ホテルの雑学

ホテルの客室に無料の水とルームサービスが用意されている目的とは

ホテルの客室に無料の水とルームサービスが用意されている目的とは
CoCoRo編集部

客室の水は無料なのに、ルームサービスはなぜ高いのだろうと思ったことはないでしょうか。ホテルの客室に無料の水が置かれているのは、到着してすぐに水分補給できるようにという配慮からだと説明されています。一方でルームサービスの価格が割高になりやすいのは、部屋まで料理を運ぶための人件費や備品費、24時間対応を維持する待機コストが料金に反映されているためです。

ただし、無料の水は日本の宿泊施設に共通する決まりではなく、追加でもらえるかどうかも施設ごとに対応が分かれます。冷蔵庫の飲み物も、有料のミニバーとして扱う施設と、ミネラルウォーターだけ無料にしている施設があり、一律に説明することはできません。

そこで本記事では、無料で提供されるものと有料になるものの線引きを、運営側の事情から解説していきます。滞在中の出費を抑えたい方は、ぜひご参考にしてください。

この記事でわかること

  • 無料の水が用意される理由と、それが法令上の義務にあたるのかどうか
  • ルームサービスの価格が割高になりやすい仕組み
  • ミニバーや冷蔵庫の扱いが施設ごとに違う理由
  • 無料と有料の境目を滞在前に確認する方法

無料の水が置かれる理由

客室の無料の水とは、チェックイン時に用意されているミネラルウォーターや麦茶などの飲料で、追加料金なしで宿泊者が飲めるものを指します。多くの場合、宿泊者への気配りとして提供されています。

厚生労働省が所管する旅館業法施行令第1条第1項は、第3号で換気や採光、第5号で洗面設備の基準を定めていますが、飲料水やルームサービスの提供までは義務づけていません。無料の水を置くかどうかも、ミニバーを有料にするかどうかも、各施設の運営判断です。

到着直後の水分補給への配慮という説明がある

ホテル評論を手がける小林千花氏はHint-Potの取材に対し、日本のホテルが無料の水を置く理由について、お客様がチェックイン後すぐに水分補給できるようにという配慮の表れであり、長旅の疲れをいやしてほしいという気持ちが込められていると説明しています。あくまで一人の専門家の見解であり、ホテル各社が統一した方針を公表しているわけではない点には注意が必要です。

海外では無料でないことが多い

同じ取材によれば、客室に水を無料で置く習慣は海外では珍しく、欧米では歯ブラシなどのアメニティと同じように、水も無料で用意されていないことがほとんどだとされています。日本のホテルで見慣れている無料の水は、海外のホテルでは当然のサービスではないことを知っておくと、渡航時の思い違いを防げます。

ルームサービスが割高になりやすい理由

ルームサービスとは、注文した料理や飲み物を客室まで届けるサービスのことで、レストランで同じ料理を頼むより価格が高く設定されているのが一般的です。価格には、運搬にかかる人件費や設備費、待機のための経費がまとめて反映されています。

人件費と備品費が料金に含まれる

宿泊業界向けメディアのおもてなしワークの解説では、料理を温かいまま、あるいは冷たいまま届けるために専任のスタッフが必要になることに加え、保温ワゴンや客室で組み立てるテーブル、料理に被せるクローシュといった専用の備品費もルームサービスの料金に含まれているとされています。

24時間対応の待機コストも料金に反映される

同じ解説では、24時間ルームサービスを提供するホテルは、注文がいつ入っても対応できるようキッチンと人員を常に整えておく必要があり、注文を待っている間にも経費が発生していると説明されています。あわせて、サービス料として料理代金の10から15パーセント程度が加算されるのが一般的だとされています。ルームサービスが高いのは、単なる利便性への上乗せではなく、体制を維持するための費用が含まれているためだと理解できます。

無料の水とミニバーは施設によって扱いが違う

無料の水があるからといって、冷蔵庫の中身がすべて無料というわけではありません。ミニバーの運用や無料水の提供方法は、施設ごとに方針が分かれています。

追加提供は施設によって対応が分かれる

ホテル運営に詳しい小林氏の説明によれば、備え付けの水を飲み切ったあとに追加でもらえることもありますが、すべてのホテルで対応しているわけではなく、最初に提供された本数のみ無料というルールが標準的だとされています。追加が欲しい場合は、まずフロントに確認するのが確実です。

ミニバーは有料が基本だが無料の範囲が施設で違う

おもてなしワークの解説では、高級ホテルはアルコール類や清涼飲料水を一般的な店舗より高めの価格で用意していることが多い一方、ビジネスホテルではミネラルウォーターだけ無償提供し、その他の飲料は有料にしているケースが多いとされています。冷蔵庫が空に見えても、それは飲食物の持ち込みを自由にしている施設である可能性もあり、空だから何もないと決めつけることはできません。自動精算システムを採用する施設では、飲み物を動かしただけで課金される場合があるため、迷ったら口をつける前にフロントへ確認してください。

ペットボトルからウォーターサーバーへ切り替える施設もある

ザ・パーク・フロント・・アット・ユニバーサル・スタジオ・ジャパンの公式発表によれば、同ホテルは2022年10月上旬からSDGsの取り組みの一環としてプラスチック使用量の削減を目的に、客室のペットボトル提供を、各フロアに設置したウォーターサーバーと客室備え付けのカラフェを使う方式へ順次切り替えました。無料の水がペットボトルで置かれているとは限らず、環境対応のために提供方法そのものを変える施設も出てきています。

宿泊時に確認しておきたいポイント

無料の水やミニバーの扱いで迷ったときは、口をつける前に確認する習慣をつけておくと安心です。

冷蔵庫の飲み物は最初にラベルや案内を確認する

冷蔵庫の中や客室内の案内カードに、無料と有料の区別が記載されていることが多くあります。案内が見当たらない場合は、フロントに電話で確認すれば誤って課金される心配がありません。

ルームサービスを使う場合はメニュー表でサービス料を確認する

ルームサービスのメニュー表には、料理代金にサービス料が加算されるかどうかが記載されています。注文前に合計金額のイメージをつかんでおくと、会計時に驚くことが少なくなります。

まとめ

  • 客室の無料の水は、到着後すぐに水分補給できるようにという配慮から用意されているとされ、海外では珍しいサービスです。
  • ルームサービスが高いのは、人件費や備品費、24時間対応の待機コストが料金に含まれているためです。
  • 水の追加提供やミニバーの有料範囲は施設ごとに違い、最初に提供された分だけが無料というルールが一般的です。
  • SDGsの取り組みとしてペットボトルからウォーターサーバーへ切り替える施設もあり、提供方法は一様ではありません。

参考資料

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