同じ広さの部屋なのに料金が違うことに、納得できなかったことはないでしょうか。同じ客室タイプでも眺望や階数によって料金が変わることがあるのは、ホテルが需要の高さに応じて価格を細かく設定するレベニューマネジメントという手法を採用しているためです。広さや設備が同じであっても、海や街並みが見える眺望、上層階といった付加価値の高さが料金に反映されます。
ただし、階数が高い部屋ほど必ず料金も高いとは限りません。眺望の良し悪しは方角や周辺の建物にも左右されるため、上層階でも隣接ビル側の部屋は下層階の海側の部屋より安く設定される場合があります。眺望と価格の関係を、階数だけで単純に説明することはできません。
そこで本記事では、階数や眺望が料金に反映される仕組みを、価格設定の考え方から解説していきます。予約の判断材料がほしい方は、ぜひご参考にしてください。
この記事でわかること
- 同じ客室タイプでも料金が変わる理由
- 眺望が常に一番の価格決定要因といえるのかどうか
- 料金設定が法令で規制されているのかどうか
- 部屋指定なしのプランが安い理由
なぜ同じ広さでも料金が変わるのか
同じ客室タイプの中で料金差が生まれるのは、ホテルが客室ごとの付加価値を評価し、需要に応じて価格を調整しているためです。レベニューマネジメントとは、過去の販売データと需要予測に基づいて宿泊料金を最適化する経営手法のことです。
旅館業法施行令第1条第1項は客室の構造設備の基準を定めていますが、宿泊料金の決め方には関与していません。階数や眺望による価格差は法令ではなく、各施設が需要に応じて設定している価格戦略です。同じ客室でも日によって料金が変わるのは、需要に応じて価格を調整するレベニューマネジメントという手法によるものです。
広さ・設備だけでなく体験の価値も価格に含まれる
ホテル向けシステムを提供するホテルスマートの解説によると、客室料金は広さや設備、内装のクオリティだけでなく、階数や眺望といった要素によっても変動するとされています。窓の外に広がる景色は建築コストとして数値化しにくいものですが、宿泊者が体験として価値を感じる要素であるため、価格に反映されやすい項目になっています。
需要が集中する時期ほど差が広がりやすい
レベニューマネジメントの仕組み上、予約が集中する繁忙期には、人気の高い客室タイプの料金がより強く引き上げられる傾向があります。逆に閑散期には、眺望による価格差が縮まることもあります。料金差の幅は季節や曜日、周辺のイベントによっても変動するため、常に同じ差額が維持されるわけではありません。
客室タイプの区分は施設によって設計が異なる
眺望による料金の分け方は、ホテルごとに独自の区分で運用されています。同じ呼び方の客室タイプでも、施設によって条件は一様ではありません。
オーシャンビューにも複数の段階がある
海が見える客室と一口に言っても、ハレクラニのように、海の一部が見える客室と、海に面したより上位の客室を別の客室タイプとして分けて案内している施設があります。上位の客室タイプほど、眺望の確実性や見える範囲の広さが高く評価され、料金も上がる仕組みです。同じオーシャンビューという言葉でも、施設によって指す条件の幅が異なる点には注意が必要です。
高層階が公式サイトで案内されるのは魅力訴求のため
都心のシティホテルでは、公式サイトで高層階からの眺望を写真つきで紹介している例が見られます。東京ドームホテルの公式サイトでは、23階から38階の客室について、パーク側とパレス側で見える景色の違いを説明しています。こうした案内は、高層階の客室が持つ眺望の価値をあらかじめ伝え、上位の客室タイプへの理解を得るためのものです。
高い階ほど高いとは限らない
階数と料金の関係は、しばしば高層階ほど高額という単純な図式で語られますが、実際にはそう言い切れない例があります。眺望の価値は、階数そのものよりも見える対象によって決まるためです。
同じ階でも方角によって扱いが異なる
同じ階数の客室であっても、海側や公園側などの人気の高い方角と、駐車場や隣接ビルに面した方角では、見える景色がまったく異なります。この差は階数ではなく方角によって生まれるため、上層階であっても人気の低い方角の客室は、下層階の人気の高い方角の客室より安く設定される場合があります。高層階だから一律に高いという説明は、実際の料金体系と一致しないことがあります。
価格差の有無や幅は施設ごとに異なる
眺望による価格差そのものを設けていないホテルも存在します。客室タイプを細かく分けず、面積や設備で料金を決めている施設では、眺望が料金に直接反映されないこともあります。眺望で必ず料金が変わるという理解ではなく、眺望による価格差を設けるかどうかも含めて、施設ごとの方針であるという理解が実態に近いものです。
眺望のよい部屋を賢く予約するには
眺望を重視して予約する場合は、客室タイプの説明を確認したうえで、予約方法を工夫すると希望に近づけやすくなります。
- 公式サイトの客室タイプ一覧で、眺望の条件がどこまで確約されているかを確認します。
- 高層階や特定方角を確約するプランは、通常客室より料金が高く設定されている場合が多いです。
- 確約プランがない場合は、予約時やチェックイン時に眺望の希望をリクエストとして伝えておく方法もあります。
- 閑散期は眺望による価格差が縮まりやすいため、時期をずらすと割安に希望の客室タイプへ近づける場合があります。
まとめ
- 同じ客室タイプでも眺望や階数で料金が変わるのは、需要に応じて価格を調整するレベニューマネジメントの仕組みによるものです。
- オーシャンビューなど眺望の呼称はホテルごとに条件が異なり、同じ言葉でも見える範囲や確実性に差があります。
- 階数が高いほど必ず料金も高いとは限らず、方角や隣接建物の影響で下層階の方が高く評価される例もあります。
- 眺望を確約するプランの有無や価格差の大きさは施設ごとに異なるため、公式サイトの客室タイプ説明で確認することが確実です。
参考資料
- ホテルスマート『ホテル経営の利益を最大化するレベニューマネジメントとは?(公式サイト掲載記事)』: ホテル経営の利益を最大化するレベニューマネジメントとは?
- ハレクラニ『オーシャンビューのご案内(公式サイト客室タイプ紹介)』: オーシャンビューのご案内
- 東京ドームホテル『客室からの眺望(公式サイト掲載)』: 客室からの眺望
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