株式会社ベルーナの子会社である株式会社グランベル北海道は、北海道・洞爺湖温泉で新ホテルブランド「別邸 蝦夷富士」を2027年12月下旬に開業する予定です。洞爺湖と羊蹄山を望む立地に、全61室、全室露天風呂とテラス付きのラグジュアリーリゾートを計画している点が特徴です。
本記事では、発表内容を宿泊事業者向けに整理し、北海道リゾート市場、温泉地の高付加価値化、地域観光との接続という観点から、現場で参考にしやすい論点をまとめます。
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本記事のポイント
- 「別邸 蝦夷富士」は、洞爺湖温泉で2027年12月下旬の開業を予定する全61室の新ホテルブランドです。
- 全室露天風呂とテラス、最大104㎡超のスイートタイプを含む構成により、滞在そのものを目的化する設計がうかがえます。
- 観光庁の宿泊旅行統計調査やDMO関連情報、観光コンテンツ調査の文脈からも、自然、ウェルネス、地域性を重ねた宿泊商品の重要性が高まっています。
発表内容の整理
今回の発表によると、株式会社グランベル北海道は、洞爺湖温泉で「別邸 蝦夷富士」を開業する予定です。開業予定地は「ザ・レイクスイート湖の栖」および「洞爺サンパレス リゾート&スパ」に隣接するエリアで、既存施設との近接性を持ちながら、新たな上位滞在ニーズに応えるブランドとして計画されています。
施設は全61室で、客室には最大104㎡超のスイートタイプを含みます。全室に露天風呂と広いテラスを設け、洞爺湖の自然と羊蹄山の眺望を生かした滞在体験を打ち出しています。工事期間は2026年4月から2027年12月下旬までの予定で、隣接する既存施設は通常営業を予定しているとされています。
出典:PR TIMES 新ホテルブランド「別邸 蝦夷富士」2027年12月開業予定


全室露天風呂付きが示す滞在価値の組み立て
今回の計画でまず注目したいのは、全61室すべてに露天風呂とテラスを備える点です。温泉地の宿泊施設では大浴場や共用施設の魅力づくりも重要ですが、客室内で過ごす時間を濃くする設計は、滞在単価、連泊提案、記念日需要、海外ゲストのプライベート志向と結びつきやすい要素です。
とくに洞爺湖温泉のように景観そのものが滞在価値になる地域では、客室露天風呂やテラスは単なる付帯設備ではなく、湖や山の眺望を体験商品に変える接点になります。施設側の丁寧な設計が、客室の中で完結する上質な時間として伝わる構成です。
洞爺湖温泉で求められる地域性の伝え方
洞爺湖温泉は、湖、火山、温泉、羊蹄山の眺望といった複数の地域資源を持つエリアです。「別邸 蝦夷富士」という名称は、羊蹄山の愛称を前面に出しており、地域の景観資源をブランドの入口に置く姿勢が見えます。宿泊事業者にとっては、施設名、客室名、料理、館内導線、体験メニューを通じて、地域らしさを一貫して伝える重要性を改めて考える材料になります。
観光庁の観光地域づくり法人に関する情報では、2026年5月27日時点で登録DMO第21弾の募集開始が示されており、地域単位で観光を磨く制度的な動きも継続しています。また、登録観光地域づくり法人の形成・確立計画には、北海道に関係する広域連携DMOとして北海道観光機構が掲載されています。単独施設の開業であっても、地域全体の滞在価値と結びつけて発信することが、今後さらに大切になりそうです。
自然・ウェルネス・生活没入を宿泊体験に重ねる視点
観光庁の「世界的潮流を踏まえた魅力的な観光」では、観光コンテンツのトレンドとしてウェルネス、ネイチャーアクティビティ、生活没入などが整理されています。今回の「別邸 蝦夷富士」は、湖畔の自然、温泉、静けさ、眺望を生かす計画であり、こうした潮流と重なる部分があります。
宿泊事業者の実務では、単に「自然がある」と伝えるだけでなく、朝の過ごし方、入浴後の休息、テラスでの時間、地域食材との接続など、ゲストが具体的に思い描ける場面へ翻訳することが重要です。施設の世界観を押し出しすぎず、地域の時間に身を置く感覚を整えることで、国内外のゲストにとって記憶に残る滞在になりやすくなります。
既存施設を営業しながら進める開業準備の意味
発表では、工事期間中も隣接する「ザ・レイクスイート湖の栖」および「洞爺サンパレス リゾート&スパ」は通常通り営業予定とされています。新規開業と既存施設運営が隣接する場合、現場では安全管理、騒音や動線への配慮、既存顧客への説明、スタッフ間の情報共有が重要になります。
既存ブランドを運営しながら新ブランドを立ち上げる取り組みは、地域内での顧客層の広がりにもつながります。ファミリーや団体、上質な個人滞在、記念日需要などを施設ごとに受け止めることで、洞爺湖温泉エリア全体の選択肢が厚くなることが期待されます。
宿泊統計から見る開業タイミングの捉え方
観光庁の宿泊旅行統計調査では、提供データ上で2026年2月分の第1次速報値が最新月として示されています。個別地域の需要を判断するには月次の確認が欠かせませんが、全国の宿泊動向を継続的に見ることは、新規開業時の価格設計、販売チャネル、稼働の立ち上げ計画を考えるうえで基本になります。
2027年12月下旬の開業予定という時期は、冬の北海道観光や年末年始需要とも接続しやすいタイミングです。開業前の情報発信では、冬の温泉滞在だけでなく、春夏秋の洞爺湖の表情も含めて見せることで、初年度の季節分散につながる可能性があります。
まとめ
「別邸 蝦夷富士」は、洞爺湖温泉の自然、温泉、眺望を背景に、全室露天風呂とテラスを備えた上質な滞在を計画する新ブランドです。客室内で完結するくつろぎと、地域資源を感じる体験を重ねている点に、宿泊事業者が参考にしやすい工夫が見られます。
北海道の観光は、広域連携、自然体験、ウェルネス、地域らしい滞在価値の磨き込みが引き続き重要です。今回の開業計画は、洞爺湖温泉エリアの魅力をもう一段深く伝える取り組みとして、今後の詳細発表にも注目したい内容です。
企業情報
- 株式会社グランベルホテルは、株式会社ベルーナの100%子会社としてホテル運営を担う企業です。所在地は東京都中央区京橋2丁目13 10 京橋MIDビル5階です。公式情報は 株式会社グランベルホテル公式サイト で確認できます。
- 株式会社グランベル北海道は、北海道内でのホテル運営に関わる企業です。所在地は札幌市南区定山渓温泉東2丁目111番2です。関連情報は 株式会社グランベル北海道公式サイト で確認できます。
- 株式会社ベルーナは、埼玉県上尾市に本社を置き、プロパティ・ホテル事業を含む複数事業を展開しています。 は 株式会社ベルーナ企業サイト で確認できます。
参考資料
- 観光庁『宿泊旅行統計調査(2026年2月分)』: 宿泊旅行統計調査
- 観光庁『観光地域づくり法人(DMO)(2026年5月27日)』: 観光地域づくり法人(DMO)
- 観光庁『登録観光地域づくり法人「登録DMO」の形成・確立計画(2026年1月8日)』: 登録観光地域づくり法人「登録DMO」の形成・確立計画
- 観光庁(国土交通省)『世界的潮流を踏まえた魅力的な観光(公表資料)』: 世界的潮流を踏まえた魅力的な観光


