ベッドの足元に掛かった細長い布を、寝るときにどうすべきか迷ったことはないでしょうか。ホテルのベッドの足元に掛けられている帯状の布はベッドスローと呼ばれ、寝るときは外してかまいません。汚れ防止や装飾のために掛けられているもので、就寝時に必ず使わなければならない寝具ではありません。
ただし、外すことを明確にホテル側が案内しているわけではなく、たたんで足元やソファに置くか、そのままにするかは宿泊者の判断に委ねられています。呼び方もベッドランナーやフットスローなど複数あり、地域や販売元によって表記が異なります。
そこで本記事では、ベッドスローの名称と役割、複数ある説の確かさを分けて解説していきます。就寝時の扱いに迷った方は、ぜひご参考にしてください。
この記事でわかること
- ベッドスローを寝るときに外してよいのかどうか
- この布に複数の呼び名がある理由
- 用途として語られる説のうち、どこまでが確認できるのか
- 外した布の置き場所
ベッドスローとは何か
ベッドスローとは、ベッドカバーの足元部分に掛ける帯状の長い布のことです。多くの場合、白いシーツやカバーとは対照的な濃い色や厚手の生地が使われています。
旅館業法施行令第1条第1項は客室の構造設備の基準を8つの号で定めていますが、寝具の付属品に触れた号はありません。ベッドスローを置くかどうかは各施設の判断です。呼び名が統一されていないのも、業界で共通の規格が存在しないことの表れです。
呼び方は複数あり統一されていない
寝具専門店のシーツ.jpによれば、この布はベッドスロー、ベッドランナー、フットスローなど複数の名称で呼ばれています。相鉄ホテルズの公式コラムでもベッドスローもしくはベッドライナーという呼び方が紹介されており、資料によって表記の揺れがあることが分かります。本記事ではベッドスローという呼び方を軸に説明します。
由来は土足でベッドに横になる欧米の習慣にある
シーツ.jpの解説では、欧米の高級ホテルが起源とされ、宿泊客が靴のままベッドの上に横になった際、靴の汚れでベッドスプレッドや白いリネンが汚れないようにするための布として生まれたと説明されています。相鉄ホテルズの公式コラムも、欧米では靴を履いたまま寝室に入る文化があり、その対策として生まれたものだとしています。日本のように玄関で靴を脱ぐ生活習慣とは前提が異なる点が、この布の出発点になっています。
日本のホテルでの役割は装飾とベッドメイクの合図に変わっている
日本では玄関で靴を脱ぐ生活習慣が一般的なため、ベッドスロー本来の汚れ防止という役割はほとんど必要とされていません。そのかわり、寝室の見た目を整える役割が中心になっています。
白いベッドカバーを引き立てるコーディネート要素
相鉄ホテルズの公式コラムによれば、近年のビジネスホテルでは白い羽毛の上掛けを使うデュベスタイルのベッドカバーが人気で、濃い色のベッドスローを組み合わせることで白さが引き立ち、寝室のコーディネートに変化をつける効果があるとされています。実用性よりもデザイン要素として活用されている点が、欧米での本来の役割との違いです。
ベッドメイクが整った印としての意味もある
同じコラムでは、濃色のベッドスローを掛けることが客室の準備が整った印象を与える役割も担っているとされています。清掃スタッフにとっても、ベッドスローを掛け終えた状態がベッドメイクの仕上がりの目安になっている場合があります。
寝るときに外すのがマナーというのは正確か
ベッドスローは寝るときに外すのがマナーだと語られることがありますが、そのように義務づけたホテル側の公式ルールは確認できていません。実際には、外すかどうかを宿泊者の判断に任せている面が大きいと考えられます。
汚れ防止という本来の役割は日本ではほぼ不要
プロ仕様の寝具を扱う業者の解説では、日本人は素足でベッドに上がるのが一般的であるため、土足文化を前提にしたベッドスローの必要性がいまひとつ実感しにくいという指摘があります。汚れを防ぐという本来の機能面では、日本の宿泊者にとって外す理由も残す理由も薄いというのが実情に近いといえます。
外すべきという公式な案内は確認できていない
相鉄ホテルズの公式コラムにも、寝るときに必ず外してくださいという注意書きは見当たりません。装飾目的で使われている実情から、掛けたまま眠る人もいれば、たたんでから眠る人もいると考えられます。どちらか一方が正しいマナーだと断定できる根拠は、現時点の公開情報からは見つかっていません。
滞在中の扱い方
ベッドスローは寝具の一部として自由に扱ってよいものです。気になる場合の対処法を知っておくと、滞在中に迷わずにすみます。
就寝前にたたんで足元やソファに置く
寝苦しさが気になる場合や、単に見た目が気になる場合は、就寝前にたたんでベッドの足元、椅子、ソファなどに置いておくとよいでしょう。翌朝そのまま使う場合は、簡単に整えておくと部屋の印象が保てます。滞在中に何度か使い回す布ではないため、置き場所を毎晩同じにしておくと、荷物と混ざって紛れる心配がありません。
掛けたままでも問題はない
足元に掛けたまま眠っても衛生上の問題が生じるわけではありません。掛け布団の上からもう一枚の保温として使いたい場合は、そのまま利用してもかまいません。外すか使うかは好みで選べる範囲だと考えておくと気が楽です。荷物置きのバゲージラックと違って、ベッドスローは寝具としての柔らかさを持つ布なので、動かしたり畳んだりしても壊れる心配はありません。
まとめ
- ホテルのベッド足元にある布はベッドスローと呼ばれ、寝るときに外しても、そのままにしても問題ありません。
- 本来は欧米で靴のままベッドに横になる習慣から生まれた汚れ防止の布で、日本ではその役割がほとんど不要になっています。
- 日本のホテルでは、白いベッドカバーを引き立てるコーディネートやベッドメイク完了の印として使われることが多くなっています。
- 寝るときに外すことを義務づけた公式ルールは確認できておらず、たたんで置くか掛けたまま使うかは宿泊者の判断で選べます。
参考資料
- 相鉄ホテルズ公式サイト『ビジネスホテルのベッドに関する豆知識(2026年8月時点)』: ビジネスホテルのベッドに関する豆知識
- シーツ.jp『ベッドの上の足もとに掛けてある布ってなんですか? 作り方は?(2026年8月時点)』: ベッドの上の足もとに掛けてある布ってなんですか?
- 一流ホテルのベッド『ベッドスローとは? 何のための物?(2026年8月時点)』: ベッドスローとは? 何のための物?
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