大分県由布市で、全客室に温泉風呂を備える「seven x seven 由布院」が2027年4月の開業に向けて予約受付を始めました。由布岳を望む立地を生かし、客室・サーマルスパ・食の場を一日の滞在体験としてつなぐ計画です。温泉地での新規開業として、景観と館内回遊をどのように宿泊価値へ結び付けるかに注目が集まります。
観光庁(国土交通省)『令和8年版観光白書(概要版)』では、観光白書・観光動向を考える際に、地域資源を単体で見せるだけでなく、受入環境や周辺事業者との連携まで含めて磨き上げる視点が示されています。今回の発表も、施設の魅力を地域での過ごし方や移動導線と結びつけて伝える点で、宿泊事業者が滞在価値を組み立てる参考になります。

本記事のポイント
- seven x seven 由布院は2027年4月開業予定で、由布岳の麓に全39室を設けます。
- 全客室の温泉風呂に加え、景観と一体で過ごすサーマルスパを計画しています。
- 食・温浴・休息を館内で行き来する設計は、滞在時間を豊かにする運営のヒントになります。
発表内容の整理

今回の発表は、2027年4月の開業予定を示す事前開業段階の更新です。13,567㎡の敷地に、由布岳の眺望を取り込む全39室を計画し、予約受付も開始されました。
客室は6タイプで、最大8名のグループ利用にも対応します。最上位の「ザ・セブンペントハウス」と「ザ・セブンスイート」には、プライベートサウナや屋外プールを備える予定です。共有部では、温泉とフィンランド式サウナを組み合わせたサーマルスパを設け、食事や休息を含めて館内を回遊できる滞在を提案しています。
出典:PR TIMES 大分・由布院に、全客室温泉付きのホテル「seven x seven 由布院」が2027年4月に誕生
由布岳の景観を滞在価値へつなぐ設計
由布岳を望む立地では、眺望を客室だけの価値に閉じず、温浴や休息の時間にも連続させることが重要になります。本計画は大きな窓を通じて山の景観を館内に取り込み、「森林浴」をテーマに掲げています。自然との距離感を丁寧に設計することで、季節や時間帯による表情の変化も滞在の記憶になりやすく、連泊や再訪の動機づくりにもつながります。
全室温泉とサーマルスパがつくる選択肢
全客室に温泉風呂を備える構成は、プライバシーを重視する旅行者やグループに、利用時間を自分で組み立てられる安心感を届けます。そのうえで共有のサーマルスパを設けることで、客室内の静かな休息と、館内で過ごす開放的な温浴体験を選べる設計となっています。
観光庁(国土交通省)の「令和8年版観光白書(概要版)」は、宿泊業における人材確保と生産性向上を主要テーマの一つに掲げています。同白書では、国際観光旅客税が2026年7月1日に1,000円から3,000円へ引き上げられ、観光関係予算は令和7年度の490億円から令和8年度に1,300億円へ増額されたことが示されています。客室・スパ・飲食の案内や混雑状況の伝達を一貫させ、ゲストが自律的に動きやすい導線を整えることは、体験の質を保ちながら現場負荷を適切に配分する実務にもつながります。

食の時間を一日の体験として編む
館内では、メインダイニング、鮨カウンター、カフェ&バーを一つのフロアに配置し、朝食から夜のバーまで時間帯ごとに異なる食を提案します。温浴の前後に食事やドリンクを取り入れられる設計は、施設内での過ごし方を一律に決めず、旅行者ごとのペースを尊重する工夫として映ります。
観光庁(国土交通省)の「ATWS2023を契機としたアドベンチャーツーリズムの推進に向けたヒアリング・アンケート調査結果」では、自然・歴史・文化などの地域資源を有機的につなげ、地域での受入体制を磨く重要性が示されています。由布院では館内の食と温浴を地域での散策や自然観賞と競合させるのではなく、前後の時間を整える拠点として位置付けることで、滞在全体の選択肢を広げられます。
地域と連動する受入環境への示唆
観光庁は、コンテンツ造成や地域内での好循環づくりに取り組む50地域、ならびに受入環境整備に取り組む地域を支援しています。新しい宿泊施設が地域の魅力を伝える際には、交通、散策、体験事業者、飲食店との情報接続を分かりやすくすることが、旅行者の回遊と地域での消費機会を支えます。
seven x seven 由布院のように景観・温泉・食を明確な軸として示す計画は、地域の既存事業者にとっても、連携する体験や案内を考える際の共通言語になり得ます。開業までの期間には、季節ごとの楽しみ方やアクセス後の過ごし方を地域とともに具体化していくことが期待されます。
まとめ
seven x seven 由布院は、全室温泉、由布岳を望むサーマルスパ、時間帯で表情を変える食空間を組み合わせ、由布院での一日を館内外で豊かに過ごすための拠点を目指す計画です。景観を眺めるだけでなく、温浴・食・休息の各場面に自然との接点をつくる考え方は、温泉地の宿泊施設が滞在価値を磨くうえで参考になるでしょう。
企業情報
施設概要
- 名称:seven x seven 由布院(セブン バイ セブン 由布院)
- 開業:2027年4月
- 所在地:〒879-5102 大分県由布市湯布院町川上字平原298番1 外10筆
- アクセス:「大分空港」から車で約1時間/JR「由布院駅」から車で約10分
- 客室数:39室
- 客室価格:80,300円~( 1泊2名・素泊まり・税込)
- 事業主:FHG hotels株式会社
- 設計監理: 株式会社安井建築設計事務所
- サウナ・スパ設計: AVANTO Architects
- 飲食店運営:株式会社Human Qreate( 一石三鳥グループ)
- ホテル運営:霞ヶ関ホテルマネジメント株式会社
- ・予約サイト:https://x.gd/zD2GMw
- ・ティザーサイト:https://sevenxseven.com/yufuin/
会社概要
- 会社名:FHG hotels株式会社
- 業種:不動産業
- 本社所在地:東京都千代田区霞が関3-2-1 霞が関コモンゲート 西館 22階
- 代表者名:緒方秀和
- 上場:未上場
参考資料
- 観光庁(国土交通省)『令和8年版観光白書(概要版)(2026年7月1日以降)』: 令和8年版観光白書(概要版)
- 観光庁『持続可能な観光地域づくりのための体制整備等の推進(令和7年度まで)』: 持続可能な観光地域づくりのための体制整備等の推進
- 観光庁(国土交通省)『ATWS2023を契機としたアドベンチャーツーリズムの推進に向けたヒアリング・アンケート調査結果(2024年3月)』: ATWS2023を契機としたアドベンチャーツーリズムの推進に向けたヒアリング・アンケート調査結果

