JR西日本ホテルズが2026年1月から展開する「マイクロツーリズムプラン」は、ホテル近隣エリアに住むゲストに向けて、地元の魅力や“いつもの風景”をあらためて楽しんでもらうことをねらった冬限定企画です。JR主要駅直結・隣接という立地を活かしつつ、食事付きプランや駐車場無料など多様な特典を組み合わせることで、地元・近隣需要の掘り起こしとファンづくりを図っている点が、宿泊業として注目したいポイントではないでしょうか。
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本記事のポイント
- JR西日本ホテルズのマイクロツーリズムプランを事例に、地元・近隣在住者をターゲットとした冬の需要創出の考え方を整理します。
- 食事付きプラン、駐車場無料、レイトチェックアウトなど、JR西日本ホテルズ各館の特典設計から「小さな差別化」のヒントを読み解きます。
- WESTERポイントやJRホテルメンバーズとの連動を踏まえ、マイクロツーリズム施策を通じて従業員エンゲージメントや会員基盤を強化していく視点を考えます。
ニュースの概要
JR西日本ホテルズを展開する株式会社ジェイアール西日本ホテル開発は、グループ11ホテルで、ホテル近隣エリアに居住するゲストを対象にした「マイクロツーリズムプラン」を販売すると発表しています。販売期間は2026年1月5日(月)チェックインから2月28日(土)チェックインまでの冬限定で、予約は既に全対象ホテルで受け付けているとしています。
企画のテーマは「地元・近隣の魅力を再発見」です。JR西日本ホテルズは、京都・大阪・和歌山・岡山・広島・富山などのJR主要駅に直結・近接していることから、移動時間を抑えながら各地の観光やホテルステイを楽しめることを強みとして打ち出しています。今回のマイクロツーリズムプランでは、その立地を活かしつつ、近隣在住ならではの“近くて新しい旅”を提案しているといえそうです。
プラン内容はホテルごとに異なり、「食のディスティネーションホテル」を掲げるJR西日本ホテルズらしく、1泊2食付きでこだわりの食事を堪能できるプラン、高層階「グランヴィアフロア」や専用ラウンジでゆったり過ごせるプラン、家族連れ向けの駐車場無料・レイトチェックアウト付きプランなど、多彩なラインナップが用意されていると説明しています。
具体例として、ホテルグランヴィア京都では近畿2府4県在住者向けに館内レストラン利用券3,000円分付きのプラン、ホテルグランヴィア広島サウスゲートでは中国地方5県在住者向けに駐車場無料と12時レイトチェックアウトを組み合わせたドライブ向けプラン、ホテルヴィスキオ富山では北陸3県在住者向けに紅ずわい蟹と職人が握る鮨のコースディナー付き1泊2食プランが紹介されています。
あわせて、2026年1月1日(木・祝)から2月28日(土)宿泊分を対象に、WESTER会員向けの「良い宿で 良い旅を キャンペーン」も行うとしています。会員専用宿泊プランがベストレートになることや、WESTERポイント5倍付与などが案内されており、マイクロツーリズムプランもこのキャンペーンの対象とされています。
宿泊業にとってのポイント:JR西日本ホテルズのマイクロツーリズムプランから学べること
JR西日本ホテルズの取り組みには、規模の大小を問わず多くのホテル・旅館が参考にできそうなポイントがいくつか見られます。
1. 「近隣エリア在住者」を明確に定義したマイクロツーリズム
JR西日本ホテルズのマイクロツーリズムプランでは、「ホテル近隣エリアにお住まいのお客様」というターゲットを、府県単位などで比較的明確に区切っています。例えば「近畿2府4県の方におすすめ」「中国地方5県の方におすすめ」「北陸3県の方におすすめ」といった表現です。
自施設の商圏を「徒歩圏」「市内」「同一県」「隣県」などで具体化し、そのエリアに住む人だけが得られる特典を打ち出すことで、「わざわざ遠出はしないけれど、近場で気分転換したい」というニーズに応えやすくなります。JR西日本ホテルズは、マイクロツーリズムを「地元優待」とセットにすることで、冬の稼働対策とファンづくりを同時に進めていると考えられます。
2. 「食」を軸にした滞在価値の向上
ホテルヴィスキオ富山の紅ずわい蟹と鮨コース付きプランに象徴されるように、JR西日本ホテルズは「食のディスティネーションホテル」というコンセプトを掲げ、食体験を滞在価値の中心に据えています。
地元の食材や季節の味覚を前面に出した1泊2食付きプランは、マイクロツーリズムと非常に相性が良いテーマです。遠方からの観光客だけでなく、地元の方にとっても「いつもの外食より少し贅沢」「記念日に使える」といったベネフィットが生まれ、客単価アップにもつながりやすくなります。
食事付きプランの企画・提供は、調理やサービススタッフの創意工夫が目に見えやすく、従業員エンゲージメントの向上にも寄与しやすい点も、JR西日本ホテルズの事例から押さえておきたいポイントではないでしょうか。
3. 駅チカと車利用の双方を意識した商品設計
JR西日本ホテルズは、JR主要駅直結・近接という立地を強みとする一方で、マイクロツーリズムプランでは「駐車場無料」「12時レイトチェックアウト」といった、車利用・ファミリー層に刺さる特典も組み合わせています。
地元・近隣のゲストは、電車よりもマイカーで移動するケースも多くなります。駐車場無料やレイトチェックアウトは、原価負担が比較的読みやすい特典でありながら、「家族でゆっくり過ごせる」「荷物が多くても安心」といった価値を訴求しやすい施策です。JR西日本ホテルズのように、立地の強みとマイクロツーリズムの利用シーンを結びつけたプラン設計は、他地域の宿泊施設でも真似しやすい工夫といえそうです。
4. 会員プログラムとの連動で「一度きりの割引」で終わらせない
今回のマイクロツーリズムプランは、WESTERポイントキャンペーンの対象とされており、JRホテルメンバーズとも連動しています。JR西日本ホテルズとしては、単発の割引企画ではなく、「会員登録」「ポイント付与」「次回予約」という流れを意識した設計になっていると見ることもできそうです。
宿泊業においては、地元・近隣のリピーターが長期的な安定収益を支えるケースが少なくありません。マイクロツーリズムをきっかけに、会員登録やメールマガジン登録など、自社のリレーションの入口を必ず用意しておくことは、JR西日本ホテルズに限らず多くの施設で検討する価値がありそうです。
5. マイクロツーリズムと従業員エンゲージメントの関係
マイクロツーリズムプランの魅力は、単に料金や特典だけではなく、「地元のスタッフが、地元のお客様に、自分たちの街の魅力を紹介できる」というコミュニケーションにあります。JR西日本ホテルズでも、各ホテル周辺の観光地や飲食店、ローカルな楽しみ方をスタッフが提案できる状態にしておくことで、会話の質が高まり、従業員自身の誇りややりがいにもつながっていく可能性があります。
自施設で同様の企画を行う場合も、単なる販促施策ではなく、スタッフ参加型のプロジェクトとして企画・情報収集・SNS発信などに関わってもらうことで、エンゲージメント向上の機会として活かしていくと良さそうです。
背景と理由の整理:マイクロツーリズムと地元需要の変化
JR西日本ホテルズのマイクロツーリズムプランの背景には、観光需要の質的な変化と、宿泊業側の課題の両面があると考えられます。
一つは、「遠くへ行く長距離旅行」だけではなく、「近場で短く深く過ごす旅」へのニーズの高まりです。長期休暇を取りづらいビジネスパーソンや、小さな子どもがいる家族にとって、片道数時間以上かかる旅行は心理的ハードルが高くなりがちです。その一方で、「せっかくならホテルでゆっくり朝食を食べたい」「普段は行かないラウンジで過ごしたい」といった要望は根強く存在します。
二つ目に、ホテル・旅館側から見ると、冬の平日や大型連休の前後など、「あと少し稼働率を上げたい」時期がどうしても生まれます。JR西日本ホテルズが今回、2026年1月上旬から2月末までという期間に絞ってマイクロツーリズムプランを設定しているのも、こうした閑散〜準繁忙期の穴埋めを意識した期間設計と見ることができそうです。
三つ目に、観光庁など公的機関も、地方誘客や宿泊業の高付加価値化を重要な政策テーマとして掲げています。地元・近隣のゲストに「泊まって楽しむ理由」を提供することは、地域の飲食店や周辺観光施設への波及効果も期待でき、JR西日本ホテルズのような駅直結ホテルグループにとっても、地域と共にブランド価値を高めるアプローチになり得ます。
こうした環境変化を踏まえると、「JR西日本ホテルズ マイクロツーリズムプラン」のような企画は、単発キャンペーンではなく、今後の宿泊業における重要な販路・顧客セグメントとして継続的に育てていくべき領域とも考えられます。
具体的な取り組み・ニュース内容の解説:JR西日本ホテルズ各ホテルの工夫
ここからは、プレスリリースで紹介されているJR西日本ホテルズの具体的な宿泊プランを、宿泊業・おもてなしの観点で整理します。
ホテルグランヴィア京都:レストラン利用券で「館内回遊」を促す
ホテルグランヴィア京都では、「近畿2府4県の方におすすめ」として、1人1泊あたり3,000円分の館内レストラン利用券が付いたプラン(食事なし)を打ち出しています。一般価格は1泊2名1室あたり26,600円〜とされています。
あえて「素泊まり+レストラン利用券」にしている点がポイントです。これにより、ゲストはステイ中の気分や予定に合わせて、和食・洋食・バーなど館内のさまざまな店舗を選べるようになり、「今日の気分で選べる自由度」と「館内で完結する安心感」の両方を提供できます。JR西日本ホテルズの中でも代表的なフラッグシップである同ホテルが、地元向けにも館内レストランの魅力を体験してもらおうとしている姿勢がうかがえます。



ホテルグランヴィア広島サウスゲート:中国地方5県向けのドライブ+レイトチェックアウト
2026年3月24日に開業1周年を迎える予定のホテルグランヴィア広島サウスゲートでは、中国地方5県在住の方向けに、駐車場無料と12時レイトチェックアウトを組み合わせた「まったり広島ドライブプラン」を設定しています。一般価格は1泊2名1室あたり21,000円〜とされています。
マイクロツーリズムでは、「運転に慣れたエリアをマイカーで巡り、途中で温泉や景勝地に立ち寄りながらホテルにチェックインする」という行動パターンが想定されます。このプランのように、駐車場無料とレイトチェックアウトを組み合わせることで、「翌日も近郊ドライブを楽しんでからゆっくり帰れる」という時間的な余裕を提供でき、車利用の地元ゲストには魅力的な設計になっていると考えられます。



ホテルヴィスキオ富山:冬の味覚を前面に出した1泊2食付きプラン
ホテルヴィスキオ富山では、北陸3県在住者向けに、紅ずわい蟹と職人が握る鮨のコースディナーと朝食がセットになった冬季限定1泊2食付きプランを用意しています。夕食では紅ずわい蟹と鮨のコース、朝食では寿司食べ放題など、富山らしい「海の幸」をしっかり打ち出した内容になっているとしています。
このように、JR西日本ホテルズはマイクロツーリズムプランの中で、各ホテル・各地域の強みを明確に打ち出している点が特徴的です。同じ「JR西日本ホテルズ マイクロツーリズムプラン」という枠組みでありながら、中身はターゲットや立地に応じてしっかり差別化されており、「系列全体の統一感」と「各館の個性」の両立を図っているといえそうです。



WESTERキャンペーンとの連動で「次につながる」設計に
同期間中に実施される「良い宿で 良い旅を キャンペーン」では、WESTER会員専用宿泊プランからの予約がベストレートになること、WESTERポイントが通常の5倍付与されること、JRホテルメンバーズの優待予約でもWESTERポイントが付与されること(一部例外を除く)などが案内されています。
JR西日本ホテルズのマイクロツーリズムプランもこのキャンペーンの対象とされているため、「地元向け特別プランでお得に宿泊」→「WESTER会員登録」→「鉄道・ショッピング・宿泊でポイント活用」という中長期の関係構築が意識されていると考えられます。自社でも類似の取り組みをする場合は、「地元向け割引価格」のみで完結させるのではなく、会員プログラムやメール会員など、継続的な接点づくりと一体で設計しておくと良さそうです。
自社への活かし方のヒント:マイクロツーリズムを宿泊業の戦略に組み込む
最後に、JR西日本ホテルズの取り組みを踏まえて、他のホテル・旅館がマイクロツーリズム施策を検討する際のヒントを整理します。
1. 自館にとっての「近隣エリア」を決める
まず、「JR西日本ホテルズ マイクロツーリズムプラン」のように、自館にとっての「近隣エリア」を具体的に定義するところから始めると整理しやすくなります。
- 市内・隣接市町村在住
- 県内在住
- 1〜2時間圏内の都道府県在住
など、交通事情や商圏を踏まえて一つのラインを引き、「そのエリアの方限定の特典」と明示することで、「自分のためのプランだ」と感じてもらいやすくなります。住所確認の方法や、地域ごとの差別感が出ないような配慮も、事前に検討しておくと安心です。
2. テーマを一つに絞ったプラン設計にする
JR西日本ホテルズの事例を見ると、「レストラン利用券で食を楽しむ」「ドライブ旅をしやすくする」「冬の味覚を徹底的に楽しむ」といった具合に、プランごとにテーマが明確です。
自館でも、
- 食(地元食材・季節の料理)
- 温泉・大浴場・スパ
- 駅チカ・好アクセス
- ラウンジやクラブラウンジの体験
- ワーケーションや読書など、滞在スタイル
といった中から「このプランでは何を一番体験してほしいのか」を一つ決め、そのテーマに沿って特典を絞り込むと、訴求が分かりやすくなります。
3. コスト管理しやすい特典を選ぶ
マイクロツーリズムプランは、価格訴求型にしすぎると利益が圧迫されます。JR西日本ホテルズのように、
- 館内レストラン利用券
- 駐車場無料
- レイトチェックアウト
- ラウンジ利用
- 朝食の一部グレードアップ
など、原価やオペレーション負担が読みやすい特典を組み合わせると、利益管理がしやすくなります。既に持っている設備・サービスの「使い方を変えるだけ」で提供できる特典を洗い出しておくと、プランづくりの幅が広がります。
4. 従業員を巻き込んだ「地元案内コンテンツ」を用意する
JR西日本ホテルズのマイクロツーリズムプランのコンセプトである「地元・近隣の魅力を再発見」という視点は、従業員のアイデアと非常に相性が良い領域です。スタッフ参加型で、
- 「スタッフおすすめの近場スポットMAP」を作る
- 「地元の人だけが知る○○な過ごし方」をSNSや館内で紹介する
- フロントやレストランスタッフが交代でブログを書く
といった取り組みを行うことで、JR西日本ホテルズと同様に、従業員エンゲージメントとゲスト体験の両方を高めることが期待できます。
5. KGI/KPIを事前に決め、施策の振り返りを行う
マイクロツーリズムは、「なんとなく良かった」で終わらせるとノウハウが残りません。JR西日本ホテルズのような大規模グループはもちろん、中小の宿泊施設でも、
- 期間中の稼働率・ADRの変化
- 直販比率、会員登録数
- F&B売上の伸び
- アンケートや口コミでの「地元」「近場」「マイクロツーリズム」といったキーワードの出現状況
- 企画に関わった従業員の満足度や学び
など、事前に指標を決めておくと、次回のJR西日本ホテルズ マイクロツーリズムプランのような企画に生かすことができます。
まとめ
- JR西日本ホテルズのマイクロツーリズムプランは、近隣エリア在住者にターゲットを絞り、食・アクセス・会員プログラムを組み合わせて冬の地元需要を取り込もうとする取り組みといえます。
- 自館でも「どこまでを近隣エリアとするか」「どのテーマで何を体験してもらうか」を決めたうえで、駐車場無料やレイトチェックアウト、館内クレジットなどコスト管理しやすい特典を組み合わせておくと安心です。
- マイクロツーリズムは、JR西日本ホテルズのように会員プログラムと連動させることで、一度きりではなくリピーター育成やLTV向上につながる施策として育てていける可能性があります。
- まずは小規模なプランや限定期間から試し、結果を振り返りながら次の企画につなげていくという選択肢もあります。
企業情報
- 会社名:株式会社ジェイアール西日本ホテル開発
- 所在地:京都府京都市下京区
- 代表者名:代表取締役社長 坪根 英慈
- 事業内容:JR西日本ホテルズとして、ホテルグランヴィア、ホテルヴィスキオ、THE OSAKA STATION HOTEL, Autograph Collection、奈良ホテル、梅小路ポテル京都など5ブランド・13ホテルを展開するホテルグループと紹介されています。
- 展開ブランド・主なホテル:
- ホテルグランヴィア京都
- ホテルグランヴィア大阪
- ホテルグランヴィア和歌山
- ホテルグランヴィア岡山
- ホテルグランヴィア広島
- ホテルグランヴィア広島サウスゲート
- ホテルヴィスキオ京都
- ホテルヴィスキオ大阪
- ホテルヴィスキオ尼崎
- ホテルヴィスキオ富山
- 梅小路ポテル京都
- 奈良ホテル
- THE OSAKA STATION HOTEL, Autograph Collection
- 公式サイトURL:JR西日本ホテルズ 公式サイト
本リリースに関するお問い合わせ
- 会社名:株式会社ジェイアール西日本ホテル開発
- 部署名:営業戦略部
- 電話番号:080-4076-6328
- FAX:06-7655-1700
出典:PR TIMES『【JR西日本ホテルズ】地元・近隣の魅力を再発見!ホテル近隣エリアにお住まいの方におすすめ「マイクロツーリズムプラン」を販売』https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001112.000095932.html


