富士山と駿河湾を望む展望グランピング施設「THE GLAMPING 箱根十国峠」に、既存ヴィラを改装した「サウナジャグジー付スカイデッキヴィラ」が2026年7月25日にオープンします。景観を眺めるだけでなく、サウナ、ジャグジー、音、香りを連続した体験として組み立てた、1棟限定のハイグレード客室です。本記事では発表内容を整理し、地域資源を生かした客室づくりや運営上の着眼点を紹介します。
観光庁(国土交通省)『令和8年版観光白書(概要版)』では、観光白書・観光動向を考える際に、地域資源を単体で見せるだけでなく、受入環境や周辺事業者との連携まで含めて磨き上げる視点が示されています。今回の発表も、施設の魅力を地域での過ごし方や移動導線と結びつけて伝える点で、宿泊事業者が滞在価値を組み立てる参考になります。
本記事のポイント
- 全14棟のうち富士山に最も近い既存棟を改装し、1棟限定の上位客室として展開します。
- 国産木材の屋外サウナ、ジャグジーバス、専用音響、アロマを組み合わせ、絶景の中で過ごす時間そのものを商品化しています。
- 地域固有の景観と設備投資を結び付ける設計は、客室単価だけでなく滞在価値や発信力を高める工夫として宿泊現場でも参考になります。
発表内容の整理

新客室は定員4名の1棟で、室内約33平方メートル、ウッドデッキ約40平方メートルです。既存のスタンダードヴィラを改装し、屋外にキューブ型サウナ「RIISI®」、ジャグジーバス、外気浴スペース、バーベキューグリル、焚火台などを備えます。料金は1人1泊2食付き税込2万8,400円からとされています。
サウナには富士山、駿河湾、空を望む窓と天窓を設け、高温環境に対応した専用スピーカー「ポロニア」を導入します。スタッフが選んだアロマウォーターは現地購入にも対応し、滞在後まで体験の余韻を持ち帰れる構成です。設備を個別に並べるのではなく、「景色・熱・泡・音」を一つの滞在動線にまとめた丁寧な設計がうかがえます。
出典:PR TIMES 富士山と駿河湾を望む特等席に、ワンランク上の“ととのい”体験「サウナジャグジー付スカイデッキヴィラ」「THE GLAMPING 箱根十国峠」に、7/25 (土)オープン
十国峠の景観を客室価値へ変える設計
今回の客室で中心に据えられているのは、設備の新しさだけではなく、十国峠から望む富士山、駿河湾、夕日、夜景、星空です。時間帯によって表情が変わる景観をサウナの窓、外気浴、ジャグジーから連続して楽しめるため、滞在中に複数の体験場面が生まれます。
観光庁(国土交通省)の『観光地域づくり事例集 第3章「地域資源の活用強化」』は、自然や景観などを体験価値へ転換する地域づくりを取り上げています。THE GLAMPING 箱根十国峠の取り組みも、山頂の眺望という移せない地域資源を客室設備と結び付けたものです。宿泊施設にとっては、地域資源が最も印象的に見える場所、時間帯、過ごし方を客室導線から逆算することの大切さを示す事例となります。
サウナ後まで途切れさせないウェルネス体験
屋外サウナの後にジャグジー、外気浴、食事、焚火へ移れる構成は、客室内で滞在を完結しやすくします。ジェット、気泡、水中照明を備えたジャグジーは、水風呂としての機能に加え、夜間の滞在演出にも役立ちます。天候や気温に合わせた利用案内、安全上の注意、推奨する過ごし方を分かりやすく示せば、設備の魅力をより安心して体験してもらえます。
既存のサウナ付きヴィラに寄せられた需要を踏まえ、最も富士山に近い1棟を上位客室へ改装する手法にも現場への示唆があります。小規模に導入して利用状況や宿泊者の反応を確かめながら、清掃時間、備品補充、設備保守を含む運用方法を磨けるためです。既存資産を生かしながら新しい滞在価値を加える、発表元の着実な客室づくりが魅力として映ります。
音と香りで記憶に残る滞在をつくる
眺望や浴槽のような視覚的設備に加え、音響とアロマを取り入れた点も特徴です。宿泊者が好みの音楽と香りを選べる仕組みは、同じ客室でも過ごし方を自分らしく調整できる余地を生みます。アロマ商品の販売は物販にとどまらず、自宅で香りに触れたときに旅の記憶を呼び戻す接点にもなります。
サウナ専用機器は、温度や湿度への耐久性、清掃方法、音量管理、利用説明まで含めた運用設計が欠かせません。香りについても使用量や換気、苦手な宿泊者への配慮を整えることで、選択できる体験として提供しやすくなります。設備と接客案内を一体で考えることが、上位客室らしい満足感につながります。
発信データを次の客室改善へつなげる
宿泊者によるサウナ体験の投稿を対象としたキャンペーンは、施設の魅力を利用者自身の視点で伝える機会になります。富士山、夕日、星空など撮影される場面を分析すれば、宿泊者がどの時間や設備に価値を感じたかを把握し、案内内容や撮影環境、滞在プランの改善につなげられます。
観光庁(国土交通省)の『令和8年版観光白書(概要版)』では、熱海市が生成AIを用いて交流サイトやビッグデータを分析し、データ分析業務の時間を約15分の1に短縮した事例が紹介されています。投稿数だけでなく、言及された景観、時間帯、設備、満足点を継続的に整理すれば、少人数の現場でも客室改善に生かしやすくなります。投稿時の同意や二次利用条件を明確にすることも、長く信頼される発信には重要です。
また、観光庁(国土交通省)のアドベンチャーツーリズム調査によると、2023年に北海道で開かれた国際イベントには64の国・地域から773人が参加しました。自然との関わりを重視する旅行市場の広がりを考えると、十国峠の景観とウェルネス体験を分かりやすく伝えることは、国内客に加えて自然志向の訪日客へ魅力を届ける土台にもなります。
まとめ
THE GLAMPING 箱根十国峠のサウナジャグジー付スカイデッキヴィラは、既存棟の改装によって、十国峠の絶景とサウナ、ジャグジー、音、香りを一続きの体験にした客室です。地域固有の眺望を起点に設備、物販、利用者発信まで組み合わせる工夫は、宿泊施設が独自性を磨くうえで参考になります。1棟限定だからこそ、運用データや宿泊者の声を丁寧に蓄積し、施設全体の滞在価値へ還元していく展開も期待されます。
企業情報
- 運営会社: 十国峠株式会社
- 施設名: THE GLAMPING 箱根十国峠
- 所在地: 静岡県熱海市
- 開業: 2023年4月
参考資料
- 観光庁(国土交通省)『令和8年版観光白書(概要版)(2026年7月)』: 令和8年版観光白書(概要版)
- 観光庁(国土交通省)『ATWS2023を契機としたアドベンチャーツーリズムの推進に向けたヒアリング・アンケート調査結果(2024年3月)』: ATWS2023を契機としたアドベンチャーツーリズムの推進に向けたヒアリング・アンケート調査結果
- 観光庁(国土交通省)『観光地域づくり事例集 第3章「地域資源の活用強化」(公表資料)』: 観光地域づくり事例集 第3章「地域資源の活用強化」
