ホテルの雑学

ホテルに4号室や9号室、13階がないことがあるのはなぜかを詳しく解説

ホテルに4号室や9号室、13階がないことがあるのはなぜかを詳しく解説
CoCoRo編集部

ホテルの部屋番号に4や9が見当たらず、不思議に思ったことはないでしょうか。ホテルに4号室や9号室がなかったり、エレベーターに13のボタンがなかったりすることがあります。日本では4が死、9が苦を連想させ、西洋では13が不吉な数とされてきたため、縁起を気にする宿泊者に配慮してその番号を使わない施設があるからです。

ただし、これを決めた法律はありません。判断はすべて各施設に委ねられており、実際には4も9も13もそのまま使っているホテルのほうが多く見られます。ホテルには4号室がないと一般化することはできません。

そこで本記事では、特定の番号が避けられる背景と、その説がどこまで確かめられるのかを解説していきます。客室番号の由来が気になる方は、ぜひご参考にしてください。

この記事でわかること

  • 4や9が避けられる背景として語られている理由
  • 欠番が法令で決まっているのかどうか
  • あえて4号室を設けている施設があるのかどうか
  • 海外で13階が避けられる事情との違い

日本で4と9が避けられてきた理由

日本で4と9が避けられてきたのは、読み方が死と苦に重なるためです。忌み数とは、音や語感から不吉な意味を連想させるために避けられてきた数字のことです。

旅館業法にも旅館業法施行令にも、客室の番号の付け方を定めた条文はありません。4や9を避けるかどうかは法令上の義務ではなく、各施設が宿泊者の心情に配慮して選んでいる運用です

死と苦に読みが重なる

4はしと読めることから死を、9はくと読めることから苦を連想させます。この語呂の連想が、ホテルだけでなくマンション、アパート、病院などで4号室や9号室を作らない慣習として残ってきました。建物によっては、4階や9階そのものを設けていない例もあります。

42や49など2桁の組み合わせも対象になる

避けられるのは1桁の4と9だけではありません。42は死に、49は死苦と読めるため、402号室や409号室を飛ばして番号を振る例があります。ただし、どの数字までを避けるかは施設ごとの判断であり、統一されたルールは存在しません。

実際の動機は運営上の判断にある

元ホテルマンの証言では、番号を飛ばす動機は迷信そのものよりも運営上の判断だと説明されています。縁起を気にする人は今も少なくなく、4号室は嫌なので替えてほしいという要望が繰り返されれば、フロントの業務が増えます。それなら最初から使わないほうが無難だという、現場の感覚が働いています。

番号を飛ばせば部屋数や階数が多く見えて立派に映るという説もありますが、これは主たる理由ではないと同じ証言のなかで否定されています。

法律で決まっているわけではない

4や9や13を避けることを義務づけた法令はありません。建築基準法にも旅館業法にも、階数や部屋番号の付け方を規定した条文はなく、完全に各施設の裁量です。だからこそ、同じ地域の同じグレードのホテルでも対応が分かれます。

西洋で13が避けられてきた理由

西洋で13が忌み数とされてきた理由は一つに定まっておらず、複数の説が併存しています。ニッセイ基礎研究所のレポート(2022年6月13日公表)は、代表的な説を整理したうえで、キリスト教圏でもすべての国や地域で13が忌み数になっているわけではないと指摘しています。

最後の晩餐の13番目の席という説

もっとも有名なのは聖書に関係する説です。イエス・キリストを裏切ったユダが、最後の晩餐で13番目の席についていたことに由来するというものです。加えて、キリストが処刑されたのは金曜日だとする俗信から、13日の金曜日が特に不吉な日として扱われてきました。同名のホラー映画シリーズが世界的にヒットしたことで、この印象はキリスト教圏の外にまで広がりました。

北欧神話や数の調和に由来するという説

北欧神話に基づく説では、12人の神の祝宴に招かれざる13人目としてロキが乱入したことが由来とされます。また、古代から時間や方位に使われてきた12という数の調和を、次に来る素数の13が乱すものとして嫌われたとする見方もあります。どれが正しいと確定しているわけではありません。なお、13という数字への恐怖症はギリシャ語由来でトリスカイデカフォビアと呼ばれます。

13階の飛ばし方には4つのパターンがある

13が忌み数とされる国や地域では、建物での扱いにいくつかのパターンが見られます。

パターン具体例
そもそも13階を作らない12階の次が14階になる
13階に別の名前を付ける12A階、12B階、12半階など
13階を機械室にする高層ビルで採用される例
13階を従業員用の施設にする更衣室や社員食堂に割り当て、客室用エレベーターは通過する

一方、日本では高さ制限40メートルの地域に建つマンションなどは、1階あたりの階高が3メートル程度だと自然に13階建てになりますが、13階が特別視されている様子は見られないとも指摘されています。日本国内で13階を飛ばすホテルは、外国人利用の多い外資系や国際志向のシティホテルに多いとする観察がありますが、施設数や割合を示す公的な統計は確認できていません。

実際には4も9も13も使っているホテルが多い

公開されている情報を確認すると、ホテルには4号室や13階がないという説明は事実と一致しません。避ける施設もあれば避けない施設もあり、傾向を語ることはできても規則として一般化することはできません。

公式フロアガイドで確認できる例

ホテルグランヴィア京都の公式フロアガイドでは、4階にウエディングサロン、8階から14階が客室、15階が客室とレストランフロアと案内されています。9階も13階も14階も欠番になっておらず、客室階としてそのまま使われています。

ただし公開されているのは階の構成までで、404号室や409号室といった個々の号室があるかどうかまでは確認できません。号室単位の運用は施設に問い合わせないと分からない領域です。

病院でも数字があるほうが多数派

看護師向けメディアの看護rooが2020年1月31日から2月21日に実施した投票では、勤務先の病院に4や9や13の数字があるかを問う質問に対し、1,688票のうち、あるが65パーセントにあたる1,108票、ないが24パーセントにあたる417票という結果でした。忌み数への配慮がもっとも根強いと思われがちな病院でも、多数派は数字があるほうです。

この投票はウェブ上の自由参加型アンケートであり、無作為抽出による統計調査ではありません。傾向を示す参考値として扱ってください。

番号が飛んでいるかどうかで施設の姿勢が見える

日本のホテルは4と9を避け、海外のホテルは13を避けるという説明は、傾向としては存在します。ただし同じチェーンでも建物ごとに対応が違うことがあり、すべての施設に当てはまる規則ではありません。番号が飛んでいたら、その建物はそういう配慮をしているのだと受け取る程度が、実態に近い理解になります。

ホテルの部屋番号はどう決まるのか

ホテルの部屋番号は、階数とその階の通し番号を組み合わせる単純な構成が基本です。番号そのものに部屋の格や広さの意味が込められていることは、ほとんどありません。

階数と通し番号の組み合わせが基本

1205号室であれば12階の5番目という読み方になります。廊下のどちら側か、エレベーターからの距離によって振り方を変える建物もありますが、番号から客室のグレードを判断することはできません。部屋タイプの名称と部屋番号は別の情報です。

部屋割りはホテル側が決める

予約の時点で決まっているのは部屋タイプの仮の割り当てで、実際にどの部屋になるかはホテル側が当日までに決めます。高層階、角部屋、静かな場所といった希望がある場合は、予約時やチェックイン時にリクエストとして伝えておくと安心です。ただし確約ではなく、空室状況によって対応できないこともあります。

まとめ

  • ホテルに4号室がないことがあるのは、4が死、9が苦を連想させる日本の忌み数に配慮しているためです。
  • 13階を飛ばす慣習は西洋の忌み数に由来し、由来の説は聖書、北欧神話、数の調和など複数が併存しています。
  • 番号の付け方を定めた法令はなく、判断は各施設に委ねられています。
  • 公式フロアガイドや調査データで確認すると、4も9も13も使っている施設のほうが多く、必ずないという説明は正確ではありません。

参考資料

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