GENSEN HOLDINGS株式会社は2026年7月18日、「大江戸温泉物語 ホテル水葉亭」を「TAOYA熱海」としてリブランドオープンしました。相模灘を望む立地と歴史ある熱海伊豆山温泉を軸に、飲食やラウンジサービスを宿泊料金に含む滞在を提供します。既存施設の魅力を受け継ぎながら、景観、温泉、食、多世代向け設備を一つの滞在体験へまとめた取り組みです。
観光庁(国土交通省)『令和8年版観光白書(概要版)』では、観光白書・観光動向を考える際に、地域資源を単体で見せるだけでなく、受入環境や周辺事業者との連携まで含めて磨き上げる視点が示されています。今回の発表も、施設の魅力を地域での過ごし方や移動導線と結びつけて伝える点で、宿泊事業者が滞在価値を組み立てる参考になります。

本記事のポイント
- TAOYA熱海は、相模灘の眺望と熱海伊豆山温泉を生かしたオールインクルーシブの温泉リゾートホテルです。
- アフタヌーンティー、夕食、夜食、湯上がりまでサービスを連続させ、館内で過ごす時間そのものに価値を持たせています。
- 地域の食、多様な客室、キッズパークなどを組み合わせ、夫婦、家族、グループを含む幅広い滞在需要に対応します。
発表内容の整理

TAOYA熱海は静岡県熱海市伊豆山の高台に位置し、多くの客室やラウンジ、露天風呂から相模灘を望める温泉リゾートホテルです。TAOYAブランドとしては14施設目で、静岡県では初の展開となります。
館内では夕食時のアルコール、ラウンジのドリンク、アフタヌーンティー、夜の軽食などをオールインクルーシブで提供します。海を望む露天風呂には、約1,300年の歴史を持つ走り湯を含む熱海伊豆山温泉の混合泉を使用します。温泉は加水、加温、循環ろ過式です。
食事は静岡県産鶏の料理や郷土料理、魚介類を取り入れたバイキング形式です。客室にはキッズルームや和ベッドタイプなどを用意し、館内にはキッズパーク、カラオケルーム、まんがコーナー、マッサージチェアも設けています。景観だけに依存せず、到着から就寝まで複数の過ごし方を用意する丁寧な設計がうかがえます。
出典:PR TIMES 「TAOYA熱海」2026年7月18日(土)リブランドオープン
海景色と温泉を滞在全体につなぐ設計
TAOYA熱海の特徴は、相模灘の景観を一つの撮影場所に限らず、露天風呂、ラウンジ、客室など館内の複数の接点で体験できることです。朝焼け、昼の開放感、夕暮れという時間ごとの変化が、連泊や館内滞在の動機にもつながります。
熱海市の「熱海の温泉」によると、熱海温泉の総湧出量は毎分約2万リットルに迫り、源泉の約9割が42度以上、平均温度は約63度とされています。こうした豊富な温泉資源を、伊豆山の歴史や海景色と一緒に伝えることで、入浴設備の紹介を超えた地域固有の物語を宿泊体験に添えられます。
露天風呂の後に湯上がりラウンジで休める動線も、温泉の余韻を館内消費や滞在満足へつなぐ工夫です。地域資源と館内サービスを切り離さず、一続きの時間として案内する方法は、温泉地の宿泊施設にとっても参考になる取り組みです。
時間帯で価値を重ねるオールインクルーシブ
オールインクルーシブの魅力は、単に無料サービスを増やすことではなく、滞在中の迷いや会計の手間を減らし、館内でくつろぐ時間を組み立てやすくする点にあります。TAOYA熱海では、到着後のアフタヌーンティー、夕食時の飲み物、夜のスイーツや軽食まで、時間帯に応じた利用場面が用意されています。
目の前で仕上げるモンブランや季節の菓子など、提供時の動きや香りを伴う内容は、ラウンジを単なる待合空間ではなく体験の場へ変えます。海の表情が変わる時間とサービスの切り替えを重ねることで、同じ場所でも異なる楽しみ方が生まれる点は、同施設ならではの魅力として映ります。
地域の味と多世代滞在を両立する館内体験
食事では静岡県産鶏、ぼくめし、おざく汁、しらすなど、地域との接点を複数の料理に分散しています。定番料理も並ぶバイキングに郷土の味を組み込むことで、幅広い年代が選びやすい環境を保ちながら、旅先らしさも伝えられます。ライブキッチンによる出来たての提供は、料理の説明だけでは伝わりにくい音や香りまで体験価値に含める工夫です。
客室は夫婦やカップルに加え、家族やグループにも対応し、キッズルームや和ベッドタイプを用意しています。さらにキッズパークと静かに過ごせるラウンジを館内に併設することで、同行者ごとに異なる過ごし方を選びやすくしています。なお、一部の客室はオーシャンビューではないため、予約時に眺望条件を分かりやすく案内することが期待されます。
熱海のデータ活用から考える運営実務
観光庁の「令和8年版観光白書(概要版)」は、熱海市が生成AIによる交流サイトや大規模データの分析を活用し、観光マーケティングのデータ分析業務を約15分の1へ削減した事例を紹介しています。この事例からは、業務効率化を省力化だけで終わらせず、顧客の関心や地域の動きを捉える時間の確保につなげる視点が読み取れます。
TAOYA熱海のように、温泉、眺望、飲食、家族向け設備という複数の利用動機を持つ施設では、予約経路や客層だけでなく、ラウンジの利用時間、料理への反応、館内での過ごし方を継続的に把握することが重要です。得られた傾向を人員配置、多言語案内、料理の提供量、時間帯別の情報発信へ反映できれば、サービスの豊かさと現場負担の均衡を図りやすくなります。

まとめ
TAOYA熱海は、伊豆山の温泉と相模灘の景観を核に、オールインクルーシブの飲食、地域の味、多彩な客室、世代別の館内設備を組み合わせた温泉リゾートホテルです。景観を館内のさまざまな場所と時間帯で体験できるようにし、温泉の前後にも過ごす理由を用意している点に、滞在時間を豊かにする工夫が表れています。
既存施設をリブランドする際、地域資源を残しながらサービスの接点を組み直し、新たな宿泊目的を生み出す考え方は、多くの宿泊事業者にとって実務的な示唆となります。熱海の観光データ活用とも結び付けながら運営を磨くことで、施設と地域の双方に長く親しまれる展開が期待されます。
企業情報
- 施設名:TAOYA熱海
- リブランドオープン日:2026年7月18日
- 施設所在地:〒413-0002 静岡県熱海市伊豆山190-1
- アクセス(車):東京方面は西湘バイパス支線 石橋ICより約40分、名古屋方面は伊豆縦貫自動車道 大場・函南ICより約40分
- アクセス(電車):JR熱海駅より送迎バスで約10分
- 予約電話:050-3615-3456(受付時間9:00〜19:00)
- 施設公式サイト:TAOYA熱海 公式サイト
- 運営会社:GENSEN HOLDINGS株式会社
- 会社所在地:〒104-0061 東京都中央区銀座7-16-21 銀座木挽ビル5階
- 設立:2017年12月5日(創業2001年11月)
- 代表取締役:川﨑 俊介
- 事業内容:全国で温泉旅館、ホテル、温浴施設、テーマパークの運営事業を展開
- 運営会社公式サイト:GENSEN HOLDINGS株式会社 公式サイト
参考資料
- 熱海市『熱海の温泉(最新公表ページ)』: 熱海の温泉
- 観光庁(国土交通省)『令和8年版観光白書(概要版)(2026年)』: 令和8年版観光白書(概要版)

