神奈川県相模原市緑区の津久井エリアで、1日1組限定の一棟貸し古民家宿「武相庵 津久井」が2026年8月1日に開業しました。古民家での滞在に、地域の食や周遊、サイクリングを組み合わせることで、日帰りだけでは触れにくい里山の日常へと来訪者をつなぐ拠点を目指す発表です。
観光庁(国土交通省)『令和8年版観光白書(概要版)』では、観光白書・観光動向を考える際に、地域資源を単体で見せるだけでなく、受入環境や周辺事業者との連携まで含めて磨き上げる視点が示されています。今回の発表も、施設の魅力を地域での過ごし方や移動導線と結びつけて伝える点で、宿泊事業者が滞在価値を組み立てる参考になります。

本記事のポイント
- 武相庵 津久井は、2名から6名まで利用できる1日1組限定の一棟貸し古民家宿として開業しました。
- 併設する食の場や県立津久井湖城山公園への近接性を生かし、地域をゆっくり巡る滞在の入口を設計しています。
- サイクリングと地域の食、宿泊をつなぐ導線は、周遊型観光の受入を考える宿泊事業者にも示唆を与えます。
発表内容の整理

株式会社キープ・ウィルダイニングは、長く津久井に佇む古民家を改修し、宿泊施設として再生しました。客室数を増やすのではなく、一組だけが滞在する一棟貸しとすることで、木の温もりや周辺の里山を落ち着いて味わえる時間を提供します。
施設は交流施設「つくい城の里」の中に位置し、カフェ、煮込みと定食の店、ドッグテラスと隣り合います。津久井在来大豆を使った味噌による料理を組み合わせた宿泊プランも用意され、地域の食に触れる機会を宿泊体験へ織り込んでいます。
出典:PR TIMES 津久井の里山に、1日1組限定の古民家宿「武相庵 津久井」がオープン
一組限定の滞在が生む里山との接点
少人数の一棟貸しは、宿泊を単なる休息の場で終わらせず、朝夕の景色や地域の空気を自分たちのペースで受け取れる滞在へ広げやすい業態です。武相庵 津久井では、古民家という建物の個性と1日1組という設計が重なり、津久井の暮らしに近づく時間をつくる魅力として映ります。
食を宿泊体験の入口にする工夫
併設する煮込み屋 炎家の料理や津久井在来大豆の味噌を使ったプランは、地域資源を滞在中の具体的な体験へ変換する試みです。宿泊の予約時から食事の選択肢を示すことで、来訪者が地域の背景に関心を持つきっかけになり、近隣の店や生産者へ回遊を広げる導線にもなります。
サイクリングの前後を受け止める宿泊拠点
旧小倉橋、津久井湖、宮ヶ瀬湖などを巡るサイクリングでは、走行そのものに加え、食事、休息、翌日の行程を含めた滞在設計が重要になります。国土交通省のGOOD CYCLE JAPANは、サイクルツーリズムを地域経済や観光地域づくりに寄与する取組として位置付けています。走った後に地域の食を楽しみ、古民家で休むという武相庵 津久井の提案は、その滞在時間を地域内に積み重ねる選択肢の一つとなります。
地域の事業者と連携する受入環境
観光庁(国土交通省)の「ATWS2023を契機としたアドベンチャーツーリズムの推進に向けたヒアリング・アンケート調査結果」は、自然・歴史・文化・産業をつなぐコンテンツづくりや、地域内の連携強化の必要性を示しています。つくい城の里に宿泊、飲食、カフェなどの機能が集まる構成は、個々の事業を並べるだけでなく、来訪者が地域を知る入口を共有する受入環境としても注目されます。
まとめ
武相庵 津久井の開業は、古民家を一棟貸しに再生し、食、自然、サイクリングを結んだ地域滞在の提案です。令和8年版観光白書(概要版)が掲げる地方誘客や持続可能な観光地域づくりの観点からも、宿泊施設が地域の店や景観、体験へつながる起点となることには意義があります。宿泊事業者にとっては、自館の滞在価値を地域の資源とどう結び、来訪者の行動へ落とし込むかを考える参考になります。

企業情報
施設概要
- 施設名:武相庵 津久井
- 施設所在地:神奈川県相模原市緑区根小屋143
- 開業日:2026年8月1日
- 定員:2名から6名
- チェックイン:15:00から
- チェックアウト:10:00まで
- 施設公式サイト:施設公式サイト
参考資料
- 国土交通省 GOOD CYCLE JAPAN『観光地域づくりについて(最新公表ページ)』: 観光地域づくりについて
- 観光庁(国土交通省)『令和8年版観光白書(概要版)(2026年7月10日)』: 令和8年版観光白書(概要版)
- 観光庁『宿泊旅行統計調査(2026年4月分)』: 宿泊旅行統計調査
- 観光庁(国土交通省)『ATWS2023を契機としたアドベンチャーツーリズムの推進に向けたヒアリング・アンケート調査結果(2024年3月)』: ATWS2023を契機としたアドベンチャーツーリズムの推進に向けたヒアリング・アンケート調査結果

