海外で「Japanese curry」といえば、カツカレーや、白いご飯にとろみのあるルーをかけた料理を思い浮かべる人が多いでしょう。
もちろん、それも日本のカレーです。しかし、日本でカレーと呼ばれているものは一つではありません。
家庭のルーカレー、ホテルで食べる欧風カレー、そば屋のカレー南蛮、札幌のスープカレー、大阪のスパイスカレー。カレー粉は唐揚げや炒め物の風味付けにも使われ、レトルトカレーは一人の昼食から旅行、キャンプ、保存食まで食べる場面を広げました。
さらに家庭のカレーだけを見ても、東日本では豚肉、西日本では牛肉が選ばれやすいなど、地域差があります。同じ市販ルーを使っても、肉、野菜、辛さ、隠し味、付け合わせは家庭ごとに異なります。
日本のカレーがこれほど多様になったのは、日本人が外国から来た料理をそのまま保存したからではありません。自分たちの米、だし、麺、家庭生活、地域の名物に合わせ、何度も作り替えてきたからです。
この記事では、世界のカレーとの違い、日本で生まれた種類、家庭の地域差、ご当地カレー、レトルトカレーの歴史までを一つの流れで紹介します。
日本のカレーとは?インドからイギリスを経て生まれた家庭料理
カレーの原点はインドにあります。しかし、現在の日本式カレーへ直接つながったのは、インド料理をイギリス人が自国の食生活へ取り入れ、小麦粉でとろみを付けたカレー料理でした。
日本には明治時代初期に西洋料理として伝わります。1872年(明治5年)に刊行された『西洋料理指南』と『西洋料理通』には、すでにカレーの作り方が掲載されていました。
日本海軍も、肉や野菜をまとめて調理でき、ご飯と一緒に食べやすい料理としてカレーを採用しました。1908年(明治41年)の『海軍割烹術参考書』には「カレイライス」の作り方が記録されています。
この経緯は、農林水産省「脚気撲滅への挑戦」でも紹介されています。
ただし、海軍だけが日本へカレーを広めたわけではありません。西洋料理店、軍隊、学校、食品メーカー、家庭の台所が、それぞれの時代にカレーを身近な料理へ変えていきました。
とろみのあるルーと日本米が日本式カレーを作った
日本式カレーの大きな特徴は、小麦粉や油脂を使ったルーによるとろみです。水分の多いソースが日本の粘り気のある米によく絡み、スプーン一つで食べられます。
じゃがいも、玉ねぎ、にんじん、肉を一つの鍋で煮込み、大量に作れることも家庭料理に向いていました。翌日に温め直して食べられ、具材も冷蔵庫の中身や家族の好みに合わせられます。
「子どもも一緒に食べられる」が家庭のカレーを変えた
かつてカレーは、辛い大人の食べ物という印象もありました。そこへ1963年(昭和38年)、ハウス食品が「子供と一緒においしく食べられるカレー」を掲げ、バーモントカレーを発売します。
甘口・中辛・辛口を選び、家族の好みに合わせられる市販ルーは、日本のカレーを子どもの頃から親しむ味に変えました。学校給食、家庭の夕食、キャンプや林間学校でも食べることで、カレーは単なる人気料理ではなく、多くの日本人が共通の記憶を持つ料理になったのです。
インドカレー・タイカレー・日本のカレーは何が違う?
「カレー」は一つの決まった料理名ではありません。インドだけを見ても、地域、宗教、家庭によって使う香辛料や食材、主食が異なります。
日本でよく知られている世界のカレーを並べると、日本式カレーの特徴が見えやすくなります。
| カレーの種類 | 味と作り方の特徴 | 主な食べ方 | 日本式カレーとの違い |
|---|---|---|---|
| インドカレー | 香辛料、豆、野菜、肉などを組み合わせる。地域差が非常に大きい | 米、ロティ、チャパティ、ナンなど | 市販の固形ルーを使う一皿料理とは限らない |
| ネパールのカレー | ダル、タルカリ、漬物などを組み合わせる | 米やロティと複数の料理を食べる | カレー単品より、定食全体の組み合わせを味わう |
| タイカレー | カレーペースト、ココナッツミルク、ハーブを使うことが多い | ジャスミンライスなど | とろみのあるルーより汁気が多く、香草の香りが強い |
| スリランカカレー | 複数のカレーや副菜を混ぜながら食べる | 米と組み合わせる | 一種類のルーではなく、味の違う料理を皿の上で完成させる |
| イギリスのカレー | カレー粉を使った煮込み料理として発達 | 米など | インド料理をイギリス式に整理し、日本へ伝わる経路になった |
| 日本式カレー | 小麦粉と油脂を使うルー、肉、玉ねぎ、にんじん、じゃがいもが代表的 | 日本米にかける | とろみが強く、家庭で大鍋調理しやすい |
| 欧風カレー | ブイヨン、バター、ワインなどでコクを深める | 日本米にかける | 名前は「欧風」だが、日本の洋食店が発達させた日本独自のスタイル |
つまり、日本式カレーはインドカレーを簡略化しただけの料理ではありません。インドからイギリス、日本へと渡る途中で、調理法も食べ方も変化した料理です。
日本で食べられるカレーにはどんな種類がある?
日本人は、カレーを一つの完成した料理として受け入れるだけではなく、欲しいおいしさや食べる場面に合わせて形を変えてきました。
| 日本で親しまれるカレー | 普通のカレーライスから何が変わった? | 求められた楽しみ方 |
|---|---|---|
| 家庭のルーカレー | 市販ルーと身近な肉・野菜で作る | 家族全員で食べやすく、失敗しにくい |
| 欧風カレー | ブイヨン、バター、ワインなどでコクを加える | 洋食店らしい深みや特別感を味わう |
| カツカレー | とんかつをのせる | 一皿で満腹になる |
| カレー南蛮・カレーうどん | 和風だしと麺を組み合わせる | そば屋やうどん店の味として楽しむ |
| スープカレー | ルーをスープ状にし、大きな具材を入れる | 香辛料、スープ、野菜をそれぞれ味わう |
| スパイスカレー | 香辛料、だし、副菜、複数のカレーなどを自由に構成する | 香りや混ぜ方の変化を楽しむ |
| ご当地カレー | 地域の歴史、名物、盛り付けを取り入れる | カレーを通して土地を知る |
| レトルトカレー | 一人前を常温保存し、温めるだけにした | 一人でも、時間がなくても同じ味を食べる |
カレー南蛮は、この変化を象徴する料理です。西洋から来たカレー粉を、そば屋がかつお節などのだしと合わせました。カレーの香りと日本の旨味が一つのつゆに入っています。日本料理の味を支えるだしについては、出汁とは何か|読み方・意味・種類と日本の旨味文化を解説で詳しく紹介しています。
また、カレーラーメンやカレー炒飯のように、中華料理店の柔軟なメニューにもカレー味は入り込みました。こうした日本独自の中華食堂については、町中華とは?戦後の日本が育てた中華食堂文化と海外の反応もご覧ください。
カレー味はなぜ、どんな料理にもなじむのか
日本でカレーが増え続けた理由は、カレーライスそのものがおいしいからだけではありません。カレー粉が、ほかの料理を変化させる「味の部品」として使えるからです。
カレー粉は一つの香辛料ではない
カレー粉は、ターメリック、クミン、コリアンダーなど、複数の香辛料を組み合わせたものです。配合によって、色、香り、辛さ、ほろ苦さを変えられます。
たくさん入れれば料理全体がカレー味になります。しかし、少量なら料理の形を残したまま、香りや奥行きを加えられます。
肉や魚の臭みを抑えながら、食欲を誘う香りを加える
香辛料は、肉や魚の気になるにおいを和らげるためにも使われます。そのため、カレー粉はサバなどの魚料理、鶏肉の下味、炒め物、スープとも相性がよいのです。
日本では、カレーうどん、カレーパン、カレーコロッケ、カレー鍋、カレーラーメン、カレーせんべいなど、「カレーではなかった料理」にまでカレー味が広がりました。
カレーは完成された一皿であると同時に、既存の料理へ少し加えるだけで、新しい食欲を生む味でもあります。この二つの顔が、日本の食卓へ深く入り込めた理由でしょう。
日本のカレーはなぜ地域で違うのか
地域差は、ご当地カレーだけにあるものではありません。普段の家庭で作るカレーにも違いがあります。
ハウス食品が2020年に、夕食でルーカレーを利用した全国の18~69歳の既婚女性7,663人を対象として実施した「日本全国カレー白書」では、具材やトッピング、辛さの好みに地域差が確認されました。
東日本の豚肉、西日本の牛肉
家庭のカレーに入れる肉は、東日本では豚肉、西日本では牛肉が選ばれやすい傾向があります。
「カレーの肉」と言われたとき、関東の人が豚肉を、関西の人が牛肉を思い浮かべても、どちらも本人にとっては普通の家庭のカレーです。鶏肉や魚介を使う家庭もあり、全国共通の正解はありません。
付け合わせや隠し味にも家庭の文化が出る
福神漬、らっきょう、生卵、ゆで卵、チーズ、紅生姜。ウスターソース、醤油、チョコレート、コーヒー、りんごを隠し味にする家庭もあります。
市販ルーは全国へ共通の作り方を広めましたが、家庭の味を一つにはしませんでした。むしろ同じルーを土台にして、地域や家族の好みを加えられるようにしたのです。
日本各地のご当地カレー|地域で育ったカレーを比較
ご当地カレーには、地域の食材を入れたものだけでなく、歴史を再現したもの、盛り付けで風景を表現したもの、別の郷土料理と組み合わせたものがあります。
代表例を「普通のカレーから何が変わったか」で比べると、地域ごとの発想が見えてきます。
| 地域 | 名称 | 普通のカレーから何が変わった? | 成立の背景 | タイプ |
|---|---|---|---|---|
| 北海道札幌市 | スープカレー | 汁気のあるスープと大きな具材を味わう | 1970年代の薬膳カリィを源流に、1990年代に名称と店が広がった | 調理法の変化 |
| 北海道苫小牧市 | カレーラーメン | ラーメンスープとカレーを組み合わせた | 1965年(昭和40年)頃から地域で親しまれた | 麺料理との融合 |
| 茨城県土浦市 | 土浦カレー | れんこんなど地元食材や、店ごとの創作を取り入れる | 日本海軍航空隊と地域資源を観光へ結び付けた | 歴史・地域食材型 |
| 神奈川県横須賀市 | よこすか海軍カレー | 明治期の海軍レシピを地域の料理として再構成する | 1999年(平成11年)から「カレーの街」を掲げて展開 | 歴史再現型 |
| 長野県大町市 | 黒部ダムカレー | ご飯を堰堤、ルーをダム湖に見立てる | 昭和40年代の「アーチカレー」をもとに2009年(平成21年)から地域展開 | 景観・盛り付け型 |
| 石川県金沢市 | 金沢カレー | 濃厚なルー、カツ、千切りキャベツ、ステンレス皿 | 昭和期の洋食店文化から定着 | 地域の提供形式 |
| 愛知県豊橋市 | 豊橋カレーうどん | 丼の底にご飯、とろろ、その上にカレーうどんを重ねる | 地元の自家製麺とうずら卵をPRするため2010年(平成22年)に誕生 | 二層料理・地域振興型 |
| 広島県呉市 | 呉海自カレー | 海上自衛隊の艦艇ごとの味を市内の店が再現する | 艦艇と飲食店が連携して地域の観光へ展開 | 組織連携型 |
| 大阪府大阪市 | 大阪スパイスカレー | 香辛料、だし、副菜、複数のカレーを自由に組み合わせる | 間借り営業や個人店から独自のスタイルが発達 | 都市の創作型 |
| 福岡県北九州市 | 門司港焼きカレー | カレーに卵やチーズをのせ、オーブンで焼く | 港町の喫茶店・洋食文化から名物になった | 調理法の変化 |
この表から分かるのは、ご当地カレーが「地元の名産品をルーへ入れた料理」だけではないことです。
黒部ダムカレーは風景を皿の上に作り、横須賀や呉は海軍・海上自衛隊の物語を料理にし、豊橋は一杯の丼でうどんとご飯を二度楽しめるようにしました。カレーは決まった型が緩いため、地域の歴史やアイデアを受け止めやすいのです。
特産品型のご当地レトルトカレーも全国にある
青森のりんご、宮城の牛たん、広島の牡蠣、鹿児島の黒豚、沖縄のアグー豚など、地域の特産品を使ったレトルトカレーも数多く作られています。
これらは、地域で昔から食べ続けられてきた調理様式とは限りません。しかし、常温で持ち帰りやすく、地元の食材を全国へ届けられるため、観光土産や地域PRとの相性に優れています。
ご当地カレーには、地域の食文化として定着したものと、地域の食材を伝える商品として開発されたものがある。この二つを分けて見ると、種類の多さに振り回されず、そのカレーが何を伝えようとしているかが分かります。
レトルトカレーは日本人の生活をどう変えた?
レトルトカレーは、家庭で作ったカレーを保存しやすくしただけの商品ではありません。一人前を、失敗せず、食べたいときに温められる食事を作りました。
1968年(昭和43年)、大塚食品は世界初の市販用レトルト食品「ボンカレー」を発売しました。開発の出発点には、アメリカ軍の携帯食に使われていたレトルト技術がありました。
鍋で何人分も作ることが多かったカレーが、一人でも食べられるようになります。その後、辛さ、具材、価格帯、専門店の味、ご当地商品など選択肢が増え、レトルトカレーは「時間がないときの代用品」から「食べたい味を選ぶ食品」へ変化しました。
| 年 | 出来事 | 日本の食生活に起きた変化 |
|---|---|---|
| 1963年(昭和38年) | バーモントカレー発売 | 子どもと大人が同じ食卓で食べやすいカレーが広がる |
| 1968年(昭和43年) | ボンカレーが阪神地区で発売 | 一人前を温めるだけで食べられる市販用レトルト食品が誕生 |
| 1969年(昭和44年) | ボンカレーが全国販売へ | レトルトカレーが全国の家庭へ広がる |
| 1971年(昭和46年) | ククレカレー発売 | 複数メーカーが参入し、味やブランドを選ぶ市場になる |
| 1978年(昭和53年) | ボンカレーゴールド発売 | レトルトカレーの具材や品質が進化する |
| 2003年(平成15年) | 箱ごと電子レンジで温められるボンカレー発売 | 鍋や湯を使わず、さらに手軽に食べられるようになる |
| 現代 | 専門店監修・ご当地・高価格帯の商品が増える | 保存食から、食べ比べて楽しむ食品へ広がる |
レトルトカレーは、家庭の鍋からカレーを奪ったのではありません。家庭で作るカレーとは別に、一人の昼食、残業後の夕食、旅行、保存食、土産という新しい居場所を増やしたのです。
なぜ日本ではキャンプでカレーを作るのか
日本では、キャンプや林間学校の料理としてもカレーが定番です。
肉と野菜を切り、大きな鍋で煮込み、ルーを溶かす。多少具材の大きさが不揃いでも料理として成立し、人数が増えてもまとめて作れます。子どもたちが、火を起こす係、材料を切る係、ご飯を炊く係に分かれて参加しやすいことも理由です。
野外で食べるカレーのおいしさには、香辛料の香りや空腹だけでなく、自分たちで作った達成感も加わります。日本人にとってカレーは家庭の味であると同時に、子どもの頃に友人と作った味でもあるのです。
日本人と野外体験の関係については、日本人はなぜキャンプをするのか|歴史・人気の理由・海外の反応でも紹介しています。
日本のカレーの歴史|明治から家庭の国民食になるまで
日本のカレーの歴史を一つにつなぐと、店の料理が家庭へ入り、さらに一人の食事、地域の名物、創作料理へ広がった過程が分かります。
| 年代 | 出来事 | カレーに起きた変化 |
|---|---|---|
| 1872年(明治5年) | 『西洋料理指南』『西洋料理通』にカレーの調理法が掲載 | 日本語で確認できる初期のカレーレシピが登場 |
| 1908年(明治41年) | 『海軍割烹術参考書』に「カレイライス」を掲載 | 大人数へ提供しやすい料理として軍で使われる |
| 明治末~大正期 | カレー南蛮・カレーうどんが広がる | 西洋のカレー粉が日本のだしや麺と結び付く |
| 1923年(大正12年) | 国産カレー粉「赤缶カレー粉」の前身が製造される | 日本国内で香辛料を調合する技術が発達 |
| 1950年代 | 固形カレールーが普及し始める | 家庭でとろみのあるカレーを作りやすくなる |
| 1963年(昭和38年) | バーモントカレー発売 | 子どもも含め、家族で食べるカレーが定着 |
| 1968年(昭和43年) | ボンカレー発売 | 一人前のレトルトカレーが誕生 |
| 1970年代 | 札幌でスープカレーの源流となる料理が登場 | 地域独自の調理法が育つ |
| 1990年代 | 札幌スープカレー、大阪の創作的なカレーなどが注目される | 家庭料理から都市の専門店文化へ多様化 |
| 2000年代以降 | ご当地カレー、専門店監修レトルト、スパイスカレーが増加 | 地域、店、個人の発想で新しい種類が生まれ続ける |
カレーは和食?洋食?それとも日本食?
料理の来歴で分類すれば、日本式カレーは洋食です。インドに起源を持ち、イギリスを経て日本へ伝わりました。
しかし、現在の日本式カレーを、単なる外国料理とも言い切れません。
日本米に合うとろみを作り、そばのだしと合わせ、とんかつをのせ、学校給食やキャンプで子どもたちが食べ、家庭ごとの味を作り、地域の名物にまで育ててきました。
同じように、中国に起源を持つ餃子も、日本では水餃子より焼き餃子が主流になり、白米と一緒に食べる日常食へ変化しています。餃子は和食?焼き餃子が日本の日常食になった理由と比べると、日本が外来料理をどのように自分たちの食生活へ取り込むのかがよく分かります。
CoCoRoでは、和食を伝統的な一汁三菜だけに限定せず、「日本人が愛し、育て、継承してきた料理」と捉えています。その意味では、日本式カレーも広い意味の和食です。
和食と日本食の境界については、和食とは何か|定義・特徴・歴史で読み解く日本食の本質で詳しく考察しています。
海外では日本式カレーをどう見ている?
海外で日本式カレーを知った人がまず驚くのは、インドやタイのカレーとの違いです。
辛さや香辛料の刺激を前面に出すというより、とろみ、甘み、旨味があり、ご飯と一緒に一皿で食べやすい。カツ、チーズ、卵などのトッピングも選びやすく、初めてでも料理の姿を理解しやすいのが日本式カレーです。
一方、日本を旅行して初めて、ご当地カレーや家庭風カレー、カレーうどんの存在まで知る人もいます。「Japanese curry」は一種類の商品ではなく、日本の中でも増殖を続けている料理文化なのです。
まとめ|日本のカレーは、どんな料理や生活にも入っていける
日本のカレーが一つではないのは、47都道府県に違う商品があるからだけではありません。
インド料理がイギリスを経て日本へ伝わり、日本米に合うとろみのある料理になりました。市販ルーは家族で食べる味を作り、カレー粉はだし、麺、パン、揚げ物、魚料理へ入りました。レトルト技術は一人で食べる場面を作り、ご当地カレーは地域の歴史や風景まで皿の上に表現しています。
家庭では、同じルーから違う味が生まれます。キャンプでは、料理そのものが仲間と作る思い出になります。
カレーは、どんな料理にも、どんな地域にも、どんな生活場面にも入り込める。その柔軟さこそ、日本人が150年以上にわたってカレーを愛し、作り替え続けてきた理由なのでしょう。
日本のカレーについてよくある質問
日本のカレーにはどんな種類がありますか?
家庭のルーカレー、欧風カレー、カツカレー、カレー南蛮、カレーうどん、スープカレー、スパイスカレー、ご当地カレー、レトルトカレーなどがあります。料理の形だけでなく、家庭や地域によって肉、辛さ、付け合わせも異なります。
日本のカレーはなぜとろみがあるのですか?
イギリス式のカレー料理を経て日本へ伝わり、小麦粉と油脂を使うルーが定着したためです。とろみのあるソースは、日本の粘り気のある米にもよく絡みます。
日本のカレーは地域によって肉が違いますか?
家庭のカレーでは、東日本で豚肉、西日本で牛肉が選ばれやすい傾向があります。ただし、鶏肉や魚介を使う家庭もあり、地域内でも家庭によって異なります。
欧風カレーはヨーロッパの伝統料理ですか?
欧風カレーは、ブイヨン、バター、ワインなど洋食の技法を取り入れ、日本の洋食店が発達させたスタイルです。「ヨーロッパ各国で昔から食べられてきた共通料理」という意味ではありません。
カレーは和食ですか?洋食ですか?
来歴や料理ジャンルでは洋食です。一方、日本人が長く愛し、日本の米、だし、麺、家庭生活、地域文化に合わせて育ててきた料理という意味では、広い意味の和食・日本食とも考えられます。
