ロイヤルホテルは、神奈川県箱根町強羅エリアで開発を進めるホテルを「ノワ・バイ・リーガ 箱根強羅」として、2028年12月末頃に開業する計画を発表しました。今回の段階は開業予定の新規発表であり、営業内容や宿泊予約開始日などは今後の案内を待つ必要があります。全室に温泉露天風呂とテラスを設け、上強羅の眺望と地域の食を組み合わせる構想は、短い休暇でも深く休息したい滞在者に向けた、丁寧なリトリート設計として映ります。
観光庁(国土交通省)『令和8年版観光白書(概要版)』では、観光白書・観光動向を考える際に、地域資源を単体で見せるだけでなく、受入環境や周辺事業者との連携まで含めて磨き上げる視点が示されています。今回の発表も、施設の魅力を地域での過ごし方や移動導線と結びつけて伝える点で、宿泊事業者が滞在価値を組み立てる参考になります。

本記事のポイント
- ノワ・バイ・リーガ 箱根強羅は、2028年12月末頃の開業を予定する全90室の温泉リゾートです。
- 全室の温泉露天風呂とテラス、大浴場、料飲施設を通じて、上強羅での滞在時間そのものを価値にする計画です。
- 自然・食・温泉を地域の体験へつなげるには、館内だけで完結させず、地域の担い手と受入環境を育てる視点が重要になります。
発表内容の整理

ノワ・バイ・リーガ 箱根強羅は、箱根登山鉄道「強羅」駅から車で約5分、箱根登山ケーブルカー「上強羅」駅の近くに位置する計画です。北棟にはレストラン、バーラウンジ、大浴場を配置し、客室棟2棟を含む計3棟で構成されます。
客室は90室を予定し、全室53平方メートル、うちテラスは7平方メートルです。すべての客室に温泉露天風呂を設けるほか、オールデイダイニングでは地元の旬の食材を生かした料理を、最上階のバーラウンジでは眺望を楽しむ時間を提案します。建物は2028年9月の竣工を予定しており、計画内容は開発の進行に伴い変更される場合があります。
出典:PR TIMES リーガロイヤルホテルズ 温泉リゾートブランド「ノワ・バイ・リーガ 箱根強羅」2028年12月開業
全室露天風呂がつくる滞在時間の設計
全室に温泉露天風呂とテラスを備える計画は、チェックイン後の館内移動を抑えながら、客室で景観と湯を味わう時間をつくるものです。40~60代のアッパーミドル層を主な対象に据えた今回の構想では、設備の充実だけでなく、到着時から就寝前、翌朝までの静かな過ごし方を一貫して組み立てることが、滞在満足につながりそうです。
大浴場、オールデイダイニング、バーラウンジを別棟の共用機能として設けるため、客室で閉じる休息と、館内で過ごす食や会話の時間を選べます。客室内の説明、混雑を避ける案内、食事時間の提案までを連動させることで、温泉リゾートらしいゆとりを来館者に伝えやすくなるでしょう。
上強羅の眺望を地域体験へつなげる
上強羅は山手の静けさと、箱根外輪山から相模湾まで望む景観が特徴です。ノワ・バイ・リーガ 箱根強羅は、客室・バーラウンジ・温泉という異なる場所で、この土地の眺めに触れられる計画です。眺望を単なる付帯価値にせず、季節、天候、時間帯ごとの魅力として案内できれば、連泊や再訪にもつながる滞在の記憶を育みます。
観光庁の「ATWS2023を契機としたアドベンチャーツーリズムの推進に向けたヒアリング・アンケート調査結果」は、自然・歴史・文化などの地域資源を結び、地域とつながりを深める受入体制の重要性を示しています。箱根では、自然景観や文化施設、温泉文化を個別に紹介するだけでなく、地域の案内人や体験事業者と連携して滞在前後の行動を提案することで、宿泊と地域体験の接点を広げられます。
地元の食と温泉文化を滞在価値にする
地元の旬の恵みを生かすオールデイダイニングと、客室露天風呂・大浴場を組み合わせる計画は、食と湯を別々の付帯サービスではなく、土地を感じる滞在体験として届ける意図がうかがえます。料理の背景に生産者や季節性を添え、入浴前後の食事や飲み物を提案することで、館内の各場面に無理のない連続性を持たせることができます。
観光庁の令和8年版観光白書は、観光地・観光産業の強靱化と、インバウンドの戦略的な誘客と住民生活の質の確保の両立を施策の柱に掲げています。地域食材の調達や地元事業者との協働を継続的に見える化することは、宿泊施設の魅力を高めるだけでなく、地域と共に観光を育てる姿勢を伝える機会にもなります。

需要の広がりに備える運営の視点
令和8年版観光白書によると、2025年の訪日外国人旅行者数は4,268万人、訪日外国人旅行消費額は9兆4,549億円で、いずれも過去最高でした。箱根のように国内外からの来訪が見込まれる地域では、客層ごとに求める静けさ、移動のしやすさ、食事や入浴の利用時間が異なることを前提に、予約前から滞在中までの案内を整える必要があります。
同白書は宿泊業の人材確保と生産性向上も主題に置いています。全室露天風呂のように客室内の体験価値が大きい施設では、対面業務を増やすことだけがもてなしではありません。要望を把握する予約導線、わかりやすい多言語案内、現場で更新しやすい情報共有を整えれば、スタッフが地域の魅力を伝える場面に時間を充てやすくなります。リーガロイヤルホテルズが長年培ってきたおもてなしを、新しい温泉リゾートでどのように形にするかにも注目したいところです。

まとめ
ノワ・バイ・リーガ 箱根強羅は、2028年12月末頃の開業に向け、全室温泉露天風呂とテラス、共用の温泉・料飲機能、上強羅の景観を組み合わせる温泉リゾートとして計画されています。開業までの準備では、客室の休息価値を軸に据えながら、地域の食、自然、文化を滞在の前後へどうつなぐかが重要になります。地域と宿泊施設の双方にとって心地よい受入の形を積み重ねることが、箱根で過ごす時間の魅力をさらに深めていくでしょう。
企業情報
会社概要
- 会社名:ロイヤルホテル
- URL:https://www.rihga.co.jp
- 業種:飲食店・宿泊業
- 本社所在地:大阪府大阪市北区中之島5-3-68 リーガロイヤルホテル
- 電話番号:06-6448-1121
- 代表者名:植田 文一
- 上場:東証スタンダード
- 資本金:1億円
- 設立:1932年2月
参考資料
- 観光庁(国土交通省)『令和8年版観光白書(概要版)(2026年7月1日)』: 令和8年版観光白書(概要版)
- 観光庁(国土交通省)『ATWS2023を契機としたアドベンチャーツーリズムの推進に向けたヒアリング・アンケート調査結果(2024年3月)』: ATWS2023を契機としたアドベンチャーツーリズムの推進に向けたヒアリング・アンケート調査結果

