ホテルの雑学

なぜホテルの浴室はガラス張りなのか。採光と開放感の設計意図を解説

なぜホテルの浴室はガラス張りなのか。採光と開放感の設計意図を解説
CoCoRo編集部

チェックインした部屋のお風呂がガラス張りで、落ち着かない思いをしたことはないでしょうか。なぜガラス張りになっているのかというと、部屋を広く見せたり、採光を確保したりする効果を狙った設計だと考えられていますが、これはすべての施設に共通する決まった理由ではありません。ガラス張りを選ぶかどうかは施設ごとの設計意図によるもので、公式にその理由を説明している資料はほとんど見当たりません。

実際には、ガラス張りではない高級ホテルの浴室も数多くあり、逆に価格帯を問わずガラス張りを採用する施設もあります。高級ホテルだからガラス張りになるという単純な図式では説明できません。プライバシーが気になる場合は、曇りガラスやブラインドを併用している客室も見られます。

そこで本記事では、ガラス張りの浴室について確認できる効果と、確認できない採用理由を分けて解説していきます。浴室の造りが気になる方は、ぜひご参考にしてください。

この記事でわかること

  • ガラス張りの浴室に期待できる効果と、その説明がどこまで裏づけられているのか
  • 法令が浴室の採光について何を求め、何を求めていないのか
  • ガラス張りが高級ホテルに限られた設計といえるのかどうか
  • 予約前にプライバシー対策を確認する方法

ガラス張りバスルームにどんな効果があるのか

ガラス張りバスルームとは、浴室と寝室、または浴室と洗面スペースを仕切る壁の一部または全面をガラスにした造りのことです。この形式には、空間を広く見せる効果と、光を通して部屋全体を明るくする効果が期待できます。なお厚生労働省が所管する旅館業法施行令第1条第1項第3号は、宿泊施設に適当な換気、採光、照明、防湿及び排水の設備を有することを求めていますが、その手段としてガラス張りを指定してはいません。採光をどう確保するかは施設の設計判断に委ねられています。

視線が抜けることで部屋が広く感じられる

住宅のリフォーム事例を紹介する専門サイトSUVACOでは、ガラスを通して視線が抜けることで、限られた面積の浴室や洗面室でも開放感を得やすくなると説明されています。壁で仕切るよりも空間のつながりが感じられるため、実際の床面積以上に広く見える効果が期待できるとされています。

寝室側からの採光で照明に頼らない明るさが得られる

窓のない浴室や、窓が小さい浴室の場合、ガラス張りにすることで寝室側の照明や自然光を取り込みやすくなります。この採光効果は住宅のリフォーム分野で紹介されている一般的な利点であり、ホテル特有のものではありません。景色を眺められる高層階の客室では、屋外の眺望を浴室からも楽しめる点が魅力として語られることもあります。

ホテルライクな内装トレンドとの関係

ガラス張りバスルームは、住宅のリフォーム業界で近年語られてきたホテルライクという内装トレンドの一部として紹介される機会が増えています。ホテルの意匠を住宅に取り入れる動きと、ホテル自体の客室デザインが、互いに影響し合っている状況です。

住宅のリフォーム事例でホテルの浴室が参照されている

SUVACOが紹介するガラス張りバスルームの事例集では、ベッドルームと浴室を一体化させた造りや、天井まで届く大きなガラス面で外の景観を取り込む造りなど、ホテルの客室を思わせるデザインが複数取り上げられています。これらは住宅のリフォーム事例であり、特定のホテルの設計思想を直接説明したものではありませんが、ホテルの浴室デザインが住宅設計の参考になっている状況を示しています。

デザイン重視の客室で採用される例が多い

リゾートホテルやデザイン性を打ち出した客室では、浴室からの眺望や部屋全体の統一感を重視してガラス張りが選ばれる例が見られます。一方で、ビジネスホテルや家族向けの客室では、プライバシーへの配慮からガラス張りを採用しない例のほうが多く見られます。採用の傾向はあっても、客室のグレードだけで決まるものではありません。

共通の設計理由があるという説を検証する

ガラス張りバスルームには開放感や高級感を演出する共通の狙いがあると語られがちですが、施設側がその意図を公式に説明している資料は確認できていません。効果として説明できることと、個々の施設の採用理由を断定することは分けて考える必要があります。

ホテル設計者による公式な理由の説明は見当たらない

ガラス張りバスルームを取り上げた読み物メディアFish & Tipsの記事でも、ホテルの設計担当者に直接理由を確認した内容としてではなく、開放感の演出や高級感の表現ではないかという著者自身の推測として説明が展開されています。ホテル設計者本人が採用理由を公式に語った資料は見当たらず、開放感や採光といった効果を、施設ごとの意図として断定することはできません。

高級ホテルに限らず採用にはばらつきがある

高級ホテルであっても浴室が完全に壁で仕切られた客室は多く存在し、逆に手頃な価格帯のホテルでもガラス張りの客室タイプを用意している例があります。ガラス張りかどうかを、価格帯や星の数だけで判断することはできません。どの客室がガラス張りかは、予約サイトの客室タイプや写真で個別に確認する必要があります。

ガラス張りが気になる場合の予約時の確認ポイント

ガラス張りの浴室に抵抗がある場合は、予約前に客室タイプの写真と設備説明を確認するのが確実です。プライバシー対策として、曇りガラスやすりガラス、ブラインド、電動で透明度を切り替えられるガラスなどを採用している客室もあります。

写真だけでは判断しづらい場合は、予約前に施設へ直接問い合わせるか、宿泊者のレビューで浴室の造りに触れているものを探すと参考になります。バスタブやシャワーの位置、鏡や照明の使い勝手といった細かな設備は、ホテルのバスタブの深さやシャワー位置に隠された使いやすさで扱っています。

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まとめ

  • ホテルのお風呂がガラス張りになる理由として、開放感や採光を高める効果は説明できますが、施設ごとの採用理由を断定できる公式資料は確認できません。
  • ガラス張りは高級ホテルに限られたものではなく、価格帯にかかわらず採用にはばらつきがあります。
  • プライバシー対策として、曇りガラスやブラインドを併用する客室もあります。
  • ガラス張りが気になる場合は、予約前に客室タイプの写真や説明を確認しておくと安心です。

参考資料

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