2025.12.05

青森ウェルネスホテルReLaboで青森りんごとヨガのリトリート体験

CoCoRo編集部

青森ウェルネスホテルReLaboが提供する「Apple Ayurveda Yoga Retreat in Aomori」は、青森りんご植栽150周年とJR東日本の地域プロジェクトが連携した2泊3日の特別なウェルネスリトリートプランです。宿泊業・ホテル・旅館に携わる方にとって、この青森ウェルネスホテルReLaboの取り組みは、地域資源とウェルネスを掛け合わせて高付加価値な滞在を設計するヒントになりそうです。本記事ではニュースの要点を整理しつつ、自施設で応用できる観点をまとめます。

この記事の目次

本記事のポイント：青森ウェルネスホテルReLaboとウェルネスリトリート
ニュースの概要：青森ウェルネスホテルReLaboのApple Ayurveda Yoga Retreat
宿泊業にとってのポイント：青森ウェルネスホテルReLabo型ウェルネス戦略
背景と理由の整理：青森りんごとウェルネスツーリズムの文脈
具体的な取り組み・ニュース内容の解説：ヨガと温泉を組み合わせたウェルネスホテル運営
自社への活かし方のヒント：地方ホテルが青森ウェルネスホテルReLaboに学べること
まとめ：青森ウェルネスホテルReLaboの事例から考えること
企業情報（青森ウェルネスホテルReLabo運営会社）

本記事のポイント：青森ウェルネスホテルReLaboとウェルネスリトリート

青森ウェルネスホテルReLaboが、青森りんご植栽150周年とJR東日本「宝ものプロジェクト」と連携した2泊3日のヨガ・温泉・食・瞑想のリトリートプランを発表した概要を整理します。
青森ウェルネスホテルReLaboの事例を通じて、「地域の食材・歴史 × ウェルネス体験 × ストーリー設計」による高単価宿泊商品の考え方を解説します。
自社の旅館・ホテルでも実践しやすい、ミニマムなウェルネスプログラムの作り方や従業員エンゲージメント向上へのつなげ方を提案します。

ニュースの概要：青森ウェルネスホテルReLaboのApple Ayurveda Yoga Retreat

青森ウェルネスホテルReLabo（ReLabo Medical Spa & Stay）は、JR東日本の「宝ものプロジェクト」と、2025年に節目を迎える「青森りんご植栽150周年」を記念して、「Apple Ayurveda Yoga Retreat in Aomori」という2泊3日の宿泊リトリートプランを企画したとしています。

このプランでは、青森林檎（青森りんご）をテーマに、アーユルヴェーダの考え方やヨガセッション、青森食材を使ったガストロノミー、温泉・サウナ・シルキーバスといったウェルネス体験を組み合わせていると説明しています。さらに、青森駅近くのA-FACTORYでのシードル醸造見学やオリジナルシードルの土産も含まれており、「地域の物語に触れる体験」を重視した構成になっているようです。

販売期間は2025年12月1日（月）〜2026年3月31日（火）、料金は2泊3日でお一人様121,200円（税込）〜（1名1室利用）と案内されています。青森ウェルネスホテルReLaboの館内温泉「和温泉」や、男性向けサウナ・女性向けシルキーバスなども活用し、心身の調律・浄化・統合という3日間のストーリーが組み立てられている点が特徴的です。

宿泊業にとってのポイント：青森ウェルネスホテルReLabo型ウェルネス戦略

青森ウェルネスホテルReLaboの取り組みには、ホテル・旅館が高付加価値化を図るうえで押さえておきたいポイントがいくつか見られます。

高単価リトリートとしての「2泊3日」設計

1泊ではなく2泊3日とすることで、ヨガ・瞑想・講座・食事体験を無理なく組み込み、「滞在時間そのものに価値がある」商品設計にしている点が参考になります。
2泊分の客室稼働を確保しつつ、プログラム料金を含めたパッケージ価格とすることで、青森ウェルネスホテルReLaboとしては客単価の底上げが期待できる構造と考えられます。

地域資源（青森りんご）をウェルネスに翻訳

青森林檎の抗酸化作用や長寿科学分野での研究に触れ、「アンチエイジング」「炎症抑制」といったキーワードと結びつけることで、単なる特産品ではなく「ウェルネス素材」として打ち出している点が特徴です。
自家製りんご紅茶、りんごをテーマにしたヨガ、味覚瞑想など、食材を複数のタッチポイントで体験させる工夫が、青森ウェルネスホテルReLaboの差別化要素になっていると見られます。

JR東日本など外部パートナーとの連携

鉄道事業者の地域プロジェクトと連携することで、「移動 × 宿泊 × 体験」が一体となったストーリーをつくっている点もポイントです。
自社単独ではリーチしきれない層に、青森ウェルネスホテルReLaboのブランドやリトリートプランを届けられる可能性があり、他地域の宿泊事業者にとっても「交通事業者との共創」はヒントになりそうです。

従業員エンゲージメントの観点

シェフによる特別ディナー、ヨガ講師やアーユルヴェーダ講師の関わり、温泉運営チームなど、館内の多職種が一つのプログラムに関わることで、青森ウェルネスホテルReLaboのチーム全体で「おもてなしのコンセプト」を共有しやすくなると考えられます。
現場スタッフにとっても、「ただの宿泊」ではなく「ゲストの心身が整っていくプロセス」を支える仕事になるため、やりがいの向上やエンゲージメント強化につながる可能性があります。

背景と理由の整理：青森りんごとウェルネスツーリズムの文脈

ここでは、青森ウェルネスホテルReLaboの企画背景を、業界全体の流れと重ねて整理してみます。

ウェルネスツーリズム需要の高まり

国内外で「心身の健康」「メンタルヘルス」が重視されるようになり、観光の目的が「観光地を回る」から「自分を整える」にシフトしていると言われています。
観光庁の調査でも、ウェルネスや自然体験、生活に没入するようなコンテンツが重要なトレンドとして整理されており、宿泊施設がウェルネスプログラムを持つことは今後ますます意味を持ちそうです。

記念イヤーを起点にしたコンテンツづくり

青森りんご植栽150周年という「周年テーマ」を軸に、青森ウェルネスホテルReLaboがプランを設計している点も注目できます。
周年行事や地域イベントと宿泊プランを連動させることで、プロモーションしやすくなるほか、「今しか体験できない理由」を作りやすくなります。

冬季需要の底上げと滞在型へのシフト

販売期間が冬〜初春（12月〜3月）に設定されていることから、青森ウェルネスホテルReLaboとしては冬季の稼働率向上や、天候に左右されにくい館内コンテンツの強化も狙っていると考えられます。
温泉・サウナ・シルキーバス・ヨガ・瞑想など、館内完結型のウェルネス体験は、天候が読みにくい地域・シーズンほど有効な打ち手になりやすいでしょう。

具体的な取り組み・ニュース内容の解説：ヨガと温泉を組み合わせたウェルネスホテル運営

青森ウェルネスホテルReLaboのリトリートプランは、「到着と調律」「浄化と実り」「統合と出発」という3つのテーマで日程を構成しているとしています。宿泊業の観点から、運営要素ごとに整理してみます。

1日目：到着と調律 – チェックインから夜までの導線設計

自家製青森林檎とスパイスのりんご紅茶でのウェルカムドリンクにより、「このプランならではの始まり方」を演出。
夕方には、りんごの成長サイクルをモチーフにした「Seva Phala Yoga（セーヴァ・ファラ・ヨーガ）」で、移動の疲れをほぐすヨガセッションを用意。
ディナーでは、青森食材と最新科学を取り入れたフレンチガストロノミー「Aomori French Gastronomy En」で、青森林檎をテーマにしたコースを提供。
最後は「和温泉」での入浴や男性向けセルフロウリュサウナ、女性向けシルキーバスを楽しむ流れとなっており、チェックイン後〜就寝までの時間が途切れなく「整う体験」として設計されています。

2日目：浄化と実り – 講座・見学・夜ヨガを組み合わせた一日

朝は、アーユルヴェーダの知恵を取り入れた「ReLaboウェルネスブレックファスト」で消化を整えるメニューを提供。
モーニングヨガでは、青森の朝の空気を感じながら、サンライズの太陽礼拝やハーベストフローなどで代謝を高めるプログラムを組んでいます。
日中は、A-FACTORYでのシードル醸造見学とオリジナルシードルの土産により、「りんごの物語」を五感で体験する時間を用意。
館内では、アーユルヴェーダ講座により、自分の体質や整え方を学ぶ座学コンテンツを取り入れています。
夜は「ムーンライトリラクゼーションヨガ」で、呼吸法・瞑想・サウンドヒーリングを通じて深い眠りへ導くという流れで、1日のスタートと終わりをヨガで挟む構成になっています。

3日目：統合と出発 – 味覚瞑想で締めくくる

最終日は、瞑想ヨガと「ReLabo Apple scent meditation（林檎の味覚瞑想）」を組み合わせ、りんごを一口ずつ味わいながら五感を研ぎ澄ますプログラムを実施。
参加者同士の体験シェアと呼吸ワークを行うクロージングサークルを設定し、「体験を言語化して持ち帰る」時間をつくっている点も特徴です。
こうした締めくくりの設計は、青森ウェルネスホテルReLaboの体験価値を「旅の思い出」にとどめず、日常に持ち帰るきっかけとして機能しそうです。

このように、青森ウェルネスホテルReLaboでは、ヨガ・食事・温泉・講座・工房見学などを一貫したストーリーで束ねることで、「滞在全体が一つのプログラムになる」よう設計していると見ることができます。

自社への活かし方のヒント：地方ホテルが青森ウェルネスホテルReLaboに学べること

ここからは、青森ウェルネスホテルReLaboの事例を自社に置き換える際のヒントをいくつか挙げます。

ローカル食材を「ウェルネス素材」として再定義する

青森ウェルネスホテルReLaboは、青森林檎の特徴（抗酸化作用など）とウェルネスを結びつけています。
自施設周辺の食材や飲み物についても、「身体を温める」「消化を助ける」「リラックスにつながる」などの切り口で整理すると、ウェルネスプログラムに取り入れやすくなります。
まずは、朝食やウェルカムドリンクから小さく始め、徐々にコース料理やデザート、ティータイムなどへ広げていく方法もあります。

1泊から始めるミニリトリートで青森ウェルネスホテルReLabo型を試す

いきなり2泊3日のフルプログラムを組むのが難しい場合は、「1泊2日のミニリトリート」を週末限定で試すという選択肢もあります。
例えば、チェックイン後のショートヨガ＋地元食材を使った夕食＋朝ヨガ＋温泉というシンプルな構成から始め、反応を見ながら内容を拡張するイメージです。
青森ウェルネスホテルReLaboと同様に、プログラムに名前や物語を付けることで、販売時の訴求力が高まりやすくなります。

従業員を巻き込んだ「おもてなしストーリーづくり」

青森ウェルネスホテルReLaboのようなリトリートプランでは、フロント・レストラン・ハウスキーピング・温浴スタッフなど、多くの職種が関わります。
プランのコンセプトや1日の流れを共有し、「どのタイミングでどんな声かけをするか」「どこで一言ストーリーを添えるか」をチームで話し合う時間を設けると、従業員エンゲージメント向上にもつながります。
「このリトリートでお客様にどうなって帰っていただきたいか？」を言語化するプロセスは、青森ウェルネスホテルReLaboに限らず、多くの宿泊施設にとってマネジメント改善のきっかけになりそうです。

交通事業者・観光施設との連携で観光動線を設計する

青森ウェルネスホテルReLaboがA-FACTORY見学を組み込んでいるように、地域の工房・ワイナリー・酒蔵・農園などとの連携を検討すると、館外コンテンツを無理なく組み込めます。
鉄道・バス・タクシー事業者との共同プラン化や、ダイナミックパッケージ商品との連携も、送客と認知の両面でメリットがあります。
自施設だけで完結させるのではなく、「エリア全体で一つのウェルネスストーリーをつくる」という視点を持つと、青森ウェルネスホテルReLaboのような地域密着型プランに近づいていきます。

まとめ：青森ウェルネスホテルReLaboの事例から考えること

青森ウェルネスホテルReLaboは、青森りんご植栽150周年とJR東日本の地域プロジェクトを掛け合わせ、2泊3日の高付加価値ウェルネスリトリートを打ち出している事例です。
地域食材や歴史を「ウェルネス素材」として再定義し、ヨガ・瞑想・温泉・講座・工房見学をストーリーで束ねることで、単なる宿泊から「心と体を整える旅」へと価値を高めていると言えそうです。
自施設でも、1泊の小さなプログラムから青森ウェルネスホテルReLabo型のリトリート発想を取り入れてみると、客単価と顧客満足度の両方を高められる可能性があります。
ウェルネスプランの導入やパートナー連携は段階的に進めておくと安心ですし、「まずは週末限定プランとして試す」という選択肢もあります。

企業情報（青森ウェルネスホテルReLabo運営会社）

会社名：株式会社城ヶ倉観光
ホテル名：ReLabo Medical Spa & Stay（青森ウェルネスホテルReLabo）
所在地：〒038-0012 青森県青森市柳川1-1-5
電話番号：017-762-0151
客室数：130室
チェックイン：15:00
チェックアウト：11:00
アクセス：JR青森駅直結（新青森駅から奥羽本線で1駅・約5分）
公式サイト：ReLabo Medical Spa & Stay公式サイト

出典：PR TIMES『【青森ウェルネスホテルReLabo】JR東日本宝ものプロジェクト青森林檎植栽150周年記念「Apple Ayurveda Yoga Retreat ㏌ Aomori」をはじめます』https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000049.000153091.html