北区中之島
  • 事業内容:ホテル業(リーガロイヤルホテルズの運営)
  • https://www.rihga.co.jp/

お問い合わせ先 公開情報

  • 施設名:アンカード・バイ・リーガ 大阪なんば(ANCHORED by RIHGA OSAKA NAMBA)
  • 所在地:大阪府大阪市浪速区日本橋五丁目6番16号
  • :大阪メトロ堺筋線「恵美須町」駅 徒歩約2分
  • 公式サイト:https://www.rihga.co.jp/anchored-osaka-namba

参考資料

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