株式会社共立メンテナンスは、石川県小松市で「天然温泉 碧宝の湯 ドーミーイン小松」を2026年7月3日にプレオープンしました。JR小松駅から徒歩約5分、小松空港から車で約10分という移動利便性に加え、天然温泉、サウナ、地域文化を取り入れた館内意匠、能登牛を使った朝食メニューなどを組み合わせたホテルです。
小松市は、安宅の関、粟津温泉、こまつ曳山交流館みよっさ、登窯展示館など、歴史・温泉・工芸を横断する観光資源を持つ地域です。今回の開業は、駅前型ホテルが地域の物語をどのように滞在体験へ接続するかを考えるうえで、宿泊事業者にも示唆のある事例として受け止められます。
観光庁(国土交通省)『世界的潮流を踏まえた魅力的な観光』では、インバウンドを考える際に、地域資源を単体で見せるだけでなく、受入環境や周辺事業者との連携まで含めて磨き上げる視点が示されています。今回の発表も、施設の魅力を地域での過ごし方や移動導線と結びつけて伝える点で、宿泊事業者が滞在価値を組み立てる参考になります。
本記事のポイント
- 「天然温泉 碧宝の湯 ドーミーイン小松」は、小松駅徒歩約5分、小松空港から車で約10分の立地に全171室でプレオープンしました。
- 歌舞伎の意匠、九谷五彩、石の文化を想起させる設えにより、移動拠点としての利便性だけでなく、地域らしさを感じる滞在導線が組み込まれています。
- 天然温泉大浴場、オートロウリュ付きサウナ、長期滞在向け客室、ご当地朝食をそろえ、ビジネス・観光・中長期滞在の複数需要に応える構成です。
発表内容の整理

天然温泉 碧宝の湯 ドーミーイン小松は、石川県小松市日の出町に開業した地上8階建て、全171室のホテルです。客室はシングル、ダブル、ツイン、トリプルに加え、レジデンシャルルーム、ユニバーサルツイン、睡眠ととのいルームを備えています。
共用部には、天然温泉の内風呂、外気風呂、高温ドライサウナ、水風呂を備えた男女別大浴場を設置。湯上がり処、マンガコーナー、ランドリーコーナー、レストラン、有料ラウンジなども用意され、短期出張から観光、連泊まで幅広い利用シーンを想定した構成です。
朝食では、「小松能登牛うどん」や「金沢棒茶プリン」など、石川県の食材や名産を取り入れた約50品目の和洋食バイキングを提供します。単に品数をそろえるだけでなく、土地の記憶に触れる食体験として朝の時間を設計している点に、ドーミーインらしい滞在価値のつくり方がうかがえます。
出典:PR TIMES 【歌舞伎の意匠と九谷五彩が彩る空間】「天然温泉 碧宝の湯 ドーミーイン小松」がプレオープン!

小松駅前と空港アクセスをつなぐ立地の意味
同ホテルはJR小松駅東口から徒歩約5分、小松空港から車で約10分の場所にあります。鉄道と空港の双方に近い立地は、北陸エリアを移動するビジネス客だけでなく、短時間で温泉・食・文化に触れたい観光客にも使いやすい条件です。
小松市公式の観光情報では、安宅の関、粟津温泉、こまつ曳山交流館みよっさ、登窯展示館などが紹介されています。駅前ホテルがこうした周辺資源への入口として機能すれば、宿泊者の滞在は客室内で完結せず、地域回遊へ自然に広がります。
観光庁の登録観光地域づくり法人一覧では、2026年4月1日現在、公益社団法人石川県観光連盟が地域連携DMOとして掲載されています。県域で観光地域づくりを進める体制がある中で、駅近の宿泊拠点が地域情報を丁寧に伝えることは、来訪者の行動範囲を広げる小さな接点になります。
歌舞伎と九谷五彩を滞在導線に取り込む工夫
館内には、勧進帳の一幕を表現した黒松、九谷五彩、定式幕をモチーフにした色彩空間が取り入れられています。地域の伝統を説明文だけで伝えるのではなく、到着時の視覚体験として組み込んでいる点は、駅前ホテルにおける地域編集の一つの形です。
小松市は「『珠玉と歩む物語』小松~時の流れの中で磨き上げた石の文化~」として日本遺産に関する情報を発信しています。リリース内で触れられている「石の里」という地域像と、館内の色彩・意匠が重なることで、宿泊者は移動の合間にも小松らしさへ触れやすくなります。
観光庁(国土交通省)の「世界的潮流を踏まえた魅力的な観光 コンテンツ造成のための基礎調査事業 調査報告書」では、観光体験の潮流として、地域の生活文化や文脈に触れる体験の重要性が整理されています。今回のように、歌舞伎、工芸、石の文化を宿泊空間の中で無理なく感じられる設計は、地域資源を宿泊体験へ翻訳する実務上のヒントになります。
温泉・サウナ・客室タイプが支える複数需要
2階の大浴場「碧宝の湯」には、ナトリウムー塩化物温泉の天然温泉大浴場に加え、オートロウリュ付きの高温サウナ、水風呂、外気風呂が備えられています。出張後の疲労回復、観光後の休息、サウナを目的にした滞在など、利用目的を一つに絞らない構成です。
客室も、一般的なシングル・ダブル・ツインに加え、長期滞在に向くレジデンシャルルームや、眠りに着目した睡眠ととのいルームを用意しています。ホテルの客層を固定的に捉えるのではなく、出張、観光、連泊、休養という複数の動機を受け止める姿勢が見えます。
宿泊事業者にとっては、設備を単体で訴求するだけでなく、移動・入浴・睡眠・朝食までの一連の過ごし方として整理することが重要です。同ホテルの構成は、都市型ビジネスホテルであっても、滞在の余白を丁寧につくれることを示しています。
ご当地朝食が地域理解の入口になる
朝食バイキングでは、小松能登牛うどん、金沢棒茶プリンなどを含む約50品目を提供します。ご当地メニューは、宿泊者にとって地域名を覚えるきっかけになり、ホテル側にとっては限られた滞在時間の中で土地の魅力を届ける接点になります。
レストラン空間にも加賀五彩を意識した設えが取り入れられており、食事内容と空間表現が分断されていない点に丁寧な設計がうかがえます。朝食は満足度に直結しやすい要素であり、地域性を自然に感じてもらう場としても活用しやすい領域です。
特に駅前立地のホテルでは、宿泊者が地域内で長く過ごせない場合もあります。そのため、朝食や館内装飾のようなホテル内接点で地域の入口をつくることは、観光消費の前段階としても意味を持ちます。
ドーミーインらしい安心感と地域表現の両立
ドーミーインは、寮事業のノウハウを背景に「住むホテル」という考え方を掲げて展開してきたブランドです。天然温泉、サウナ、夜や朝の飲食体験、ランドリーなど、日常の延長で使える機能を持ちながら、今回は小松の文化資源を館内に重ねています。
チェーンホテルの安心感を保ちながら、地域ごとの表情をどう加えるかは、多店舗展開する宿泊事業者にとって継続的なテーマです。天然温泉 碧宝の湯 ドーミーイン小松では、共通ブランドの快適性と、小松固有の文化要素が宿泊体験の中で同居しており、現場でも参考になる取り組みです。
まとめ
天然温泉 碧宝の湯 ドーミーイン小松は、駅・空港アクセスの良さ、天然温泉とサウナ、地域文化を映す館内意匠、ご当地朝食を組み合わせた新しい宿泊拠点です。小松市の観光資源や石の文化と接続しながら、ビジネスにも観光にも使いやすい滞在環境を整えています。
宿泊事業者にとっては、地域文化を大きな演出だけでなく、色彩、朝食、浴場、客室タイプといった日々の接点に落とし込む方法が参考になります。発表元の丁寧な設計により、小松を訪れる人が地域の魅力へ一歩近づくきっかけが増えていきそうです。
企業情報
- 株式会社共立メンテナンスは、1979年設立の企業です。学生寮・社員寮「ドーミー」を運営する寮事業、ビジネスホテル「ドーミーイン」やリゾートホテル「共立リゾート」を運営するホテル事業、高齢者向け住宅「ドーミーシニア」を運営するシニアライフ事業などを展開しています。
- 施設名:天然温泉 碧宝の湯 ドーミーイン小松
- 所在地:石川県小松市日の出町4丁目211番
- 客室数:全171室
- 運営会社:株式会社共立メンテナンス
- 企業サイト: 株式会社共立メンテナンス コーポレートサイト
参考資料
- 小松市『小松市の観光ページに掲載されている観光名所・施設の例(最新公表ページ)』: 小松市の観光ページに掲載されている観光名所・施設の例
- 小松市『石の文化(最新公表ページ)』: 石の文化
- 観光庁『登録観光地域づくり法人「登録DMO」の形成・確立計画(2026年4月1日現在)』: 登録観光地域づくり法人「登録DMO」の形成・確立計画
- 観光庁(国土交通省)『世界的潮流を踏まえた魅力的な観光(公表資料)』: 世界的潮流を踏まえた魅力的な観光
