花べっぷ(大分県別府市)が2026年3月6日、竹と椿の情緒を守りながらオールインクルーシブ型旅館へと生まれ変わりました。JR九州ホテルズアンドリゾーツ株式会社が運営する同宿は、ラウンジ新設・食体験の拡充・全客室のベッド化など、ゲストが自分のペースで宿を楽しめる仕組みを複数導入しています。料金内の満足感をいかに高めるかという宿泊業の重要課題に対し、花べっぷの今回のリニューアルは具体的な実践モデルとして参考になりそうです。
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本記事のポイント
- 別府温泉の旅館・花べっぷがオールインクルーシブ化を実現し、ラウンジ・アロマルーム・食事体験を一新しました
- 全客室へのベッド導入と厳選アメニティ刷新が、ゲスト滞在中の快適性向上に直結しています
- 旅館のオールインクルーシブ化検討において、公間整備・食の個性化・客室快適性の3軸はチェックポイントになりえます
発表内容の整理
別府温泉の旅館・花べっぷは、2026年3月6日のリニューアルを機にオールインクルーシブ(OI)型へ移行しました。館内にはアメニティバー兼セレクトショップ機能を持つ空間(一楽)が新設されており、ゲストが滞在中に自由に利用できます。また、アロマ体験に特化したルーム(香文室)も加わり、非日常のリラクゼーション体験を提供しています。
食事面では、夕食時に12種類の薬味をゲスト自身がセレクトできる仕組みを導入し、飲み物は無料で提供されます。朝食では8種類の味噌汁とパフェのカスタムが楽しめます。オールインクルーシブラウンジ(一福)にはキッズスペースとライブラリーが設けられており、家族連れも快適に過ごせる設計になっています。
客室整備としては全室にベッドが導入され、ハリウッドツイン対応が可能になりました。アメニティには美容家電ブランドのReFa製品が採用されており、マッサージチェアも刷新されています。
出典:PR TIMES『【別府温泉ー竹と椿のお宿ー花べっぷ】2026年3月6日「お好きなように」過ごせるオールインクルーシブの宿へリニューアル』 https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000068.000027869.html
花べっぷのオールインクルーシブ化が宿泊業に示す付加価値戦略
料金一体型モデルへの移行が宿泊体験に与える影響
旅館のオールインクルーシブ化は、ゲストの滞在中における意思決定の摩擦を大幅に減らします。飲食費や体験費が宿泊料金に含まれることで、ゲストは追加費用を気にすることなく滞在を満喫できます。花べっぷのリニューアルは、この設計思想を複数の接点で丁寧に実装している点で、業界内の参考事例として高く評価できそうです。
食の個性化が差別化と宿泊体験の向上につながる
夕食における12種薬味のセレクト形式は、単なるサービス充実にとどまらず、ゲスト一人ひとりが食卓でできることを広げる工夫といえます。自分好みに仕上げる体験設計は、SNS投稿や口コミへの連鎖にも発展しやすい要素です。飲み物の無料提供との組み合わせにより、夕食全体の満足度を高める仕組みとして、同様の食体験を検討する宿泊施設にとって示唆のある取り組みです。

公間整備がゲストの滞在時間を延ばすきっかけになる
ラウンジ(一福)のキッズスペース・ライブラリー設置は、客室以外での滞在価値を高める設計です。アロマルームも加え、花べっぷは館内の各拠点で過ごす理由を用意しています。これはゲストのリピート動機や滞在中の満足度に直結する要素として、多くの旅館が参考にできるアプローチといえます。
市場回復が続くなか、花べっぷが選んだ料金内高満足のアプローチ
観光庁データが示す国内宿泊旅行需要の回復傾向
観光庁の宿泊旅行統計調査によると、2023年の延べ宿泊者数は約5.1億人泊に達しており、コロナ禍からの力強い回復を示しています。また、観光庁の旅行・観光消費動向調査では、国内旅行の1人あたり旅行消費額が上昇傾向にあり、宿泊体験への支出意欲が高まっています。こうした需要環境に照らすと、花べっぷが選んだ追加料金なしの充実型モデルは、より多くのゲストを取り込む筋の良いアプローチといえそうです。
別府温泉という立地とJR九州ブランドが生む相乗効果
別府市は国内有数の温泉観光地であり、年間を通じて国内外の旅行者を惹きつけています。観光庁の都道府県別延べ宿泊者数においても、大分県は九州エリアの中で安定した存在感を示しています。JR九州ホテルズアンドリゾーツという鉄道関連ブランドとの組み合わせは、温泉地へのアクセスと宿泊体験を一体で提供できる強みがあります。このような立地特性のなかで花べっぷがオールインクルーシブ化を選択したことは、滞在型・体験重視の旅行者層への訴求として相性の良い判断と評価できます。
ラウンジ・食事体験・アメニティ──花べっぷの現場を支える3つの仕組み
ラウンジ「一福」の機能設計
オールインクルーシブラウンジ「一福」は、キッズスペースとライブラリーを組み合わせた多目的空間です。家族連れでも一人旅でも、滞在の合間に立ち寄りやすい設計が特徴的です。OI型旅館における公共空間の活用として、宿泊施設全体の印象やリピート意向に与える影響は小さくありません。同様の空間整備を検討する際には、ターゲットゲスト像に合わせたコンテンツ設計が重要な論点になります。
アメニティ空間「一楽」とアロマルーム「香文室」の役割
しつらえ処「一楽」はアメニティバーとセレクトショップを兼ねており、ゲストが必要なものを自分で選べる自由度を提供しています。ReFaアメニティの採用もその一環であり、アメニティ選定をブランド訴求の一部として活用する姿勢が伝わります。「香文室」はアロマに特化した非日常体験として位置づけられており、他施設との差別化要素になる可能性があります。運用上は、スタッフによる案内のタイミングや利用誘導の設計が体験品質に影響するため、留意しておくと安心です。
花べっぷのOI化から学ぶ、自施設のリニューアル検討ステップ
短期的なチェックポイント
まず自施設の追加消費動向を確認することをおすすめします。オールインクルーシブ化前後で客単価と満足度指標がどう変化するかを測定できる体制を整えておくと、次のリニューアル判断に役立てられます。食事体験を中心に据えるのか、公共空間の充実を優先するのかを整理しておくと、施策の優先順位がつけやすくなります。
中期的な導入ステップと留意点
OI化はサービス設計とコスト構造の両面を見直す取り組みです。花べっぷのように複数の要素(ラウンジ・食・アメニティ)を一度にリニューアルする場合は、スタッフへの周知や運用マニュアルの整備を並行して進めておくと安心です。また、OI化後のゲストコミュニケーションとして、各施設・サービスの使い方案内を充実させるという選択肢もあります。
まとめ
- 別府温泉・花べっぷが2026年3月にオールインクルーシブ型へリニューアルし、ラウンジ・アロマルーム・食の個性化など複数の体験価値が加わりました
- 観光庁の宿泊旅行統計が示す需要回復傾向に照らすと、花べっぷの体験充実型アプローチは市場環境との相性が良いといえそうです
- OI化を検討する施設は、公間整備・食体験設計・アメニティ刷新の3軸を整理しておくと安心です
- 自施設の現状把握から始め、段階的なリニューアルを組み立てるという選択肢もあります
企業情報
会社名:JR九州ホテルズアンドリゾーツ株式会社
施設名:別府温泉ー竹と椿のお宿ー花べっぷ
所在地:大分県別府市上田の湯町16-50
公式サイト:花べっぷ 公式サイト
お問い合わせ先・公開情報
公式サイト:花べっぷ
参考資料
- 観光庁 宿泊旅行統計調査
- 観光庁 旅行・観光消費動向調査


