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界 宮島が2026年7月23日開業、瀬戸内文化を五感で伝える温泉旅館

界 宮島 瀬戸内海と宮島を見渡す大浴場(露天風呂)
CoCoRo編集部

星野リゾートが展開する温泉旅館ブランド「界」は、広島県廿日市市の宮島口温泉に「」を2026年7月23日に開業します。世界遺産「嚴島神社」を抱く宮島の対岸という立地を生かし、瀬戸内海の景観、温泉文化、工芸、食、歴史を一つの滞在体験として結び付けた全54室の温泉旅館です。

海とつながるような露天風呂だけでなく、地域に伝わる石風呂の再現や、スタッフが担う白拍子の舞まで用意されている点に、土地の文化を館内で丁寧に伝えようとする姿勢がうかがえます。本記事では、その発表内容をホテル・旅館の運営実務に役立つ視点から整理します。

)『令和8年版観光白書(概要版)』では、・観光動向を考える際に、地域資源を単体で見せるだけでなく、受入環境や周辺事業者との連携まで含めて磨き上げる視点が示されています。今回の発表も、施設の魅力を地域での過ごし方や移動導線と結びつけて伝える点で、宿泊事業者が滞在価値を組み立てる参考になります。

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本記事のポイント

  • 瀬戸内海と宮島を望む立地を生かし、全客室、、館内動線を一貫した景観体験として設計しています。
  • 地域に伝わる石風呂や白拍子、福山デニムなどを、鑑賞だけで終わらない滞在体験へ展開しています。
  • 温浴、、客室、料理を「凪逗留」という共通の物語で結び、施設全体の印象を明確にしています。

発表内容の整理

界 宮島 大鳥居を望む館内アプローチ

「界 宮島」のコンセプトは「見晴らしの湯で、いつくしみの凪逗留」です。全館を畳敷きとし、素足で過ごしながら、牡蠣いかだや漁船が行き交う穏やかな海を望む滞在を提案します。星野リゾートにとって広島県への初進出施設となります。

最上階の大浴場には、瀬戸内海と湯船が連続して見える南側の露天風呂と、山並みを望む北側の内風呂を設けます。内風呂は「あつ湯」と、加温した源泉かけ流しの「ぬる湯」で構成され、湯上がり処からも宮島のパノラマを楽しめます。

海辺には、瀬戸内地域で利用されてきた古式サウナの一種「石風呂」を遺構調査や文献に基づいて再現します。約50度の空間で石の輻射熱を利用する完全予約制の体験で、1回75分、定員6名、料金は1名2,500円(税込)です。湯守りを担うスタッフの案内と、体験後に過ごす「だんらん処」までを一続きにしています。

このほか、毎晩上演するご当地楽「白拍子の舞『厳島物語』」、全54室のご当地部屋「海霧の間」、広島の食文化を遊び心のある見立てで表現する「安芸の海遊会席」を提供します。客室には福山デニムや庵治ガラスを取り入れ、全室から瀬戸内海の多島美を望める構成です。

出典:PR TIMES 【界 宮島】牡蠣いかだが浮かぶ穏やかな海、紡がれてきた人々の営み。瀬戸内の文化をいつくしむ温泉旅館「界 宮島」2026年7月23日開業

多島美を施設全体の体験価値へ

界 宮島では、海を単なる眺望として扱うのではなく、到着時の館内アプローチ、全客室、最上階の温泉、湯上がり処へと連続させています。環境省によると、瀬戸内海国立公園は1934年に日本で最初の国立公園の一つとして指定され、陸域66,934ヘクタール、海域837,541ヘクタールに及びます。11府県にまたがる広域の自然景観を、客室の海霧表現や館内での静かな過ごし方へ落とし込んだ設計は、立地固有の魅力を宿泊中の各場面で感じてもらう工夫として映ります。

景観型の宿では、眺めのよい場所だけに価値を集中させず、到着、入浴、休息、食事といった時間軸に沿って見せ方を変えることが重要です。界 宮島の構成は、同じ地域資源でも体験する場所と時間を変えることで、滞在全体に奥行きを生み出せることを示しています。

石風呂を現代の滞在体験として継承

石風呂は、温度の低い源泉を補いながら身体を温めるため、瀬戸内の風土の中で育まれた文化とされています。香川県立ミュージアム瀬戸内海歴史民俗資料館も、2021年のテーマ展示「香川・瀬戸内の風呂文化」で、昭和時代以前に瀬戸内を中心に広く利用された石風呂などを約30点の資料で紹介しました。界 宮島では、この地域史を現代の快適性や予約運用と組み合わせ、背景をスタッフが伝える体験へ再構成しています。

設備を復元するだけでなく、湯守りによる案内、体験時間、定員、終了後の飲食と交流まで定めた点が特徴です。地域文化を宿泊商品に取り入れる際には、由来を説明できる人材と、安全で無理のない運用手順を一緒に整えることが欠かせません。文化継承と現場運営を両立させる取り組みとして、宿泊事業者にも参考になる構成です。

工芸と物語を客室・接客へつなぐ

全室を「海霧の間」とし、カーテンや左官壁で海霧の濃淡を表すほか、福山デニムのクッションや庵治ガラスの照明を配置します。複数の工芸を並べるだけでなく、「瀬戸内の海霧」という共通テーマでまとめることで、客室の印象と土地の物語を結び付けています。

観光庁(国土交通省)の「観光地域づくり事例集 第3章『地域資源の活用強化』」は、、景観、歴史、食、文化などを磨き上げ、観光を取り巻く変化に応じた価値へ転換する各地の取り組みを扱っています。界 宮島では、工芸を調度品として紹介するだけでなく、客室名称、色彩、光、窓外の風景を同じ文脈に置いています。地域資源の採用理由をスタッフが説明できれば、滞在者の理解が深まり、地域のつくり手へ関心をつなぐ接点にもなります。

文化体験を支える人材と運営設計

毎晩の「白拍子の舞『厳島物語』」では、スタッフが舞姫と語り部を務めます。接客担当者が地域文化の伝え手にもなるため、宿泊者との接点が増える一方、舞や語りの習得、品質維持、通常業務との配分を支える仕組みが重要になります。

観光庁(国土交通省)の「令和8年版観光白書(概要版)」は、宿泊業の人材確保と生産性向上をテーマに掲げています。こうした環境下では、文化体験を一部の熟練者だけに依存させず、、台本、所要時間、担当交代の基準を整えることが、継続的な提供につながります。界 宮島が温泉の湯守りや白拍子の舞をスタッフの役割として組み込む取り組みは、人の案内そのものを滞在価値にする丁寧な設計がうかがえます。

料理でも、レモン、、タコ、穴子、お好み焼きといった地域の食を、見立てと物語で順に紹介します。客室、温浴、演目、料理で説明の軸を共有することは、部署を越えて一貫した案内を行ううえでも有効です。

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まとめ

界 宮島は、宮島を望む眺望、瀬戸内の石風呂、白拍子の物語、地域工芸、海の食文化を「いつくしみの凪逗留」という一つの滞在へまとめた温泉旅館です。特に、失われつつある文化を現代の設備へ置き換えるだけでなく、スタッフの案内や体験後の過ごし方まで設計している点に魅力があります。

地域資源を館内に取り入れる際、景観、空間、サービス、人材育成を共通の物語で結ぶことは、滞在価値を分かりやすく伝える助けになります。広島県へ初進出する星野リゾートが、地域への敬意をどのような宿泊体験として育てていくのか、開業後の展開も注目されます。

企業情報

  • 施設名:界 宮島
  • 発表元:
  • 施設所在地:〒739-0412 広島県廿日市市宮島口西1-1-6
  • 開業日:2026年7月23日
  • 客室数:54室(露天風呂付き客室30室)
  • 定員:露天風呂付き和室3〜4名、テラス付き和室6名、和室3名、愛犬ルーム3名、特別室2名
  • 料金:2名1室利用時1名あたり32,000円〜(税・サービス料込み、夕朝食付き)
  • 付帯施設:フロント、、石風呂、食事処、ショップなど(宿泊者専用)
  • :JR宮島口駅・広電宮島口駅より車で5分、広島空港から車で60分
  • 電話:050-3134-8092(界予約センター)
  • 施設公式サイト:界 宮島 公式サイト

参考資料

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本記事は、公開されている情報(プレスリリース、公式サイト、官公庁等の公的資料を含む)を基に、宿泊業の実務に役立つ観点からCoCoRo編集部が独自に整理・解説したものです。記事内で取り上げる商品・サービス・施設・取り組み等は、発表元のホテル・旅館(および関係事業者)から個別の許諾、監修、承認を受けて作成したものではなく、またPR TIMESを含む配信媒体や発表元との提携・推奨・広告・販売促進を意図または示唆するものでもありません。

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