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体験×物品で高める顧客満足度:ホテルインディゴ犬山有楽苑のウェルネスリトリート事例

ホテルインディゴ犬山有楽苑
CoCoRo編集部

本記事のポイント

  1. ライフスタイルブランドとの協業により、施設のファンだけでなくブランドのファン層も取り込む集客戦略
  2. 「持ち帰れる体験(ウェア)」と「地域固有の体験(国宝・日本庭園)」を組み合わせた高付加価値化の好例
  3. 滞在中の「着るもの」からデザインする、没入感の高いウェルネスプランの設計手法

ニュースの概要

ホテルインディゴ犬山有楽苑(愛知県犬山市)は、和×洋の美学を持つラウンジウェアブランド「AMATERAS(アマテラス)」とコラボレーションし、1泊2日の特別なリトリートステイプランを販売開始しました。

本プランは2026年2月の特定日に実施され、国宝茶室「如庵」を有する日本庭園・有楽苑での特別見学や、専任講師によるクレンズヨガ、地元食材を使用した特別ディナーなどがパッケージされています。最大の特徴は、AMATERASの「WABISABI WEARセットアップ」が客室に用意され、ゲストはそれを着用して滞在を楽しめるほか、そのまま持ち帰ることができる点です。さらに、特別企画としてアロママッサージのサービス(先着順)や、ブランドの世界観を体感できる展示ルームも展開されます。

静寂と伝統美に包まれる犬山の地で、心身を整えるウェルネス体験をトータルプロデュースする取り組みです。

ブランドコラボレーションによる滞在価値の最大化

ターゲットのライフスタイルに寄り添う「世界観」の共有

宿泊プランの高付加価値化において、今回の事例から学べる最大のポイントは、ターゲット層の感性に響く異業種ブランドとのコラボレーションではないでしょうか。

単に「アメニティがついている」という特典訴求にとどまらず、施設のコンセプト(ここでは「ネイバーフッドストーリー」や「日本の美」)と親和性の高いブランドと組むことで、滞在全体のストーリー性が強化されています。「AMATERAS」が持つ「和」と「ウェルネス」のイメージを取り入れることで、既存顧客とは異なる層への認知拡大も期待できる戦略と言えます。

滞在体験を「持ち帰る」仕組みづくり

今回のプランで特筆すべきは、滞在着(ルームウェア)そのものをコンテンツ化している点です。

多くの宿泊施設において、館内着は貸与品ですが、本プランでは「WABISABI WEAR」という上質なウェアを提供し、それを着てヨガやリラックスタイムを過ごすことを提案しています。

これは、以下のような効果を生み出していると考えられます。

  1. 滞在中の没入感向上: 普段とは違う、質の高いウェアを身にまとうことで、非日常感や「整う」感覚を視覚・触覚から演出します。
  2. 旅の余韻の継続: 帰宅後もそのウェアを使用することで、ホテルでの心地よい記憶が想起され、再訪意欲(リピート)や口コミのきっかけになります。

「モノ」を渡すのではなく、そのモノを通じて得られる「体験」とセットで提供している点が、企画の質を高めていると言えるでしょう。

地域資源×ソフトコンテンツの掛け合わせ

ハード面(施設・客室)だけでなく、地域独自の資源とソフトコンテンツを巧みに組み合わせている点も参考になります。

  • 地域資源: 国宝茶室「如庵」、日本庭園 有楽苑
  • ソフトコンテンツ: クレンズヨガ、アロママッサージ、特別ディナー

これらをバラバラに提供するのではなく、「リトリート(転地療養・再創造)」というテーマで一気通貫させています。「静寂な庭園を散策した後にヨガで呼吸を整え、体に優しい食事をとる」という一連の流れがデザインされているため、ゲストは迷うことなくウェルネス体験に没頭できます。

こうしたパッケージングは、オペレーションの調整が必要となりますが、単価アップと顧客満足度の両立を目指す上で非常に有効な手段ではないでしょうか。

独自の強みを活かした協業の模索を

ホテルインディゴ犬山有楽苑の事例は、自社のブランドアイデンティティを深く理解し、それを補完・増幅してくれるパートナーを見つけることの重要性を示唆しています。

宿泊事業者様におかれましても、以下の視点で企画を検討してみてはいかがでしょうか。

  • 自施設のコンセプトと響き合うアパレルや美容ブランドはないか?
  • 「貸し出し」ではなく「持ち帰り」にすることで価値が上がるアイテムはないか?
  • 地域の静的な資源(景観、文化財)と動的なアクティビティ(ヨガ、瞑想、散策)をセットにしたストーリーは作れないか?

まとめ

  • ブランド連携: 施設のコンセプトと合致する異業種ブランドとのコラボは、プランの独自性と訴求力を高めます。
  • 体験の資産化: 滞在中に使用したアイテムを持ち帰れるようにすることで、旅の記憶を日常に定着させる効果が期待できます。
  • テーマの統一: 食事、アクティビティ、アメニティを一つのテーマ(例:ウェルネス、リトリート)で統一し、滞在の動線をデザインすることが重要です。

出典:PR TIMES『【ホテルインディゴ犬山有楽苑】×「AMATERAS」が贈る “ととのう”美しさをデザインする上質なウェルネス リトリートステイ』(https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000052.000116513.html

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