fav hospitality group株式会社は、2026年7月1日、宮崎市内に本格サウナを備えたホテル「FAV LUX 宮崎」を開業しました。大淀川を望む立地に、全41室の客室、スパ・サウナ、低酸素ジム、オールデイダイニング「kitchen by fav」を組み合わせ、滞在中の過ごし方をウェルネスと食の両面から設計している点が特徴です。
宿泊事業者にとっては、単にサウナを付帯設備として置くのではなく、食事、眺望、地域食材、グループ滞在まで含めて体験をつなぐ構成に学びがあります。宮崎らしい温暖な気候や食文化を背景に、都市滞在とリゾート的な余白を同時に感じられる施設づくりがうかがえます。
観光庁(国土交通省)『ベジタリアン・ヴィーガン/ムスリム』では、その他を考える際に、地域資源を単体で見せるだけでなく、受入環境や周辺事業者との連携まで含めて磨き上げる視点が示されています。今回の発表も、施設の魅力を地域での過ごし方や移動導線と結びつけて伝える点で、宿泊事業者が滞在価値を組み立てる参考になります。
本記事のポイント
- FAV LUX 宮崎は、全41室・最大6名まで泊まれる客室構成により、家族・友人グループ・長めの滞在まで受け止めやすいホテルとして開業しました。
- 本格サウナ、スパ、低酸素ジムに加え、サウナ後の食事まで設計した「kitchen by fav」を備え、ウェルネス体験を館内で完結しやすくしています。
- 宮崎日南鶏、地場野菜、宮崎マンゴーなど地域食材を使い、地域らしさを食の満足度へつなげる構成は、宿泊施設の付帯飲食を考えるうえで参考になります。
発表内容の整理

FAV LUX 宮崎は、宮崎市中心部を流れる大淀川を望むロケーションに開業したホテルです。客室は全41室・6タイプで、1室あたり最大6名まで宿泊可能とされています。少人数の観光だけでなく、家族旅行、友人同士、スポーツ・アクティビティ目的の滞在など、複数名利用を想定した客室づくりが特徴です。
館内には本格スパ&サウナ施設に加え、標高2,500m相当の環境を再現した低酸素ジムを導入。さらに、オールデイダイニング「kitchen by fav」では、東京発のオールデイダイニングブランド「LATTE GRAPHIC」がメニューを監修し、サウナ後の身体に寄り添う食事や宮崎食材を使った朝食・ディナーを提供します。
出典:PR TIMES 2026年7月1日、本格サウナを備えたホテル「FAV LUX 宮崎」開業
サウナを起点に、館内体験を線でつなぐ設計
近年の宿泊施設では、サウナを集客要素として導入する事例が増えています。一方で、利用後の過ごし方まで設計されているかどうかで、滞在満足度には差が出やすくなります。FAV LUX 宮崎では、サウナ、テラス、低酸素ジム、食事を一体の流れとして見せており、設備単体ではなく「滞在時間の質」を高める構成が印象的です。
とくに、サウナ後の食事を「サウナ飯」として明確に打ち出している点は、運営現場でも参考になる取り組みです。牛すじカレー、宮崎日南鶏のチキン南蛮丼、ハンバーグのひつまぶし丼といった満足感のあるメニューをそろえることで、サウナ利用後の消費行動を館内飲食へ自然につなげています。
宮崎の食材を、旅の記憶に残る導線へ変えている
FAV LUX 宮崎の飲食では、宮崎日南鶏、宮崎県産野菜、宮崎マンゴーなど、地域の食材が複数の時間帯で使われています。朝食では「焼きおにぎりと日南鶏の塩麹漬け」や「宮崎マンゴーのグラノーラ」、ディナーでは地場野菜のサラダや日南鶏の唐揚げなどが用意され、宿泊者が館内にいながら土地の味に触れられる構成です。
観光庁(国土交通省)の『ベジタリアン・ヴィーガン/ムスリム(公表時点)』では、多様な食習慣への対応について、既存メニューの共通部分を活かしながら工夫する考え方が示されています。FAV LUX 宮崎のように地域食材を軸にメニューの幅を持たせる場合、今後は原材料表示や選択肢の見せ方を丁寧に整えることで、国内外の旅行者にとってさらに選びやすい飲食体験へ広げられます。これは大規模な専用メニューを増やすというより、現場の運用負荷を見ながら情報提供と選択肢を磨く方向性として実務的です。
グループ滞在を受け止める客室構成の意味
全41室という規模に対して、1室最大6名まで泊まれる客室を用意している点は、FAVシリーズらしいグループ滞在への意識が表れています。宮崎は青島・日南海岸、ゴルフ、サーフィン、神話ゆかりのスポットなど、複数人で行動しやすい観光資源を持つ地域です。こうした目的地では、客室の広さや定員が旅程の組みやすさに直結します。
宿泊事業者の視点では、客室定員を増やすだけではなく、館内飲食やサウナ後の共有時間まで含めて設計することが重要です。FAV LUX 宮崎は、客室、ダイニング、ウェルネス設備を組み合わせ、グループが館内で過ごす理由を複数用意している点に丁寧な工夫がうかがえます。
観光地域づくりの流れと、宿泊施設の役割
観光庁は、令和7年度までにコンテンツ造成や地域における好循環の仕組みづくりに取り組む地域を50地域、受入環境整備に取り組む地域を50地域支援する方針を示しています。宿泊施設も、地域資源を滞在価値へ変える拠点として、観光地域づくりのなかで役割が広がっています。
FAV LUX 宮崎の場合、大淀川の眺望、宮崎の食材、サウナ・ウェルネス、アクティビティ需要を結び、宿泊者が地域の魅力に触れる入口を館内につくっています。地域の魅力をただ紹介するだけでなく、食事や体験として宿泊者の時間に落とし込む姿勢は、地域内消費や再訪意欲を育てるうえでも現場で参考になる取り組みです。
経営改善の視点では、付帯施設の収益化が鍵になる
観光庁の「宿泊事業者の経営改善に役立つツール」では、2025年3月13日時点の情報として、全国4施設に常駐する形式の経営改善アドバイザー伴走支援が紹介されています。人手不足や原価上昇が続くなか、宿泊施設では客室単価だけでなく、飲食、体験、館内利用を含めた収益設計がより重要になっています。
FAV LUX 宮崎では、サウナ利用後の食事、宿泊者限定の朝食、22時までのオールデイダイニングなど、滞在中の消費機会を自然に増やす導線が組まれています。単価を上げるための押し出しではなく、宿泊者の身体感覚や旅の流れに沿って飲食を提案している点に、付帯施設運営のヒントがあります。
まとめ
FAV LUX 宮崎は、サウナを中心に据えながら、低酸素ジム、川辺の立地、地域食材を使ったダイニングを組み合わせたホテルです。設備を並べるだけでなく、サウナ後の食事や朝の過ごし方まで含めて滞在の流れをつくっている点が、宿泊者にとって分かりやすい魅力として映ります。
ホテル・旅館の現場にとっては、地域食材の使い方、館内飲食への導線、グループ滞在への対応、ウェルネス需要の受け止め方を考えるうえで参考になる事例です。宮崎の自然や食文化と、FAVブランドの客室設計がどのように結びついていくか、今後の運営にも注目したい開業です。
企業情報
- 企業名:fav hospitality group株式会社
- ブランド:FHG HOTELS
- 施設名:FAV LUX 宮崎
- 開業日:2026年7月1日
- 主な施設構成:全41室、6タイプの客室、本格スパ&サウナ施設、低酸素ジム、オールデイダイニング「kitchen by fav」
参考資料
- 観光庁『持続可能な観光地域づくりのための体制整備等の推進(令和7年度まで)』: 持続可能な観光地域づくりのための体制整備等の推進
- 観光庁『宿泊事業者の経営改善に役立つツール(2025年3月13日)』: 宿泊事業者の経営改善に役立つツール
- 観光庁(国土交通省)『ベジタリアン・ヴィーガン/ムスリム(公表資料)』: ベジタリアン・ヴィーガン/ムスリム
